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第二十章
鮮やかは突然に
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『これからよろしくお願いします。』
ー龍が告白した夜に送られてきたメールだ。
あれから1週間経ち、加奈子からのメールをずっと見ていた龍。ニヤニヤしながらベッドの上でゴロゴロしていた。
〔付き合うって…何か変わるのかな?〕
そんなことを思いながら就寝した。
翌日。
「おはよう。」
「よぉ木村!おはよう!」
龍が教室に入ると田口が声をかけてきた。
「最近どうだ高梨と?」
「あぁ…それはー」
「ちょっと待て!今日バイトだろ?そこで話聞く!」
「なんだよそれ?」
「ここで話すよりバイト先で話をしたが、盛り上がるだろ!」
「…わかったよ。」
そう言って田口は席に着いた。龍は言いたくて仕方なかった。ウキウキが止まらない感覚が心地よい。振り向いて加奈子の方を見る。
「あはは!それでそれで?」
「うんうん。そうなんだ!」
加奈子はいつも通りだった。そんな姿を見て龍はちょっとニヤッとし、自分も平常心を保とうとしていた。
ー学校終礼後。
教科書をカバンにしまい、そそくさとバイトに向かう龍。自転車に乗り、いつも通りバイト先へ向かっていた。
「~♪」
鼻唄を歌いながら自転車を漕いでいた。
いつも通りの道。いつも通りの風景。それがいつもより少し鮮やかに見えていた。
ー同じく学校終礼後。
加奈子は少しの不安を抱いていた。付き合うということが初めてで、気持ちが不安でいっぱいだった。
「どうしたの?」
加奈子に声をかけたのは君島。
「綾子…ちょっと聞いてくれる?」
「うんー。」
教室で2人。ゆっくりと加奈子が君島に龍との事を話し始めた。
「…で、それが不安ってこと?」
「…うん。」
「うーん。考えすぎじゃないのかな?」
「え?」
「まだ付き合って1週間でしょ?どうしてそこまでー」
君島は優しく加奈子に話をし始めた。
「だから、いつも通りで大丈夫だよ!」
「ありがとう綾子。」
「いつでも相談してね。」
「わかった。」
「でもね、木村君はそんな人じゃないと思う。」
「え?」
「それは加奈子が1番わかってる事でしょ?」
「……うん。」
「下校時間だから帰ろう。」
「うん。」
2人揃って学校を後にした。
その頃龍は、バイトを張り切っていた。
『いらっしゃいませー!』
いつもより声も出ていた。
「木村。今日も元気だな。良いことでもあったのか?」
「店長!いえ、ただ元気なだけです!」
「いやいや店長。」
龍の肩に手を乗せる田口。
「こいつ彼女出来たんですよ!」
「そうか!それは元気いっぱいだな!」
「おい田口!」
「まぁいいじゃん。減るもんじゃないんだからさ。」
3人で笑いながら話していた。
ー22時。
「おーい。木村、田口。上がっていいぞ。」
『はい!お疲れ様でした。』
龍は急いで着替えて携帯をチェックする。
「おいおいそんな高梨からのメールが気になるのかよ。」
「え?い、いやそんなんじゃないけど…。」
「まぁ付き合い始めたばっかりだからな。」
「なんだよ。下に見やがって。」
「そんなんじゃねーよ。ただアドバイスだよ。」
「アドバイスー?」
「そうそう。お前、彼女できたのって初めてだろ?」
「お、おう。」
「最初はわかるけど、しつこくメールするなよ?」
「!?!?」
「お前…。まさか…。」
田口がハッとした顔をする。
「ちょっといつものところで話そうぜ。」
田口が龍を誘い、近くの公園に着いた。
「お前。まさか、授業中もメールしてんのか?」
「は、はぁ!?そんなわけねーじゃん。」
「図星か…。」
呆れる田口。なぜ呆れるのかがわからない龍。
「あのな、相手にも自分の時間っていうものがあるだろ?」
「そ、それがなんだよ。」
「それがってメール来ないとなんで返さないの?とか送ってないだろうな?」
「…!?k/pwa1☆♪/|」
「お前…言葉になってねーよ。」
驚いた表情を見せる龍。
「な、なんでわかるんだよ。」
「俺も最初、そんな感じだったから。」
「そうなのか。で、どうなった?」
「どうなったも何も、別れるまで話は進んだよ。」
「はぁ!?マジかよ…。」
「知っての通り、別れてはいないけどルールを作った。」
「ルール?」
「そ。2人のルール。」
ちょっと田口の事が大人に見えた龍。
「それって…話し合ったのか?」
「あぁ。ずーっとお互いが納得するまで話し合った。」
「どんなルールなんだ?」
「それはー」
田口の話を一生懸命真面目に聞く龍。表情は真剣そのもの。
「ーって感じかな。」
「へーなるほどね。」
