【完結】溺愛してくれる夫と離婚なんてしたくない!〜離婚を仕向けるために義父様の配下が私に呪いをかけてきたようですが、治癒魔法で解呪します〜

よどら文鳥

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4話

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「では、やります!」
「うむ!」

『生命力が続く限り、治癒の力の加護を与えたまえ』

 私の身体の中に宿っている魔力を全て放出するような感覚で詠唱をした。
 これで魔力が尽きる前に治癒魔法を習得できれば、今後は魔力を消費して魔法が使えるようになる。
 もしも治癒魔法の取得前に魔力が尽きれば生命力も奪われて時期に死んでしまう。

 あとは運を天に任せるだけである。

 だが、やはり私の身体に苦痛などの症状はない。

「やはりミリア様の魔力は桁外れのようですな……。もしくはミリア様に聖女としての器があったのでしょう。既に死してもおかしくないというくらい時間が経っていますのに……」

 今回、儀式をするにあたって私の習得するまで面倒を見てくださった魔法協会の会長も見届けてくれている。
 会長は私が今も平然と立っている姿を見て驚いているようだった。

「あぁ……、これが治癒魔法ですね。どうやら無事に取得できたみたいです」
「良かった! 本当に良かった!!」
「ちょっと……ベイルハルト様……。今は会長も見ていますから」

 儀式前に抱き合ったときは周りに誰もいなかったからよかったが、今は会長も見ているし恥ずかしい。

「ミリアが無事で嬉しいんだ」

 私だって嬉しい。
 あれだけ命の危険があると学習したのに、こんなにもあっさりと治癒魔法を会得してしまったのだから。

「こほん……、お熱い中申し訳ないのですが、ミリア様の魔力が減った感覚はやはりありませんでしたか?」
「そういえば全く感じなかったですね」
「ではやはり……、ミリア様は聖女のようですね」
「私が……?」
「聖なる力を持っている者は、治癒魔法のような回復関連の力は生命力や魔力の消費なしで発動できると教えましたでしょう。まさか私自身もこの目で見ることがあるとは思いませんでしたが」

 嬉しい誤算である。
 治癒魔法は一度使うだけでも毎回大量の力を消費してしまうらしいが、リスクなしで使えるということだ。

 私だけでなく、ベイルハルト様が怪我や病気になってもすぐに治癒できることになる。

 ようやくベイルハルト様にお役にも立てそうだし嬉しかった。
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