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第二十四章
グランピングランタン
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7月。
梅雨も明け、うだるような暑さが続く季節がまたやってきた。
放課後。龍は教室で、夏休み前のテスト勉強に集中していた。
〔………よし、と。〕
ノートにびっしりと書いた計算式。色がついたペンなど使わず、ボールペンで書き殴っていた。
「相変わらず汚ねぇな。」
振り向くと、田口がいた。
「うわぁ!?お前…。人のクラスに勝手に入ってくるなよ。」
「誰もいないし、いいだろ。」
「ったく。で、なんだよ。お前はテスト大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫。追試なんかなった日には、キャンプ行けないからな。」
「そうだぞ。だから俺もたまには真面目に勉強してんの。」
「そんなに高梨とキャンプ行きたいのかぁ~?」
「そ、そんなんじゃねぇよ。」
パタンとノートを閉じ、帰る準備を始める龍。
「そういえばさ、他に誰かキャンプ行くのか?」
「それがさ誘ってはみたんだけど、誰も都合付かなくて4人だけになっちまった。」
椅子に跨り、龍の報告を向く田口。
「そうか…。結構広いんだろ?」
「らしいよ。ただ、グランピングだから俺達はなにも準備しなくていいんだって。」
「ぐ、ぐらんぴんぐ?」
「そーそー。普通のキャンプじゃ俺らがいろいろ準備するだろ?それを向こうがテントもご飯もいろいろ準備してくれるわけ。」
「へぇ。便利だな。」
「そこは歩いて10分のところに温泉施設があるらしくて、風呂心配する必要ないってさ。」
「すげぇな!!」
「しかもエアコンやテレビも付いてるってさ。」
「それって…ほぼホテルじゃね?」
2人はキャンプ話に夢中だった。キャンプ場で何がしたいか話し合い、あれじゃない。これじゃないと、2人で盛り上がっていた。
「…てなわけで、とりあえず来週のテスト終わって次の週はキャンプだからな。」
「わかってるよ。」
「じゃ、俺はこのままバイト行くから。」
「はいよ。お疲れ様、またな。」
教室を出て行く田口に手を挙げる龍。
〔俺も帰るか。キャンプ…楽しみだな。〕
ーテストも終わり、終業式を迎えいよいよ夏休み。
「では、終礼終わります。」
『起立。…礼。』
クラスでのホームルームを終え、帰る龍。
〔明日からキャンプか…。えっと時間は…〕
帰り道、携帯を開き田口から届いたメールを確認し、再度キャンプ当日の内容を確認していた。
「……ゅぅ……。ゅう……!…龍!!!」
ドンっ!と、龍の背中を叩いたのは加奈子だった。
「いてーな!なんだよ!驚くだろ!」
「驚くってさっきから呼んでたわよ。気づかないほど携帯に夢中って、誰からのメールなのよ?」
「ばーか。明日のキャンプの確認だよ。」
「あ!明日か!忘れてた。」
「おいおい…。まぁ準備する物って…。着替えと…なんか各自で食べたいお菓子を持ってこいぐらいしか…。」
「お菓子買って行かないとね!」
「あぁ。今から買いに行くか?」
「行く行くー!」
2人は近くのスーパーに寄り、カゴいっぱいにお菓子を詰め込んだ。
「2,758円になります。」
「…っと…はい。」
「……242円のお返しです。ありがとうございました。」
2人はスーパーを出て、レジ袋の持ち手部分を右は加奈子、左は龍。と2人で持って家に帰って行った。
ーキャンプ当日。
電車に乗り、二駅隣。そこに迎えの車が来ている。
龍は軽装にバックを背負っている。着替えがたんまりと入っている。片手には昨日買った袋いっぱいのお菓子を持っていた。
〔ん?あれか!〕
駅を降り、駐車場を見ると田口と君島と加奈子はもう着いていた。
「おっせーよ木村!!!」
「時間通りじゃんか。」
「木村君、お菓子いっぱいだね。」
「昨日龍と2人で買いに行ったんだ。」
