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七話

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「ルイそうだよな」

 合っててくれとルイの方へ必死な思いで顔を向ける。俺の顔はおそらく真っ青だろう。ここで違うとか言われたらスラムが対抗してこの国はもしかしたら滅びるかもしれない。それだけの力をあそこは隠し持っている。

「あそこのボスが僕のこと覚えてたみたいでいいよって言ってたよ」
「そういう事だ。オルト」
「それなら失礼しました。隊長があそこのスラム出身なんて驚きました。礼儀作法も完璧で勉学も学園で一位でしたので平民でも裕福なところの出身なのではと思っていました」

 礼儀作法を褒められるのは凄く嬉しい。俺も分からなくてスラムの奴らに貴族に仕えていたってやつがいたから教えてもらったりして弟や生徒達に教えていた。熱心に習いに行って隅々まで覚えたかいがあったってものだ。

「お前も他のやつから見たらそう見えるだろ?」
「そうですか。先生に恥をかかせぬように一生懸命頑張りましたから成果が出て嬉しいです!あっ先生久しぶりに沢山褒めてください」

 子供の時と変わらぬ笑顔でキラキラとした瞳をこちらに向けてくる。可愛いな。

「オルト、俺の恋人枠だ。触ることは許さない」
「あはは言ってみただけですよ。先生の雰囲気に本当に似ていますね。だから親近感が湧いて隊長の部隊に志願したんですよ」

 そういう経緯があって弟の部隊に。それは嬉しいことだ。俺のおかげとは。

「ルイの部隊に志願する変わり者と皆さんが言っていましたけれどそれなら納得ですね」
「そうね。どれだけのアホかと思ったらきちんと仕事をこなせるしルイと話もきちんと行えるもの。本当に謎だったのよね」

 弟の部隊がそんなに人気がないのかとオルトを見ていると視線に気がついたのかオルトは苦笑いをしながら頭をかいた。本当のようだ。

「ルイは雰囲気がとっつきずらいです。もう少しお兄さんと話す時のように柔らかくしていった方がいいと思います」
「...はぁ」

 弟は横目で睨みながら返事をする。部外者の俺からすれば地獄の空気なのだが俺以外は平然とお茶を飲んだりと各々自由にしている。いつもこんな感じのようだ。弟が申し訳ない。
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