【完結】突然婚約破棄され、国のためだと追放までされた聖女は、移動した国先の王族達から溺愛される

よどら文鳥

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7 ついに王宮に入れた

 再び王宮にやってきた。
 今度は王女様であるシャロンと同行しているので大丈夫だろう。

「おや、シャロン様。何かお忘れ物でも……って、あれ!? あなたは先ほどの!」
「お主の知り合いか? 妾たちの命の恩人じゃ。中へと通す」
「承知致しました。先ほどは大変失礼いたしました」

 私の方を向いて深く頭を下げてきた。

「気にしないでください。当然のことだと思いますから」

 頭を下げている警備兵と顔を合わすのはこれで二度目になる。
 最初のときは私が何者かわからないのだから当然の判断だし、責めるつもりもない。
 それに、彼のおかげで良い寝床を知れたのだから。

 馬車は王宮内へと入り、今までの国とは全く違うスケールの大きさに驚いてしまう。
 シャロンが先に馬車から降りると、ずらりと並んだメイド達が一斉に出迎えていた。
 続けて私も降りると、同じように出迎えていただいてしまう。

「妾の命の恩人じゃ。丁重にもてなせ」
「「「「「「「「「「承知致しました」」」」」」」」」」

 まるでザザーレンドで丁重に扱っていただいた最初の頃と似た感じだ。
 私はこの国では何もしていないというのに……。
 シャロンの後について行き、早速お兄様がいるという部屋まで案内された。

 そこにはベッドの上で目を閉じて静かに眠っている男がいた。
 見た目はシャロンより一回りくらい年上で二十歳くらいか。
 寝顔がとんでもなく私好みなのだが、顔色がよろしくない。
 むしろこれって、睡眠とかそういう状態じゃなくて昏睡状態なんじゃないのか!?

「兄上は半年前からずっと寝たきり生活で全く目を覚まさぬ。幸い、国の技術で点滴を打って栄養だけ与えてなんとか生きている状態なのじゃ……」
「ちょっと失礼」

 おでこに手を触れてみる。
 さらに腕のあたりに触れてみて症状を確認した。
 何の病気かは私にはわからないが、生きていることと、体温がしっかりとあって血液の循環があることだけを確認できればそれで良かった。
 確認した後、心配そうにしているシャロンの顔を見る。

「治せるか?」
「やってみるね」

 今までも昏睡状態の人間を治したことはある。
 だが、原因不明で半年間も昏睡状態になっている人間を治した事例がない。
 私も自信はないが、聖なる力を最高クラスの力で与えればなんとかなるだろうか。

 シャロンのお兄様の胸元に直接手を当てる。

『聖なる力よ、その力を最高まで引き出しこの者に加護を与えよ、ゴッドヒール!』

 詠唱+最高レベルの加護を与えた。
 当然、このクラスのエネルギー消費になると私の体力も一気に減ってしまう。
 だが、ここで治せませんでしたなんて言えるわけがない。
 お願いだから目を覚ましてほしい。



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【後書き】

昨日、新作を投稿して宣伝したばかりですが、また新作のお知らせです。連日で申し訳ございません。

『婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた』

こちらも是非、宜しくお願い致します。

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