【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました

よどら文鳥

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生存確認

 岩山の一部が破壊され、そこに倒れて微動だにしないファイヤーバードが倒れている。
 間近で見ると、巨大化しているルビーよりも大きいし、これは相当ヤバいモンスターだったのではないかと思ってしまった。

 恐る恐る近寄ってみたが、やはり動かない。
 試しに心臓近辺だと思う場所に耳をそっと近づけてみたが、鼓動も聞こえないし、息もしていなかった。
 私は専門分野ではないので詳しくはわからないが、それでも死んでいると判断して大丈夫だろう。

 確か、モンスターは貴重な資源になり、色々な素材として役立つはず。
 これほど大きいモンスターならばそれなりの値打ちだろう。
 だが、今はカルム様を一人にしてしまっているので後回しだ。

 完全に安全になったところで、村の生存者確認を最優先したいので、再びルビーの背に乗っかりすぐに村へ戻る。

 戻ってみると、カルム様以外にもパッと見た感じで三十人ほど現れていた。
 皆ルビーを見て驚いて警戒しているようだったので、すぐに私が降りてから小型化してもらい、私の肩に乗っかってもらった。

「ただいま戻りました」

 すぐにカルム様の元へ挨拶した。
 警戒されても困るので、カルム様の知り合いとなれば少しは安心してくれるだろうと思ったまでだ。

「カルム王子殿下。そ、その者は今巨大なモンスターの背に!?」
「モーヤル辺境伯よ、安心したまえ。私の信頼する者たちだ」
「そうでしたか……特殊なモンスターを操っているのですな」

 うーん……考えが甘かったようだ。
 やはりルビーのことが周知されていないから、警戒されている。

「先ほどの続きですが、カルム王子殿下。この度は危ないところから救っていただき、なんとお礼を言って良いのやら……」
「勘違いするでない。この騒ぎを止めてくれたのは今戻ってきてくれた聖女リリアと、その聖獣ルビーによるものだ」
「なんと!! ではあなたが……」

 モーヤル辺境伯と呼ばれた男性は四十代くらいで、顔中に長い髭を生やしたダンディなお方だ。
 だが、その目線はルビーを見た後に私の胸元や足をキョロキョロと見ている。
 すぐに視線を逸らそうと頑張っているようだ。
 本人は気付いていないのだろうが、目線でどこを見ているかは大体わかる。

「リリアと申します。全員無事でしたか?」
「いえ、半分ほど逃げ遅れてしまって……無事なら良いのですが……」
「なんと! ではすぐに救出へ向かう! リリアよ、あれだけ魔法を連発した直後だ。無理をせずここで待っていて欲しい」
「大丈夫です。私も手伝います」

 とは言ったもの、流石に魔力の使いすぎでさっきから普段よりも息が荒い。

「リリアは十分に頑張ってくれた。もしも死人を見てしまったら辛いだろう。あとは私たちがなんとかしよう」

 そう言ってそのまま辺境伯や生き残った人たちと一緒に焼け跡の建物へと向かっていってしまった。
 だが、今は走れるほど力が残っていないことに気がついた。

「あぁ、これがイデアの言っていた魔力の使いすぎの感覚なのね……」

 身体中の血液が大量に無くなった感覚と似ているのかもしれない。
 まだ倒れるほどではないが、魔力が回復するまではあまり動かない方が良さそうだ。

 しばらく地面に座りゆっくりと休ませてもらった。

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