王族令嬢が追放の危機! あどけない美少女が、魔道具をまとい、悪をこらしめ、予言をくつがえし、王国に戻ってぶちかませば、恋心は成就するのか?

甘い秋空

文字の大きさ
3 / 5

3) 古代の魔道具は危険がいっぱい?

しおりを挟む


 青空の下、コーンズ伯爵の屋敷は、意外と大きいです。

 私たち二人は、いつもの派手な制服に、深緑色のマントを羽織り、屋敷に潜入、、、いや、訪問しています。

「ここだけ、怪しいくらいに人の気配がない」
 私にも、危険な感じがビシビシ伝わってきます。

「魔道具「鎧騎士」装着!」

 魔力の糸が私を包み、鎧へと変わっていきます。
 艶消しの薄いピンクゴールド色、かわいいゴーレムキング、これ私ですよ。

 クロニィは、ガンメタリック色です。
 彼は、私の護衛であり、監視の役目もある、、、イケメンの幼馴染です。

「これを装着すると、新色の赤いリップが見えなくなる」

 ブツブツつぶやき、地下へと階段を降ります。

「待て、女性のすすり泣きが聞こえる」
 先行するクロニィが止まります。

 周囲を索敵します。

「この場所は、牢屋エリアなのかな?」
「人身売買の倉庫らしい」

「これ鉄の格子だね、どうする?」
「斬る」

 クロニィが、魔道具「木刀」で一閃、鉄が切れた!
 音を立てて鉄格子が崩れ落ちます。

「木刀なのに、鉄が斬れるんだね」
「これも、古代の魔道具だな」

 捕らえられていた人たちが音に驚き、騒いでいます。
 手錠は付いていません。

「助けに来ました。こっちの階段から外に逃げて! 外に騎士団がいます」
 カッコ良い所は、私がもらいます。

 というか、かわいいゴーレムキングを見て、怖がっているみたい。

 ◇

 屋敷の外が騒がしいです。逃げた人、騎士団、屋敷の関係者がもめる声です。
 このスキに、内部を探ります。

 ここは、地下に隠した裏の執務室のようです。

「二重帳簿だ。この屋敷を建築する際、補助金を不正受給している」
「この屋敷はハリボテ構造だ。強度が低いぞ」

 クロニィは、テキパキと仕事をこなすイケメンです。

 私も頑張ります。

「コンダス伯爵は「女性の人権法案」に反対して、お金を受け取っていますね。これは許せない」

 女性の権利のためには、必要な法案です。この法案が通れば、女性の王族に、王位継承権が正式に与えられます。

「こっちの帳簿は! やはり人身売買をやってる、ひどい」

 クロニィが、別の書類も写しとっています。
「治療費のピンハネの証拠もある、ひどいな」
「誰か来た」



 隣の部屋から声がします。
 壁越しに盗聴します。

「最近、上納金が減っているではないか!」

「治療費に税金を上乗せしているのですが、病気やケガでも治療にこれない奴らばかりで」
「もっと税金を上乗せしろ!」

「それに、病気やケガで亡くなる奴が多く、街の人口が減ってしまって」


「あいつら、許さない!」
「おい、ホシミッツ! 鎧騎士から、魔力が異常に漏れ出ているぞ、どうした?」

 私の鎧騎士が、白い?
 魔力を制御できない、私、暴走している!

 ◇

 目を覚ますと、青空が、そして屋敷が半壊しています。
 遠くで騎士団の声が聞こえます。
「なんか、前にも見たことある・・・」

「気が付いたか」
 そばで、クロニィが心配そうに見ています。
 上半身を起こすと、私は地面に敷いたシーツのような布に寝かせられていたようです。

「状況を説明して」

「お前は、魔力が暴走し、魔力を瞬間的に放出、つまり爆発させた」
「へ?」

 要約すると、魔力を爆発させて、あたりの柱や壁、天井を吹っ飛ばしたため、構造が弱い屋敷が崩れ落ちた。
 そして、魔力が尽きて、元に戻り、倒れた・・・らしいです。

「今は魔力が少し回復している、、、暴走中の記憶がない、夢の断片だけ・・・」

「コーンズ伯爵は縛り上げたから、休んでから、次の街へ向かおう」

 クロニィが、自分の左手首にはめた腕輪、魔道具「鎧騎士」を見ています。

「この魔道具「鎧騎士」は、古代の魔道具だな」
「人間では制御できない部分がある」
「装着は強制解除できたが、しばらくは使用しないほうがいい」

 私も、自分の左手首にはめた腕輪、魔道具「鎧騎士」を見ます。
「そうか、お前の名前はシリウスなのか」

「ん? 魔道具に話しかけるな、気持ち悪い」


「あれ? クロニィ、唇に赤いリップが付いている。どこで遊んできたのよ!」

 クロニィの眉間に魔法陣が浮かび上がり、電撃を発します。
「いてて、ちがう、ちがう」

「違わないでしょ、何なの?」
「言えない、いたい、やめろー」


「夢の断片は、、、夢だったのか、現実なのか」

 自分の唇を触り、空を見上げれば、透き通るような青です。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

知らない男に婚約破棄を言い渡された私~マジで誰だよ!?~

京月
恋愛
 それは突然だった。ルーゼス学園の卒業式でいきなり目の前に現れた一人の学生。隣には派手な格好をした女性を侍らしている。「マリー・アーカルテ、君とは婚約破棄だ」→「マジで誰!?」

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

悪役令嬢が処刑されたあとの世界で

重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。 魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。 案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。

処理中です...