【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました

よどら文鳥

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再会

「お似合いですね」
「そうか? あまり慣れないのだがね……」

 カルム様が玉座の席に座り、サマになっていた。
 いささか威厳を持つという意味では弱いかもしれない。
 だが、それもカルム様の優しさ溢れる顔だし気にすることではないだろう。

 私も王妃になったわけだが、特に何も変わらない。
 毎日ルビーと一緒に水の加護を与えて国を守っていく。
 カルム様の横に立っているだけでも光栄なことだ。

「カルム陛下、エウレス皇国のラファエル陛下がお見えです」

 カルム様の部下が慌てながら部屋の扉を開けた。

「わざわざカサラスまで来るとは。まさか……⁉︎ リリアに護衛を!」
「承知しました!」
「リリアよ、絶対に私から離れるでないぞ?」
「ルビーも近くで私を守ってくれていますし。なによりもカルム様がこうして側にいてくださっているのですから安心です」

 私は何を言っているのだろうか。
 カルム様と一緒になれたことに浮かれすぎているのかもしれない。
 むしろ、ルビーを巨大化させてカルム様をしっかりと守らなければ。
 ラファエルがわざわざここに来るということは、それだけ危険なのだ。
 状況を知ったイデアまでもが、私のそばで護衛をしてくれた。

 ラファエルが玉座の間に入ってくると、信じられないような表情をしていた。

「カルム王子よ、私は皇王になったのだよ」
「左様ですか。実は私も先日国王になりましてな。こうしてここにいるわけですが、ひとまず改めて挨拶を」
「な……なんだって⁉︎」

 ラファエルが早速悔しそうな顔をしていた。
 皇王という威厳を使って、カルム様に対し色々と言いたかったのかもしれない。
 ラファエルは相変わらずわかりやすい人だ。

「ときにカルム王よ、この国はいつから水で溢れる都になったのですかな? とてもじゃないが砂漠の国の面影などないじゃないですか!」
「お褒めの言葉と捉えておきましょう。すべて聖女リリアのおかげですよ」
「な⁉︎」
「彼女が水の加護を毎日欠かさず発動してくれたおかげで、我が国だけでなく隣国デインゲル王国も救ってくれたのです」
「やはりリリアは聖女だということか……」

 ラファエルがさらに悔しそうな表情をしている。
 歯をギリギリと動かし、顔も強張っていた。

「おっと、今ではリリアは私の妃になっていますからな」
「そ……そうですか、はは」
「ところでラファエル皇王よ、我が国に何の用ですかな?」

「え、えぇと、そうだな……。観光?」

 なんで質問なんだよ。
 タイミングが良かった。
 カルム様が国王に就任しているからこそ、ラファエルが今までのように何でも言えるような状況でなくなったのだから。

「あ、そうだ。ラファエル王よ、ひとまず水が欲しい。来るときに全て水を飲み干してしまってな」

 このとき、カサラス王国とエウレス皇国の立場が明らかに逆転していることを改めて再確認したのだった。
 まさかラファエルが水を求めてくるとは。

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