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祭囃子を追いかけて 1
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世界遺産登録を目指している鎌倉、古刹名刹、夏には由比ガ浜をはじ海水浴客でごった返す。そんな日本を代表する観光地の真ん中に山崎と言う町がある。豊かではないが昔から農業で生計を立ててきた小さな町である。観光とはまったく縁のない行楽客が素通りする町、しかし一大行事のお祭りがある。先祖代々引き継がれたこのお祭りにこれからも続けていくことを誓った男達とそれを支えてきた女達の物語である。
(一)
「ついてねえなあまったく、このくそ暑いのによう」
賢治は判決の重さを、ツキのなさと暑さのせいにした。
「そういう問題じゃないわよ、ねえあなたどうするの?お母さんや子供達になんて言うの」
人込みも気にせず世津子は大きな声で言った。
「わかってるようるせいなあ」
三年前、北川賢治は設備工事を請け負った戸建の上棟式に列席していた。そして二次会に出向きその帰りに対向車のタクシーと接触した。場所は帰宅途中にある小学校の正門前で、道路幅も狭く、乗用車がやっとすれ違えるほどの狭いカーブであった。子供達が通った小学校でもあり、仕事でも年中利用している裏道であり、電柱の位置やそのはみ出し程度、桜の枝の被り具合まで熟知していた。酔っているとはいえ、慎重にガードレールいっぱいに車を寄せ徐行したが、この路に慣れていないタクシーの運転手は、山側に寄り切れず止まってしまい、賢治が抜けたと思った瞬間に後部バンパーが接触してしまったのである。運転手は衝撃を感じると同時に無線機を握り締め、会社から警察への通報を要請していた。賢治は車から降りて運転席側の窓を裏拳で軽く叩いた。別に脅かすつもりはなかったが、プロとしての運転技術の未熟さだけは指摘しておきたかったのだ。運転手は無線機を握り締めたまま知らん顔を決め込んでいる。再度裏拳で、より強く叩いた。運転手は無線をおき、煙草に火をつけた。完全に無視している。賢治はドアノブを引いたがロックされていて開かない。これで諦めて帰宅し、車を駐車場に入れ、酒でも飲んで寝てしまえば、それほど大袈裟な事件にならずにすんでいた。しかし酒にぐっしょりと浸った脳が、冷静な判断を指令する筈がなかった。勢いをつけてドアを蹴飛ばした。運転手もこれには焦ったらしく、煙草を太腿の上に落とし、助手席側に身を反らした。更にガードレールまで下がり、走り込んで跳び蹴りをした。
見事に凹んだ薄い鉄板が、常夜灯に照らされ歪んだ屈折をしている。タクシー会社の事故処理犯チームが、古いセダン車からぞろぞろ降りて、そのうちの身体のがっちりしたひとりが、跳び蹴りを繰り返す賢治の胸を突いた。この男の一突きで完全にぶち切れてしまった。矛先を運転手から事故処理犯チームへと変えた。胸を突かれた男に突進し、顔面に頭突きを喰らわした。鼻血が吹き出るのを見て、彼等は後ずさりした。賢治は小学校の鉄の門扉に引っ掛けてあった黄色い柄の小さな傘を振り上げ彼等を追いかけた。懸命に追ったが、酒に麻痺した下半身は気持ちについて行けず、運動会で転ぶ子供のように、前に手を伸ばした状態で転倒した。そこにオートバイで駆けつけた警察官に押さえつけられ逮捕された。拘置されはしたが、なんとか保釈金をかき集めて自宅謹慎となった。だが判決は、当然のことながら執行猶予一年の有罪であった。そして残り一ヶ月で執行猶予も切れるというときに、酔って繁華街の駐車場から車を出したところで検問に遭い捕まってしまった。元受会社の紹介で弁護士をたて裁判に臨んだが、甘い算段は見事にはずれ、あえなく六ヶ月の懲役刑を言い渡された。賢治はまさか酒飲み運転で刑務所に入るなどとは思っていなかった。最悪でも執行猶予がつく判決であろうと楽観していた。しかしその反面、頻繁に起きている飲酒運転による人身事故を報道で耳にしており、飲酒運転に対する社会の目は厳しくなっていることを賢治自身も自覚していた。
賢治の懲役は事故を未然に防ぐ為の懲らしめ刑である。万が一、人でも跳ねてしまえば長い刑務所暮らしが待っているし、出所しても被害者家族に一生その償いをしていかなければならない。それを考えれば半年間の反省懲役は当然の罰であり、寛大な判決なのかもしれない。
