ハーレムマスターオンライン~エロゲのような異世界で最高のハーレムを目指します~

南郷 聖

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第1章 鉱山都市ユヴァリー

第2話『VS赤鎧』

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「うわぁぁあああ! 来るな、来るなぁぁあ!」

「敵前逃亡は死罪って軍で習わなかった? 雷よ、槍となりて敵を穿て『雷槍ライトニングスピア』!」

「あばばばばばばばばばばば」

 槍の形状に変化した雷が敵の胸部に突き刺さり、あっという間に黒焦げにして腐った焼き肉のような臭いが立ち込める。この魔法はFランク雷魔法の中では一番攻撃力が高いっぽいね。作った槍でそのまま近接戦闘も出来るかもしれない。

 魔法の練習も兼ねて残っている兵士達とじっくり戦っていると、気付いた時には俺の周囲には誰もいなくなっていた。残すは奥の方でこちらを観戦している数名の兵士と赤鎧の騎士。あとは貴族服を着た本命らしき人物とその取り巻きっぽいネズミみたいな顔の男だけだ。




「よぉ・・・会いたかったぜクソ野郎!」

「そんな…もうここまで来るなんて!」

「き、貴様……おい貴様、どういうつもりだ貴様ぁぁぁ! 俺は次期ラヴェンダー領領主であるタカティン=フラーノ=ラヴェンダーだぞ! 貴様のような平民が貴族であるこの俺に逆らうのがどういう事か分かってるんだろうなぁ!!」

「知らんわそんなもん。おい豚貴族、お前にはあとで用があるからそこで大人しく待ってろよ? …先にお前だ」

 メインディッシュは後にして、この豚貴族を守るように前に出てきた赤い全身鎧を身に纏った巨体の男に目を向ける。生き残っている兵士達は既に戦意を喪失している中、この赤鎧だけは俺の殺気を浴びても平然としていた。こいつなら少しは手応えがあるかもしれない。

「や、やってしまえハーミット軍事総長! このガキを殺せぇぇぇ!!」

「……御意」

 赤鎧が手に持つ巨大な戦斧を構えると斧の刃が真っ赤に光り輝き、そこから炎が噴き出した。魔法武器ってやつかな?

「いいぞ。殺る気があるならかかって来い」クイクイッ

「……参る! うおおおおおおおっ!」

 赤鎧は戦斧を振りかぶりながらダッシュで俺に向かってくる。全身鎧という重装備を着込んでるのにそこそこ速いのは素晴らしいが、俺に向けてくる殺気や体に纏っている気の練りなんかは全然温い。

「せぇぇりゃりゃりゃりゃりゃああああっ!!」

「甘い! って熱っつ!!」

 赤鎧から連続で繰り出される戦斧を全て紙一重で躱しはしたが、斧に纏わせている炎が予想以上に熱い。地味に火傷したかもしれんな。

「・・・何故当たらぬ」

「俺がお前より強いからだ」

    俺は気合と根性でその熱に耐えながら技の切れ目を突いて赤鎧の懐に入り込む。それに気付いた赤鎧が俺に殴り掛かろうとしてくるが、その判断は命取りだ。そこにいる俺は窪塚流『影贋』で作った残像であり、俺自身はもうお前の真後ろにいるんだからな。

「残像・・・後ろか!」

「遅いよ。窪塚流…『斬鋼』!」

「ぬううっ!?」

 パキィイィィン!

「ちょ!?」

 赤鎧が背後の俺に気付いた瞬間、俺の剣が赤鎧の胴を守る鎧ごと一息で体を分断した…かと思ったら、赤鎧に刃が触れた瞬間、俺の剣が粉々に砕けてしまった。どうやら奴の鎧の強度と俺の技の負荷に剣自体の耐久力が持たなかったっぽい。

「俺の…童貞喪失記念が…」

「…隙あり!」

 赤鎧は背後にいる俺に向かって振り向く時の遠心力を利用して斧を横薙ぎに振り抜いてくる。だが俺はその攻撃をバク宙で華麗に避けながら後ろに飛んで距離を取った。記念品を失ったショックで少し反応が遅れたらしく、足をちょっと切られてしまったようだ。右脹脛が地味に痛い。