龍が来ると騒がしくなる3人。この4人が集まるのも久々だった。
「やぁ、揃ったね。」
車から降りてきたのは、バイト先の店長の知り合いの上坂。
「今日・明日とよろしくお願いします。」
4人が頭を下げる。
「いやいや、こちらこそ。最近お客さんが減っちゃってさ。助かります。では、車に乗って下さい。目的地までは30分ぐらいかかります。」
4人は車に乗り目的地のキャンプ場へ出発。
途中、窓から見える景色はいつもと違う風景で心が躍る。
大自然の中を通り、目的地に到着した。
「えっと…。ここです。ここのテントを使ってください。」
上坂が案内したテントは、想像していた以上に大きかった。
中に入ると4つのベッドが扇形に設置されていた。エアコンやテレビが付いていて、真ん中にはランタンが設置されていた。
「このランタン…綺麗ですね。」
龍はランタンを見て呟いた。
「どうしてもランタンは電球にしたかったんですよ。LEDもいいんですが、灯りが強すぎてオレンジ色、電球色が好きでして。」
「そうなんですね。」
「各自、就寝するベッドが決まったら、荷物を置いて外に出てください。」
左から君島・加奈子・龍・田口の順番に決まり荷物を置いて外に出る。
「あそこがトイレで、トイレの先には川があります。釣りなどもでき、川を上ると滝があります。そして、ここでバーベキューができますのでー」
そこにはバーベキュー設備が完備されていて、隣にはテーブルまで設置されていた。
「というわけで、夕方18時…あと4時間後ですね。17時頃には食材をお持ちしますので、それまでごゆっくりとお過ごし下さい。」
「ありがとうございます。」
上坂は車に戻りその場を後にした。
「さて…散策しますか!」
田口が息巻いて龍に言う。
「というか、田口と君島2人で散策して来いよ。」
「せっかく4人で来たんだから4人で散策しようぜ?」
「君島と2人で散歩でもして来いよ。な?」
「わかったよ。」
田口は君島を誘い、2人でキャンプ場付近を散策し始めた。
「龍…。どこか行く?」
「そうだな…。滝でも見に行くか?」
「そうだね!」
2人は川沿いを歩いて滝を見に行くことにした。
「滝なんてなかなか見る機会ないもんな。」
「そうだね。」
2人は会話を楽しみながら歩いて行く。
登って行くと少し天気が悪くなってきた。
「ちょっと曇ってきたね。」
「そうだな。雨ふったりしないよな。」
「山の天気は変わりやすいって言うしね。」
「まぁな。」
気にならないほどだが、雨が降ってきた。
「これぐらいなら大丈夫だね。」
「あとどれくらいで着くかな?」
聞こえていた川の流れがの音が強くなり始めた。
「ねーねー!あそこに見えるの滝じゃない?」
「あ!ほんとだ!」
龍と加奈子は歩くスピードが速くなって行く。
「はぁ…はぁ…着いた。」
思っていたほど大きくはないが、立派な滝が流れていた。
「すごい…。」
「水、綺麗だね。」
「あぁ…そうだな。写真でも撮るか!」
2人並んで写真を撮ると、雲の隙間に光が射し始め滝を照らし始めた。
「お!晴れてきたな。」
「そうだね…。…あ!見て!虹!!!」
滝を照らしていた光は虹を作り、綺麗な虹が浮かび上がった。
「うわぁ…綺麗。」
「…ほんとだね。…虹かぁ…。」
滝と虹。2人はすかさず写真を撮る。
「………。」
思いふける龍。
「どうしたの?」
「いや…。別れを言われた時のこと思い出しちゃって。」
「なんで?」
「…ほら。」
携帯の写真を見せる。
「これ。別れた時、家に帰って外見たらちょうど虹が見えてさ。大きかったから写真撮ったんだ。」
「……え…。」
慌てて加奈子は自分の携帯を触り始める。
「どうしたんだよ。」
「…これ。」
加奈子が龍に携帯を突き出す。そこに映っていたのは虹だった。
「…これ……。なんだよ?」
「私もあの時撮ったの。」
「……ちょっと貸して。」
加奈子の携帯を取り、龍の携帯とくっつける。
「ほら、繋がった。」
ニコっと笑い加奈子に見せる。