「じゃないと上手くやっていけないし…。ほら、俺ら付き合ってそこそこ経つから。しかもさ俺。本当に君島の事が好きなんだよ。君島のことをちゃんと考えてやりたかったんだ。」
「そ、そうか…。」
「付き合ったばっかりといえど、度が過ぎれば高梨も嫌になるだろうしさ。」
「うん。」
「お前ら2人は昔からの幼なじみで付き合いも長い。付き合うって少し変な感じなんだろうけど、高梨のこともっとわかってやれよ。相手の事、相手の立場。少しでも考えてやれよ。」
「お、おう。勉強になったわ。」
「まぁ高梨はモテるし、わからなくはないよ?自分の物にしときたいって気持ち。」
「うん…。」
「でも、それでも木村を好きでいてくれたんだろ?自信持って付き合えばいいじゃん。いろいろ大変なことあったんだしさ。それを乗り越えて付き合えたわけじゃん。」
「……。」
「いつも通りのお前が、高梨は好きなんだと思うけどな俺。」
「お前…すげーな。」
「だろ?もっと褒めろよ。あ!もうこんな時間じゃんか!帰るぞ!」
「おう。ありがとうな。」
「またなんかあったら聞いてやるから連絡しな!じゃあな!」
そう言って田口は自転車に乗り、帰って行った。
龍は加奈子に毎日メールをしているが、頻度がかなり多かった。それに対して返すのが遅いと加奈子に「どうしたの?」などど、メールを余計に送っていた。加奈子はそこが不安で「返さないと」という気持ちに少し疲れていた。
〔自分のことばっかだったなぁ…〕
反省をしながら自転車を押して帰っていた。
家に帰りつき加奈子にメールをした。
『高梨、ごめん。』
『え?どうしたの?』
『俺、高梨のこと全然考えてなかった。これから高梨のこともちゃんと考える。メール送りすぎてごめん。』
『ううん。いいよ。私もちょっとメールばかりで最近勉強できてなくてさ。』
『テスト近いもんな。』
『うん。龍も頑張らないとね。』
『あのさ、テスト終わるまでメールするのさ減らさない?』
『そうだね。それがいいかも。』
『終わったらさ、どこか遊びに行かない?』
『いくいくー!』
『そこでさ、ちょっと2人でルールとか決めようぜ。』
『ルール?』
『そうそう。授業中はメールしないとかさ。』
『そうだね!ちょっと2人で話し合おうか!』
『うん。改めてごめんな。また学校でね。おやすみ。』
『はーい!おやすみー!』
加奈子はそっと携帯を置いた。少し嬉しそうな顔をした加奈子。
〔ちゃんと考えてくれてたんだ…。〕
龍が加奈子のことを考えてくれた事を知って嬉しかった。
〔はぁ…いつ名前で呼んでくれるのかなぁ。〕
加奈子はそんなことを思いながらベッドに入った。
続く。
ー龍が告白した夜に送られてきたメールだ。
あれから1週間経ち、加奈子からのメールをずっと見ていた龍。ニヤニヤしながらベッドの上でゴロゴロしていた。
〔付き合うって…何か変わるのかな?〕
そんなことを思いながら就寝した。
翌日。
「おはよう。」
「よぉ木村!おはよう!」
龍が教室に入ると田口が声をかけてきた。
「最近どうだ高梨と?」
「あぁ…それはー」
「ちょっと待て!今日バイトだろ?そこで話聞く!」
「なんだよそれ?」
「ここで話すよりバイト先で話をしたが、盛り上がるだろ!」
「…わかったよ。」
そう言って田口は席に着いた。龍は言いたくて仕方なかった。ウキウキが止まらない感覚が心地よい。振り向いて加奈子の方を見る。
「あはは!それでそれで?」
「うんうん。そうなんだ!」
加奈子はいつも通りだった。そんな姿を見て龍はちょっとニヤッとし、自分も平常心を保とうとしていた。
ー学校終礼後。
教科書をカバンにしまい、そそくさとバイトに向かう龍。自転車に乗り、いつも通りバイト先へ向かっていた。
「~♪」
鼻唄を歌いながら自転車を漕いでいた。
いつも通りの道。いつも通りの風景。それがいつもより少し鮮やかに見えていた。
ー同じく学校終礼後。
加奈子は少しの不安を抱いていた。付き合うということが初めてで、気持ちが不安でいっぱいだった。
「どうしたの?」
加奈子に声をかけたのは君島。
「綾子…ちょっと聞いてくれる?」
「うんー。」
教室で2人。ゆっくりと加奈子が君島に龍との事を話し始めた。
「…で、それが不安ってこと?」
「…うん。」
「うーん。考えすぎじゃないのかな?」
「え?」
「まだ付き合って1週間でしょ?どうしてそこまでー」
君島は優しく加奈子に話をし始めた。
「だから、いつも通りで大丈夫だよ!」
「ありがとう綾子。」
「いつでも相談してね。」
「わかった。」
「でもね、木村君はそんな人じゃないと思う。」
「え?」
「それは加奈子が1番わかってる事でしょ?」
「……うん。」
「下校時間だから帰ろう。」
「うん。」
2人揃って学校を後にした。
その頃龍は、バイトを張り切っていた。
『いらっしゃいませー!』
いつもより声も出ていた。
