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♯21「要因に気付く者」
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[西唐野街・サンシャインモール]
広大な書物館の比較的入り口に近い通路で、紡は素っ頓狂な声を上げた。数刻前に一目だけ、しかもじっくり観察していた訳じゃないから自信はないが……何処か焦りの表情を見せている彼女こそ、先程の迷子の母親だ。厚意に甘んじ、伸ばされた掌をそっと握る。子どもの手を温めるその優しさには、何処か身に覚えがあった。
『——紡はセブマを探して』
初奈の言葉通り、探せば(探してないけど)見つかるものだな。紡は心の中で一人感心した。
「お、お怪我はないですか?本当にごめんなさい…!」
物思いをやめてハッと顔を上げる。にしても謝りすぎじゃないか?まあぶつかってしまったとはいえ、相手はたかだか中学生だ。そう何度もペコペコされてはこちらが困ってしまう。
「大丈夫ですよ。それより、お急ぎですか?」
念のため、かいとの母親かの最終ジャッジだ。女性は数回頷き、恐ろしい何かと対峙するかのように息を飲んだ。
「ええ。実は…息子と逸れてしまったんです。あの、5歳ぐらいの男の子を見ていませんか?」
頭の中でピースとピースが噛み合っていく。ビンゴだ。
「はい。かいと君ですよね?」
「っ!そ、そうです!芽音は今何処にいますか⁉︎」
芽音の母親は目を輝かせ、縋るように紡に詰め寄った。相当心配だったように見受けられる。紡は宥めるように言い聞かせた。
「そっちも大丈夫です。連れが迷子センターに連れて行った所なんで」
というかそうだ。そろそろ館内アナウンスがあっても良いころだと思うんだけど…初奈はどうしたんだろう。まさか迷ったか?
「俺、そいつに頼まれて芽音の母親を探しに来たんです。まさかこんなに早く会えるだなんて思いませんでしたけど」
紡は肩をすくめ、手にしていたシノビモノの絵本を元の位置に戻した。女性は心底安心したようで、ふうっと張り詰めていたものを吐きながら胸を撫で下ろした。
「僕は紡って言います。それじゃあ行きましょう。息子君が待ってますから」
「ええ。紡さん」
彼女の少し明るくなった一瞬の表情が、記憶にあるかいとの笑顔と見事にリンクした。
さて。母親を見つけるというミッションは遂行した。が、紡は次に立ちはだかる壁を前に苦笑いを浮かべる。このセブマ(セントラル・ブック・マート)という魔の迷宮から脱出するという障壁だ。
[西唐野街・サンシャインモール]
ここの角を曲がれば……また同じ通り。そこから今度はこちらに曲がれば…ここも知っている通り。堂々巡りする景色の連続に、紡ははっきり言ってうんざりしていた。
迷路として制作されたのならまだ良いが、ブックマートと名がつくクセにカウンターや読書スペースにすら辿り着けないのは性悪設計と言わざるをえない。本当にファンタジー小説に出てくるような「ラビリンス」だ。
ここ、想像以上に広いぞ……もしかしたらマジでこの空間だけ永遠に広がり続けているのかも。
「…少し休憩しましょうか。闇雲に歩いても、入り口に戻れるかは分かりませんし」
芽音の母親が後方からそう声をかける。たしかにそれも有りだ。このまま体力を消耗するより、少しでも合理的に入り口に近付かないと。
……何処だったか、自店舗の売り物の多さと店舗の広さを「ジャングル」と評したお店があったが…ここは正にジャングルそのものだ。
ぼーっと陳列された本達の背表紙を眺めていると、何を思ったのか隣の芽音の母親が話題が振られた。
「シノビモノ、お好きなんですか?」
「えっ?」
シノビモノ?と思いながら顔を上げると、目の前には先程まで紡が手にしていたシノビモノの新刊が電灯を浴びている。ということは、ぐるぐる巡って結局スタート地点に戻ってきた訳だ。
「さっきも読まれてましたよね?」
ずらりと並ぶシノビモノの列のから一冊を手に取り、ぱらぱらと捲る。
「うちの息子も大好きなんですよ。特にたい焼きエクスプレス編なんてサブスクで何回も見返すぐらいで…」
芽音の母親はにこにこと微笑みながら本を戻し、紡の答えを待った。多分どんな回が好きかとか、どのキャラが好きかとか、そういった返答が来ると思っていたのだろうが…
「ああいや、実は見た事はないんです。さっきは芽音君のシャツに描いてあったので手に取ってみただけで…今も別に意味があって見てた訳じゃないし」
謝る必要もないのに、何故か喉の奥から「すみません」という謝意を纏った言葉がこぼれる。
「あら、そうだったの。珍しいわね。私が5歳ぐらいの時からもずっとアニメが放送されてたんだけど…」
言動や顔年齢から合算して、ザッと30年ぐらい前からあっている事になる。えっ、そんな国民的作品なのかシノビモノ⁇
「見覚えがないですね。さっき言ってた連れ——同級生なんすけど——は見た事があるらしいです」
ゴールデンウィークが終わったら隼人にも聞いてみよう。覚えていれば。彼女は何かを含むように微笑み、グッとその場に背伸びした。
「さあて、英気満タン!。そろそろ行きましょうか」
紡は慌てて「は、はい!」と返事をした。今、励まされた?
