23 / 61
なんで魔法が……
「では、今日もいってまいります」
「きゅーーーー!」
「……お気をつけて」
イデアに挨拶してから、巨大化したルビーの背に乗りエドナ山脈へと飛んでいった。
ここ最近、エドナ山脈にある洞窟の泉でルビーを水浴びさせるのが日課である。
聖なる泉で水浴びをすることによって、ルビーの力が増大しているような気がしたのだ。
その結果、ルビーを巨大化させることも難なく可能になったのである。
「ルビーを本来の大きさにさせるには、国の信じる心と祈りが必要だったのに……」
エウレス皇国では誰もが聖女の力を疑うような国だったので、ルビーを本来の大きさに戻し、更に強力な力を発動させることが困難だった。
だからこそ、私の聖なる力をほぼ全てルビーに捧げてなんとかしていた。
だが、今は私の力はほんの僅かでも水の加護を発動させられている。
「エドナ山脈のこと、もっと調べて泉の力の謎を解明したいわね」
「ぎゅーー?」
一般の人間がエドナ山脈の洞窟付近に近寄ると、記憶がなくなると聞いていたが、私達が来たときはなんともなかった。
しかもなぜここの地域だけ泉で水が溢れているのかも不思議だ。
ともかく今は、ここで毎日お世話になることにしている。
馬では二日かかるエドナ山脈だが、ルビーの飛行のおかげで僅かな時間で到着した。
すぐに洞窟内部にある泉へと向かい、服を脱ぎはじめる。
「はーーー気持ちいい!」
ここは誰も来ないので、私も全裸になってルビーと一緒に水浴びを楽しんでいる。
昔から水浴びや温浴が大好きだったので、私にとっての楽しみになっていた。
「今度はカルム様と一緒に水浴びしに来たいなぁ」
「きゅーー?」
「あ……」
浮かれてしまっていたのだ。
ルビーがおかしそうな表情をするものだから、私がとんでもない発言をしていることに気がついた。
水の中で勝手におかしなことを考えてしまって顔が赤くなる。
そのまま水の中に顔をつけて潜った。
「私ったらなんてことを言ってしまったのか……」
カルム様やイデアがいなくて助かった。
カサラス王国には水着がない。
だからこそ、この発言を本人の前でしてしまえば変態扱い確定である。
だが、もしも一緒に水浴びできたらどれだけ楽しいだろうか……。
水着がカサラス王国でも販売していればなぁ。
♢
「リリアよ、エドナ山脈でのことなのだが」
「はい!?」
先ほどの水浴びで変なことを考えていたせいで妙なことを想像してしまった。
つい大きな声を上げてしまい、カルム様も驚いてしまったではないか……。
「大丈夫か?」
「すみません。ところで、エドナ山脈がどうしましたか?」
「すまぬ。エドナ山脈がどうこうというわけではなく、以前私達が三人で初めて行ったときに思ったことで相談しようと思ってな」
今日の私はダメかもしれない。
気持ちを切り替えてしっかりと聞くようにする。
「我が国では水浴び文化がなくてな。せっかく王都の水不足が解消されてきたことだし、水浴びを普及させていきたいと考えている」
「良い案だと思います。私自身も水浴びや温浴も大好きですから」
「温浴?」
カルム様は不思議そうな顔をしながら頬を掻いている。
水が本当にない国だったから知らなくても不思議ではないか。
「魔法か魔道具を使って水を四十度前後くらいまで温めます。温かい水に浸かると寒くならないですし、むしろ身体が温まって出た後も身体がポカポカするんですよ!」
この手の話題になると、私の口調が普段よりも激しめになってしまう。
カルム様も興味を持ってくれたような雰囲気はある。
「温浴か……魔法が使えれば容易にできそうだ。リリアは確か魔法は使えなかったか?」
「そうですね……私は全くダメで。ルビーを召喚しているときに、こうやって『水よ来たれ』と──」
──バシャーン!