「虹、繋がってるよね?すげーな!」
「……龍。」
加奈子は泣き始めた。崩れ落ちそうになったのを慌てて龍は支える。
「っ!!」
「ごめんね…龍……。ごめんね。」
涙が止まらなかった。加奈子は悲しくて泣いてるわけじゃなかった。「ごめんね。」その言葉しか出てこなかった。
「……ぷぷぷ。あはは!」
笑い出す龍。
「別れた日、別れても切れてなかった。ちゃんとあの日から繋がってたんだな。」
龍は支えながら加奈子に言う。
加奈子は頷くことしか出来なかった。
「おーい!木村ぁ!高梨ぃ!」
振り向くと遠くで、田口と君島が滝の方へ向かってきた。
「大丈夫加奈子!?!?」
「だ、大丈夫…。」
「おいおい木村。何したんだよ!何泣かせてんだよ!」
「ちげーよ!!」
泣いた経緯は田口と君島には話さなかった。2人の秘密だった。
ー夕方17時。
テントに戻り、上坂が食事の準備をしていた。
「お肉と野菜はー」
色とりどりな野菜に新鮮なお肉。横にはおにぎりが置いてあった。
「たくさん食べてゆっくりお休みください。」
「ありがとうございます。」
龍が肉を焼き始め、田口はベッドに寝転んでいた。加奈子と君島はテーブルに座り話し込んでいた。
「おい、肉焼けたぞー!」
龍の声に田口はベッドから起き、テーブルへ向かう。加奈子と君島は仲良く取り皿を分け、楽しい食事となった。
ー2日目の朝。
楽しい時間はあっという間にすぎ、上坂が迎えにきていた。4人を集合場所だった駅の駐車場に降ろし、4人は頭を下げ手を振り上坂は帰って行った。電車に乗り、帰りは疲れていたようで4人ともほぼ喋らずに帰路についた。
「楽しかったな田口。」
「おう、店長に礼を言わなきゃな。」
「私、クタクタ。綾子は?」
「私も疲れたよぉ~。」
「んじゃ、帰りますか。」
「おう!俺は綾子送って帰るから、お前らも気をつけて帰れよ!」
「じゃあね、田口、綾子ー!」
「加奈子、またバイトでね!」
「おう、じゃあな田口。」
4人2組で帰り、楽しかったキャンプは終わりを告げた。
続く。
次回、最終章。
梅雨も明け、うだるような暑さが続く季節がまたやってきた。
放課後。龍は教室で、夏休み前のテスト勉強に集中していた。
〔………よし、と。〕
ノートにびっしりと書いた計算式。色がついたペンなど使わず、ボールペンで書き殴っていた。
「相変わらず汚ねぇな。」
振り向くと、田口がいた。
「うわぁ!?お前…。人のクラスに勝手に入ってくるなよ。」
「誰もいないし、いいだろ。」
「ったく。で、なんだよ。お前はテスト大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫。追試なんかなった日には、キャンプ行けないからな。」
「そうだぞ。だから俺もたまには真面目に勉強してんの。」
「そんなに高梨とキャンプ行きたいのかぁ~?」
「そ、そんなんじゃねぇよ。」
パタンとノートを閉じ、帰る準備を始める龍。
「そういえばさ、他に誰かキャンプ行くのか?」
「それがさ誘ってはみたんだけど、誰も都合付かなくて4人だけになっちまった。」
椅子に跨り、龍の報告を向く田口。
「そうか…。結構広いんだろ?」
「らしいよ。ただ、グランピングだから俺達はなにも準備しなくていいんだって。」
「ぐ、ぐらんぴんぐ?」
「そーそー。普通のキャンプじゃ俺らがいろいろ準備するだろ?それを向こうがテントもご飯もいろいろ準備してくれるわけ。」
「へぇ。便利だな。」
「そこは歩いて10分のところに温泉施設があるらしくて、風呂心配する必要ないってさ。」
「すげぇな!!」
「しかもエアコンやテレビも付いてるってさ。」
「それって…ほぼホテルじゃね?」
2人はキャンプ話に夢中だった。キャンプ場で何がしたいか話し合い、あれじゃない。これじゃないと、2人で盛り上がっていた。
「…てなわけで、とりあえず来週のテスト終わって次の週はキャンプだからな。」
「わかってるよ。」
「じゃ、俺はこのままバイト行くから。」