『ー忍法ーーーー』
ふと脳裏に見逃しそうなぐらいに小さな記憶が浮かんだが、紡はそれを無視した。
[西唐野街・サンシャインモール]
体感15分という脅威の時間を掛けて、紡と芽音の母親は出口を潜り出た。壁掛けの時計を見れば、出入り口を探し出してから実際八分前後しか経っていない。来た事のある通路すら新鮮に感じ、新しい通路すら何度も通ったように感じてしまう。方向感覚が目まぐるしく狂ってしまうような場所だった。
「い、行きましょうか…」「ですね…」
大人でも軽く迷うような設計、普通はありえないと思うんだけど……まあ文句を垂れたって仕方がない。今は迷子センターに急ぐだけだ。
と、その時。
ドゴオオオオオォォォォッッ
破裂音か衝突音か、凄まじい唸りのような音が建物全体を駆け抜けた。一時言葉を失いつつも、なんとか頬を垂れた冷や汗を拭い取る。辺りを行き交う人々もざわめきを始める。
「今のは……一階か?」地鳴りのような音の響き方からして、この階や更に上とは考えにくい。となれば、必然的に迷子センターのある一階である可能性が大だ。
「…っ!」
芽音の母親は紡なんかよりもドッと冷や汗をかき、思考よりも先に行動へと走った。近場の下向きのエスカレーターに駆け込み、構わず稼働し続ける階段を急ぎ足で走り降りていく。そのスピードたるや、旭のバイクより少し遅いぐらいだ。
「あっ、待って!」
もしも何らかの事故ならば、徒手空拳で現場に近づくのは流石に悪手すぎる。芽音ならきっと大丈夫だ…と思う。
意味を持たない呼び止めはかなぐり捨て、紡は彼女の後を追ってエスカレーターを駆け降りた。
そこに広がっていたのは、あまりにも悲惨な光景だった。ぐしゃぐしゃにひしゃげたシャンデリア。木っ端微塵に割れ、土煙に隠れたショーウィンドウ。バチバチと激しい症状を見せる電熱線。悲鳴を上げながら外へ出ようと奔走する人の流れ。そして、彼らが逃げながら振り返った場所にぽつんと立つ二つの人影——
「芽音!」
先に到着していた母親が息子の後ろ姿を認知して叫ぶ。少年は床に蹲って悶えており、何かぶつぶつ呟きながら床を弱々しく叩いた。
「初奈!何があった⁉︎」
初奈はひどく怯えた表情で肩越しにこちらを振り向き、言葉にならない悲鳴を口端から漏らした。その目にはどこか涙も浮かんでおり、芽音の背中に庇うように腕を添えていた。
「紡。なんか…急に爆発して…それで…」
チラッと芽音の方を見下ろす。すぐ側にたどり着くと、母親にも目もくれない彼の苦しみ方に覚えがあった。
「一体何が…」
「———ジャオッ」
突如、耳に異音が飛び込んだ。泡が詰まったようなゴボついた声だ。人が出す、規則性のある声じゃない。動物の鳴き声に近いかな。
「ジャチチチッ」
今度はよりはっきりと、ショーウィンドウの奥から声が聞こえてきた。何が激突したのか、その疑問は煙に巻かれて蠢く巨体が知らしめている。芽音の小さな体から伸びる薄く白い糸のようなものが、紡の仮説を確信へと追いやった。
「纏かっ…!」「?」初奈が小首を傾げる。
「ジャオオオッ‼︎」
けたたましい咆哮が煙を吹き飛ばし、その正体が電飾の下に露になる。悠々と空中を泳ぎ、時折り鋭利な歯をいじらしく鳴らすその生物は、一目見た限りでは大きな「たい焼き」にしか見えなかった。
次回「血潮に穿つもの」
広大な書物館の比較的入り口に近い通路で、紡は素っ頓狂な声を上げた。数刻前に一目だけ、しかもじっくり観察していた訳じゃないから自信はないが……何処か焦りの表情を見せている彼女こそ、先程の迷子の母親だ。厚意に甘んじ、伸ばされた掌をそっと握る。子どもの手を温めるその優しさには、何処か身に覚えがあった。
『——紡はセブマを探して』
初奈の言葉通り、探せば(探してないけど)見つかるものだな。紡は心の中で一人感心した。
「お、お怪我はないですか?本当にごめんなさい…!」
物思いをやめてハッと顔を上げる。にしても謝りすぎじゃないか?まあぶつかってしまったとはいえ、相手はたかだか中学生だ。そう何度もペコペコされてはこちらが困ってしまう。
「大丈夫ですよ。それより、お急ぎですか?」