手を出して再現をしたつもりだったが、突然私の手のひらから水が勢いよく放水されてしまった。
「うむ。それが魔法だ」
「も……申し訳ございません!! まさか魔法が出せるなんて思わなくて……」
床が水浸しになってしまった。
しかもかなりの量が放たれてしまったのだ。
「床など気にする必要はない。それよりも、今の魔法は具現化魔法だろう? 高等技術が必要な上、かなりの量だったな」
「ほんとうに今まで魔法なんて使えなかったんですよ?」
カルム様も驚いているようだったが、私の方がその何倍も驚いていた。
どうしていきなり魔法が放てるようになったのだろうか……。
「きゅーーーー!」
「……お気をつけて」
イデアに挨拶してから、巨大化したルビーの背に乗りエドナ山脈へと飛んでいった。
ここ最近、エドナ山脈にある洞窟の泉でルビーを水浴びさせるのが日課である。
聖なる泉で水浴びをすることによって、ルビーの力が増大しているような気がしたのだ。
その結果、ルビーを巨大化させることも難なく可能になったのである。
「ルビーを本来の大きさにさせるには、国の信じる心と祈りが必要だったのに……」
エウレス皇国では誰もが聖女の力を疑うような国だったので、ルビーを本来の大きさに戻し、更に強力な力を発動させることが困難だった。
だからこそ、私の聖なる力をほぼ全てルビーに捧げてなんとかしていた。
だが、今は私の力はほんの僅かでも水の加護を発動させられている。
「エドナ山脈のこと、もっと調べて泉の力の謎を解明したいわね」
「ぎゅーー?」
一般の人間がエドナ山脈の洞窟付近に近寄ると、記憶がなくなると聞いていたが、私達が来たときはなんともなかった。
しかもなぜここの地域だけ泉で水が溢れているのかも不思議だ。
ともかく今は、ここで毎日お世話になることにしている。
馬では二日かかるエドナ山脈だが、ルビーの飛行のおかげで僅かな時間で到着した。
すぐに洞窟内部にある泉へと向かい、服を脱ぎはじめる。
「はーーー気持ちいい!」
ここは誰も来ないので、私も全裸になってルビーと一緒に水浴びを楽しんでいる。
昔から水浴びや温浴が大好きだったので、私にとっての楽しみになっていた。
「今度はカルム様と一緒に水浴びしに来たいなぁ」
「きゅーー?」
「あ……」
浮かれてしまっていたのだ。
ルビーがおかしそうな表情をするものだから、私がとんでもない発言をしていることに気がついた。
水の中で勝手におかしなことを考えてしまって顔が赤くなる。
そのまま水の中に顔をつけて潜った。
「私ったらなんてことを言ってしまったのか……」
カルム様やイデアがいなくて助かった。
カサラス王国には水着がない。
だからこそ、この発言を本人の前でしてしまえば変態扱い確定である。
だが、もしも一緒に水浴びできたらどれだけ楽しいだろうか……。
水着がカサラス王国でも販売していればなぁ。
♢
「リリアよ、エドナ山脈でのことなのだが」
「はい!?」
先ほどの水浴びで変なことを考えていたせいで妙なことを想像してしまった。
つい大きな声を上げてしまい、カルム様も驚いてしまったではないか……。
「大丈夫か?」
「すみません。ところで、エドナ山脈がどうしましたか?」
「すまぬ。エドナ山脈がどうこうというわけではなく、以前私達が三人で初めて行ったときに思ったことで相談しようと思ってな」
今日の私はダメかもしれない。
気持ちを切り替えてしっかりと聞くようにする。
「我が国では水浴び文化がなくてな。せっかく王都の水不足が解消されてきたことだし、水浴びを普及させていきたいと考えている」
「良い案だと思います。私自身も水浴びや温浴も大好きですから」
「温浴?」
カルム様は不思議そうな顔をしながら頬を掻いている。
水が本当にない国だったから知らなくても不思議ではないか。
「魔法か魔道具を使って水を四十度前後くらいまで温めます。温かい水に浸かると寒くならないですし、むしろ身体が温まって出た後も身体がポカポカするんですよ!」
この手の話題になると、私の口調が普段よりも激しめになってしまう。
カルム様も興味を持ってくれたような雰囲気はある。
「温浴か……魔法が使えれば容易にできそうだ。リリアは確か魔法は使えなかったか?」
「そうですね……私は全くダメで。ルビーを召喚しているときに、こうやって『水よ来たれ』と──」
──バシャーン!
