少年王と時空の扉

みっち~6画

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6 ドアが開くと砂の海①

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「では、参りましょう。どうぞ」
 うながされた隼斗が三角に光るボタンを押すと、今度はいとも簡単に扉は開いた。
 そこには一メートル四方の小さな空間があり、金に輝くボタンが並んだ足元には、毛足の長い真っ赤な絨毯が敷かれている。
 うながされた隼斗は、警戒心のかたまりのような家族を残して、ひとり足を踏み入れた。
 青スーツの男があとに続き、あたりまえのようにボタンに手を伸ばして閉めようとする。
 待て、と我に返った父が、あわてて声を上げた。青スーツの男は、大げさなしぐさで「おやおや」と目を見開いてみせる。
「拝見したところ、当選者様はまだお若いようですし、ご家族そろって乗ることも可能です」
 当選者、という単語を聞いて、ようやく父は落ち着きを取り戻したらしい。家族に「大丈夫だよ」とささやくと、子供のような笑みを浮かべた。
「きっと、これも来場百万人目の副賞なんじゃないのかな。もしかしたら、どこか良いところに連れて行ってくれるのかも知れないよ」
「でもぼくたち、本当の百万人目じゃないよね?」
 反論した隼斗に、父は胸のメダルを指し示した。
「そうか! これを持っているから、勘違いされたんだ」
 あの、と隼斗は青スーツの男に声をかける。
「このメダルは、本当の当選者の人にもらったものです。だから、ぼくたちは……」
「いいえ。まちがいはございません」
 青スーツの男は口角を上げてにやり、と笑った。 泣いているようにも怒っているようにも見える、不思議な笑い方だった。
「では、参りましょう」
「え、でも……」
 一家の戸惑いなどものともせず、青スーツの男は軽快にボタンを押した。
 重い機械音が響き、隼斗はすぐによろめいてしまう。まっすぐ立っているつもりでも、体がぶれて、左右に持っていかれるのだ。
「ねえ、もしかしてこのエレベーター、横に進んでいない?」
 隼斗は不安げに両親を見上げた。
「あの……どこに向かっているのですか」
 今まで黙り込んでいたアカネが、たまらず声を上げる。
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