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チュリップが案内をしてくれたおかげで、王都には楽しいことがたくさんあることを知れました。
かわいくて綺麗な洋服がたくさん売っている服屋さん。
おいしいお菓子と紅茶が飲めて、ゆっくりできるカフェ。
見ているだけでも楽しめる王都の情景。
こんなに楽しめたのは初めてでした。
「すっごく楽しかった。ありがとう!」
「良かったです。ヴィレーナ様の笑顔が見れて私も満足です。さぁ、そろそろ日も暮れますから帰りましょうか」
こんなにも楽しめる王都が国家破綻で崩壊寸前だなんて思いたくありません。
馬車の中で、聖なる力の解放で力になれるのなら、いつまでも協力したい。
そんな気持ちになっていましたところ、馬車の外でガヤガヤと大騒ぎになっています。
カーテンをめくり外を見ると、煌びやかな馬車が一台横転しています。
前後の馬車は無事のようですが、騎士のような人たちが横転している馬車を起こそうと必死になっています。
「事故?」
「はっ!! あの馬車は……!!」
チュリップが大慌てで馬車から飛び出ていきました。
私もすぐにチュリップに続きます。
「陛下!! 陛下!!」
騎士らしき人達がようやく中にいた人を救出したようですが、まともに見ることができませんでした。
あまりにも怪我がひどく、意識もないようです。
「くそ、早くロレレ魔導士の元へ運べ!」
「無理です。もう陛下の息が……」
「く、だ、誰か! 回復魔法を使える者はいないのかぁぁぁああああ!?」
騎士の震えるような声で叫んでいます。
もう時間もなく命が危険だということはすぐにわかりました。
チュリップが私の顔を見てくる前に、倒れている陛下のもとへさらに近づきます。
チュリップもすぐについてきてきたため、騎士たちが私に向ける疑惑の目もさほどありません。
「チュリップ殿。この者は?」
「話はあとです。ヴィレーナ様……、お願いします」
私は陛下の首元に手を充て、魔力を流す意識をします。
さっきの各属性の魔法訓練のおかげで、自分に流れている魔力がよりわかりやすくなっていました。
聖なる力を流す感覚と同じようで、魔力とはこれのことだったのかと、すぐに理解できたのです。
『傷をいやしたまえ、メガヒール』
「メ、メガヒールだと!? ロレレ魔導士ですら詠唱するのに苦労していると言われている上級魔法を!?」
騎士が驚きながら私に向かってそう言ってきますが、今は魔法に集中させてください。
チュリップにかけたギガヒールよりも下の魔法ですが、この魔法でも充分に治癒できることを本で学習しました。
ギガヒールを使って跪かれでもしたらたまったものではありませんし。
金色の光が手から流れ、陛下の身体を覆っていきます。
しばらくすると、陛下のまぶたが動き、目を開いてくれました。
「「「「「陛下!!」」」」」
騎士たちが一斉に心配しながら陛下のそばで声をかけます。
「た……たしか私は襲撃され胸を……。はて、なんともない!?」
「さすがですヴィレーナ様」
チュリップの発言を陛下も聞いていたようで、私に視線を向けられます。
「き、キミはブブルル王国のヴィレーナではないか。私の命を救ってくれたのか!?」
「意識が戻られて良かったです。数日前からメビルス王国の王宮にてお世話になっております」
「はて……?」
陛下はなにがなんだかわからないと言った表情を浮かべています。
しかし、ここでは人目につきますし、早いところ王宮へ戻ったほうが良いような気もしますね。
襲撃と言っていましたから。
かわいくて綺麗な洋服がたくさん売っている服屋さん。
おいしいお菓子と紅茶が飲めて、ゆっくりできるカフェ。
見ているだけでも楽しめる王都の情景。
こんなに楽しめたのは初めてでした。
「すっごく楽しかった。ありがとう!」
「良かったです。ヴィレーナ様の笑顔が見れて私も満足です。さぁ、そろそろ日も暮れますから帰りましょうか」
こんなにも楽しめる王都が国家破綻で崩壊寸前だなんて思いたくありません。
馬車の中で、聖なる力の解放で力になれるのなら、いつまでも協力したい。
そんな気持ちになっていましたところ、馬車の外でガヤガヤと大騒ぎになっています。
カーテンをめくり外を見ると、煌びやかな馬車が一台横転しています。
前後の馬車は無事のようですが、騎士のような人たちが横転している馬車を起こそうと必死になっています。
「事故?」
「はっ!! あの馬車は……!!」
チュリップが大慌てで馬車から飛び出ていきました。
私もすぐにチュリップに続きます。
「陛下!! 陛下!!」
騎士らしき人達がようやく中にいた人を救出したようですが、まともに見ることができませんでした。
あまりにも怪我がひどく、意識もないようです。
「くそ、早くロレレ魔導士の元へ運べ!」
「無理です。もう陛下の息が……」
「く、だ、誰か! 回復魔法を使える者はいないのかぁぁぁああああ!?」
騎士の震えるような声で叫んでいます。
もう時間もなく命が危険だということはすぐにわかりました。
チュリップが私の顔を見てくる前に、倒れている陛下のもとへさらに近づきます。
チュリップもすぐについてきてきたため、騎士たちが私に向ける疑惑の目もさほどありません。
「チュリップ殿。この者は?」
「話はあとです。ヴィレーナ様……、お願いします」
私は陛下の首元に手を充て、魔力を流す意識をします。
さっきの各属性の魔法訓練のおかげで、自分に流れている魔力がよりわかりやすくなっていました。
聖なる力を流す感覚と同じようで、魔力とはこれのことだったのかと、すぐに理解できたのです。
『傷をいやしたまえ、メガヒール』
「メ、メガヒールだと!? ロレレ魔導士ですら詠唱するのに苦労していると言われている上級魔法を!?」
騎士が驚きながら私に向かってそう言ってきますが、今は魔法に集中させてください。
チュリップにかけたギガヒールよりも下の魔法ですが、この魔法でも充分に治癒できることを本で学習しました。
ギガヒールを使って跪かれでもしたらたまったものではありませんし。
金色の光が手から流れ、陛下の身体を覆っていきます。
しばらくすると、陛下のまぶたが動き、目を開いてくれました。
「「「「「陛下!!」」」」」
騎士たちが一斉に心配しながら陛下のそばで声をかけます。
「た……たしか私は襲撃され胸を……。はて、なんともない!?」
「さすがですヴィレーナ様」
チュリップの発言を陛下も聞いていたようで、私に視線を向けられます。
「き、キミはブブルル王国のヴィレーナではないか。私の命を救ってくれたのか!?」
「意識が戻られて良かったです。数日前からメビルス王国の王宮にてお世話になっております」
「はて……?」
陛下はなにがなんだかわからないと言った表情を浮かべています。
しかし、ここでは人目につきますし、早いところ王宮へ戻ったほうが良いような気もしますね。
襲撃と言っていましたから。
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