【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました

よどら文鳥

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パーティーへ招待された

「こ……このような綺麗で広い部屋を私が使って良いのですか!?」

 王宮の最上階の部屋へ案内された。
 窓の外からは、王都の街並みが観れて、今は夕暮れが沈んでいく姿が綺麗だった。

 部屋にはお洒落で綺麗なお姫様ベッドまで設置されていて夢のようだ。
 エウレスにいたときの自室とは天と地の差である。

「……勿論です。ここはお嬢様の部屋なので」

 私は言葉が出なかった。今まで王宮の掃除道具や雑具が置いてある倉庫で寝ていたのだから。

「イデアさん、ありがとうございます」
「……敬語はご遠慮いただき、イデアとお呼びください。早速ですが、今晩のパーティーのドレスを選んでいただきたいのです」
「え、私はドレスなんて……」

 先日は、パーティーに呼ばれたと思ったらあの有様だった。
 綺麗なドレスがあんなことになってしまったトラウマは、簡単に消すことができない。

 だが、イデアはお構いなしに私の背中を押した。

「ちょ……ちょっと!?」
「……似合うと思いますが。お嬢様のドレス姿をお見せしたら、カルム殿下もお喜びになられるかと」

 そもそも今までとは全く違う環境にいる。
 私は頷いて前を向くことにした。過去にいた国で起こったトラウマも全部乗り越えなきゃ。

「じゃあ……着てみようかな」

 膝丈が短めで胸元も少しばかり開いてはいるが、好きな色でデザインも可愛かったので、私は水色のドレスを選んだ。

「……お嬢様、これは良い! ……凄く良い!」

 私を凝視してやたら息が荒くなっているイデアがちょっと恐い。
 しかも、さっきまでの大人しめな口調から一気に声が荒くなっているのだ。

「……やはりこのドレスをお嬢様が着るならばこの靴、いや……こっちか……。あ! 髪飾りもこれよりこっちの方が……」

 どうやらイデアはドレス選びを真剣に考えてくれているから、声も荒げてしまっているようだ。
 私のために一生懸命なイデアを見ていたら自然と微笑んだ。
 こんな感情いつぶりだろうか。

「ありがとう、イデア」
「……何を言っているのですか? お嬢様は可愛いのですから、より完璧なコーディネイトでパーティーへ向かうべきです!」
「そんなこと今まで言われたことなかったわよ」
「……他国を悪く言うのは失礼ですが、エウレス皇国の方々は見る目がなかったのでしょう」

 その後も、あれでもないこれでもないと、ドレスとアクセサリー選びは長く続いたのだった。

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