【完結】婚約相手は私を愛してくれてはいますが病弱の幼馴染を大事にするので、私も婚約者のことを改めて考えてみることにします

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　リリノアさんに感謝するべきでしょうか。
　婚約破棄してからもずっと悩んでいたことが、あっさりと解決してしまったのですから。
　やはり、バズドドさんに対しての気持ちは愛ではなく、思い込みだったようです。

　とは言っても、今まで一緒に過ごしてきたことで楽しいこともありましたし、彼を嫌いになったわけではありません。
　ただ、バズドドさんに対しての恋愛感情は一ミリもありませんというだけです。


　教室内のクラスメイトからは大ブーイングが起こりました。

「最低ですね！　ジュリアーナ様の気持ちも考えては？」
「バズドドもバズドドよ！　どうして告白のようなことをしていた矢先にキスされて無抵抗でいられるの？」
「リリノア、あんたこんなことしておいてただで済むと思わないことね」
「ジュリアーナ様、あんな男は放っておいてこの私と一緒に……ここは同性同士で……」
「バカ！　ジュリアーナ様の気持ちも考えなさいよ！」

　一部を除いて大バッシングを受けているバズドドさんとリリノアさんは開き直ったかのような態度をとります。

「恋愛なんて自由だろ？　ジュリアーナがあんな態度してるときに俺のことを好きでいてくれる相手がいたら揺れるだろ！　幼馴染だろうと関係ない」
「ふっふーん。アタシってそもそもジュリアーナよりもずっと前からバズドドのこと愛してたから。それなのに……勝手に政略結婚なんかで私から奪ってったからいけないのよ」

　あぁ……これはまずいですね。
　クラスメイトの皆さんの目が怖いですよ。

「地獄に落ちろ」
「人間のクズ」
「こんなゴミと婚約破棄して正解です」
「ジュリアーナ様ー、ここは気分転換に私と一緒に……」
「アンタは黙ってなさい！」
「このことは報告するから……」

　ちょっと……皆さん口調が酷いですよ。一部私に向けられたお誘いは無視しますが……。

「あーうるさいうるさい。恋愛を知らないでどこの馬の骨かもわからん人間と政略結婚しているお前らに、俺たちの気持ちなど分かってたまるか。行くぞリリノア」
「アタシ達のリア充さを妬んでも無駄無駄ー。じゃ、そゆことで」

　まだ午後の授業があるのに、二人は教室から出ていきました。

　一斉に私のもとへ駆け寄ってきます。

「ジュリアーナ様、大丈夫ですか？」
「本当にこれで良かったと思いますよ」
「良かったら放課後私と一緒にデートでも」
「ずるいです。だったら私も」
「落ち着きなさい。ジュリアーナ様は今はそんな気分じゃないでしょう！」


　みんな優しいです。こんなにもずっと私のことを見ていてくれたんですね……。
　今まではずっとバズドドさんのことばかり考えていて気がつけませんでした。

「みなさん……ごめんなさい。私のせいでこんなにも迷惑をかけてしまって」

「迷惑んかじゃないですよ！」
「私たちの友達です！　クラスメイトです！」
「困ったら助け合えばいいんです」
「だからジュリアーナ様も、今度は私たちが困ったら助けてくださいね」

　また私は泣いてしまいました。
　もちろん、クラスメイトの大事な友達の優しさが嬉しかったからです。



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【後書き】

いつも読んでいただき、温かい感想や誤字報告もいただけて嬉しいです。
ありがとうございます。

本日投稿した新作のお知らせです。

新作『順序を守り過ぎる婚約者から、婚約破棄されました。～幼馴染と先に婚約してたって……五歳のおままごとで誓った婚約も有効なんですか？～』

こちらも宜しくお願い致します。