グランピングランタン

あお

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第十一章

サクラサク

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4月。
中学校を卒業し、1ヶ月が過ぎた。次は高校の入学式だ。

制服の寸法も合わせ、少し大きめな制服を頼んだ龍。高校指定の制服専門店で

『成長期だから、大きめがいいですよ。』

龍のお母さんもそうしましょう。と、話が進む。濃紺色のブレザーに赤いネクタイ。ズボンは灰色をしている。

「母さん…ちょっと大き過ぎない?」
「なにいってんのよ。袖が少し長く感じても、すぐ大っきくなるの。それに、いちいち制服新調するの大変だからね!」
「そうですか…。」

ビシッと決めたかった龍にとっては、少し大きめどころかぶかぶかに感じたようだ。

「これでいいの!入学式、楽しみね。」

制服専門店を後にして、家へ帰って行った。

入学式当日。

龍は高校へ着き、玄関口にあるクラス分けを見る。どこの教室へ行けばいいか確認し教室へ向かった。歩いていくと改めて感じる。周りは知らない人ばかり。周りの生徒の顔を見ると、みんな緊張で顔が強張っていた。
教室へ着き、席順が書かれている張り紙を確認し席へ向かった。

〔えっと…。あ、ここか。〕

机の上には、龍の名前がフルネームで書かれていた紙がそこにはあった。

〔うわぁ。き、緊張してきた。〕

自分の名前を見るとより一層緊張感を増す龍。席に着くと後ろからトントンと叩かれた。

「よ。」
「うわぁ!?」
「いきなりごめん。」
「は、はい。」
「俺、窪田。よろしく。」

窪田は龍に握手を求める。

「よ、よろしく。」

窪田の手を握り握手をした。

〔びっくりした…。それにしてもかっこよかったな…。〕

「……い。…。おい。……おい木村!」

左を向くとそこには田口がいた。

「うわぁ!?」
「なんだよそんな驚くことねーじゃん。」
「た、田口かよ。なんでここにいるんだよ。」
「いるんだよって同じクラスだろ?確認しなかったのか?」
「いやいや自分のことで精一杯だし。」
「じゃ、高梨と君島も一緒なの知らないの?」
「へ?」

チラッと横を見ると君島が小さく手を振っていた。

「あ、ほんとだ…。」

君島が指で後ろを指すと、その先には加奈子がいた。

「あ、高梨…。」

加奈子は緊張していた。ずっと真っ直ぐを見つめているようだ。

『ガラガラガラ』
扉が開くと先生らしき人が入ってきた。

「おはようございます。初めまして。今日から担任を努めます中澤と申します。」

張り詰めている空気。物音一つもしない教室ない。

「これから入学式があります。皆さん席順のまま、廊下に並んで下さい。」

緊張のまま廊下へ並ぶ。

「みんな、あまり緊張しないように。それでは行きましょう。」

体育館へ移動し、立ち止まる。

『新入生、入場。』

アナウンスが聞こえると体育館の中へ。
盛大な拍手の中、パイプ椅子へ着席した。

緊張のあまり何も頭に入らず、一瞬と思えるほど早く入学式は終わって行った。
クラスに戻ると、これからのことを先生が話していく。

「…以上です。明日からよろしくお願いします。」

ホームルームも終わり、学校を出る。後ろから加奈子が追いかけてきた。

「龍!」
「はい。」
「緊張した?」
「いやー緊張したよ…。久々の学校だからまたなおさら。」
「ねー。知らない人たちだらけだもんね。」
「まぁ早く顔と名前覚えないとな。」
「うん。」

「おーい!木村君!」

声をかけてきたのは、後ろの席に座っていた窪田だ。

「明日からよろしくね。あれ?君は…。」
「同じクラスの高梨です。」
「あ、窪田です。よろしく。木村君の彼女?」
「いやいや、同じ中学だったんだ。家も近くてさ。」
「そうなんだね!じゃまた明日!」

颯爽と走っていく窪田。

「なんか台風みたいな人だな。」
「そうだね。かっこよかったね。」
「だな。」

2人は話しながら帰って行った。

翌日。朝から窪田に話しかけられた龍。

「ねぇねぇ木村君。」
「なに?」
「あの、高梨って子、可愛いね。」
「そうかい?」
「付き合ってないの?」
「付き合ってないよ。」
「じゃ、俺アピってもいい?」
「そ、それは好きにすればいいよ。」
「わかった!ありがとう。」

少し複雑な気持ちにはなったが、高校で初めて出来た友達だから波風を立てたくはなかった。

昼休みー

「木村ぁ。飯食おうぜ!」
「あいよ。」

田口が木村と席をくっつける。他のクラスの子たちは1人で食べる子もいたが、さっそく女の子同士で食べる子もいた。

「弁当初日だからって気合い入れすぎだろ母ちゃん!」
「いいじゃんか豪華で。」
「どうだ高校は?」
「どうって…まだほぼ初日だろ?」
「可愛い子いっぱいいるよな!なぁ木村!」
「なんだよもうそれかよ。窪田君みたいだな。」
「どういうことだよ。」
「さっきさ…。」

小声で先ほど話したことを田口に話す。

「それってお前いいのかよ?」
「それは…高梨が判断することだろ。」

高梨の方を見ると、窪田が高梨に話しかけていた。

「ほらほらほら。取られるぞまじで。」
「え?」
「知らねーのかよ?あいつ結構有名で、モデル雑誌とかに載ってるんだってよ。」
「は!?まじかよ!」
「中学の時から有名だったらしいよ。モテモテだったらしいけど、手が早いとか聞いたことあるな。」
「というか…お前よく知ってるな。」
「あぁ。SNSで調べた。」
「なんだよそれ。聞いてねーじゃんか。」
「細かいとこはいいんだよ!」

田口の話を聞いて不安になる龍。
目線の先には加奈子と窪田。楽しそうに話しているのがより一層不安を煽る。
不安な高校生活がスタートした。


続く。
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