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第十四章
いとをかし
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公園での出来事から約1ヶ月が過ぎた。高校での体育祭が行われ、文化祭の準備に取り掛かろうとしている。
「うちの高校はマンモス高だから、文化祭の規模もでかいらしいぜ。」
「そうなんだね。私達も何かするのかな?」
「主に文化部の奴らがメインだって!俺らは終わるまで居なきゃいけないって感じだろうね。」
「ちょっとした祭りみたいになるかもね。」
昼休み。
購買の近くのテーブルに座って談笑しているのは田口と君島だ。
「今日もバイト?」
「今日は木村と俺と宮下っていう先輩、3人でホール回さなきゃいけないんだ。平日だし大丈夫だと思うけど…。」
「じゃ!私今日ご飯食べにくるね!」
「お!じゃ店の人に行って席予約しとくよ!あんまり相手できなかったら悪いな。」
「仕事に集中しなよ?」
「わかってるって!」
「おいーっす…。」
2人の前に現れたのは龍だ。
「ちょっとジュースをな。」
「なんだ?寝不足か?」
「あぁ…寝つきが最近悪いんだよ。」
「悩み事だろ?」
笑いながら話す田口。
「そんなの何もないわ。」
「木村君、あれから加奈子と話した?」
「いや。ほぼしてないよ。どうでもいいよ。」
「そっかぁ…。なんかごめんね力になれなくて。」
「え?あぁ…。気にする必要はないよ。」
龍は自動販売機にお金を入れ、カフェオレのボタンを押す。
「お前たちは仲がいいなぁ。」
「普通だよ。」
「そうだよ普通だよ!」
「そうかい…。」
「というか木村。お前最近、同じホールにいる後藤さんと仲良いよな?」
「まぁ…よく喋るね。」
「心変わりでもしたのか?」
「心変わりも何も、高校一緒って知らねーの?一個上の先輩だぞ?」
「それは知ってるけどさー」
自動販売機に1人の女の子がやってくる。
「あれ?木村君。」
振り向くと話をしていた後藤だ。
「あ、お疲れ様です。」
「田口君もいるじゃん?あ、隣にいる子、よく話をしてる彼女?」
ニヤニヤしながら話す後藤。
「あ、どーも。」
軽く会釈をする君島。
「そーなんすよ!話してた彼女っす!」
「こんにちは。」
「後藤さんも飲み物っすか?」
「そうそう。喉乾いちゃってさ。」
自動販売機で龍と同じカフェオレのボタンを押す。
「木村君は彼女いないの?」
「いないすね。」
「あらら。それは寂しいねぇ。」
「後藤さんは最近別れたって聞きましたけど?」
「そうなのよ。なんかさ、束縛酷くて嫌になっちゃって。」
4人で仲良く話していたところにー
「やっほー!」
後ろから加奈子が来る。その後ろには窪田がいた。
「加奈子!」
「綾子やっほー!あ…。」
後藤を見て立ち止まる加奈子。手に持っているカフェオレが龍と一緒で少し動揺する。
「なんか邪魔しちゃったね!また後でね。」
そう言って加奈子はその場から離れ、後を追うように窪田が追いかけていた。
「なんなのあの子?」
「あれは…俺の幼馴染です。」
「あー!!ぷ…ぷぷぷ…!」
笑い出す後藤。
「もしかして勘違いされたかな?」
「どうでもいいすよ。」
「またまた強がっちゃって…。ちゃんと話しをしてあげなよ?私に相談するのはいいけど、あの子の気持ちもわかってやりなよ?」
「え?あ、はい…。」
「じゃまたバイトで!」
そう言って後藤も立ち去って行った。
「あの人…。なんとなくだけど、加奈子に似てない?」
「あぁ。バイト先でも凄いんだぜ?あの人目当てで来るお客さんとかいるんだから。
「めちゃくちゃ可愛いし綺麗だもんね。そりゃぁ木村君が心変わりしそうだもん。」
「…そんなんじゃねーって!」
ー学校も終わり、龍と田口はバイト先へ向かっていた。
「後藤さんに相談って高梨のことか?」
「…あぁ。」
「なんだ。やっぱり気になってんじゃん。」
「ちげーよ。そんなんじゃなくてさ。なんか、俺わかんないんだよ。」
「何が?」
「どうしたらいいかってさ。それで相談乗ってもらってたの。」
「お前の答えは出たのか?」
