明けの星の境界線

宇土為名

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 他人に見られるのが嫌だ。
 まるで知らない人間から、自分の容姿をまじまじと見られているとき、その頭の中で値踏みされているのが手に取るように分かる。見た目の良し悪しで何もかもが決まると子供のころから植え付けられてきた意識は、やがて破綻し、心の中に大きな影を生んだ。
 人の目が怖い。自分を見るすべての人間が。
『やめてよ、あなたは人の前に立つべくして生まれてきたのに──皆あなたを見たいのよ?』
 冗談じゃない。
 誰にも見られたくない。
 もう誰にも自分の価値を決められたくない。
 誰にも。
 家を出ようと決意したのは中学生になってからだ。だがその当時の自分には何もなく、ただ時間が過ぎるのを待つしかなかった。そして高校に入り、偶然にも店長と知り合い、バイトをすることになった。
『バイト代相場より多めにするから、おまえもうウチで働けよ』
 人の目に付くバイトなど嫌だったが、あれからもう一年あまりが経った。
『まず慣れろ。慣れて割り切れ。おまえを見てるのはその辺の雑草だと思え』
 トラブルを起こすたびに店長は怜に繰り返した。
 おまえのそれは呪いだと。
 幼いころから続く母親の呪い。
 いつかきっと解ける日が来る。
 本当に?
 本当にそう?
 誰かとまっすぐに見つめ合える日が──自分からその視線を欲しいと、それだけが欲しいと心から切望する日がいつか来るのか。
 そうずっと思っていた。


 姿を見た瞬間、息が出来なくなった。
 胸の内側が震えて心臓を鷲掴みにされる。
 痛い。
 痛い…
「ごとうく、ん」
 名前を呼ぶ声が震えていた。
「先輩」
「なんで…今、授業は」
「先輩こそ」
 なんで。
 締め付けられる胸に息が出来ない。絞り出しながら怜が言うと、逸巳は戸惑ったようにこちらを見て俯いた。
 なんで。
「担任に頼まれたんだ。いつも頼まれるから」
 なんで。
 先輩、なんで?
 俺を見ないの?
「じゃあ…」
 そう言って逸巳は背を向けた。その瞬間、目の前が真っ白になり、気がついたときにはコピー室の壁に逸巳を押さえつけていた。
 逃げないで。
 避けないで。
 嫌いにならないで。
 たった二日顔を合わせなかっただけだ。なのに、永遠みたいに感じた。このまま手を放して彼が背を向けたままになったら…
 嫌だ。
 嫌だ。
「ん、ッ、ん…」
 他人が嫌いだ。
 自分を見る人の目が。
 誰にも見られたくない。
 でも、逸巳だけは違う。
 逸巳にだけはこちらを見て欲しい。
「…ん…っ」
 コピー室の冷たい壁に囲い込むように押し付けて、その唇を奪った。
 そっと合わせた隙間から漏れ出る声に脳が灼ける。薄く開いた唇を濡らすように舌先で撫でるとびくりと腕の中の体が震えた。
「ぅ、ふ…、っ、ぁ」
「すき、…」
 好きだ。
「…先輩」
「っ、ん…」
 好きだ。
 こんなにも人を好きだと思ったことはない。
 誰かを欲しいと思ったのも初めてだった。
