少年王と時空の扉

みっち~6画

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8 ドアが開くと砂の海③

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 放心した父に押し出されるようにしてエレベーターを出ると、そこは延々と続く砂の海だった。
「砂? ……砂漠だ! ねえ、ここエジプトなの?」
 どういう構造なのかは知らないが、隼斗たちの乗ったエレベーターは砂漠のど真ん中に到着したものらしい。
「待て待て待て、待て、隼斗。砂漠がある国は、エジプトだけじゃないだろう」
「でもさ、エジプト展の副賞なんだよ? 逆にエジプトじゃないほうが、びっくりだって」
 隼斗は駆け出した。
「うわぁ、すごい。なにこれ! どこまで行っても砂だらけ! くすぐったい」
 沈むスニーカーになおも侵入してくる、砂。その感触に、踊り上がる。
 まるで空中に縫いとめられたように動かない父母を置いて、隼斗とアカネはどんどん砂丘を登り始めた。
「ほら! 見てよ、あっちのほう!」
 目を凝らして望む先に、きらきらまたたくひとつの線が見える。
 川ね、とアカネがうなずいた。
「川だって? うそだ、だってここ砂漠だよ? あんなに大きな川があるわけないじゃん」
「……雨季、とか」
「じゃあ、あっちは? あれは、何?」
 今度は真逆の方を向いて、隼斗は声を上げる。熱せられた砂漠のかなたに、おぼろげな三角形の何かが浮かび上がっていた。
「ピラミッド、じゃないかしら」
 それでもアカネは、でもね、と隼斗の顔をのぞき込む。
「あんたの……それ、タブレットに、ギザって書いてあった」
「じゃあ、ギザなんじゃないの、ここ」
 違うわ、と今度ははっきりとアカネは否定した。
「だって、本当にここがギザなら……ピラミッドは三つあるはずなのよ。ほら、クフ王、カウラー王、メンカウラー王って。知らない?」
 言われた隼斗は、首をひねる。
「ほら、思い出して。よくテレビの特番でやっているでしょう。ギザは観光地化が進んでいて、スフィンクスの視線の先がファーストフード店だとか、なんとか、そういうの」
 しかしここには、砂と川以外、現代風の建物など何もない。
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