「…。答えっていうかやっぱり本人と話してみないとな。」
「高梨とか?」
「あぁ。ただ、俺らは付き合ってるとかそういうのじゃないし、何を話せばいいかさ。昔みたいに話せなくて。」
「だったらメールして、ちょっと話そうでいいじゃん。」
「だーかーら。それが簡単にできるなら苦労しないって。」
2人であーだこーだ話しながらもバイト先へ着いた。
夜19時を回った。さすがに平日なので客もまばら。空席が目立っていた。
そんな中ー
『いらっしゃいませー!』
田中の声が大きく店内に響く。龍は皿洗いをしていた。店内へ案内していると察知し、皿洗いを止めホールに向かった。
「あれ?お客さんは?」
「あぁ、もう通したよ。あっちの奥の部屋。」
「個室か。」
『ピンポーン』
「木村、悪いけど注文取ってきてくんねぇ?」
「はいはい。」
龍は個室へ向かった。
『ガラガラガラ』
「失礼しまー」
龍はびっくりした。個室にいたのは君島。とー
「やっほー!」
君島と加奈子が居た。
「2人してなんだよ。冷やかしか?」
「2人ともバイト休みだからご飯食べにきたんだよ。」
「自分の働いてるところで食べればいいじゃんか。」
「敵陣に潜り込んで潜入調査しないと。」
笑いながら話す君島。
「で、ご注文はお決まりでしょうか?」
「焼き鳥の盛り合わせとー」
「……はい。はい。では少々お待ちくださいませ。」
「早く頼むねー!」
「うるせぇよ!」
ドアをちょっと強めに閉めた龍。少し晴れやかな顔だ。少し加奈子と話せて気分が上がったようだ。
「びっくりしたろ?」
「お前知ってたのか?」
「高梨のことは知らなかったけど、まぁいいじゃねーか!」
「お客さんだしな。」
「俺が終わるまでいるらしいから、お前高梨と帰れよ。」
「はぁ!?」
「そろそろさぁ、俺に礼の一つでもあっていいんじゃねーのぉ??」
「く…。」
ニヤニヤしながら龍に詰め寄る田口。
「ありがとう。お前のおかげだよ。」
「やけに素直じゃん?」
「良いタイミングかもな。」
「何が?」
「決着をつけるんだよ気持ちに。」
「決着?」
何かを決めた龍。しかし、先ほどとは打って変わって顔は晴れやかではなく、眉間にしわを寄せた厳しい表情をしていた。
続く。
「うちの高校はマンモス高だから、文化祭の規模もでかいらしいぜ。」
「そうなんだね。私達も何かするのかな?」
「主に文化部の奴らがメインだって!俺らは終わるまで居なきゃいけないって感じだろうね。」
「ちょっとした祭りみたいになるかもね。」
昼休み。
購買の近くのテーブルに座って談笑しているのは田口と君島だ。
「今日もバイト?」
「今日は木村と俺と宮下っていう先輩、3人でホール回さなきゃいけないんだ。平日だし大丈夫だと思うけど…。」
「じゃ!私今日ご飯食べにくるね!」
「お!じゃ店の人に行って席予約しとくよ!あんまり相手できなかったら悪いな。」
「仕事に集中しなよ?」
「わかってるって!」
「おいーっす…。」
2人の前に現れたのは龍だ。
「ちょっとジュースをな。」
「なんだ?寝不足か?」
「あぁ…寝つきが最近悪いんだよ。」
「悩み事だろ?」
笑いながら話す田口。
「そんなの何もないわ。」
「木村君、あれから加奈子と話した?」
「いや。ほぼしてないよ。どうでもいいよ。」
「そっかぁ…。なんかごめんね力になれなくて。」
「え?あぁ…。気にする必要はないよ。」
龍は自動販売機にお金を入れ、カフェオレのボタンを押す。
「お前たちは仲がいいなぁ。」
「普通だよ。」
「そうだよ普通だよ!」
「そうかい…。」
「というか木村。お前最近、同じホールにいる後藤さんと仲良いよな?」
「まぁ…よく喋るね。」
「心変わりでもしたのか?」
「心変わりも何も、高校一緒って知らねーの?一個上の先輩だぞ?」
「それは知ってるけどさー」
自動販売機に1人の女の子がやってくる。
「あれ?木村君。」
振り向くと話をしていた後藤だ。
「あ、お疲れ様です。」
「田口君もいるじゃん?あ、隣にいる子、よく話をしてる彼女?」
ニヤニヤしながら話す後藤。
「あ、どーも。」
軽く会釈をする君島。
「そーなんすよ!話してた彼女っす!」
「こんにちは。」
