ハーレムマスターオンライン~エロゲのような異世界で最高のハーレムを目指します~

南郷 聖

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第1章 鉱山都市ユヴァリー

第4話『初めてのハーレムメンバー(仮)』

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 ユヴァリーの街か…。そういえば今いるここって何処なんだろう? 

 出発する前にふと現在位置が気になったので、メニューの地図を開いて確認してみる。すると、ここが日本地図で言うところの北海道の中心からちょっと南西にある夕張付近であることが分かった。ちなみにラヴェンダー領は富良野一帯を治めているらしい。

「あ、そういえば…」

 地図を見てて思い出したが、ネフィからメニューの地図に備わっている機能を使って特定の人物を探し出す事が出来ると教わった気がする。この機能を使えばミコトの母親も探し出せるんじゃね? それで、命を救っただけでなくミコトの母親の居場所まで発見できれば、アサヒは俺に感謝して…お、おっぱいぐらいなら触らせてくれるかもしれない。

「ん? どうしたアキト殿。なんだかとても気持ち悪い顔をしているが…」

「気持ち悪い言うな…。いや、もしかしたら俺の能力(?)でミコトの母親を探し出せるかも知れないなーって思って」

「なっ、ほ、本当かアキト殿!?」

 えらい勢いで喰いついたな。だが、これはアサヒを手に入れられる絶好のチャンスだ。頑張れ俺!!

「や、やってみないと分からんけどな。でも、それをやる場合はアサヒに飲んで欲しいじょ、条件があるんだがっ!」

「…構わない。スズカ様が見つかるのなら私がどんな条件でも飲もう。だからスズカ様を見つけてくれ! この通りだ!!」

 ミコトと一緒に馬から降りて、その場で深々と頭を下げるアサヒ。隣にいたミコトもアサヒを見習って頭を下げてくる。ん? 今どんな条件でも飲むって言った? 条件の確認もしないでそんなこと言っていいの? ……まぁ、本人が頭まで下げて頼んでくるんならありがたく俺の条件を飲んでもらおうかな。

「上手く行くかはまだ分からんから頭なんて下げなくていいっての。…んじゃ、やってみるか」

 これで失敗なんてしたら全てがご破算だからな…。慎重に行こう。

 俺も馬を降り、メニューの地図項目にある人物探索機能を起動させる。これで人物検索を掛けるには、その人物に関する情報や身体的特徴、検索対象が所持していた持ち物などに付着しているその人物の魔力情報が必要らしい。遺伝子情報みたいなもんかな?

「アキト殿、空中に指を這わせて何をしているのだ? 何かの儀式か?」

 儀式て。そういやネフィがメニュー画面はプレイヤーにしか見えないとか言ってたな。

「まぁそんな感じだ。それで、ミコトの母親を探すためにはその人の情報が必要なんだよ。とりあえず母親の名前と体の特徴や経歴なんかの情報と、母親が身に着けていた物とか持ってたら貸して欲しい」

「…スズカ様の情報か。よろしいですかミコト様?」

「うん。お母様が見つかるなら構わないの」

「畏まりました。だがアキト殿、一つ約束してくれ。これから話す事は他言無用に願いたい。スズカ様の個人的な情報な上に、あまり他人に知られては困る内容なのだ」

「分かってるよ。誰にも言う気はないから安心してくれ」

 まぁ漏らす人もいないんだけどね。知り合いいないし。

 アサヒが言うには、ミコトの母親の名前はスズカ=フラーノ=ラヴェンダー。旧姓スズカ=ランフィオリス。ミコトと同じ金髪で純血のエルフらしい。容姿の特徴として、右目の下に泣きぼくろがあり、背中には世界樹の紋という名の特殊な入れ墨が刻まれているそうだ。現在の年齢は268歳。出身地は東のオーヴィヒロン獣王国の森の中にあるエルフの里で、本人はその里の閉鎖的な雰囲気に嫌気が差して逃げるように里を出たらしい。

