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第16話:英雄を訪ねて
16-2:アメリカへ
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私は提案に乗って、次の日ぐらいにはアルヴァンさんと共にアメリカへ渡る。家族には枢木さん達が上手く誤魔化しながら説明するそうだった。
乗っている飛行機はI.S.M.A.の備品であるプライベートジェットで、操縦士2人と客室乗務員2人、そして私とアルヴァンさんの計6人だった。
CAから頂いたオレンジジュースを飲みながら窓の景色を眺める。スカイリーパーとの戦いが鮮明に蘇り、目眩がした。
この時の私にとって、レディブラストとしての出来事はいやな事柄になっていて、無意識の内に拒絶反応を起こしていた。
しかし、それでもコスチュームは持ってきている。何かあった時用ではあるものの、これは私が無理やり頼み込んで持ってきたものであり、アルヴァンさん並びに他の人も渋い表情をしていた。
他のみんなはトラウマとなっている私に気遣い、心配しているのだろうが・・・・・・それでも、私はこのスーツを手放す事が出来なかった。
飛行機は着陸し、私はアメリカの地へ足を踏み入れる。日本から出発し始めた時はまだ明るかったものの、アメリカに近付いていく内に夜へと変わっていた。
空港から出た私達は、タクシーに乗って予約が済ませてあるホテルへと泊まる。食事は飛行機の中で済ませておいたので、あとは風呂に入って寝るだけだった。
シャワーを済ませてベッドに寝た私は、ぐっすりと眠りについた・・・・・・筈だった。
レディブラストとしての戦いが悪夢で再生される。
周りに被害を及ぼし、目の前で守るべき人を死なせる私。
相手も背景がある筈なのに、それを全否定するように己の正義を行使する私。
メディアを通して様々な見方をされる私。
色々な考えをそれぞれ言う不特定多数の人達。
この苦しみは何処から来るの?
この痛みはどう癒せるの?
誰かの叫びが、私の正義に潰されていく。
拳は血に染まっていく。
───自分が悪党だと認識した者の血で。
そんな夢を見て、目覚めた私は泣いていた。
怖い。
辛い。
どうしてこんな事をしているのだろう、能力なんて要らない。
「ヒーローになりたい」なんて考え、持たなきゃ良かった。
夜明けは近い。私にとってヒーローとは、正義とは、何だったのか───
朝になり、私は立花未可矢としてアルヴァンさんと共にアメリカを観光していた。
ニューヨークに聳え立つエンパイアステートビルを下から見上げる私・・・・・・秋津市にあるシェリオンなんて目じゃないぐらいに高かった。
しかし、アルヴァンさんはこの時の私があまり楽しそうではない事に気付いており、彼は途中の公園に着くと、私と共にベンチへ座った。
「なぁ、未可矢。
お前にとって、"気分転換に"なってるか?」
「えっ!?