 鈍い音がして目を開ければ、苦しさに仰け反った逸巳の頭が壁にぶつかっていた。怜は頬に添えていた手のひらを滑らせ、逸巳の後頭部を包んだ。そのままもっとというように引き寄せて、深く唇を合わせる。狭い部屋に響く水音、抱き締めた細い体は発熱したように熱い。
 先輩。
 ──先輩。
「……、ぁ、」
 息が出来ないと振りほどく仕草に、怜は少しだけ唇を離した。
 もしかして。
「ね、先輩、初めて…?」
「…っ」
「…キスするの、初めてなの?」
 両腕で顔を覆い、逸巳は頷いた。
「う、ん…、っ」
「──」
 俺しか知らない。
 先輩にとって、俺が──
「あ…っ」
 怜は逸巳の両手首を掴むと顔から引き剥がして再び唇を合わせた。
「んーっ、ん、ん…っ」
 震える体、慣れないたどたどしい逸巳のすべてに頭の中がどろどろに煮えていく。
 怜は自分の体ごと、逸巳の体を壁に押し付けた。細い脚の間に自分の片脚を入れ崩れ落ちそうな体を支えた。腰を抱いていた手を外し、両手で逸巳の頭を持ち上げて唇を貪った。キスよりももっと深く、何度も何度も角度を変え、こぼれる吐息を吸い上げた。
「や、も…、だ、…め、」
 逸巳の指が怜の腕を辿り、爪を立てた。甘い痛みに目を開ける。薄暗くても分かるほど真っ赤になった逸巳が、たっぷりと目に涙を浮かべて怜を見上げていた。
「も、行かないと、…」
「──」
 駄目だ。
 怜は離れようとした逸巳を引き寄せるときつく抱きすくめた。
「っ、や…」
「──もう、ちょっと」
 藻掻く逸巳の項に顔を埋めて怜は囁いた。
 駄目だ。
 まだ、行かないで。
「授業終わる…っ」
「…うん」
「頼まれた、のに…」
「ん…」
「…持って行かないと」
 分かってる。
 でも、あと少しだけ。
 返事をする代わりに抱きすくめる腕に力を入れると、諦めたように深く逸巳が息を吐いた。伝わってくる鼓動がだんだんとゆっくりになり、怜のものと重なる。
 なんで、と逸巳が呟いた。
「なんで、…僕が好きなの?」
 なぜだろう。
 理由を問われても怜には言葉に出来ない。
 ただ初めて会ったあのときから、好きになっていたのだ。自分では気がつかないうちに恋に落ちていた。
 テーブルに広がる零れたコーヒー。広がっていく茶色の染み。慣れないことにどうしようもなくなっていた怜に向けられた眼差し。
『大丈夫』
 柔らかな笑み。
 それはずっと待ち焦がれていたものだった。
 ずっとずっと、欲しかったもの。
『大丈夫、大したことないです』
 怜は鼻先で逸巳の項から首筋までをそっと辿った。制服のシャツの襟を避け、首の付け根に口付ける。
「…後藤くん?」
 この気持ちをどう口にすればいいだろう。
 今言葉にしたら、壊れてしまう気がした。
 大事に仕舞って取っておきたい。
「先輩だから」
 だからそれしか言えない。
「…俺は先輩がいい」
 柔らかな髪を頬に感じながら、怜は耳の裏に鼻先を入れて呟いた。逸巳がくすぐったそうに肩を竦める。答えになってないよ、と怜の腕の中で小さく笑う声に愛しさが募った。