 里から出て行き着いた先はラヴェンダー領の領都ルピアレッド。そこで出来た知人の紹介で領主館のメイドとして働き始めるが、その美しい容姿が領主の目に止まり、無理矢理手篭めにされた挙句メイド兼愛妾として囲われる様になる。

 そんな不遇とも言える状況下で領主との間に娘のミコトが誕生する訳だが…人間とエルフの間に生まれたハーフエルフのミコトは忌子と呼ばれ、愛妾から側室になったミコトの母共々一部の家の者達からの妬みと反感を買い、人目に付かない所で虐げられていたらしい。

 しかし、ミコトの母はどんな相手との子供でも自分の愛する子供だと言ってミコトの事をこれでもかと愛し、信頼できるメイド達と協力して子育てと仕事を見事に両立して暮らしていたようだ。

 常に笑顔を絶やさない、聖女のように優しい女性だったそうな。

「それと…ミコト様、アキト殿にあれを」

「…うん。これ…お母様がずっと使ってたリボン。お母様、青い色が好きだったからずっと髪に付けてたの。お願い…これでお母様を見つけて欲しいの。ぐすっ、お母様に…会わせて欲しいのぉ! うあぁぁ、うわあああんっ!」

 母を思い出したのか突然泣きじゃくるミコト。…そんなに母親に会いたいんだな。不純な動機で母親探しをしている自分がいたたまれなくなってくる。ポロポロと涙を流すミコトをアサヒが抱きしめながら、涙目で俺を見つめてきた。

「ミコト様…。私からも再度お願いする。アキト殿…どうか、どうかスズカ様を…」

 …泣いてる美人と幼女には勝てる気がしないな。俺はミコトの小さな手から青いリボンを受け取り、涙を流す彼女の頭を優しく撫でた。突然撫でられたことに最初は驚いていたミコトだったがすぐに受け入れてくれたようで、俺の手を自分の頬に持ってきてスリスリしてきた。何この可愛い生き物。

「ぐすっ、お兄ちゃんのおてて…おっきいの。それに、こうしてると…お兄ちゃんがすっごく優しい人って伝わってくるの」

「そっか……よっしゃ、安心しろミコト! このリボンを使ってすぐにお母さんを見つけ出してやるからな!」

「…ほんとう?」

「あぁ。だからそんなに悲しそうな顔すんな? 女の子は笑ってた方が可愛いんだからな」

「お兄ちゃん――うん。よろしくお願いします!」

 アサヒから聞いた情報とこのリボンがあればなんとかなるかな? 俺は人物検索欄に教えてもらった情報を入力し、ミコトから借りたリボンをメニュー画面にくっつけて母親の魔力情報を検出する。その情報を登録してから、ミコトの母親が見つかりますようにと願いを込めて検索開始ボタンをタッチした。





「ーーーお、出たな」

 数分後、ここから北に350kmほど行ったところに母親の反応が現れた。すげぇな地図機能…有効距離制限もなさそうだし。

「見つけたぞ。ミコトの母親はここから北に350㎞程行った所にいるらしい」

 捜索結果をアサヒ達に伝える。母の居場所が分かってミコトは喜んでいたが、アサヒは何故か怪訝そうな顔をしている。何か問題でもあるのか?

「北に350㎞…ということは、スズカ様はもうサンライトリバー帝国領内に入っているという事か。厄介だな」

「サンライトリバー帝国?」

 地図機能で調べると、旭川から北にある中川町から南にある美瑛町、東の網走付近までの一帯の土地を支配下に治めている巨大な国のようだ。

「あぁ。サンライトリバー帝国はこのノースリヴァイアにある国の中でも三大強国に数えられている国の一つだ。サンライトリバー帝国皇帝のキヨタケ=シーベッツ=アグレオーレは、強い者こそが正義という信念を掲げていてな。種族や出自、人格を無視して強い力を持つ者にだけ権力を与え、力と恐怖で領土全域を支配するという完全実力主義の国なのだ」