「木村。今日も元気だな。良いことでもあったのか?」
「店長!いえ、ただ元気なだけです!」
「いやいや店長。」
龍の肩に手を乗せる田口。
「こいつ彼女出来たんですよ!」
「そうか!それは元気いっぱいだな!」
「おい田口!」
「まぁいいじゃん。減るもんじゃないんだからさ。」
3人で笑いながら話していた。
ー22時。
「おーい。木村、田口。上がっていいぞ。」
『はい!お疲れ様でした。』
龍は急いで着替えて携帯をチェックする。
「おいおいそんな高梨からのメールが気になるのかよ。」
「え?い、いやそんなんじゃないけど…。」
「まぁ付き合い始めたばっかりだからな。」
「なんだよ。下に見やがって。」
「そんなんじゃねーよ。ただアドバイスだよ。」
「アドバイスー?」
「そうそう。お前、彼女できたのって初めてだろ?」
「お、おう。」
「最初はわかるけど、しつこくメールするなよ?」
「!?!?」
「お前…。まさか…。」
田口がハッとした顔をする。
「ちょっといつものところで話そうぜ。」
田口が龍を誘い、近くの公園に着いた。
「お前。まさか、授業中もメールしてんのか?」
「は、はぁ!?そんなわけねーじゃん。」
「図星か…。」
呆れる田口。なぜ呆れるのかがわからない龍。
「あのな、相手にも自分の時間っていうものがあるだろ?」
「そ、それがなんだよ。」
「それがってメール来ないとなんで返さないの?とか送ってないだろうな?」
「…!?k/pwa1☆♪/|」
「お前…言葉になってねーよ。」
驚いた表情を見せる龍。
「な、なんでわかるんだよ。」
「俺も最初、そんな感じだったから。」
「そうなのか。で、どうなった?」
「どうなったも何も、別れるまで話は進んだよ。」
「はぁ!?マジかよ…。」
「知っての通り、別れてはいないけどルールを作った。」
「ルール?」
「そ。2人のルール。」
ちょっと田口の事が大人に見えた龍。
「それって…話し合ったのか?」
「あぁ。ずーっとお互いが納得するまで話し合った。」
「どんなルールなんだ?」
「それはー」
田口の話を一生懸命真面目に聞く龍。表情は真剣そのもの。
「ーって感じかな。」
「へーなるほどね。」
「じゃないと上手くやっていけないし…。ほら、俺ら付き合ってそこそこ経つから。しかもさ俺。本当に君島の事が好きなんだよ。君島のことをちゃんと考えてやりたかったんだ。」
「そ、そうか…。」
「付き合ったばっかりといえど、度が過ぎれば高梨も嫌になるだろうしさ。」
「うん。」
「お前ら2人は昔からの幼なじみで付き合いも長い。付き合うって少し変な感じなんだろうけど、高梨のこともっとわかってやれよ。相手の事、相手の立場。少しでも考えてやれよ。」
「お、おう。勉強になったわ。」
「まぁ高梨はモテるし、わからなくはないよ?自分の物にしときたいって気持ち。」
「うん…。」
「でも、それでも木村を好きでいてくれたんだろ?自信持って付き合えばいいじゃん。いろいろ大変なことあったんだしさ。それを乗り越えて付き合えたわけじゃん。」
「……。」
「いつも通りのお前が、高梨は好きなんだと思うけどな俺。」
「お前…すげーな。」
「だろ?もっと褒めろよ。あ!もうこんな時間じゃんか!帰るぞ!」
「おう。ありがとうな。」
「またなんかあったら聞いてやるから連絡しな!じゃあな!」
そう言って田口は自転車に乗り、帰って行った。
龍は加奈子に毎日メールをしているが、頻度がかなり多かった。それに対して返すのが遅いと加奈子に「どうしたの?」などど、メールを余計に送っていた。加奈子はそこが不安で「返さないと」という気持ちに少し疲れていた。
〔自分のことばっかだったなぁ…〕
反省をしながら自転車を押して帰っていた。
家に帰りつき加奈子にメールをした。
『高梨、ごめん。』
『え?どうしたの?』
『俺、高梨のこと全然考えてなかった。これから高梨のこともちゃんと考える。メール送りすぎてごめん。』
『ううん。いいよ。私もちょっとメールばかりで最近勉強できてなくてさ。』
『テスト近いもんな。』
『うん。龍も頑張らないとね。』
『あのさ、テスト終わるまでメールするのさ減らさない?』
『そうだね。それがいいかも。』
『終わったらさ、どこか遊びに行かない?』
『いくいくー!』
『そこでさ、ちょっと2人でルールとか決めようぜ。』
『ルール?』
『そうそう。授業中はメールしないとかさ。』
『そうだね!ちょっと2人で話し合おうか!』
『うん。改めてごめんな。また学校でね。おやすみ。』
『はーい!おやすみー!』
加奈子はそっと携帯を置いた。少し嬉しそうな顔をした加奈子。
〔ちゃんと考えてくれてたんだ…。〕
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