念のため、かいとの母親かの最終ジャッジだ。女性は数回頷き、恐ろしい何かと対峙するかのように息を飲んだ。
「ええ。実は…息子と逸れてしまったんです。あの、5歳ぐらいの男の子を見ていませんか?」
頭の中でピースとピースが噛み合っていく。ビンゴだ。
「はい。かいと君ですよね?」
「っ!そ、そうです!芽音は今何処にいますか⁉︎」
芽音の母親は目を輝かせ、縋るように紡に詰め寄った。相当心配だったように見受けられる。紡は宥めるように言い聞かせた。
「そっちも大丈夫です。連れが迷子センターに連れて行った所なんで」
というかそうだ。そろそろ館内アナウンスがあっても良いころだと思うんだけど…初奈はどうしたんだろう。まさか迷ったか?
「俺、そいつに頼まれて芽音の母親を探しに来たんです。まさかこんなに早く会えるだなんて思いませんでしたけど」
紡は肩をすくめ、手にしていたシノビモノの絵本を元の位置に戻した。女性は心底安心したようで、ふうっと張り詰めていたものを吐きながら胸を撫で下ろした。
「僕は紡って言います。それじゃあ行きましょう。息子君が待ってますから」
「ええ。紡さん」
彼女の少し明るくなった一瞬の表情が、記憶にあるかいとの笑顔と見事にリンクした。
さて。母親を見つけるというミッションは遂行した。が、紡は次に立ちはだかる壁を前に苦笑いを浮かべる。このセブマ(セントラル・ブック・マート)という魔の迷宮から脱出するという障壁だ。
[西唐野街・サンシャインモール]
ここの角を曲がれば……また同じ通り。そこから今度はこちらに曲がれば…ここも知っている通り。堂々巡りする景色の連続に、紡ははっきり言ってうんざりしていた。
迷路として制作されたのならまだ良いが、ブックマートと名がつくクセにカウンターや読書スペースにすら辿り着けないのは性悪設計と言わざるをえない。本当にファンタジー小説に出てくるような「ラビリンス」だ。
ここ、想像以上に広いぞ……もしかしたらマジでこの空間だけ永遠に広がり続けているのかも。
「…少し休憩しましょうか。闇雲に歩いても、入り口に戻れるかは分かりませんし」
芽音の母親が後方からそう声をかける。たしかにそれも有りだ。このまま体力を消耗するより、少しでも合理的に入り口に近付かないと。
……何処だったか、自店舗の売り物の多さと店舗の広さを「ジャングル」と評したお店があったが…ここは正にジャングルそのものだ。
ぼーっと陳列された本達の背表紙を眺めていると、何を思ったのか隣の芽音の母親が話題が振られた。
「シノビモノ、お好きなんですか?」
「えっ?」
シノビモノ?と思いながら顔を上げると、目の前には先程まで紡が手にしていたシノビモノの新刊が電灯を浴びている。ということは、ぐるぐる巡って結局スタート地点に戻ってきた訳だ。
「さっきも読まれてましたよね?」
ずらりと並ぶシノビモノの列のから一冊を手に取り、ぱらぱらと捲る。
「うちの息子も大好きなんですよ。特にたい焼きエクスプレス編なんてサブスクで何回も見返すぐらいで…」
芽音の母親はにこにこと微笑みながら本を戻し、紡の答えを待った。多分どんな回が好きかとか、どのキャラが好きかとか、そういった返答が来ると思っていたのだろうが…
「ああいや、実は見た事はないんです。さっきは芽音君のシャツに描いてあったので手に取ってみただけで…今も別に意味があって見てた訳じゃないし」
謝る必要もないのに、何故か喉の奥から「すみません」という謝意を纏った言葉がこぼれる。
「あら、そうだったの。珍しいわね。私が5歳ぐらいの時からもずっとアニメが放送されてたんだけど…」
言動や顔年齢から合算して、ザッと30年ぐらい前からあっている事になる。えっ、そんな国民的作品なのかシノビモノ⁇
「見覚えがないですね。さっき言ってた連れ——同級生なんすけど——は見た事があるらしいです」
ゴールデンウィークが終わったら隼人にも聞いてみよう。覚えていれば。彼女は何かを含むように微笑み、グッとその場に背伸びした。
「さあて、英気満タン!。そろそろ行きましょうか」
紡は慌てて「は、はい!」と返事をした。今、励まされた?