「力こそが正義か…すげぇ国だな」

「あぁ。だが、そんな国だからか治安は最悪でな。力を持たない平民や奴隷などの弱者は強者に虐げられ、高額な税を掛けられてとても貧しい生活を送っていると聞く。眉目秀麗でお優しいスズカ様がそんな荒れ果てた国に行ってしまったら…くそぉ!」

 ネフィが言ってた強者こそが正義の国ってここだったのか。ヒャッハーしてそうな奴らが大量に居そうだな。

「スズカ様がサンライトリバー帝国に居るのなら私達だけではどうしようもない。アキト殿、ツカサ様にご助力を請うために一刻も早くユヴァリーの街に行こう!」

 慌てて馬に乗ろうとするアサヒを、俺はその首を引っ張って急停止を掛けた。

「ぐふっ、な、何をするのだアキト殿!?」

「いや、街に行くのは構わんけどさ。移動する前に俺の出す条件を聞いて欲しいんだが? ミコトの母親の居場所を探してくれるならどんな条件でも飲むって自分で言ったこと…まさか忘れたわけじゃないよな?」

「え? ………あ、そ、そうだったな。勿論忘れるわけないじゃないか、やだなぁアキト殿! あはははは」

 完全に忘れてやがったなこいつ。顔が引き攣ってるぞ?

「貴殿には命を助けてもらったばかりかスズカ様の居場所まで教えてもらったのだ。…騎士に二言はない。私に出来ることならどんな条件でも受け入れよう。さぁ、なんでも言ってくれ!!」

「…俺が嘘の情報を言っているとは考えないんだな」

「ふっ、貴殿が嘘など吐いていないのはその目を見れば分かるさ。私は騎士だからな!」

 本当に騎士ならもっと警戒するべきところであって、そんなあっさりと受け入れていいような話じゃないはずなんだけどね? 

 だが、アサヒはまるで俺のことを信頼しているとでも言いたげな瞳で真っ直ぐに見てくる。まだ出会ってから数時間しか経ってないはずなんだけどね。このお人好しっぷりは色んな意味で心配になるが、無条件で信じてくれる優しさは少し嬉しくも思う。

「……はぁ、まぁいいや。んじゃまず1つ目の条件。俺がアサヒ達を助けたことは別にいいけど、ミコトの母親を探した俺の力のことは誰にも言わないでくれ。俺の能力が他人にバレてもメリットなんて1つもないからな」

 これは前もって言っておかないとならない。アサヒみたいな脳筋っぽいキャラって何かの拍子でポロっと言っちゃいそうだし。

「それはもちろん構わないが…1つ目?」

「2つ目、アサヒにはこれから俺が作るハーレムに入ってもらう。お前が俺の嫁第一号だ!」

「なるほど、ハーレムか………ん? ハ、ハーレムだとぉぉお!!??」

 多少卑怯な気がしないでもないが、迂闊にも男相手にどんな条件でも飲むとか言ってしまったアサヒが悪い。アサヒはクソ真面目だが悪い奴じゃないっぽいし、ミコトも俺の理想のロリ像を体現するかの如くめっちゃ可愛いくて声も素敵な存在だ。そんな2人とこうして出会ったんだから、この絶好の機会を逃がすのは完全に悪手! それに、口説ける時にはきっちり口説くのがハーレムゲーの鉄則だ。頑張れ俺の口説き上手スキル!!

「いや、いやいやいや、ちょっと待ってくれ! な、なな、なんで私が貴殿のハーレムなどに…」

「理由は色々とあるが…単純に俺がアサヒ(の声)を気に入ったからだ。アサヒ、お前さっきどんな条件でも飲むって言ったばっかだよな? それとも、騎士ともあろう者が命の恩人でもある俺との約束を反故にするような不義理を働くのか?」

「うぐぅっ!? いや、しかし…私にはミコト様を守り、スズカ様を救い出すという使命が…」

 俺はアサヒの目の前に立ち、彼女の両手をしっかり握ってその紫色の瞳をじっと見つめる。頑張れ俺…ここで照れたら台無しだぞ!

