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 同じ土俵にさえなってしまえば、そう簡単には勝手なことを言われずに済むかもしれない。
 とはいえ、デズム義父様は治安維持の総括をしているそうだし、下手なことはできないが。

「本来ならば最高位の侯爵にまで上げてしまいたいほどのことをしている。だが、あくまでまだ二人とも学生の身だ。侯爵まで叙爵してしまったら学園でも浮いてしまうだろう」
「お気遣いありがとうございます。今後とも色々な物を開発していきたいと思います。実は他にも試作段階ですが、考えているものがございまして」
「ほう。聞かせてくれぬか?」
「私にも教えて欲しいです」

 レオルド様の物作りは見ていて楽しい。
 先にどのような物を作っているのかを知ったら、もっと楽しくなりそうだしワクワクするかもしれない。
 レオルド様は、後頭部を手で掻きながら恥ずかしそうにしていた。

「まだできるかどうかはわかりませんが……」
「構わぬよ」
「遠くにいても声が聞けるような道具、その場の音声を記録し再生できるような物、髪の毛や血液や爪などを採取し、親子関係や兄弟関係を証明できるような物ですね。仮の名としてそれぞれ、電話、オーディオ、DNA鑑定と考えております」

 またまた信じられないような物を作ろうとしていた。
 どうやってそんなことができるようになるのかは分からないが、応援する。

「ふむ。それぞれ商品になったら新たな時代がやってくるような気もするな。ところで、最後に言っていたDNA鑑定というのは?」
「一部とはいえ、架空の親子や兄弟関係で、上位貴族から金品を不正に入手するようなことを噂で聞いたことがあります。もしくはそのせいで苦しんでいる人たちもいるかと。このDNA鑑定で決定的な証拠を作ることができれば、その手の問題も少しは解決できるのではないかと」

 レオルド様は趣味で物づくりをしていると思っていたが、人々のためにもやっているのだなとこのとき思った。
 もちろん、冷蔵庫やエアコンも人々のためになっているだろうが、一部の人対象に作ろうとしている姿勢には感激だ。

「やはりレオルドの努力や考え方、功績を考えれば今すぐに侯爵にしてあげたいものだ。なんなら国王をやるか?」
「いえ、とんでもございません」

 冗談にも程がある……。
 国王陛下は笑っているだけだったが、言われた私たちは焦ってしまったではないか。
 ともあれ、こうやって国王陛下が冗談交じりのことを言ってくれるだけ有りがたい。
 国の一番偉い人と親しみをもって会話ができるようになったのだから。

 もしかしたら、国王陛下には私の過去の話をして、もしもの場合に助けを求めることができるのかもしれない。
 ただし、周りに迷惑はかけたくないため、あくまで最終手段としておく。
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