「はいよ。お疲れ様、またな。」
教室を出て行く田口に手を挙げる龍。
〔俺も帰るか。キャンプ…楽しみだな。〕
ーテストも終わり、終業式を迎えいよいよ夏休み。
「では、終礼終わります。」
『起立。…礼。』
クラスでのホームルームを終え、帰る龍。
〔明日からキャンプか…。えっと時間は…〕
帰り道、携帯を開き田口から届いたメールを確認し、再度キャンプ当日の内容を確認していた。
「……ゅぅ……。ゅう……!…龍!!!」
ドンっ!と、龍の背中を叩いたのは加奈子だった。
「いてーな!なんだよ!驚くだろ!」
「驚くってさっきから呼んでたわよ。気づかないほど携帯に夢中って、誰からのメールなのよ?」
「ばーか。明日のキャンプの確認だよ。」
「あ!明日か!忘れてた。」
「おいおい…。まぁ準備する物って…。着替えと…なんか各自で食べたいお菓子を持ってこいぐらいしか…。」
「お菓子買って行かないとね!」
「あぁ。今から買いに行くか?」
「行く行くー!」
2人は近くのスーパーに寄り、カゴいっぱいにお菓子を詰め込んだ。
「2,758円になります。」
「…っと…はい。」
「……242円のお返しです。ありがとうございました。」
2人はスーパーを出て、レジ袋の持ち手部分を右は加奈子、左は龍。と2人で持って家に帰って行った。
ーキャンプ当日。
電車に乗り、二駅隣。そこに迎えの車が来ている。
龍は軽装にバックを背負っている。着替えがたんまりと入っている。片手には昨日買った袋いっぱいのお菓子を持っていた。
〔ん?あれか!〕
駅を降り、駐車場を見ると田口と君島と加奈子はもう着いていた。
「おっせーよ木村!!!」
「時間通りじゃんか。」
「木村君、お菓子いっぱいだね。」
「昨日龍と2人で買いに行ったんだ。」
龍が来ると騒がしくなる3人。この4人が集まるのも久々だった。
「やぁ、揃ったね。」
車から降りてきたのは、バイト先の店長の知り合いの上坂。
「今日・明日とよろしくお願いします。」
4人が頭を下げる。
「いやいや、こちらこそ。最近お客さんが減っちゃってさ。助かります。では、車に乗って下さい。目的地までは30分ぐらいかかります。」
4人は車に乗り目的地のキャンプ場へ出発。
途中、窓から見える景色はいつもと違う風景で心が躍る。
大自然の中を通り、目的地に到着した。
「えっと…。ここです。ここのテントを使ってください。」
上坂が案内したテントは、想像していた以上に大きかった。
中に入ると4つのベッドが扇形に設置されていた。エアコンやテレビが付いていて、真ん中にはランタンが設置されていた。
「このランタン…綺麗ですね。」
龍はランタンを見て呟いた。
「どうしてもランタンは電球にしたかったんですよ。LEDもいいんですが、灯りが強すぎてオレンジ色、電球色が好きでして。」
「そうなんですね。」
「各自、就寝するベッドが決まったら、荷物を置いて外に出てください。」
左から君島・加奈子・龍・田口の順番に決まり荷物を置いて外に出る。
「あそこがトイレで、トイレの先には川があります。釣りなどもでき、川を上ると滝があります。そして、ここでバーベキューができますのでー」
そこにはバーベキュー設備が完備されていて、隣にはテーブルまで設置されていた。
「というわけで、夕方18時…あと4時間後ですね。17時頃には食材をお持ちしますので、それまでごゆっくりとお過ごし下さい。」
「ありがとうございます。」
上坂は車に戻りその場を後にした。
「さて…散策しますか!」
田口が息巻いて龍に言う。
「というか、田口と君島2人で散策して来いよ。」
「せっかく4人で来たんだから4人で散策しようぜ?」
「君島と2人で散歩でもして来いよ。な?」
「わかったよ。」
田口は君島を誘い、2人でキャンプ場付近を散策し始めた。
「龍…。どこか行く?」
「そうだな…。滝でも見に行くか?」
「そうだね!」
2人は川沿いを歩いて滝を見に行くことにした。
