【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました

よどら文鳥

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【視点】マーヤの誤魔化し方

「ラファエルって肩書以外はクズねー! 明日、皇帝陛下に魔法を見せろっていきなり言ってくるなんて……。私の都合も考えないで勝手なことばっかり言わないでほしいわね!」

 ラファエルが帰ったあと、マーヤは苛立っていた。
 自分のことを溺愛してくれているからこそ、マーヤにとってはラファエルが必要である。
 何でもやってくれたり動いてくれるからこそ、マーヤのワガママも聞いてくれ、楽な生活ができるようになるからだ。
 しかし、ラファエルの身勝手な行動に関しては嫌いなのであった。

「皇帝陛下相手に見せるってことは必ず側近に魔導士がつく……。このままでは絶対にバレるわよね」

 もしも皇帝に魔法を見せ、魔力がない魔道士だとバレてしまえば、リリアのときのように婚約を破棄されてしまうと予想していたのだ。
 皇妃になり王宮の財宝や資産を手にいれることで頭がいっぱいのマーヤは、直ぐに誤魔化すことを考えていた。

「こんなこともあるだろうと思って用意しておいて正解だったわー。さすが私。用意周到よね!」

 収納棚の奥の方へ手を出し、取り出したものは……。

「これさえ使えば明日一日、私は無敵の魔道士になれるわ!」

 マーヤにとっては手に取ることもできないような希少品の魔力増幅薬。
 しかも、本来はモンスターとの戦闘中に命が危険になった場合に飲むような危険な緊急用薬品である。

 いつかの魔力の少なさが露呈されることが来るだろうと考えていたため、こんな魔道具も持っていた。
 どんなに危険なものかはマーヤは理解できていない。

「そういえばコレを貰ったとき、行商人のオッサン変なこと言っていたわね。説明書はしっかり読んだほうがいいって。副作用がどうのこうのとか。ま、私には関係のないことでしょーけど」

 正当に購入したわけではない。
 行商人にマーヤの身体で誘惑し、手に入れたのだ。

 元々マーヤは普段から魔法の訓練もしなかった上、大きくなってからは滅多に魔法を使うこともなかった。
 だからこそ、この危険な緊急用薬品の副作用も甘く見ていたのだ。
 魔力増幅薬は、魔力を極限にまで増幅させることができる優れものだが、魔力を使いすぎると魔法自体が二度と発動できなくなることをマーヤは知らなかった。

「ま、読むのもめんどくさいし、どんな副作用が来ても私なら平気でしょう! 昔、風邪ひいたときに飲んだ薬も、副作用があるって書いてあったけどなんともなんなかったし!」

 マーヤは余裕の表情で魔力増幅薬をリュックにしまい込んだ。

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