「あれほど上棟式では飲まないでねって言ったのに」
「しょうがねえじゃねえか、俺しか運転する奴がいねえんだからよう」
賢治は水道屋、二人の若い職人を使う個人事業主である。一人は吉田明、まだ二十八であるが、北川設備に勤めて七年になるベテランで、最近では賢治より仕事ができると元受会社からも評判がよかった。明は昨年の暮れに五年間連れ添った年上の女との間に子供ができたのを契機に、結婚披露宴を行った。彼は資金不足を理由に身内だけでと考えていたが、賢治の進言と資金協力で、ホテルを借りての盛大なパーティーとなった。明の技術力と責任感ある仕事振りを評価されてか、或いは将来を見越してか、元受各社がお祝いに駆けつけ大変な盛り上がりとなった。
宴も一段落した頃を見計らって明は賢治を会場の隅に誘った。
「社長、どうもありがとうございます。俺達のためにこんなに盛大にしてくださって」
「何言ってんだ、お前がいての北川設備じゃねえか、こっちこそ礼を言うよ。これからも頼むぜ」
明はボーイに水割りを注文し、賢治をソファーに座るよう促した。
「社長、実はそのことで相談があるんですけど」
「なんだ、言ってみな」
「はい、今年の七月いっぱいで独立したいと考えています」
賢治の酔いが脳天から真っ逆さまにつま先に抜けた。ボーイが差し出したトレイからグラスを掴んだが、明の突然の告白に握力を保つことができず、グラスが手の中を滑って下へ抜け落ちてしまった。賢治の足元に薄茶色の水溜りが広がった。割れたグラスの破片が氷河のように水の流れを堰き止めている。
「あっごめんごめん、悪いね」
「すいません、こんな席で俺が突然変なこと言ったもんだから」
床を拭き取ってくれたボーイが新しい水割りを持って来て賢治に差し出した。今度は両手でしっかりと受け取り、半分を煽った。グラスを揺らすと中をくりぬかれた薄っぺらな氷がシャカシャカとばつの悪い音を立てた。
「なんだ、この氷、カッコつかねえよなあ」
「最近ホテルとか多いですよね、すぐにできるからでしょう、でもシャカシャカじゃあ確かにカッコつきませんよね」
明は親の離婚がきっかけで大学を中退した。学費に困ったわけではなく、ただ大学を卒業しても無駄のように思えたからである。親兄弟に頼らずに独りで生きてみたかった。明は家を飛び出し、焼鳥屋に住み込みでアルバイト生活しているところを賢治に声をかけられたのだ。狭い店内を愛想良く駆け回っている明を、独立したばかりの賢治は自分の若い衆にと誘った。明は以外にも二つ返事で受けたのだ。
「宜しくお願いします。自分はやはり外仕事があっていると思っていたんですけど、取り敢えず住み込みでの仕事が欲しかったのでここで世話になってたんです。寝る場所さえ用意してくれたら明日からでも行きます」
翌日バッグひとつ担いで賢治の自宅にやってきた。広い母屋には母親のサキしかおらず、六部屋もあるから好きなように使えと言われ、縁側付きの日当たりの良い八畳間を占領したのだ。明は名前のごとく屈託のない陽気さですぐに北川家と打ち解け、家族のような生活を送った。長女の香織、長男の拓郎もすぐに馴染み、明兄ちゃんと呼ばれては一緒に遊んだり、宿題を見てあげたりするようになっていた。仕事の飲み込みも早く、その上陽気な二枚目は客受けもよく、簡単な作業は一年目で任されるようになった。
「そうか、独立か、そうだよなあ俺んとこ来てもう七年だもんなあ、俺が泉設備を辞めたのがやはり入社して七年目だった。いつまでも使われていたくねえよなあ。お前がいつまでも若い衆でいるなんて思っていたのが甘いんだよなあ」
「すいません、ここまでこられたのはひとえに社長のおかげです。焼鳥屋でぶらぶらしていたのを社長が声かけてくれたから」
「そんなことねえよ、明はどこに行ってもそれなりの成績を残せる実力がある。もしかしたら俺んとこに来てしまったから損したかもしれないぞ。わかった、半年な、おうちょうど祭りのあとじゃねえか、さっきはみっともねえとこ見せてしまったけど俺は応援するよ」
告白された直後は気が動転してしまったが、落ち着いて考えてみると、一人前の職人がいつまでも人の下に仕えているわけがない、自分もそうだったじゃないか、所帯を持って子供ができたら尚更で、自分の力をフルに出し切って、こいつらに豊かな暮らしを提供しようと必死になって当然だ。冷静に考えれば当たり前のことだが、最近は仕事を明に任せきりになってしまい、自分では動かなくなったと賢治は反省した。
