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7 ドアが開くと砂の海②
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やはり、青スーツの男は答えない。
アカネは父の腕にしがみついたまま、目だけを上げて青スーツの男をにらんでいる。生真面目な性格のアカネは、きっと「時空管理局」などというふざけた男のことが許せないのだ。
面白いけどな、と隼斗は苦笑する。少なくとも退屈しきっていた隼斗にとっては、絶好のユーモアだ。
「それでは、到着まで少々説明させていただきます。これから、ある場所にご案内致します。そこで、三つのクイズを出題しますので、それぞれご回答ください」
クイズ、と隼斗が聞き返す。
「ええ、オリエンテーションはご存知ですか。冒険をしながらクイズを探し出し、回答するのです。いつ出題されるのか分かりませんので、気を抜かずにご準備くださいね」
言いながら、青スーツの男は隼斗の左腕に手を乗せた。
「それでは、これをお持ちください。換えはございませんので、無くさないようにお気をつけて」
隼斗の腕に、剣道の小手のようなものが巻かれた。
そこにはベルトがふたつあって、小型のタブレットが落ちないようにはめられている。
「戦隊モノの通信機器みたいだね。でもこれ、ただのおもちゃじゃない!」
決定的に違うのは、はめた瞬間に上下ふたつの液晶画面が立ち上がったことだ。
青スーツの男にうながされるまま隼斗が画面に触れると、上の画面に「ギザ・二十四」という文字が大写しになる。
隼斗はうきうきと飛び上がった。
「なんか、なんかさ、このまま変身とかできそうだね!」
アカネが反論し、隼斗はさらにたたみかける。ふたりが画面に釘付けになっている横で、青スーツの男は構わず話を進めた。
「ここでの滞在は、二十四時間です。一秒でも遅れますと、残念ながら置いていくことになりますので、お気をつけください。では、いってらっしゃいませ」
ちょっと待て、と父親が声を上げたが、深々と頭を下げた青スーツの男は、軽やかな音と共に宙にかき消えてしまった。
「消えた? 消えたよ! 父さん、ねえ!」
「……分かってる」
興奮して飛び上がる隼斗を尻目に、父は慎重に扉の外をうかがう。
「おいおい、ウソだろ?」
アカネは父の腕にしがみついたまま、目だけを上げて青スーツの男をにらんでいる。生真面目な性格のアカネは、きっと「時空管理局」などというふざけた男のことが許せないのだ。
面白いけどな、と隼斗は苦笑する。少なくとも退屈しきっていた隼斗にとっては、絶好のユーモアだ。
「それでは、到着まで少々説明させていただきます。これから、ある場所にご案内致します。そこで、三つのクイズを出題しますので、それぞれご回答ください」
クイズ、と隼斗が聞き返す。
「ええ、オリエンテーションはご存知ですか。冒険をしながらクイズを探し出し、回答するのです。いつ出題されるのか分かりませんので、気を抜かずにご準備くださいね」
言いながら、青スーツの男は隼斗の左腕に手を乗せた。
「それでは、これをお持ちください。換えはございませんので、無くさないようにお気をつけて」
隼斗の腕に、剣道の小手のようなものが巻かれた。
そこにはベルトがふたつあって、小型のタブレットが落ちないようにはめられている。
「戦隊モノの通信機器みたいだね。でもこれ、ただのおもちゃじゃない!」
決定的に違うのは、はめた瞬間に上下ふたつの液晶画面が立ち上がったことだ。
青スーツの男にうながされるまま隼斗が画面に触れると、上の画面に「ギザ・二十四」という文字が大写しになる。
隼斗はうきうきと飛び上がった。
「なんか、なんかさ、このまま変身とかできそうだね!」
アカネが反論し、隼斗はさらにたたみかける。ふたりが画面に釘付けになっている横で、青スーツの男は構わず話を進めた。
「ここでの滞在は、二十四時間です。一秒でも遅れますと、残念ながら置いていくことになりますので、お気をつけください。では、いってらっしゃいませ」
ちょっと待て、と父親が声を上げたが、深々と頭を下げた青スーツの男は、軽やかな音と共に宙にかき消えてしまった。
「消えた? 消えたよ! 父さん、ねえ!」
「……分かってる」
興奮して飛び上がる隼斗を尻目に、父は慎重に扉の外をうかがう。
「おいおい、ウソだろ?」
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