「滝なんてなかなか見る機会ないもんな。」
「そうだね。」
2人は会話を楽しみながら歩いて行く。
登って行くと少し天気が悪くなってきた。
「ちょっと曇ってきたね。」
「そうだな。雨ふったりしないよな。」
「山の天気は変わりやすいって言うしね。」
「まぁな。」
気にならないほどだが、雨が降ってきた。
「これぐらいなら大丈夫だね。」
「あとどれくらいで着くかな?」
聞こえていた川の流れがの音が強くなり始めた。
「ねーねー!あそこに見えるの滝じゃない?」
「あ!ほんとだ!」
龍と加奈子は歩くスピードが速くなって行く。
「はぁ…はぁ…着いた。」
思っていたほど大きくはないが、立派な滝が流れていた。
「すごい…。」
「水、綺麗だね。」
「あぁ…そうだな。写真でも撮るか!」
2人並んで写真を撮ると、雲の隙間に光が射し始め滝を照らし始めた。
「お!晴れてきたな。」
「そうだね…。…あ!見て!虹!!!」
滝を照らしていた光は虹を作り、綺麗な虹が浮かび上がった。
「うわぁ…綺麗。」
「…ほんとだね。…虹かぁ…。」
滝と虹。2人はすかさず写真を撮る。
「………。」
思いふける龍。
「どうしたの?」
「いや…。別れを言われた時のこと思い出しちゃって。」
「なんで?」
「…ほら。」
携帯の写真を見せる。
「これ。別れた時、家に帰って外見たらちょうど虹が見えてさ。大きかったから写真撮ったんだ。」
「……え…。」
慌てて加奈子は自分の携帯を触り始める。
「どうしたんだよ。」
「…これ。」
加奈子が龍に携帯を突き出す。そこに映っていたのは虹だった。
「…これ……。なんだよ?」
「私もあの時撮ったの。」
「……ちょっと貸して。」
加奈子の携帯を取り、龍の携帯とくっつける。
「ほら、繋がった。」
ニコっと笑い加奈子に見せる。
「虹、繋がってるよね?すげーな!」
「……龍。」
加奈子は泣き始めた。崩れ落ちそうになったのを慌てて龍は支える。
「っ!!」
「ごめんね…龍……。ごめんね。」
涙が止まらなかった。加奈子は悲しくて泣いてるわけじゃなかった。「ごめんね。」その言葉しか出てこなかった。
「……ぷぷぷ。あはは!」
笑い出す龍。
「別れた日、別れても切れてなかった。ちゃんとあの日から繋がってたんだな。」
龍は支えながら加奈子に言う。
加奈子は頷くことしか出来なかった。
「おーい!木村ぁ!高梨ぃ!」
振り向くと遠くで、田口と君島が滝の方へ向かってきた。
「大丈夫加奈子!?!?」
「だ、大丈夫…。」
「おいおい木村。何したんだよ!何泣かせてんだよ!」
「ちげーよ!!」
泣いた経緯は田口と君島には話さなかった。2人の秘密だった。
ー夕方17時。
テントに戻り、上坂が食事の準備をしていた。
「お肉と野菜はー」
色とりどりな野菜に新鮮なお肉。横にはおにぎりが置いてあった。
「たくさん食べてゆっくりお休みください。」
「ありがとうございます。」
龍が肉を焼き始め、田口はベッドに寝転んでいた。加奈子と君島はテーブルに座り話し込んでいた。
「おい、肉焼けたぞー!」
龍の声に田口はベッドから起き、テーブルへ向かう。加奈子と君島は仲良く取り皿を分け、楽しい食事となった。
ー2日目の朝。
楽しい時間はあっという間にすぎ、上坂が迎えにきていた。4人を集合場所だった駅の駐車場に降ろし、4人は頭を下げ手を振り上坂は帰って行った。電車に乗り、帰りは疲れていたようで4人ともほぼ喋らずに帰路についた。
「楽しかったな田口。」
「おう、店長に礼を言わなきゃな。」
「私、クタクタ。綾子は?」
「私も疲れたよぉ~。」
「んじゃ、帰りますか。」
「おう!俺は綾子送って帰るから、お前らも気をつけて帰れよ!」
「じゃあね、田口、綾子ー!」
「加奈子、またバイトでね!」
「おう、じゃあな田口。」
4人2組で帰り、楽しかったキャンプは終わりを告げた。
続く。
次回、最終章。
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