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謁見が終わり、今度はキーファウス殿下に呼ばれて彼の部屋へ。
もちろん二人きりというわけではなく、カイン騎士団長とチュリップも一緒です。
キーファウスの、『頼れる仲間』を集めて、試練突破のための緊急会議が始まりました。
「あの、そもそも私がなぜここにいるのか……」
私は真っ先に手を上げて問います。
すると、みんなが一斉にゲラゲラと笑いはじめました。
「どう考えてもキーファウス殿下との付き合いが長い俺たちよりも頼れると思うが」
「そんなこと言ったら私なんてカインのおまけのようなものですからね」
「まぁ待て。私はここにいる三人全員を頼りにしている。むろん、ヴィレーナ殿もだ」
聖女の力としては頼りにされるというよりも、むしろ結界を作るのが当たりまえのことだと思います。
メビルス王国で生活するうえで、聖なる力の結界は私自身を守るためでもありますから。
「ひとまず父上からの試練は予想していたとおりの内容だった。そこで、ここにいる三人に協力をお願いしたいと思っている」
「俺はキーファウス殿下にどこまでもついていくつもりだから問題ありません」
「私も同じくです」
「結界以外のことでなにか力になれるのでしたら協力します」
キーファウス殿下は、試練を達成して国王になるということに対して張り切っているようなので、応援はします。
彼だけでなく、この国には返し切れないほどの恩がありますし、試練がそもそも国の赤字財政を立て直すことなので、できることがあれば協力したいのです。
私がこの国で生きていくためにも……。
「まずはカインの騎士団を主に王都内部での警備に回してもらいたい。治安を良くするためには警備態勢を強化する必要がある」
「お待ちください。仰ることはわかるのですが、モンスター対策班を回すといざというときに困るかと。それこそ守るための王都に甚大な被害をもたらしてしまうことも」
「その点は大丈夫だ。ヴィレーナ殿の聖なる力を毎朝使ってもらうことになった」
「「は!?」」
カイン騎士団長とチュリップが口を大きく開きながら私を信じられないといった目つきで見てきます。
なぜそのような顔をするのかはわかりませんが、私はハッキリと問題ないと宣言しました。
「実はここ数日、毎日聖なる力を使って結界を作っています。でも体力的にも以前と比べて平気なので継続できるかと」
「どうりで王都近辺でモンスターが生まれなくなったわけだ……」
「ヴィレーナ様ったらいつの間にそのようなことを……。常に付き添っているのに気がつきませんでした」
「うん。本当にすぐに終わっちゃう作業だからね」
安心してもらおうと言ったつもりでしたが、なぜか二人とも深くため息をはくのです。
あれ? 私なにかマズいことでも言ってしまったのでしょうか。
「「俺(私)たちも頑張らないとな(ね)」」
二人の覚悟を決めたかのような発言を聞き、キーファウス殿下はクスクスと笑いながら笑みを溢しています。
「協力をお願いしたいとは言ったが、無理をしてもらいたくはない。各々が今までどおりにできることを無理せずやってもらう。これだけで私は十分だ」
「承知しました。まぁヴィレーナのおかげでモンスターの出現を阻止できるのならば、外に大多数の人間を配属させる必要もなくなるからな。騎士団の配属変更に関しては問題ないかと。ただ、訓練相手がいなくなるという意味では……」
「まぁ無いものねだりはしちゃだめよね」
「だな」
ん? 結界を作ると騎士団にとって不都合でもあるのでしょうか。
私が石のように固まって、ちっちゃい脳で考えてみましたが、わかりませんでした。
「失礼した。ヴィレーナの行為で問題があるわけではないんだ。いらん心配をかけてすまなかった」
「ないものねだりとは、私が結界を作ったらなにかなくなってしまうのですか?」
「いや、ただ単純に訓練も兼ねてモンスター討伐を行っている。だが、今まではどんなに強くとも中級モンスター、それも昼間のみの出現だったからなんとかなったというものだ。以前のように暗闇の中、中級モンスター以上が出る赤い兆候が出たらひとたまりもない」
「あぁ、つまり訓練相手がいなさすぎるのは困るということですね?」
「気にしないでくれ」