「…やるな。だが我が鎧は魔鋼を鍛えた秘宝級の業物。何人も斬る事など叶わぬ!」

「あぁそうかい……それじゃ鎧を斬るのは諦めるわ。別の手段でお前を潰す!」

    まぁ武器がないから斬れないだけなんだけどね。素手でもやってやれない事はないけど、それよりも効率的な方法がある。

「赤鎧、宣言してやるよ。俺はここから真っ直ぐお前に突っ込んで攻撃する。迎撃出来るもんならやってみろ!」

「………来い」 

    さっきの俺の宣言には2つ理由がある。一つは俺の言葉に疑念を持たせて注意力を散らすこと。影贋を見たこいつは、実は正面から突っ込んでくる俺が偽物で、別の場所から攻めてくるかもしれないと思ってくれる・・・かもしれないからだ。

    もう一つは・・・この世界での俺の強さを見極める為。この赤鎧はこの世界でも強い部類なんだろう。軍事総長とか呼ばれて魔法武器も持ってるし。こいつを普通に倒すことができるなら、俺は今の段階でもそこそこやれるって言うのが確認できる。

    悪いが・・・実験台になってもらうぞ赤鎧。

 俺はその場でクラウチングスタートの姿勢を取り、体内の氣を足に集中してその状態をキープする。筋肉を流体レベルにまで弛緩してから一気に緊張に転じると同時に低姿勢のまま足に集中した気を爆発させて赤鎧に突っ込んだ。力を借りるぜ板○先生!

「行くぜ赤鎧!    窪塚流『瞬光・改』!」

「!? ふんはぁぁぁあ!!」

 赤鎧が俺の超速度に驚いたかのように斧を振り下ろすがもう遅い。斧が届く前に赤鎧に辿り着いた俺は、そのままの勢いで赤鎧の右足にレスリングタックルを喰らわせた。

「うおおおおっ!?」

 体勢を崩してうつ伏せでその場に倒れる赤鎧。

「つっかまーえた♡」

「ぐっ・・・」

    俺は捕らえた赤鎧の右足を両腕でしっかり抱き締めながら、足に気を全集中して赤鎧ごと上空にジャンプする。ちなみに俺の全力垂直跳びは20mを超える。

「貴様、一体何を・・・」

「すぐ分かる。だが・・・ちょっと痛いぞ?    せぇぇりゃぁぁぁぁあ!」

    上空でバランスを取りながら赤鎧の右足をがっちりホールドしつつ、それを軸に自分の全身を真横に高速回転させた。記念品を壊された恨みを込めながら何回も何回も何回も。

 グルグルグルグルグルグルブチ、ブチブチブチィィィ!!

「ぐおおおおおおおっ!!!」

 俺の高速横回転に耐えきれなくなった赤鎧の右足は、無残にも足の根元からエグい音と共に捻じ切れてしまった。これぞ窪塚流古流柔術『龍渦咆転ドラゴンスクリュー』である。

 失った右足の付根部分を痛そうに押さえながら地面に落下し、その場に蹲りながら呻き声をあげている赤鎧。着地してからその場に捻じ切った赤鎧の右足を捨てた俺は、近くに放置されていた赤鎧の戦斧を拝借してから彼の頭上で上段に構えた。

「…何か言い残すことがあるなら聞くけど?」 

「……我の完敗だ。敵に命乞いをする気もない。・・・殺せ」

「そっか。お前…まぁまぁ強かったぜ」 

 赤鎧が覚悟を決めたように目を閉じたので、俺は迷わずその首に戦斧を振り下ろした。断ち切った赤鎧の頭から兜が落ちると、その顔は満足そうに口元を緩めている様に見えた。

    偉大なる武人赤鎧(名前知らない)よ、実験に付き合ってくれてありがとう。おかげでそこそこ自身がついたよ。あと、お前の装備は俺がきっちり貰ってやるから安らかに眠ってくれ。




 赤鎧の装備品を全て資産倉庫に仕舞ってから、本日のメインディッシュの元へと向かう。

「ば、馬鹿なッッ!! B級の魔物100匹を単独討伐したハーミット軍事総長があんなガキにぃい!?」

「たたたたたたタカティン様! 私は先に帰らせて頂ひぎゅっ!」

 ネズミ男が俺に背中を見せて逃げようとしてたので、その背後に飛び込んで猪〇もビックリの速度で延髄斬りを喰らわせる。命中した瞬間、首を狙ったはずのネズミ男の頭が”パァンッ!”という破裂音を立てながら汚く弾け飛んでしまった。解せぬ。

 豚貴族を守っていた兵士達は赤鎧を倒した時点で逃げちゃったみたいだし、これで残ったのは豚貴族ただ一人だ。

「コ、コウジュン!? コウジュンンンンンンッ!!」

「…さて、お前には少し用があるんだわ。ちょっと付き合ってもらうぞ?」




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