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2歳

94話

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 一旦落ち着いて三人、俺が一人で座りエリオット王子がカイルを膝においてニコニコとしている。一方婚約者のカイルは少し嫌がる素振りをし降りようとする。

「カイルここにいてね」
「やめてください...おろしてください」

 動かないものの嫌な顔はするカイルをエリオット王子は面白がっているようだ。一晩でこんなになってしまうとは驚いた。さぁ本題に行こう。俺は二歳俺は二歳。俺は
可愛い。俺は可愛い。

「カイル様!こんにちは!」
「...こ、こんにちは」

 今更ちょっと遅いかもしれないが二歳児の可愛さを演出する。顔は可愛いのだから俺の演技力にかかっている。

 カイルはエリオット王子に紅茶を勧められて飲む。絶対エリオット王子、俺が次に言うセリフわかってるだろ。それで牽制しようとしているんだ。でもこちらの方が一枚上手だったな。

「昨日の夜は何があったんですか?」
「ぶふぉっ!...すまない」

 カイルが紅茶を吹き出す。当然ながら真正面にいる俺に全てかかる。エリオット王子俺がただの二歳では無いことを分かってかカイルに紅茶を勧めた。俺がそれを押し切ったことには驚いているようだった。所詮は五歳。俺の敵ではない。確かに推しの顔は大事だ。だけど腐男子としての欲求抑えられなかった。推しの顔は拭けば元通りだ。だがこの話を聞かなかったら絶対後悔すると頭が告げている。

「全然大丈夫です。その代わり昨日の夜のこと沢山教えてください」
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