それは勿論───」
「本当の事を言ってくれ、怒る気ではない」
冷徹そうな声色に対し、私は動揺して声を震わせた。
「あ、あの・・・・・・」
「・・・・・・すまない」
動揺させてしまったと申し訳なく謝るアルヴァンさんに対し、私は謝り返し、一度話してみようと思った。
「いえ、こちらもすみません・・・・・・実は───」
私は、自分が何故楽しめないのかを話す。
アストラルとの戦い、昨日見た夢、そして自分の正義について───アルヴァンさんはそれを聴き終えた後、思考の沈黙を経て答えた。
「・・・・・・そうか、お前がどんな思いで戦って来たかは解った。
・・・・・・今までよく頑張ったな」
「あ、ありがどうございます・・・・・・」
労いの言葉をかけられて啜り泣く私に、アルヴァンさんはハンカチを渡してくれた。
私はアルヴァンさんに頭を下げてハンカチで涙を拭く。そして落ち着いたのを見計らって彼はある事を言った。
「もし良ければで良いんだが・・・・・・"あの男"に会わないか?」
「"あの男"・・・・・・ですか?」
「ああ」
「その方は、何者なんですか?」
「───"キャプテン・サンダーボルト"。
"白雷の走者"と呼ばれているヒーローだ」
乗っている飛行機はI.S.M.A.の備品であるプライベートジェットで、操縦士2人と客室乗務員2人、そして私とアルヴァンさんの計6人だった。
CAから頂いたオレンジジュースを飲みながら窓の景色を眺める。スカイリーパーとの戦いが鮮明に蘇り、目眩がした。
この時の私にとって、レディブラストとしての出来事はいやな事柄になっていて、無意識の内に拒絶反応を起こしていた。
しかし、それでもコスチュームは持ってきている。何かあった時用ではあるものの、これは私が無理やり頼み込んで持ってきたものであり、アルヴァンさん並びに他の人も渋い表情をしていた。
他のみんなはトラウマとなっている私に気遣い、心配しているのだろうが・・・・・・それでも、私はこのスーツを手放す事が出来なかった。
飛行機は着陸し、私はアメリカの地へ足を踏み入れる。日本から出発し始めた時はまだ明るかったものの、アメリカに近付いていく内に夜へと変わっていた。
空港から出た私達は、タクシーに乗って予約が済ませてあるホテルへと泊まる。食事は飛行機の中で済ませておいたので、あとは風呂に入って寝るだけだった。
シャワーを済ませてベッドに寝た私は、ぐっすりと眠りについた・・・・・・筈だった。
レディブラストとしての戦いが悪夢で再生される。
周りに被害を及ぼし、目の前で守るべき人を死なせる私。
相手も背景がある筈なのに、それを全否定するように己の正義を行使する私。
メディアを通して様々な見方をされる私。
色々な考えをそれぞれ言う不特定多数の人達。
この苦しみは何処から来るの?
この痛みはどう癒せるの?
誰かの叫びが、私の正義に潰されていく。
拳は血に染まっていく。
───自分が悪党だと認識した者の血で。
そんな夢を見て、目覚めた私は泣いていた。
怖い。
辛い。
どうしてこんな事をしているのだろう、能力なんて要らない。
「ヒーローになりたい」なんて考え、持たなきゃ良かった。
夜明けは近い。私にとってヒーローとは、正義とは、何だったのか───
朝になり、私は立花未可矢としてアルヴァンさんと共にアメリカを観光していた。
ニューヨークに聳え立つエンパイアステートビルを下から見上げる私・・・・・・秋津市にあるシェリオンなんて目じゃないぐらいに高かった。
しかし、アルヴァンさんはこの時の私があまり楽しそうではない事に気付いており、彼は途中の公園に着くと、私と共にベンチへ座った。
「なぁ、未可矢。
お前にとって、"気分転換に"なってるか?」
「えっ!?
それは勿論───」
「本当の事を言ってくれ、怒る気ではない」
冷徹そうな声色に対し、私は動揺して声を震わせた。
「あ、あの・・・・・・」
「・・・・・・すまない」
動揺させてしまったと申し訳なく謝るアルヴァンさんに対し、私は謝り返し、一度話してみようと思った。
「いえ、こちらもすみません・・・・・・実は───」
私は、自分が何故楽しめないのかを話す。
アストラルとの戦い、昨日見た夢、そして自分の正義について───アルヴァンさんはそれを聴き終えた後、思考の沈黙を経て答えた。
「・・・・・・そうか、お前がどんな思いで戦って来たかは解った。
・・・・・・今までよく頑張ったな」
「あ、ありがどうございます・・・・・・」
労いの言葉をかけられて啜り泣く私に、アルヴァンさんはハンカチを渡してくれた。
私はアルヴァンさんに頭を下げてハンカチで涙を拭く。そして落ち着いたのを見計らって彼はある事を言った。
「もし良ければで良いんだが・・・・・・"あの男"に会わないか?」
「"あの男"・・・・・・ですか?」
「ああ」
「その方は、何者なんですか?」
「───"キャプテン・サンダーボルト"。
"白雷の走者"と呼ばれているヒーローだ」
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