【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました

よどら文鳥

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【ラファエル視点】入国禁止にされていた

「王都に入れないとは、どういうことだ⁉︎」

 デインゲル王国へ長い時間をかけてようやくたどり着いた。
 だが、なぜか王都の入口で警備兵に止められてしまったのだ。
 私は何度もこの国に来たことがある。
 顔を見せれば王宮まで案内されるのが今までは当然だったのだが。

「申し訳ありませんが、現在エウレス皇国の方々は王都への出入り禁止措置となっております」
「バカな! 大使はどうした⁉︎」
「サージェ様も、数日前に国から撤退となっております」

 一体何があったというのだ。
 まさかじゃないが、デインゲルの財宝を合法の範囲内で奪うように密かに命じていたことがバレてしまったとでもいうのか……。

「話をしたい。カルロス陛下に会わせろ」
「カイエン陛下ですが……」

 名前を間違えてしまった。
 だが、伝われば問題はない!
 よくあることだから。

「ともかく会わせてくれ。このままでは我が国は滅んでしまうのだ!」

 どうして私ともあろう偉大な人間が、こんな低級民族相手にお願いしなければならないのだ……。
 大使さえいてくれればスムーズに進められたというものを……。
 なりふり構ってなどいられない。
 私は、必死に喰らい付き、帰る素振りを見せないでいた。

「私は立場上どうすることもできません。一旦カサラス王国の皇子が来ていることを伝えたいと──」
「おっと、それは間違いだ。父上が最近亡くなられた。故に私が皇王になったのだよ」
「大変失礼しました。それでは心苦しいのですのが、今暫く外でお待ちくださいますよう、宜しくお願い致します」

 仕方なく一旦引き、馬車の中へ戻る。

「くそう……。『皇王陛下は王都にも入れず野原で待機させられました……』とでも言えるのか。こんなことがあってたまるかーーー!」

 御者に文句を言いまくる。
 それほど私は苛立ちを抑えきれなかった。
 御者はガクガクと震えてしまっている。
 だが、私の機嫌をとらせることも仕事の一つなのだ。

 イライラ待っていると、王都の入口から複数台の馬車が出て、こちらへ向かってきた。
 私はすぐに護衛と共に馬車から降りて出迎える。
 沢山の護衛と共に出てきたのは国王のカイエンだった。

「わざわざお越しくださったところ申し訳ありませんが、お引き取りを」
「な⁉︎ 私は皇王になったのだよ! 対応があまりにもなってないでしょう!」
「我が国に危害や損害を与えようとした国とは金輪際関わらないつもりです。そのことだけは私の口から伝えようと思いましてな。こうして厳重大勢の上、出てきたのですよ」

 カイエンは、私に対して敵意丸出しのような発言と口調だった。
 どう考えても大使の行動が原因だろう。
 まさか主犯が私だということまで喋ってしまったのではないだろうか。
 ここは怒りをグッと堪え、下手に出たほうがいいだろう。

「それでも私は下がるわけにはいかぬのだ……。我が国では雨が全く降っていない状況が続いている。念のために大勢の魔導士を要請の上、水と食糧も輸入させてほしい」
「魔導士と言えば……つい最近貴国のが大勢監獄行きとなりましたことをお伝えしておきましょうか」
「まさか……」

 つい口にしてしまった。
 おそらく大使とグルにさせていた我が国の魔導師部隊。
 奴らが捕まったということは、私の計画が失敗したということだろう。
 こちらの状況が更に悪くなりそうで、何故捕まえたのか聞くことができなかった。

「話を戻しましょうか。そのご要望は受け入れません」
「な⁉︎」
「国交断絶です。何があろうとも関わるつもりはありません」
「バカな……。民を見殺しにしようとでもいうのか」
「そうではありませんよ。事情はわかっていますからな。見殺しにならぬよう対策はしてありますよ」

 まるで勝ち誇ったかのうような表情をしている。

「書状です。ここに書かれたこと以外、我が国では関与致しません」

 カイエンの護衛から受け取った。

「今ここで確認しても?」
「構いませんよ。では我々はこれにて失礼します」
「ま……待て」

 カイエン達は聞く耳もなく、無視して王都への戻ってしまった。

「一体私が何をしたというのだ。まったく……こういうモラルの無き王にはならないよう気をつけねばな」

 書状を開け、黙読した。
 まずはじめに、大使率いる者達が魔法で王都を水不足にした件が書かれていた。

(やはりな……あのバカめ)

 続けて読む。
 今度は何故かリリアのことが書かれていた。
 しかも、リリアがいなくなってしまえば国の維持など難しいだろう、民衆の移民のみ受け入れると書かれている。
 尚、聖女リリアを批判する者は対象外だと……。

(やたらリリアのことを評価しているな。あんな詐欺女の上に身体も断固として許さないような奴が何故他国からは評価されるのだ……)

 それにしてもかなりまずいことになった。
 これでは民や大臣に移民の受け入れに関しては報告するしかない……。
 他国の王が書いた書状の提案を隠蔽してもすぐにバレてしまう。

 せめて、私が国に帰るまでの間に雨よ降ってくれ……。

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