カイン騎士団長は申しわけなさそうに謝ってきますが、これくらいならなんとかできます。
聞いておいて良かった。
「じゃあ、特定の場所にだけ特定の兆候の色が出るように聖なる力を調整しましょうか?」
「「「は!?」」」
「たとえば、王都の外に大きな訓練施設がありますよね? あのあたりだけは白の兆候のみ聖なる力の対象外になるよう設定をしておいて、尚且つ訓練時間中の昼間のみに出現するようにするとか」
「ちょっと待て……。ヴィレーナ殿よ? そんなことまでできるのか?」
「まぁその分ほんのちょっとだけ疲れますけれど、全然許容範囲内ですよ」
カイン騎士団長が涙目になって喜んでいました。
やはり戦闘狂なのでしょうか。
王都内にモンスターが入られるとたまったものではないでしょうが、騎士団が訓練している最中の出現に限定しておけばリスクは低いでしょう。
「いざというときに訓練で慣れておかないと戦えないからな。ヴィレーナには苦労ばかりかけて悪いが、可能ならば頼みたい」
これで問題解決でしょうか。
緊急会議を開いてもらっておいて良かったです。
このままなにも知らずに結界だけを作っていたら騎士団に迷惑をかけていたのですから。
「カインは引き続き騎士団長としてさらなる発展を期待している。続いてチュリップだ」
「私ですか?」
「父上暗殺未遂の件で魔導士ロレレは極刑になるだろう。当然、王宮直属魔導士としての資格も剥奪だ。そこで……、チュリップに王宮直属魔導士になってもらいたい」
「はいー!? 無理ですよ! そもそも私は水と火の二属性しか魔法が使えませんし」
「属性の種類は絶対というわけではない。そもそもチュリップが騎士団に所属していたときの活躍、魔力の規格外さは重々知っている。たとえ二属性だとしても重宝するだろう」
「で……ですが私は……」
チュリップが私のほうをチラチラと見ながら困っていました。
キーファウス殿下も、『大丈夫か?』と声をかけていますが、やがてチュリップは……。
「ヴィレーナ様のそばから離れたくありましぇん!!」
「「は?」」
キーファウス殿下と私の声が見事にかぶりました。
チュリップが顔を真っ赤にしているのが、ちょっと怖いです。
もちろん二人きりというわけではなく、カイン騎士団長とチュリップも一緒です。
キーファウスの、『頼れる仲間』を集めて、試練突破のための緊急会議が始まりました。
「あの、そもそも私がなぜここにいるのか……」
私は真っ先に手を上げて問います。
すると、みんなが一斉にゲラゲラと笑いはじめました。
「どう考えてもキーファウス殿下との付き合いが長い俺たちよりも頼れると思うが」
「そんなこと言ったら私なんてカインのおまけのようなものですからね」
「まぁ待て。私はここにいる三人全員を頼りにしている。むろん、ヴィレーナ殿もだ」
聖女の力としては頼りにされるというよりも、むしろ結界を作るのが当たりまえのことだと思います。
メビルス王国で生活するうえで、聖なる力の結界は私自身を守るためでもありますから。
「ひとまず父上からの試練は予想していたとおりの内容だった。そこで、ここにいる三人に協力をお願いしたいと思っている」
「俺はキーファウス殿下にどこまでもついていくつもりだから問題ありません」
「私も同じくです」
「結界以外のことでなにか力になれるのでしたら協力します」
キーファウス殿下は、試練を達成して国王になるということに対して張り切っているようなので、応援はします。
彼だけでなく、この国には返し切れないほどの恩がありますし、試練がそもそも国の赤字財政を立て直すことなので、できることがあれば協力したいのです。
私がこの国で生きていくためにも……。
「まずはカインの騎士団を主に王都内部での警備に回してもらいたい。治安を良くするためには警備態勢を強化する必要がある」
「お待ちください。仰ることはわかるのですが、モンスター対策班を回すといざというときに困るかと。それこそ守るための王都に甚大な被害をもたらしてしまうことも」
「その点は大丈夫だ。ヴィレーナ殿の聖なる力を毎朝使ってもらうことになった」
「「は!?」」
カイン騎士団長とチュリップが口を大きく開きながら私を信じられないといった目つきで見てきます。
なぜそのような顔をするのかはわかりませんが、私はハッキリと問題ないと宣言しました。