 ***
 
 教室に戻ったのは、結局授業が終わってからだった。
 教員室に鍵を戻し、江島の机の上に頼まれたものを置いた。置いた拍子に乱雑に散らかった机の上から何かが床に転がり落ちた。
「…と」
 椅子の下に落ちたそれを屈んで拾い上げる。適当な位置に戻そうとして、ふと何だったのかと気になった。
 掴んだ物を見下ろせば、それは小さなピアスだった。
 ピアス?
 誰か──生徒の物だろうか。
 それにしては…
「あ、三沢君」
「え、あ、はい」
 急に呼ばれて顔を上げると、先程鍵をくれた女性教師だった。奥のほうから少し早足でこちらに向かってくる。
「江島先生には言っておいたから。もう手伝いとかしなくて大丈夫よ」
「え、でも」
「いいの。こういうことはちゃんとしないと。自分の仕事を生徒に押し付けるのがいけないのよ」
 ね、と気圧されるように言われ、逸巳は頷いた。
 特に嫌だと思ったことはない。面倒と思わなくもなかったが、端から見れば女性教師の言う通りで、担任が自分の雑務を生徒に押し付けていたことになるのだろう。それ以上言い返すことも思いつかず、失礼します、と言って逸巳は教員室を出た。
「あ──」
 教室に戻ろうと歩き出した廊下の真ん中で、さっき拾ったピアスをまだ持ったままだったことに気づく。
 戻るか、と思ったが、次の授業まであまり時間がない。まあいいか、とそのままポケットの中に入れた。どうせ担任とは帰りのホームルームで顔を合わせるのだし、そのときに渡しても大丈夫だろう。
「あ」
「おーおかえりー三沢」
 教室に入ろうとした逸巳を、入り口近くで話していたクラスメイトふたりが呼び止めた。机を挟んで向き合って話す彼らに、ただいま、と逸巳は苦笑した。
「どこいってたんだよーさっきの授業マージでだるかったわ」
「つーか、おまえがサボりとか珍しくね?」
「うん、…ちょっと」
 担任からの頼まれごとだったとは別に言わなくてもいいことだ。そのあといろいろあったことも、誰にも言えない。
 席に着こうとすると、なあ、とまたふたりが逸巳を呼んだ。
「さっき話してたんだけどさあ、三沢最近二年の奴と仲いいってマジ?」
 二年。
 それはきっと怜のことだ。
 部活をやって来なかった逸巳に、知っている後輩などいない。
「それって…、後藤くんのことか?」
「そ。そいつ」
「そう、だけど」
 ついさっきのことが目の前に蘇り、慌てて逸巳は頷いた。顔が赤くなりそうで必死に取り繕う。まさか校内で、あんなことになるなんて思いもしなかった。
 怜と──あんな。
「あーやっぱほんとだったんだ」
 彼らは逸巳の変化には気づかず、顔を見合わせて渋い顔を作る。
 その妙な感じに、なに、と逸巳は尋ねた。
「後藤くんがどうかした?」
「いやさあ…」
 逸巳の問いに言い出したはずのクラスメイトは困惑したように項を掻いた。
「悪いこと言わねえから、あの後藤ってやつにあんま関わんないほうがいいぞ? マジでろくな奴じゃないらしいしさ、いい噂聞かねえし」
 同じことを寺山にも言われたことがある。
『あいつの噂知ってるか』
『ろくな奴じゃないって言ってるんだよ』
 でも、噂だ。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。端から見ればそうに違いないと思ったことでも、内側ではまるで違うことが起きていることだってある。
 その境目を、本人以外の誰が知ると言うのだろう?
「…噂だろ」
「そーかもしんねーけどさ」
「いや、女絡みはほんとだろ」
 確かに怜はよく女性に声を掛けられている。逸巳も何度も見た。先日も、それこそ怜を最初に見たときも、彼は女性と一緒だった。
 あの容姿だ。放ってはおかれないだろう。
 彼女だっていたに違いない。
「……」
 ずきりと胸の奥が痛んだ。
 体中に残る怜の体温。
 本当にどうして、自分なのだろう。でもきっと、嘘ではない。そうでなければあんな──
(あんな、激しいの…しない)
 貪るように深く口づけられた余韻に引き戻されそうになって、ぎゅ、と逸巳は目を瞑った。
 そうそう、とクラスメイトが声を上げた。
「あいつさあ、節操なさすぎてちょっと前に問題起こしたしな」
「それそれ、その話。三沢知ってる?」
 え、と逸巳は目を開けた。
 問題?
「あれだろ、あいつがここに入ってきたときにさあ…」
 怜がここに入ってきたとき──入学してきたとき?
 何の話だ?
「いや、知らない…」
 首を傾げる逸巳をクラスメイトが見上げた。
「何だよ三沢知らないの? 結構この話有名だぜ?」
「有名?」
「神田ちゃんが辞めたのあいつのせいなんだよ」
 ──神田? 辞めた…?
「後藤が手出して、それで」
「おーい座れ!」
 その声にチャイムが重なった。それと同時に教室の扉が開き、教師が入って来た。
 三々五々に散っていた生徒たちが自分の席に戻って行く。逸巳と話していたクラスメイトも立ち上がり廊下側の席に歩いた。
「三沢、どうした? 座りなさい」
「あ──はい」
 気がつけば立っているのは自分だけになっていた。慌てて逸巳は自分の席に着いた。こちらを振り向いている寺山と目が合って、思わず逸巳は目を逸らしてしまった。
「よーし、じゃあ今日は…」
 寺山の視線をどこか感じながら、教科書を取り出した。
 あとで何か言われそうだ。
 言い訳を考えておかないと…
 黒板の字を書き写そうとして、ふとペンを持つ手が止まった。
「……」
 教師の声にさっきのクラスメイトの話が重なる。遠くなる教師の声、代わりに耳の奥で繰り返される名前。
『神田ちゃんが辞めたのあいつのせいなんだよ』
 神田。
 神田…、…かんだ?
(……あ)
 そうだ。
 去年の春、逸巳が初めて怜を見たあのとき。窓の外で怜と話していた女性教師が彼女だった。
 産休代理で赴任してきたが、いつの間にか姿が見えなくなった。
 突然辞めたのだと誰かがそう言っていたのだ。






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