「それで社長、でしゃばったことしてすいませんけどいいですか?」
「なんだ、また俺にグラス割らせるつもりじゃないだろうなあ」
「カズ」
明は坊主頭の若者を手招きした。
(一)
「ついてねえなあまったく、このくそ暑いのによう」
賢治は判決の重さを、ツキのなさと暑さのせいにした。
「そういう問題じゃないわよ、ねえあなたどうするの?お母さんや子供達になんて言うの」
人込みも気にせず世津子は大きな声で言った。
「わかってるようるせいなあ」
三年前、北川賢治は設備工事を請け負った戸建の上棟式に列席していた。そして二次会に出向きその帰りに対向車のタクシーと接触した。場所は帰宅途中にある小学校の正門前で、道路幅も狭く、乗用車がやっとすれ違えるほどの狭いカーブであった。子供達が通った小学校でもあり、仕事でも年中利用している裏道であり、電柱の位置やそのはみ出し程度、桜の枝の被り具合まで熟知していた。酔っているとはいえ、慎重にガードレールいっぱいに車を寄せ徐行したが、この路に慣れていないタクシーの運転手は、山側に寄り切れず止まってしまい、賢治が抜けたと思った瞬間に後部バンパーが接触してしまったのである。運転手は衝撃を感じると同時に無線機を握り締め、会社から警察への通報を要請していた。賢治は車から降りて運転席側の窓を裏拳で軽く叩いた。別に脅かすつもりはなかったが、プロとしての運転技術の未熟さだけは指摘しておきたかったのだ。運転手は無線機を握り締めたまま知らん顔を決め込んでいる。再度裏拳で、より強く叩いた。運転手は無線をおき、煙草に火をつけた。完全に無視している。賢治はドアノブを引いたがロックされていて開かない。これで諦めて帰宅し、車を駐車場に入れ、酒でも飲んで寝てしまえば、それほど大袈裟な事件にならずにすんでいた。しかし酒にぐっしょりと浸った脳が、冷静な判断を指令する筈がなかった。勢いをつけてドアを蹴飛ばした。運転手もこれには焦ったらしく、煙草を太腿の上に落とし、助手席側に身を反らした。更にガードレールまで下がり、走り込んで跳び蹴りをした。
見事に凹んだ薄い鉄板が、常夜灯に照らされ歪んだ屈折をしている。タクシー会社の事故処理犯チームが、古いセダン車からぞろぞろ降りて、そのうちの身体のがっちりしたひとりが、跳び蹴りを繰り返す賢治の胸を突いた。この男の一突きで完全にぶち切れてしまった。矛先を運転手から事故処理犯チームへと変えた。胸を突かれた男に突進し、顔面に頭突きを喰らわした。鼻血が吹き出るのを見て、彼等は後ずさりした。賢治は小学校の鉄の門扉に引っ掛けてあった黄色い柄の小さな傘を振り上げ彼等を追いかけた。懸命に追ったが、酒に麻痺した下半身は気持ちについて行けず、運動会で転ぶ子供のように、前に手を伸ばした状態で転倒した。そこにオートバイで駆けつけた警察官に押さえつけられ逮捕された。拘置されはしたが、なんとか保釈金をかき集めて自宅謹慎となった。だが判決は、当然のことながら執行猶予一年の有罪であった。そして残り一ヶ月で執行猶予も切れるというときに、酔って繁華街の駐車場から車を出したところで検問に遭い捕まってしまった。元受会社の紹介で弁護士をたて裁判に臨んだが、甘い算段は見事にはずれ、あえなく六ヶ月の懲役刑を言い渡された。賢治はまさか酒飲み運転で刑務所に入るなどとは思っていなかった。最悪でも執行猶予がつく判決であろうと楽観していた。しかしその反面、頻繁に起きている飲酒運転による人身事故を報道で耳にしており、飲酒運転に対する社会の目は厳しくなっていることを賢治自身も自覚していた。
賢治の懲役は事故を未然に防ぐ為の懲らしめ刑である。万が一、人でも跳ねてしまえば長い刑務所暮らしが待っているし、出所しても被害者家族に一生その償いをしていかなければならない。それを考えれば半年間の反省懲役は当然の罰であり、寛大な判決なのかもしれない。
「あれほど上棟式では飲まないでねって言ったのに」
「しょうがねえじゃねえか、俺しか運転する奴がいねえんだからよう」
