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18話 ソフィアは少し無茶をする
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「まさか一撃でオロチを倒してしまうとは……」
アーヴァイン様は消滅したオロチのいたほうを見ながら驚いているようだった。
「みんなで協力したから倒せたのですよ。でも……」
騎士さんが魔法を放ったおかげでアーヴァイン様がオロチの弱点を発見してくれた。
私の魔法発動のためにみんなが囮になって時間を稼いでくれた。
騎士団がいてくれたからなんとかなったと思っている。
「それにしても……ですな。ソフィア殿の魔力は規格外です」
「どれだけ鍛錬したら本当の稲妻のような雷を出せるのか……」
「雷属性魔法で雷同然のものを出現させてしまうなんて初めて見ましたよ」
騎士団たちが私の魔法に関して驚かれているようだ。
私もビックリして自分の魔法で死ぬかと思った……。
魔力を集中して放ったのは今回が初めてだ。
オロチ相手ではこれくらい頑張らないとダメかと思ったからだ。
だが、肝心のオロチは跡形も残っていない。
移動中に本で読んだことで、これは失敗したと思っていて私は結構凹んでいる。
「申し訳ありません……。貴重な資源になるはずだったのに」
オロチのようなモンスターの骨や爪、肉体などは貴重な資源になる可能性がある。
私は貴重な資源を消滅させてしまったのだ。
特に騎士団はモンスターを討伐する際、倒しかたにも気を配るらしい。
村は助かったかもしれないけれど、もったいないことをしてしまった。
「ソフィア様が謝る必要など全くありませんよ?」
「でも、オロチってモンスターの類の中では研究が進んでいないのでしょう?」
「倒せなければ研究もなにもできませんよ。我々だけではどうすることもできなかった。倒せただけでも万々歳ですよ」
「お気遣いありがとうございます……」
アーヴァイン様からの優しい励ましの言葉を聞いて、少しばかりホッとした。
二度と現れないでほしいが、もしもオロチがまた出てきたら今度は雷属性以外の魔法で倒せるように鍛錬しないと……。
そもそも、今回の件で私は以前よりもさらに雷が嫌いになった。
雷属性魔法は金輪際使うつもりはない……。
♢
オロチを撃破してもまだ問題が解決したわけではない。
村が悲惨な状態になっている。
炎は最初に『ヒールレイン』の水魔法+回復魔法で概ね消化できたものの、建物は壊滅状態だ。
しかも、水属性に魔力の大部分を使ってしまっていたため、まだ回復できていない負傷者が多い。
私は回復魔法を村全体に発動しようと試みたのだが……。
「いくらソフィア様でも魔力の消費に耐えられませんよ! 気持ちは重々わかりますが……」
「大丈夫ですよ。倒れてもアーヴァイン様が守ってくれると信じてますから」
「な……!? もももももちろん当然です! いやいや、でもオロチを倒すために随分と魔力を消費したでしょう?」
「そう思ったんですけど……。魔力のコントロールを身につけてからは魔力の消費というのがあまり感じられないんですよね……。多分村全体に回復魔法を使うくらいなら余力はあるのかなって」
アーヴァイン様は戸惑いを隠せないでいるようだ。
どちらにしろ、負傷者をこのまま放置していたら死んでしまう可能性だってありそう。
回復魔法はレアなようで、現状この中では私にしか使えない。
だったらやるしか選択肢はないだろう。
『広範囲に癒しを。マルチヒール』
騎士たちも体力を激しく消費したはず。
このあたりにいる人たち全員に回復魔法が届くように力を調整してみた。
「う……」
「大丈夫ですか!?」
「ちょっとクラッときたけど、なんとか大丈夫です」
回復魔法を発動し終えた段階で、さすがに限界を感じた。
ケルベロスを倒したときは魔法一発でダウンしていたが、今回は何発も魔法を打った上で意識が残っている。
魔力のコントロールを勉強しておいて本当によかった……。
もしも勉強できていなかったら、今頃オロチを倒せず全滅して村も壊滅していたかもしれない。
アーヴァイン様が馬車内で自由にさせてくれたから勉強ができたのだ。
アーヴァイン様には感謝しか出てこない。