「後藤さんも飲み物っすか?」
「そうそう。喉乾いちゃってさ。」
自動販売機で龍と同じカフェオレのボタンを押す。
「木村君は彼女いないの?」
「いないすね。」
「あらら。それは寂しいねぇ。」
「後藤さんは最近別れたって聞きましたけど?」
「そうなのよ。なんかさ、束縛酷くて嫌になっちゃって。」
4人で仲良く話していたところにー
「やっほー!」
後ろから加奈子が来る。その後ろには窪田がいた。
「加奈子!」
「綾子やっほー!あ…。」
後藤を見て立ち止まる加奈子。手に持っているカフェオレが龍と一緒で少し動揺する。
「なんか邪魔しちゃったね!また後でね。」
そう言って加奈子はその場から離れ、後を追うように窪田が追いかけていた。
「なんなのあの子?」
「あれは…俺の幼馴染です。」
「あー!!ぷ…ぷぷぷ…!」
笑い出す後藤。
「もしかして勘違いされたかな?」
「どうでもいいすよ。」
「またまた強がっちゃって…。ちゃんと話しをしてあげなよ?私に相談するのはいいけど、あの子の気持ちもわかってやりなよ?」
「え?あ、はい…。」
「じゃまたバイトで!」
そう言って後藤も立ち去って行った。
「あの人…。なんとなくだけど、加奈子に似てない?」
「あぁ。バイト先でも凄いんだぜ?あの人目当てで来るお客さんとかいるんだから。
「めちゃくちゃ可愛いし綺麗だもんね。そりゃぁ木村君が心変わりしそうだもん。」
「…そんなんじゃねーって!」
ー学校も終わり、龍と田口はバイト先へ向かっていた。
「後藤さんに相談って高梨のことか?」
「…あぁ。」
「なんだ。やっぱり気になってんじゃん。」
「ちげーよ。そんなんじゃなくてさ。なんか、俺わかんないんだよ。」
「何が?」
「どうしたらいいかってさ。それで相談乗ってもらってたの。」
「お前の答えは出たのか?」
「…。答えっていうかやっぱり本人と話してみないとな。」
「高梨とか?」
「あぁ。ただ、俺らは付き合ってるとかそういうのじゃないし、何を話せばいいかさ。昔みたいに話せなくて。」
「だったらメールして、ちょっと話そうでいいじゃん。」
「だーかーら。それが簡単にできるなら苦労しないって。」
2人であーだこーだ話しながらもバイト先へ着いた。
夜19時を回った。さすがに平日なので客もまばら。空席が目立っていた。
そんな中ー
『いらっしゃいませー!』
田中の声が大きく店内に響く。龍は皿洗いをしていた。店内へ案内していると察知し、皿洗いを止めホールに向かった。
「あれ?お客さんは?」
「あぁ、もう通したよ。あっちの奥の部屋。」
「個室か。」
『ピンポーン』
「木村、悪いけど注文取ってきてくんねぇ?」
「はいはい。」
龍は個室へ向かった。
『ガラガラガラ』
「失礼しまー」
龍はびっくりした。個室にいたのは君島。とー
「やっほー!」
君島と加奈子が居た。
「2人してなんだよ。冷やかしか?」
「2人ともバイト休みだからご飯食べにきたんだよ。」
「自分の働いてるところで食べればいいじゃんか。」
「敵陣に潜り込んで潜入調査しないと。」
笑いながら話す君島。
「で、ご注文はお決まりでしょうか?」
「焼き鳥の盛り合わせとー」
「……はい。はい。では少々お待ちくださいませ。」
「早く頼むねー!」
「うるせぇよ!」
ドアをちょっと強めに閉めた龍。少し晴れやかな顔だ。少し加奈子と話せて気分が上がったようだ。
「びっくりしたろ?」
「お前知ってたのか?」
「高梨のことは知らなかったけど、まぁいいじゃねーか!」
「お客さんだしな。」
「俺が終わるまでいるらしいから、お前高梨と帰れよ。」
「はぁ!?」
「そろそろさぁ、俺に礼の一つでもあっていいんじゃねーのぉ??」
「く…。」
ニヤニヤしながら龍に詰め寄る田口。
「ありがとう。お前のおかげだよ。」
「やけに素直じゃん?」
「良いタイミングかもな。」
「何が?」
「決着をつけるんだよ気持ちに。」
「決着?」
何かを決めた龍。しかし、先ほどとは打って変わって顔は晴れやかではなく、眉間にしわを寄せた厳しい表情をしていた。
続く。
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