「安心しろアサヒ。これからは俺が2人を守るし、ミコトの母親を救い出すのにも協力する。…俺じゃ…ダメか?」

 女を口説く時はしっかりと相手の目を見て少しウルウルさせて相手の庇護欲を刺激するのがポイントだってじっちゃが言ってた。

「ッ!? うぅ………ほ、本気か? 天聖者であるアキト殿が本気で私なんかを求めると言うのか!? 私はもう結婚適齢期も超えてる22歳だぞ? おばさんなんだぞ!? それに騎士だし、筋肉で体もボコボコしてるし…それに…それに……」

 そんなピチピチな肌しておいてどこがおばさんだ! それに腹筋が割れてる女も嫌いじゃないぞ?

「俺が天聖者とか、アサヒの年齢なんて関係ないよ。アサヒはめっちゃ美人だし、性格も真面目で主に尽くす誠実さも好感が持てる。俺がこの世界で求めているのはきっとアサヒみたいな(ちょろい)女なんだ! だから…俺と一緒に行こう。俺にはお前が必要なんだ!!」

 よし、もう一息だぞ口説き上手スキル。こんなこと言われたの初めてと言わんばかりに、アサヒは真っ赤になりながら挙動不審になってうんうん唸って悩んでいる。歴代のエロゲ主人公達の口説き文句をアレンジして言ってみたんだが、どうやらアサヒが相手だと効果は抜群だったらしい。まぁどんな条件でも飲むとか言った以上、アサヒが悩む必要とかないんだけどな。

 クイクイッ。

 とどめを刺すべく更なる追撃を仕掛けようとしたところで、ミコトが俺の裾を引っ張ってきた。

「ん? どうしたミコト?」

「お兄ちゃん。わたしも…わたしもお兄ちゃんのハーレムに入りたいの。アサヒだけなんてズルいの!」

 なん……だと……。

「ミミミミミコト様!? ハ、ハーレムがどういう物か分かって言ってるのですか!?」

「そのぐらいお父様も作ってたから知ってるの。わたしもお兄ちゃんのお嫁さんになっていっぱいえっちして赤ちゃん作るの!」

「くぁwせdrftgyふじこlp;@!!!???」

 おいおい…まさかこんな小さな子供がそんなことまで知ってるとはビックリだ。貴族って子供の情操教育とかどうなってんだろ? まぁミコトみたいな可愛いくて良い声をしている女の子が俺のハーレムに入りたいって言ってるのなら、その思いを無碍にするような選択肢はありえない。残念ながら俺はペド属性は持ち合わせていないので、当然手を出すのはミコトがきっちりと成長した後になるけどな。

「そっかそっかぁ、それじゃミコトもアサヒと一緒に俺のハーレムに入れてやるぞぉ! でもエッチするのは年齢的にまだ早すぎるから、ミコトがもうちょっと大人になってからいっぱいしような♪」

「ちょ、アキト殿!?」

「分かったの。これからよろしくなのお兄ちゃん♪」

「………はぁぁぁ↓。分かった。分かりました! 騎士が一度した約束は絶対だからな。ミコト様が貴殿のハーレムに入るとおっしゃるなら私も入ってやろう。…だがな、ハーレムに入ったからと言ってすぐに私の体を自由に出来ると思ったら大間違いだからな! それと!! ミコト様はまだ9歳だ。せめて大人になるまでは絶対に手を出すなよ? 絶対だぞ!? もし手を出したら…10回殺す!!」

「はいはい。んじゃそういうことで2人共これからよろしくな。頑張ってみんなでミコトのお母さん助け出そうぜ!」

「おー!」
「お、おー」

 なんかアサヒがダ○ョウ倶楽部の前振りみたいなことを言い出したが気にしないでおこう。何はともあれ、こうしてハーフエルフのミコト(9)とヒューマンのアサヒ(22)が俺のハーレムメンバー(仮)になった。

 なんかこの出会いに作為的な物を感じるが…これはこれで良しとしよう。
 

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