負傷者たちも立ち上れるようになり、ひとまずはホッとした。
復旧に関しては大変かもしれない……。
アーヴァイン様は消滅したオロチのいたほうを見ながら驚いているようだった。
「みんなで協力したから倒せたのですよ。でも……」
騎士さんが魔法を放ったおかげでアーヴァイン様がオロチの弱点を発見してくれた。
私の魔法発動のためにみんなが囮になって時間を稼いでくれた。
騎士団がいてくれたからなんとかなったと思っている。
「それにしても……ですな。ソフィア殿の魔力は規格外です」
「どれだけ鍛錬したら本当の稲妻のような雷を出せるのか……」
「雷属性魔法で雷同然のものを出現させてしまうなんて初めて見ましたよ」
騎士団たちが私の魔法に関して驚かれているようだ。
私もビックリして自分の魔法で死ぬかと思った……。
魔力を集中して放ったのは今回が初めてだ。
オロチ相手ではこれくらい頑張らないとダメかと思ったからだ。
だが、肝心のオロチは跡形も残っていない。
移動中に本で読んだことで、これは失敗したと思っていて私は結構凹んでいる。
「申し訳ありません……。貴重な資源になるはずだったのに」
オロチのようなモンスターの骨や爪、肉体などは貴重な資源になる可能性がある。
私は貴重な資源を消滅させてしまったのだ。
特に騎士団はモンスターを討伐する際、倒しかたにも気を配るらしい。
村は助かったかもしれないけれど、もったいないことをしてしまった。
「ソフィア様が謝る必要など全くありませんよ?」
「でも、オロチってモンスターの類の中では研究が進んでいないのでしょう?」
「倒せなければ研究もなにもできませんよ。我々だけではどうすることもできなかった。倒せただけでも万々歳ですよ」
「お気遣いありがとうございます……」
アーヴァイン様からの優しい励ましの言葉を聞いて、少しばかりホッとした。
二度と現れないでほしいが、もしもオロチがまた出てきたら今度は雷属性以外の魔法で倒せるように鍛錬しないと……。
そもそも、今回の件で私は以前よりもさらに雷が嫌いになった。
雷属性魔法は金輪際使うつもりはない……。
♢
オロチを撃破してもまだ問題が解決したわけではない。
村が悲惨な状態になっている。
炎は最初に『ヒールレイン』の水魔法+回復魔法で概ね消化できたものの、建物は壊滅状態だ。
しかも、水属性に魔力の大部分を使ってしまっていたため、まだ回復できていない負傷者が多い。
私は回復魔法を村全体に発動しようと試みたのだが……。
「いくらソフィア様でも魔力の消費に耐えられませんよ! 気持ちは重々わかりますが……」
「大丈夫ですよ。倒れてもアーヴァイン様が守ってくれると信じてますから」
「な……!? もももももちろん当然です! いやいや、でもオロチを倒すために随分と魔力を消費したでしょう?」
「そう思ったんですけど……。魔力のコントロールを身につけてからは魔力の消費というのがあまり感じられないんですよね……。多分村全体に回復魔法を使うくらいなら余力はあるのかなって」
アーヴァイン様は戸惑いを隠せないでいるようだ。
どちらにしろ、負傷者をこのまま放置していたら死んでしまう可能性だってありそう。
回復魔法はレアなようで、現状この中では私にしか使えない。
だったらやるしか選択肢はないだろう。
『広範囲に癒しを。マルチヒール』
騎士たちも体力を激しく消費したはず。
このあたりにいる人たち全員に回復魔法が届くように力を調整してみた。
「う……」
「大丈夫ですか!?」
「ちょっとクラッときたけど、なんとか大丈夫です」
回復魔法を発動し終えた段階で、さすがに限界を感じた。
ケルベロスを倒したときは魔法一発でダウンしていたが、今回は何発も魔法を打った上で意識が残っている。
魔力のコントロールを勉強しておいて本当によかった……。
もしも勉強できていなかったら、今頃オロチを倒せず全滅して村も壊滅していたかもしれない。
アーヴァイン様が馬車内で自由にさせてくれたから勉強ができたのだ。
アーヴァイン様には感謝しか出てこない。
負傷者たちも立ち上れるようになり、ひとまずはホッとした。
復旧に関しては大変かもしれない……。
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