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ふと脳裏に見逃しそうなぐらいに小さな記憶が浮かんだが、紡はそれを無視した。
[西唐野街・サンシャインモール]
体感15分という脅威の時間を掛けて、紡と芽音の母親は出口を潜り出た。壁掛けの時計を見れば、出入り口を探し出してから実際八分前後しか経っていない。来た事のある通路すら新鮮に感じ、新しい通路すら何度も通ったように感じてしまう。方向感覚が目まぐるしく狂ってしまうような場所だった。
「い、行きましょうか…」「ですね…」
大人でも軽く迷うような設計、普通はありえないと思うんだけど……まあ文句を垂れたって仕方がない。今は迷子センターに急ぐだけだ。
と、その時。
ドゴオオオオオォォォォッッ
破裂音か衝突音か、凄まじい唸りのような音が建物全体を駆け抜けた。一時言葉を失いつつも、なんとか頬を垂れた冷や汗を拭い取る。辺りを行き交う人々もざわめきを始める。
「今のは……一階か?」地鳴りのような音の響き方からして、この階や更に上とは考えにくい。となれば、必然的に迷子センターのある一階である可能性が大だ。
「…っ!」
芽音の母親は紡なんかよりもドッと冷や汗をかき、思考よりも先に行動へと走った。近場の下向きのエスカレーターに駆け込み、構わず稼働し続ける階段を急ぎ足で走り降りていく。そのスピードたるや、旭のバイクより少し遅いぐらいだ。
「あっ、待って!」
もしも何らかの事故ならば、徒手空拳で現場に近づくのは流石に悪手すぎる。芽音ならきっと大丈夫だ…と思う。
意味を持たない呼び止めはかなぐり捨て、紡は彼女の後を追ってエスカレーターを駆け降りた。
そこに広がっていたのは、あまりにも悲惨な光景だった。ぐしゃぐしゃにひしゃげたシャンデリア。木っ端微塵に割れ、土煙に隠れたショーウィンドウ。バチバチと激しい症状を見せる電熱線。悲鳴を上げながら外へ出ようと奔走する人の流れ。そして、彼らが逃げながら振り返った場所にぽつんと立つ二つの人影——
「芽音!」
先に到着していた母親が息子の後ろ姿を認知して叫ぶ。少年は床に蹲って悶えており、何かぶつぶつ呟きながら床を弱々しく叩いた。
「初奈!何があった⁉︎」
初奈はひどく怯えた表情で肩越しにこちらを振り向き、言葉にならない悲鳴を口端から漏らした。その目にはどこか涙も浮かんでおり、芽音の背中に庇うように腕を添えていた。
「紡。なんか…急に爆発して…それで…」
チラッと芽音の方を見下ろす。すぐ側にたどり着くと、母親にも目もくれない彼の苦しみ方に覚えがあった。
「一体何が…」
「———ジャオッ」
突如、耳に異音が飛び込んだ。泡が詰まったようなゴボついた声だ。人が出す、規則性のある声じゃない。動物の鳴き声に近いかな。
「ジャチチチッ」
今度はよりはっきりと、ショーウィンドウの奥から声が聞こえてきた。何が激突したのか、その疑問は煙に巻かれて蠢く巨体が知らしめている。芽音の小さな体から伸びる薄く白い糸のようなものが、紡の仮説を確信へと追いやった。
「纏かっ…!」「?」初奈が小首を傾げる。
「ジャオオオッ‼︎」
けたたましい咆哮が煙を吹き飛ばし、その正体が電飾の下に露になる。悠々と空中を泳ぎ、時折り鋭利な歯をいじらしく鳴らすその生物は、一目見た限りでは大きな「たい焼き」にしか見えなかった。
次回「血潮に穿つもの」
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