「実はここ数日、毎日聖なる力を使って結界を作っています。でも体力的にも以前と比べて平気なので継続できるかと」
「どうりで王都近辺でモンスターが生まれなくなったわけだ……」
「ヴィレーナ様ったらいつの間にそのようなことを……。常に付き添っているのに気がつきませんでした」
「うん。本当にすぐに終わっちゃう作業だからね」
安心してもらおうと言ったつもりでしたが、なぜか二人とも深くため息をはくのです。
あれ? 私なにかマズいことでも言ってしまったのでしょうか。
「「俺(私)たちも頑張らないとな(ね)」」
二人の覚悟を決めたかのような発言を聞き、キーファウス殿下はクスクスと笑いながら笑みを溢しています。
「協力をお願いしたいとは言ったが、無理をしてもらいたくはない。各々が今までどおりにできることを無理せずやってもらう。これだけで私は十分だ」
「承知しました。まぁヴィレーナのおかげでモンスターの出現を阻止できるのならば、外に大多数の人間を配属させる必要もなくなるからな。騎士団の配属変更に関しては問題ないかと。ただ、訓練相手がいなくなるという意味では……」
「まぁ無いものねだりはしちゃだめよね」
「だな」
ん? 結界を作ると騎士団にとって不都合でもあるのでしょうか。
私が石のように固まって、ちっちゃい脳で考えてみましたが、わかりませんでした。
「失礼した。ヴィレーナの行為で問題があるわけではないんだ。いらん心配をかけてすまなかった」
「ないものねだりとは、私が結界を作ったらなにかなくなってしまうのですか?」
「いや、ただ単純に訓練も兼ねてモンスター討伐を行っている。だが、今まではどんなに強くとも中級モンスター、それも昼間のみの出現だったからなんとかなったというものだ。以前のように暗闇の中、中級モンスター以上が出る赤い兆候が出たらひとたまりもない」
「あぁ、つまり訓練相手がいなさすぎるのは困るということですね?」
「気にしないでくれ」
カイン騎士団長は申しわけなさそうに謝ってきますが、これくらいならなんとかできます。
聞いておいて良かった。
「じゃあ、特定の場所にだけ特定の兆候の色が出るように聖なる力を調整しましょうか?」
「「「は!?」」」
「たとえば、王都の外に大きな訓練施設がありますよね? あのあたりだけは白の兆候のみ聖なる力の対象外になるよう設定をしておいて、尚且つ訓練時間中の昼間のみに出現するようにするとか」
「ちょっと待て……。ヴィレーナ殿よ? そんなことまでできるのか?」
「まぁその分ほんのちょっとだけ疲れますけれど、全然許容範囲内ですよ」
カイン騎士団長が涙目になって喜んでいました。
やはり戦闘狂なのでしょうか。
王都内にモンスターが入られるとたまったものではないでしょうが、騎士団が訓練している最中の出現に限定しておけばリスクは低いでしょう。
「いざというときに訓練で慣れておかないと戦えないからな。ヴィレーナには苦労ばかりかけて悪いが、可能ならば頼みたい」
これで問題解決でしょうか。
緊急会議を開いてもらっておいて良かったです。
このままなにも知らずに結界だけを作っていたら騎士団に迷惑をかけていたのですから。
「カインは引き続き騎士団長としてさらなる発展を期待している。続いてチュリップだ」
「私ですか?」
「父上暗殺未遂の件で魔導士ロレレは極刑になるだろう。当然、王宮直属魔導士としての資格も剥奪だ。そこで……、チュリップに王宮直属魔導士になってもらいたい」
「はいー!? 無理ですよ! そもそも私は水と火の二属性しか魔法が使えませんし」
「属性の種類は絶対というわけではない。そもそもチュリップが騎士団に所属していたときの活躍、魔力の規格外さは重々知っている。たとえ二属性だとしても重宝するだろう」
「で……ですが私は……」
チュリップが私のほうをチラチラと見ながら困っていました。
キーファウス殿下も、『大丈夫か?』と声をかけていますが、やがてチュリップは……。
「ヴィレーナ様のそばから離れたくありましぇん!!」
「「は?」」
キーファウス殿下と私の声が見事にかぶりました。
チュリップが顔を真っ赤にしているのが、ちょっと怖いです。
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