【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました

よどら文鳥

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仕事の責任

「リリアよ、昨日はすまなかった。もう大丈夫だ」
「お出迎えありがとうございます。ただいま戻りました。カルム様の顔色も良くなられましたね」

 ルビーと一仕事を終え、すぐに王宮へ帰るとカルム様が外で出迎えてくれていた。

「いや……医師に外の空気を浴びてきたほうが良いと言われたのだよ。外を歩いてたら偶然リリアたちが見えたので」
「それでもお出迎えしていただき嬉しいです。ところで昨日の話ですが」
「父上にも相談してからだが、私はリリアの言うことだから炎属性の魔道具が時期に流行り需要が大幅に増す。そうなるのだろうと思っている」
「随分と買ってくれるのですね」

 私はただ提案しただけである。
 それを全部許容されるなどとは思っていない。

「リリア自身が凄いことは重々承知だが、それに加え元々エウレス皇国にいただろう。あちらの国の流行や流通を一番周知しているのはリリアなのだ。リリアの発言に期待しないほうが難しいだろう」
「先手先手で対策を打つのは賛成ですが、もしも失敗してしまった場合責任はしっかり取らせていただきます」

 エウレス皇国では温浴が大ブームだったから炎属性の魔道具の流通が盛んだった。
 だからと言ってカサラス王国で同じように流行るとは保証はできない。
 だが、カルム様が温浴施設を見たときの物珍しそうな反応と意欲を見ていて、きっと流行る、そう思っていた。

「何を言っておるのだ? リリアは責任を負う必要は全くない。たとえ魔道具が流通しなかったとしてもだ」
「どうしてですか? エウレス皇国で国務をやっていたときは全て責任を負っていましたが」
「それがそもそもの間違いなのだ。手伝ってもらっている者に責任を負わすなどありえん! 最終決断は国が行うわけだから国が責任を負うのが普通だろう……」

 責任問題に関しては私の感覚が麻痺しているのかもしれない。
 それだけエウレス皇国で国務をやらされていたときの責任の重さが凄まじかったのだ。
 おかげで国務に関しては、ミスをすることが殆どなかったのだが。

「売れなかったときは私が全て責任を持って購入しようかと思っていました」
「必要はない。リリアがそんなことをするのならば、私が全て買い取るぞ?」

 カルム様は冗談めいた感じで笑いを誘ってきた。
 それだけ重く考えるなと仰っているのだろう。

「温浴は私の楽しみですから、どちらにしても買いますよ」
「リリアも魔法が使えるようになっただろう。炎属性の魔法だって発動できるはずだが」
「あ……そういえば」

 魔法が使えるようになってから、今までは水魔法しか使うタイミングがなかった。
 私ってばこういうことには自分で気がつくことができないポンコツなのだ。
 だからこそ余計に炎属性の魔道具を大量に流通するならば、それに見合った需要がでるようになってほしい。
 そう強く願う。

 翌日、陛下の許可も出たそうで、魔道士たちには新たな任務依頼ができるようになった。
 これで雇用問題は解決できるかもしれない。

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