4 / 7
4話
しおりを挟む
「では、やります!」
「うむ!」
『生命力が続く限り、治癒の力の加護を与えたまえ』
私の身体の中に宿っている魔力を全て放出するような感覚で詠唱をした。
これで魔力が尽きる前に治癒魔法を習得できれば、今後は魔力を消費して魔法が使えるようになる。
もしも治癒魔法の取得前に魔力が尽きれば生命力も奪われて時期に死んでしまう。
あとは運を天に任せるだけである。
だが、やはり私の身体に苦痛などの症状はない。
「やはりミリア様の魔力は桁外れのようですな……。もしくはミリア様に聖女としての器があったのでしょう。既に死してもおかしくないというくらい時間が経っていますのに……」
今回、儀式をするにあたって私の習得するまで面倒を見てくださった魔法協会の会長も見届けてくれている。
会長は私が今も平然と立っている姿を見て驚いているようだった。
「あぁ……、これが治癒魔法ですね。どうやら無事に取得できたみたいです」
「良かった! 本当に良かった!!」
「ちょっと……ベイルハルト様……。今は会長も見ていますから」
儀式前に抱き合ったときは周りに誰もいなかったからよかったが、今は会長も見ているし恥ずかしい。
「ミリアが無事で嬉しいんだ」
私だって嬉しい。
あれだけ命の危険があると学習したのに、こんなにもあっさりと治癒魔法を会得してしまったのだから。
「こほん……、お熱い中申し訳ないのですが、ミリア様の魔力が減った感覚はやはりありませんでしたか?」
「そういえば全く感じなかったですね」
「ではやはり……、ミリア様は聖女のようですね」
「私が……?」
「聖なる力を持っている者は、治癒魔法のような回復関連の力は生命力や魔力の消費なしで発動できると教えましたでしょう。まさか私自身もこの目で見ることがあるとは思いませんでしたが」
嬉しい誤算である。
治癒魔法は一度使うだけでも毎回大量の力を消費してしまうらしいが、リスクなしで使えるということだ。
私だけでなく、ベイルハルト様が怪我や病気になってもすぐに治癒できることになる。
ようやくベイルハルト様にお役にも立てそうだし嬉しかった。
「うむ!」
『生命力が続く限り、治癒の力の加護を与えたまえ』
私の身体の中に宿っている魔力を全て放出するような感覚で詠唱をした。
これで魔力が尽きる前に治癒魔法を習得できれば、今後は魔力を消費して魔法が使えるようになる。
もしも治癒魔法の取得前に魔力が尽きれば生命力も奪われて時期に死んでしまう。
あとは運を天に任せるだけである。
だが、やはり私の身体に苦痛などの症状はない。
「やはりミリア様の魔力は桁外れのようですな……。もしくはミリア様に聖女としての器があったのでしょう。既に死してもおかしくないというくらい時間が経っていますのに……」
今回、儀式をするにあたって私の習得するまで面倒を見てくださった魔法協会の会長も見届けてくれている。
会長は私が今も平然と立っている姿を見て驚いているようだった。
「あぁ……、これが治癒魔法ですね。どうやら無事に取得できたみたいです」
「良かった! 本当に良かった!!」
「ちょっと……ベイルハルト様……。今は会長も見ていますから」
儀式前に抱き合ったときは周りに誰もいなかったからよかったが、今は会長も見ているし恥ずかしい。
「ミリアが無事で嬉しいんだ」
私だって嬉しい。
あれだけ命の危険があると学習したのに、こんなにもあっさりと治癒魔法を会得してしまったのだから。
「こほん……、お熱い中申し訳ないのですが、ミリア様の魔力が減った感覚はやはりありませんでしたか?」
「そういえば全く感じなかったですね」
「ではやはり……、ミリア様は聖女のようですね」
「私が……?」
「聖なる力を持っている者は、治癒魔法のような回復関連の力は生命力や魔力の消費なしで発動できると教えましたでしょう。まさか私自身もこの目で見ることがあるとは思いませんでしたが」
嬉しい誤算である。
治癒魔法は一度使うだけでも毎回大量の力を消費してしまうらしいが、リスクなしで使えるということだ。
私だけでなく、ベイルハルト様が怪我や病気になってもすぐに治癒できることになる。
ようやくベイルハルト様にお役にも立てそうだし嬉しかった。
47
あなたにおすすめの小説
傷物の大聖女は盲目の皇子に見染められ祖国を捨てる~失ったことで滅びに瀕する祖国。今更求められても遅すぎです~
たらふくごん
恋愛
聖女の力に目覚めたフィアリーナ。
彼女には人に言えない過去があった。
淑女としてのデビューを祝うデビュタントの日、そこはまさに断罪の場へと様相を変えてしまう。
実父がいきなり暴露するフィアリーナの過去。
彼女いきなり不幸のどん底へと落とされる。
やがて絶望し命を自ら断つ彼女。
しかし運命の出会いにより彼女は命を取り留めた。
そして出会う盲目の皇子アレリッド。
心を通わせ二人は恋に落ちていく。
追放された令嬢は英雄となって帰還する
影茸
恋愛
代々聖女を輩出して来た家系、リースブルク家。
だがその1人娘であるラストは聖女と認められるだけの才能が無く、彼女は冤罪を被せられ、婚約者である王子にも婚約破棄されて国を追放されることになる。
ーーー そしてその時彼女はその国で唯一自分を助けようとしてくれた青年に恋をした。
そしてそれから数年後、最強と呼ばれる魔女に弟子入りして英雄と呼ばれるようになったラストは、恋心を胸に国へと帰還する……
※この作品は最初のプロローグだけを現段階だけで短編として投稿する予定です!
【完結】聖女が世界を呪う時
リオール
恋愛
【聖女が世界を呪う時】
国にいいように使われている聖女が、突如いわれなき罪で処刑を言い渡される
その時聖女は終わりを与える神に感謝し、自分に冷たい世界を呪う
※約一万文字のショートショートです
※他サイトでも掲載中
過去の青き聖女、未来の白き令嬢
手嶋ゆき
恋愛
私は聖女で、その結婚相手は王子様だと前から決まっていた。聖女を国につなぎ止めるだけの結婚。そして、聖女の力はいずれ王国にとって不要になる。
一方、外見も内面も私が勝てないような公爵家の「白き令嬢」が王子に近づいていた。
[完結]姉の専属騎士様が好きなのです。
くみたろう
恋愛
マリアベルの双子の姉、ナターシャには常にそばに居る専属騎士がいる。
その人は実家も侯爵家で見目麗しく優しく、そして強い。
そんな姉の専属騎士に恋するマリアベルだが、あと1年で婚約者と結婚する。
真逆の姉妹と専属騎士のお話。
ふわふわ設定です。
これおかしいよー、とかあっても優しく見守ってくださると嬉しいです。
9話完結。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる