輪廻

壺の蓋政五郎

文字の大きさ
6 / 17

輪廻『漂着』

しおりを挟む
 護岸に流れ着いた瓶をじっと見つめている。日本語じゃないラベルが張り付いている。誰かが船から捨てたものかそれともその母国から沈まずに流れて来たものかは分からない。ホイはその瓶を拾った。母国ベトナムのラベル。
「この瓶は私です」
 ホイが言った。
「どうして?」
 ホイはベトナムからの技能実習生で二十四歳の女である。聞き返したのは同僚で台湾人の黄(ファン)二十二歳のやはり女である。
「どうしてホイ、どうしてその瓶があなたなの?」
 口を噤んだホイに催促した。
「意味がなく流れて来たんです、私もその瓶も」
 黄には何となく意味が分かった。ファンは五月いっぱいで契約を解除される。会社側の事情を理解した上で自主的に実習生から身を引く文書にサインした。
「なあ君達の辛い気持ちもよく分かる。だけど受け入れる母体が消えてしまえば君等の後輩が実習生としての受け入れ先を失ってしまう。それに新型ウィルスから回復すれば真っ先に君等に戻ってもらう。分かるだろ、これだけ世界が困っているんだ、乗り越えなければならない、それは君等以上に私等の肩に掛かっている」
 三日前の社長の言葉だった。よく分からなかった。私達は実習生、技術を学ぶ学生である。退学の意味だろうか。病気の感染対策で休学なら納得がいく。それに縫製はいくらでも勉強できる。タオルばかりじゃなくてこんな時だからこそ衣服裁縫の技術が学べる。
「社長さん、お給料は要りません、でも部屋はいいですか?」
 ホイが質問した。これが一番心配だった。この社長なら新型ウィルスが治まるまで自由に使えと太鼓判を押してくれる。そんな答えを期待したが甘くなかった。
「利益がないのにおいておくわけにはいかないだろう。君等の国ではアパートは只ですか?ちゃんとお金払うでしょ。私はいいよ、でも君等がいれば管理するあのおばちゃんちも残ることになる。会社倒産、ベトナム困る、分かるね。今月いっぱいはいいから、これ神対応ってやつ。でもなるべく早くしてね、片付け含めて今月いっぱい」
 ホイの陳情も聞き入れてくれなかった。この新型ウィルス禍である。日本人でさえ仕事を失っているのにベトナム人実習生に回ってくるわけがない。縫製関係の仕事先はほぼ不可能、異業種への変更は認められないと言うおかしな法に気付いたのか初めから故意にそう決めたのかやっと誰かが気付いて法改正が決まったが九月からの施行でまだ四カ月もある。ホイ達にはもう間に合わない。それに九月まで頑張れば国が支援してくれる制度もない。サポートしてくれる民間団体や個人もいるが手続きの難しさは仲間から伝わっている。そして新制度は在留資格が一年に短縮されるという悪いおまけ付きである。一時しのぎに過ぎない。私達はこの国に何しに来たのだろう、技能を学ぶため?いや格安労働者なのか?技能を習得して国に帰りその力を家族と国の発展に貢献する夢は幻だったのか。『おもてなし』と憧れたこの国は私達には冷たかった。ホーチミンに帰りたい。拾った瓶には菜の花が挿してある。故郷の小さな田んぼで家族は私の帰りを待っている。そうだこの瓶も本国から流れ着いたのなら、私も流れ着くかもしれない。どうか私を瓶に替えてください。この浜から飛び込みます。
「寒いよ、飛び込んでもその先の岸壁に流れ着くだけだから」
 ホイが振り返ると男が立っている。黒い服に焦げ茶のハンチング。一見若く見えるが童顔なだけかもしれない。
「誰ですか?」
 ホイは薄気味悪い男を睨んだ。
「そんなに悪い男じゃないと思う。君が心配で降りて来た。他と掛け持ちだけど先方は少し余裕がありそうだから君が先だ」
 ホイは男が何を言っているのか意味が分からない。もしかしたらブローカーかもしれない。私達が解雇になるのを知り、どこかに売り飛ばす悪徳ブローカー。
「違う違う。そんな風に見えるかな」
 金原仙人はハンチングを脱いで頭を掻いた。月明かりにフケが飛んで行く。日本人にしては不潔な男だとホイは目を顰めた。
「私に何か用ですか?大声を出しますよ」
「大声は近所迷惑になる。君の力になりたいだけだ。私の仕事は仙人」
「センニンて?」
 日常会話は流暢だが難しい単語は理解出来ない。金原も説明に困った。日本人なら仙人と聞いて笑いだす、仙人そのものが分からなければ伝えようがない。
「君はベトナム人だね、修行で何度も行った」
「ベトナムに行きましたか?」
「ああ何度も行ったよ」
「何の仕事ですか?」
 ホイはやはりブローカーだと思った。悪徳ブローカー、貧しい家庭から子供を買い取り変態に売り付ける人身売買。
「私はそんなことに興味はない」
 金原仙人は日に三度の臨死体験、それもこれから死ぬ五秒前の人に転生する。その人自身になるわけだから修行であることは記憶にない状態で体験する。当然その痛みも感じる。死ぬ寸前に師匠が救い出してくれる。それを六十年間続けた。3回×365日×60年の臨死体験。その中にはベトコンも数多くいた。
「君は瓶になって故国に帰りたいと願ったけど瓶は無理なんだ。でも瓶に差した菜の花なら問題ない、転生させてあげる」
「テンショウ?」
 分かって欲しい単語は伝わらない。
「ホイ、何してるのそこで、その人は誰?」
 寮に戻り帰りが遅いホイを心配して黄が駆け付けた。
「丁度良かった、君は彼女の同僚かな?」
「そうですけど何ですか、警察呼びますよ」
 黄の方が日本語が堪能である。
「君もベトナム人かな?」
「台湾人です」
「台湾人なら分かるよね、転生、輪廻転生」
 黄は頷いた。
「仙人も分かるよね?」
「ええ、それがどうかしましたか」
 金原仙人は名刺を渡した。
「日本にも仙人はいるんですか?実家の掛け軸に仙人が船に乗る絵があります。あなたはどう見ても人間です」
「そう言われても仙人だから仕方がない、信じてもらう以外にない」
 黄は信じてはいないが悪人ではなさそうな感じがする。
「どうしてここにいるんですか、ホイに用があるんですか?」
 ホイは黄の後ろに隠れるようにくっ付いた。
「君達の関係は?彼女のことを君に話すわけにはいかない」
 ホイと黄の関係次第である。
「ホイ、どうする。話しだけでも聞いてみる。もしかしたら力になってくれるかもしれない。悪党かもしれない、そのときは警察に通報しましょう」
 黄の意見に頷いた。取り合えず住居さえ確保できれば安心である。藁をも掴む気持ちで金原仙人の話を聞くことにした。
「彼女は実習生です。実習先の縫製工場から今月いっぱいで解雇となりました。新型ウィルスの影響は私達も分かります。でも寮も出るように言われました。それでは次の活動が出来ません。それで彼女達は悩んでいるのです」
 そういう悩みの相談には乗れない。活動形態が違う、あくまでも輪廻転生のお手伝い。下手に同情しても薄情と思われるだけ。
「あなたも一緒ですか?」
「私は旅行しながらのアルバイトです。チケットが取れ次第台湾に帰ろうと思っていましたが、彼女達をほっとくことが出来なくて、何か手伝えればいいなあと帰国を延期しました」
 二人の立場は全然違う。黄はこの国の恥部に翻弄されている実習生を見て見ぬ振りが出来ないのだ。金原仙人は自分に出来る事を考えた。
「私に出来る事があるかな?ありそうなら遠慮なく言って欲しい。台湾人が日本で実習生のことをそれほど心配してくれるのに私がこのまま帰るわけにもいかない」
 黄はあれば連絡すると答えた。
「何処に連絡すればいいんですか、ラインがいいけど?」
 金原仙人は持っていない。
「私のことを思ってくださいホイさん、ちょっと君の額を触らせてくれないか。変態じゃない、君の寿命を読みたいだけだ」
 金原仙人は笑顔で言った。黄とアイコンタクト。額を出した。金原仙人の人差し指が額に触れた。もう動けず離れない。指の腹に吸い込まれるように額がくっ付いた。天中からゆっくりと滑らせる。皺の谷間もしっかりと読み取る。目と目を結んだ鼻の始まり山根まで滑らせた。指を離すとホイはフラフラとしたので黄が支えた。74歳と128日5時間22分48秒、母国の病院で息を引き取る。ベッドの両脇で家族が涙している。
「君は天寿を全うすべきだ、いい人生が待ってる」
 よく意味が分からない二人は寮に戻った。寮に戻ると四人の実習生が不安で眠れない夜を過ごしていた。
「明後日電気が止まる」
 一人が言った。
「水道も止まる」
 メモ書きがポストに入っていた。黄は唖然とした。これでは生活が出来ない。半月の間はここで暮らせる。それまでに次の実習先を探そう、NPOに相談すれば何とかなると考えていた矢先のこの悪報である。工場が閉鎖されて収入が途絶えれば光熱費も負担となるのは理解出来るがせめて今月いっぱいはお願いしたい。そうだ、さっきの男、金は台湾の実家に頼めば何とかなる。しかし部屋を借りるにはそれなりの保証人が必要である。あの男は出来る事あらば協力すると言ってくれた。黄は金原を思った。繋がらない、そうだホイの額を触っていた。
「ホイ、あの人が来るとき何を思ったの?」
 ホイは仲間の手前自殺を考えたとは言えない。瓶を見た、ベトナムラベルの瓶に挿した真っ黄色の菜の花をじっと見つめた。ドアを叩く音。
「はい、どなたですか?」
 深夜である、女所帯、鍵は二重。
「さっきの金原です。呼んだでしょ、菜の花から通じた」
 金原の言葉にホイが驚いた。「うん」と頷いて鍵を開けた。
「失礼します。いやいや女所帯に入るのは初めてですね。みなさん今晩は、金原と申します。決して怪しいもんじゃありませんよ」
 実習生達は不思議な顔をして金原を見ている。ホイがベトナム語で説明するとホッとしたように動き出した。部屋は二段ベッドが両サイドにあり上下四人、空いたスペースにホイが床を取る。小さなテレビとノートパソコンが一台机の上にある。小さな冷蔵庫の上に電子レンジが載っている。その上に拾った瓶に菜の花が咲いている。金原仙人が菜の花に息を吹くと垂れ下がっていた茎がピンとした。それを見ていた実習生の一人が驚いた。仲間に伝えている。それをホイが黄に伝えた。
「あなたは本当に仙人なんですか?あの花がピンとしました」
 黄が訊いた。
「あなた方と同様、怪しい来訪者に驚いただけでしょう」
 こういうジョークは通じないようだ。金原はハンチングを脱いで頭を掻こうとしたが全員の視線に晒されているので掻くのを止めた。風呂は好きだが頭は洗わない。頭皮の汚れはフケで落ちていく。
「この部屋を今月いっぱいで出なければなりません、そして明後日から電気も水道も止めると言われました」
 黄が現状を訴える。
「それは意地悪だな。今月いっぱいと言いながら生活を遮断するのはおかしい。私が掛け合ってあげよう」
 ホイが訳すとみんなが手を叩いて喜んだ。金原仙人は簡単なことだと思った。頭を下げてお願いすれば済むこと、電気も水道も止めれば生活出来ないことぐらいすぐに分かってもらえる。金原仙人は早速社長宅に乗り込んだ。深夜だが社長は起きていた。
「どうも」
「びっくりした、誰だ、警察呼ぶぞ」
 居間でくつろいでいた社長の肩越しから声を掛けたので驚くのは当然である。
「実は実習生から実情を伺いましてお願いに上がりました。今月いっぱい電気水道を止めないでください。この通りです。お願いします」
 金原仙人はこれで解決だと思った。
「あんた誰だ、弁護士か、それともNPOか、ふざけるな何も分からずに勝手なこと言うな。あいつ等が垂れ込んだんだな、ようし、今月いっぱいと仏心を出せばいい気になって、明日中に出て行け、そう伝えろ」
 金原仙人は唖然とした。この男は単純なことが分からないのだろうか。
「何をそう興奮されるのですか、電気も水道も無ければ生活が出来ないから、住まいの許可をいただいている間は止めないでくださいとのお願いです。そんなこと分かりませんか?」
 おかしな理屈をこねる男に社長は興奮した。
「屁理屈を言うな、出て行け」
「分かっていただけましたか、ありがとうございます。電気が無ければ本も読めませんよね、水が無ければ米も焚けません。きっと分かってくれると思いました。早速彼女達に伝えて来ます」
 立ち去る金原仙人に後ろからゴルフクラブで殴り掛かった。クラブは空を切った。二度三度とクラブを振り下ろすがその度に金原は移動する。過去の自分に移動する転生移動である。社長は息が切れてソファーに座り込んだ。その社長の頭に掌を被せた。もう動くことが出来ない。動かそうと思っても動けない。金原仙人は指が裂けるほどに広げた。
「少し気持ち悪くなるかもしれない。船酔程度ですぐに治まります」
 指が脳に沈んでいく。悪い回路を探り当てた。「これだ、ここで狂ってしまったんだ」社長が正気を失ったのは12年前、女房に逃げられてから他人に意地悪になった。その回路まで逆回し。丁度小指の位置である。指先で微調整した。脳に沈んだ指が浮いて来た。掌を離すと社長は首を振った。吐き気を模様して屑箱に顔を突っ込んだ。
「それでさっきの話は分かっていただけたでしょうか?」
「失礼、もう一度お願いします」
「彼女達の寮の電気水道のことです。もう少し待ってください」
「そうですよね、電気水道が無ければ生活出来ませんからね。それから今月いっぱいの件、あれも今年いっぱいにしましょう。私も苦しいけど彼女達のお陰で生活出来た。結果制度を悪用したからこうなったんですよ。こういう事態になることも予想して募集するべきだったんです。実習生は労働者じゃない、生徒ですよね。忙しい時だけ家畜みたいに鞭打って、暇になればごみのように捨てるんじゃ犯罪ですよ。昔はこの辺りも貧しい暮らしでした。口減らしですよ、子を売って家族が凌いでいたらしい。それとこれはどこも変わらない。受けいれる側が変わらなければこの国もお終いじゃありませんか。明日の朝、私から彼女達に案内します。何かすっきりしたな、あなた酒は?」
「日本酒ありますか?」
「あるよ地酒」
「いいですね、熱燗が好みなんですけど」
「やりましょう、やりましょう、肴がないな」
「蕎麦はありますか?」
「何言ってんの、ここは蕎麦の産地じゃあ~りませんか、生蕎麦冷蔵庫にある」
「最高ですね」
 二人は盛り上がった。社長が寝ても金原仙人はずっと飲んでいた。

 それから一年が経過した。ホイと仲間四人はベトナムに帰国することになった。日本で学んだことは絶望時に生きる術だった。野草も食べた。闇ルートの肉も出回っていた。そんな中この実習生達をずっと支援していた黄が病に侵されてしまった。幸い寮には一人、面倒を看ていたのは繊維会社の社長だった。
「どうかこの子が助かりますように、出来るなら私が代わりたい。この子の苦しみを私に転移させてください。私はどうなってもいい、この天使を長生きさせてやってください」
 この思いが金原仙人に届いた。社長とは一度繋がっている。思いの強さに他をキャンセルして飛んで来た。部屋には黄が一人で床に伏していた。
「あっ、あなたは」
 上半身を起こそうとする黄の肩をそっと押さえた。
「あの子達は帰ったのですね?」
「ええ、昨日。見送ってやることも出来ませんでした。それよりマスクをして下さい、感染しますよ」
「ありがとう、でも私は大丈夫」
「やっぱり仙人でしたね」
 黄は笑った。
「社長が世話をしてくれているんですね」
「はい、ずっとお世話になりっ放しです。一度は非道な人と怨みましたが私の思い違いでした」
 金原仙人は人差し指を黄の額に当てた。天中からゆっくりと滑らせた。今日が神の想定した寿命だった。この若さだが天寿全うである。五人を救うことがこの子の使命だったのだ。黄は読み取った金原の笑みを見て微笑んだ。
「お願いです、私はあの瓶に咲く菜の花になってずっと彼女達と過ごしたい」
「台湾には?」
「台湾には遺骨が届きます。社長が送り届けると約束してくれました」
 
