【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました

よどら文鳥

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イデアとエドナ山脈へ

 はぁ……。
 今日は本当に何をやっているんだか。

 エドナ山脈で水浴びをしながら変な発言をしてしまったり、突然魔法が使えるようになっていることに気がつかず、王宮の通路を水浸しにしてしまった。
 私の部屋で一緒にいてくれるイデアに今日の出来事を話してしまったのである。

「……お嬢様、たまにはこういうこともありますから。それにしても殿下との水浴びは良い発想です。是非その現場を陰ながら見守っておきたいものです」
「そのときはイデアも一緒に水浴びすれば良いじゃないの」
「……え!? 三人でですか? 過激なことも言うのですね」

 そうじゃない。
 カサラス王国に水浴び文化がないことを、また忘れてしまっていた。

「エウレス皇国には水着というものがあったのよ。それを着用すれば一緒に入っても平気なの」
「……ミズギ。カサラス王国にも普及されれば良いですね」

 聞いた話だが、今までエウレス皇国やデインゲル王国から物資の仕入れを行なっていたらしい。
 主に水や食料を。

 今も取引は続いているそうなので、どちらかの国に仕入れに行く際、水着を何着か購入できれば誰かが真似て制作も可能だろう。
 この国でも普及される可能性はある。

「……それより、魔法が放てるようになったと?」
「えぇ。今まで低級魔法すら発動できなかったのに。初めてカサラス王国へ向かっていたとき、試しに魔法を放とうとしてもダメだったんだけど」
「……エドナ山脈の泉に行ってから色々と変わりましたね。実は私も少し変化がありました」
「え!? どんなことが?」

 私がイデアの身体をキョロキョロと見ながら目線を泳がせた。

「……放ったときの量というか、威力が増大したと言えば良いでしょうか」
「じゃあ、私も毎日あの泉に通っているから魔法が……?」
「……可能性有りでしょう」

 ルビーもいつの間にか口から水を放出するような技を覚えていたし、雨を降らす量も日に日に増えているような気がした。

「明日はイデアもついてきて欲しいわね。もしも魔力がまた増大するようなら間違い無いはずだし」
「……承知しました。殿下には伝えておきましょう」

 もしも本当に洞窟の泉が原因で変化があるのならば、誰にも知られないほうがいいだろうと心の中で考えておく。
 悪い輩があの場所に行って余計な力をつけてしまい悪さをしたら大変なことになるだろう。
 とは言っても、現状あの洞窟の扉を開け閉めできるのはルビーだけだし大丈夫だとは思うが。

 翌朝、早速イデアも連れていつもの日課となったエドナ山脈へ向かい、水浴びしに向かった。

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