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第18話:The Young Justice
18-5:決着
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私は現彦くんに肩を貸し、科学センターから出ていく。するとそこには枢木さんや藤堂さんをはじめとしたI.S.M.A.のエージェントや山内隊長率いる実働部隊の隊員が待ち構えており、彼等はこちらを眩しい光で照らした後、一斉に銃を構えた。
「待って、撃たないで!!」
私が大声で周りにそう言うと、彼等は警戒を緩めて銃を下ろす。そして枢木さんがメガホンでこちらに話しかけた。
「未可矢さん、お疲れ様でした。
───十条現彦、貴方を複数の罪状にて身柄を拘束させて貰う」
現彦くんは私に頷いて、私は彼の身柄をI.S.M.A.に引き渡そうとするその時だった。
私が引き渡そうとしたその時、隣で何か不穏な気配を感じ取る。現彦くんの方を見ると、唇や目蓋を小刻みに震わせており、次第に掴んでいた手すら震え始めていた。
「・・・・・・は、早く、こ、殺す・・・・・・んだ」
現彦くんの言葉が徐々に途切れ途切れになっていく。私は心配そうに声を掛けるが、彼は大声で叫び声を上げた。
───まるで、最後の抵抗すらままならなったように。
そう、私達の背後をはじめとした周りには武装ドローンが展開し始め、私達に狙いを付ける。私は現彦くんを信じたかったのに、こんな状況になってしまい、頭が追いつかなくなっていた。
その場にいた全員が窮地に陥る中、一発の銃声が鳴り響く。それと同時に展開していたドローンは一斉に地面へ落ちていき、現彦くんも地面に倒れた。
現彦くんに駆け寄ると、彼の額には銃創が出来ており、その額からは血が流れていた。
私が何度も声を掛けても応答はない───現彦くんが倒れた先を見ると、そこには藤堂さんが銃を構えており、銃口からは硝煙が出ていた。
藤堂さんは銃を下ろし、私は現彦くんを見る。
彼は許されざる事をした。
そして私を含めた大勢の人間を危険に晒した、撃たれて当然だ。
───それなのに、私は彼の冷たくなった肌に雫を滴らせていた。
その後、センター跡で起こった出来事はI.S.M.A.の方で処理すると言う事で、私は地元の救助に向かう。
瓦礫の中に閉じ込められた人や負傷して動けなくなった人を救助し、この混乱に乗じて悪さをする人達を懲らしめて。
その途中、私は責められる事もあったが、1人の子供が言った言葉が、私の言葉に刺さった。
「ヒーローが助けに来なかった。
お父さんやお母さんが死んじゃったのに、どうして助けに来なかったの」
私のいる世界は、ヒーローがメディアだけの存在ではない・・・・・・しかも、私は目の前の敵にしか集中せず、他の人の悲鳴を無視していた。
───自分の選択には後悔したくない。だが、私の心に刺さったこの言葉は、自分がどんなヒーローになるべきか分かった気がした。
「待って、撃たないで!!」
私が大声で周りにそう言うと、彼等は警戒を緩めて銃を下ろす。そして枢木さんがメガホンでこちらに話しかけた。
「未可矢さん、お疲れ様でした。
───十条現彦、貴方を複数の罪状にて身柄を拘束させて貰う」
現彦くんは私に頷いて、私は彼の身柄をI.S.M.A.に引き渡そうとするその時だった。
私が引き渡そうとしたその時、隣で何か不穏な気配を感じ取る。現彦くんの方を見ると、唇や目蓋を小刻みに震わせており、次第に掴んでいた手すら震え始めていた。
「・・・・・・は、早く、こ、殺す・・・・・・んだ」
現彦くんの言葉が徐々に途切れ途切れになっていく。私は心配そうに声を掛けるが、彼は大声で叫び声を上げた。
───まるで、最後の抵抗すらままならなったように。
そう、私達の背後をはじめとした周りには武装ドローンが展開し始め、私達に狙いを付ける。私は現彦くんを信じたかったのに、こんな状況になってしまい、頭が追いつかなくなっていた。
その場にいた全員が窮地に陥る中、一発の銃声が鳴り響く。それと同時に展開していたドローンは一斉に地面へ落ちていき、現彦くんも地面に倒れた。
現彦くんに駆け寄ると、彼の額には銃創が出来ており、その額からは血が流れていた。
私が何度も声を掛けても応答はない───現彦くんが倒れた先を見ると、そこには藤堂さんが銃を構えており、銃口からは硝煙が出ていた。
藤堂さんは銃を下ろし、私は現彦くんを見る。
彼は許されざる事をした。
そして私を含めた大勢の人間を危険に晒した、撃たれて当然だ。
───それなのに、私は彼の冷たくなった肌に雫を滴らせていた。
その後、センター跡で起こった出来事はI.S.M.A.の方で処理すると言う事で、私は地元の救助に向かう。
瓦礫の中に閉じ込められた人や負傷して動けなくなった人を救助し、この混乱に乗じて悪さをする人達を懲らしめて。
その途中、私は責められる事もあったが、1人の子供が言った言葉が、私の言葉に刺さった。
「ヒーローが助けに来なかった。
お父さんやお母さんが死んじゃったのに、どうして助けに来なかったの」
私のいる世界は、ヒーローがメディアだけの存在ではない・・・・・・しかも、私は目の前の敵にしか集中せず、他の人の悲鳴を無視していた。
───自分の選択には後悔したくない。だが、私の心に刺さったこの言葉は、自分がどんなヒーローになるべきか分かった気がした。
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