 金原仙人は掌を黄の頭に当てた。指が裂けるほどに広げる。ゆっくりと黄の脳内に浸入する。
「ありがとう」
 黄が目を閉じて言った。金原仙人はゆっくり掌を上げた。瓶の菜の花がシャンとした、弾かれた水滴が黄の唇まで撥ねた。その水滴を唇に塗ると明るい肌色に変色した。
 黄の遺骨は社長自ら台北の自宅に持ち運んだ。
「彼女は多くの苦しむ実習生を救いました。天使のような存在でした」
 涙を流す社長の話を通訳が伝えた。母親が骨箱を抱きかかえた。
「月雲」(イエウン)
 父親が娘の名を口にして歯を食いしばる。
 
 田を耕すホイが汗を拭くために顔を上げた。家畜の牛の乗って男が笑っている。黒い服に焦げ茶のハンチング。ホイが駆け寄った。
「あなたは」
 満面の笑みで金原仙人を見つめた。
「暑いですねやっぱりベトナムは」
「あの時はありがとうございました」
「いえいえ私なんぞなんのお役に立てませんで」
「ゆっくり出来ますか、泊まること出来ます。家族に紹介したい」
「それが待たせている人がいまして」
 金原仙人が牛に何か喋った。牛は頭を下げて金原仙人が降りやすい姿勢を取った。ホイが不思議に見ている。
「この牛は言うこと聞かないで困っています」
「足の裏に傷があるようです。それが耕すときに痛むので動かないのでしょう。医者に見せれば直ぐに解決しますよ」
 牛がモーと鳴いた。
「ところでこれ」
 金原仙人はホイが浜辺で拾ったベトナムラベルの瓶に挿した菜の花を差し出した。
「これは」
「この菜の花は黄さんです。最後まであなた達を思っていた。景色のいい所に挿してください。春になれば毎年咲いてあなた達をずっと見ていてくれます」
「黄さん」
 ホイは瓶を握り締め黄に感謝した。ホイが顔を上げると金原仙人は消えていた。はるか向こうの夕日の中を牛が歩いている。誰かが乗っているようだが眩しくて見えない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

さようなら、たったひとつの

あんど もあ
ファンタジー
メアリは、10年間婚約したディーゴから婚約解消される。 大人しく身を引いたメアリだが、ディーゴは翌日から寝込んでしまい…。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

冷遇妃マリアベルの監視報告書

Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。 第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。 そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。 王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。 (小説家になろう様にも投稿しています)

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【12月末日公開終了】これは裏切りですか?

たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。 だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。 そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?

処理中です...