賢治は水道屋、二人の若い職人を使う個人事業主である。一人は吉田明、まだ二十八であるが、北川設備に勤めて七年になるベテランで、最近では賢治より仕事ができると元受会社からも評判がよかった。明は昨年の暮れに五年間連れ添った年上の女との間に子供ができたのを契機に、結婚披露宴を行った。彼は資金不足を理由に身内だけでと考えていたが、賢治の進言と資金協力で、ホテルを借りての盛大なパーティーとなった。明の技術力と責任感ある仕事振りを評価されてか、或いは将来を見越してか、元受各社がお祝いに駆けつけ大変な盛り上がりとなった。
宴も一段落した頃を見計らって明は賢治を会場の隅に誘った。
「社長、どうもありがとうございます。俺達のためにこんなに盛大にしてくださって」
「何言ってんだ、お前がいての北川設備じゃねえか、こっちこそ礼を言うよ。これからも頼むぜ」
明はボーイに水割りを注文し、賢治をソファーに座るよう促した。
「社長、実はそのことで相談があるんですけど」
「なんだ、言ってみな」
「はい、今年の七月いっぱいで独立したいと考えています」
賢治の酔いが脳天から真っ逆さまにつま先に抜けた。ボーイが差し出したトレイからグラスを掴んだが、明の突然の告白に握力を保つことができず、グラスが手の中を滑って下へ抜け落ちてしまった。賢治の足元に薄茶色の水溜りが広がった。割れたグラスの破片が氷河のように水の流れを堰き止めている。
「あっごめんごめん、悪いね」
「すいません、こんな席で俺が突然変なこと言ったもんだから」
床を拭き取ってくれたボーイが新しい水割りを持って来て賢治に差し出した。今度は両手でしっかりと受け取り、半分を煽った。グラスを揺らすと中をくりぬかれた薄っぺらな氷がシャカシャカとばつの悪い音を立てた。
「なんだ、この氷、カッコつかねえよなあ」
「最近ホテルとか多いですよね、すぐにできるからでしょう、でもシャカシャカじゃあ確かにカッコつきませんよね」
明は親の離婚がきっかけで大学を中退した。学費に困ったわけではなく、ただ大学を卒業しても無駄のように思えたからである。親兄弟に頼らずに独りで生きてみたかった。明は家を飛び出し、焼鳥屋に住み込みでアルバイト生活しているところを賢治に声をかけられたのだ。狭い店内を愛想良く駆け回っている明を、独立したばかりの賢治は自分の若い衆にと誘った。明は以外にも二つ返事で受けたのだ。
「宜しくお願いします。自分はやはり外仕事があっていると思っていたんですけど、取り敢えず住み込みでの仕事が欲しかったのでここで世話になってたんです。寝る場所さえ用意してくれたら明日からでも行きます」
翌日バッグひとつ担いで賢治の自宅にやってきた。広い母屋には母親のサキしかおらず、六部屋もあるから好きなように使えと言われ、縁側付きの日当たりの良い八畳間を占領したのだ。明は名前のごとく屈託のない陽気さですぐに北川家と打ち解け、家族のような生活を送った。長女の香織、長男の拓郎もすぐに馴染み、明兄ちゃんと呼ばれては一緒に遊んだり、宿題を見てあげたりするようになっていた。仕事の飲み込みも早く、その上陽気な二枚目は客受けもよく、簡単な作業は一年目で任されるようになった。
「そうか、独立か、そうだよなあ俺んとこ来てもう七年だもんなあ、俺が泉設備を辞めたのがやはり入社して七年目だった。いつまでも使われていたくねえよなあ。お前がいつまでも若い衆でいるなんて思っていたのが甘いんだよなあ」
「すいません、ここまでこられたのはひとえに社長のおかげです。焼鳥屋でぶらぶらしていたのを社長が声かけてくれたから」
「そんなことねえよ、明はどこに行ってもそれなりの成績を残せる実力がある。もしかしたら俺んとこに来てしまったから損したかもしれないぞ。わかった、半年な、おうちょうど祭りのあとじゃねえか、さっきはみっともねえとこ見せてしまったけど俺は応援するよ」
告白された直後は気が動転してしまったが、落ち着いて考えてみると、一人前の職人がいつまでも人の下に仕えているわけがない、自分もそうだったじゃないか、所帯を持って子供ができたら尚更で、自分の力をフルに出し切って、こいつらに豊かな暮らしを提供しようと必死になって当然だ。冷静に考えれば当たり前のことだが、最近は仕事を明に任せきりになってしまい、自分では動かなくなったと賢治は反省した。
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