手を出して再現をしたつもりだったが、突然私の手のひらから水が勢いよく放水されてしまった。
「うむ。それが魔法だ」
「も……申し訳ございません!! まさか魔法が出せるなんて思わなくて……」
床が水浸しになってしまった。
しかもかなりの量が放たれてしまったのだ。
「床など気にする必要はない。それよりも、今の魔法は具現化魔法だろう? 高等技術が必要な上、かなりの量だったな」
「ほんとうに今まで魔法なんて使えなかったんですよ?」
カルム様も驚いているようだったが、私の方がその何倍も驚いていた。
どうしていきなり魔法が放てるようになったのだろうか……。
あなたにおすすめの小説
ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜
嘉神かろ
恋愛
魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。
妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。
これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
〖完結〗聖女の力を隠して生きて来たのに、妹に利用されました。このまま利用されたくないので、家を出て楽しく暮らします。
藍川みいな
恋愛
公爵令嬢のサンドラは、生まれた時から王太子であるエヴァンの婚約者だった。
サンドラの母は、魔力が強いとされる小国の王族で、サンドラを生んですぐに亡くなった。
サンドラの父はその後再婚し、妹のアンナが生まれた。
魔力が強い事を前提に、エヴァンの婚約者になったサンドラだったが、6歳までほとんど魔力がなかった。
父親からは役立たずと言われ、婚約者には見た目が気味悪いと言われ続けていたある日、聖女の力が覚醒する。だが、婚約者を好きになれず、国の道具になりたくなかったサンドラは、力を隠して生きていた。
力を隠して8年が経ったある日、妹のアンナが聖女だという噂が流れた。 そして、エヴァンから婚約を破棄すると言われ……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
ストックを全部出してしまったので、次からは1日1話投稿になります。
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思うので、第二の人生を始めたい! P.S.逆ハーがついてきました。
三月べに
恋愛
聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思う。だって、高校時代まで若返っているのだもの。
帰れないだって? じゃあ、このまま第二の人生スタートしよう!
衣食住を確保してもらっている城で、魔法の勉強をしていたら、あらら?
何故、逆ハーが出来上がったの?
偽りの家族を辞めます!私は本当に愛する人と生きて行く!
ユウ
恋愛
伯爵令嬢のオリヴィアは平凡な令嬢だった。
社交界の華及ばれる姉と、国内でも随一の魔力を持つ妹を持つ。
対するオリヴィアは魔力は低く、容姿も平々凡々だった。
それでも家族を心から愛する優しい少女だったが、家族は常に姉を最優先にして、蔑ろにされ続けていた。
けれど、長女であり、第一王子殿下の婚約者である姉が特別視されるのは当然だと思っていた。
…ある大事件が起きるまで。
姉がある日突然婚約者に婚約破棄を告げられてしまったことにより、姉のマリアナを守るようになり、婚約者までもマリアナを優先するようになる。
両親や婚約者は傷心の姉の為ならば当然だと言う様に、蔑ろにするも耐え続けるが最中。
姉の婚約者を奪った噂の悪女と出会ってしまう。
しかしその少女は噂のような悪女ではなく…
***
タイトルを変更しました。
指摘を下さった皆さん、ありがとうございます。
私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!
近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。
「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」
声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています。
婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない
nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?