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新たな関係
175.報告
しおりを挟む男達の筋肉談義は収まらないまま、集落の近くまでやってくる。
・・・なんかね、もう。
君たち、某国営放送で物議醸した『みんなで筋肉体操』にでも出たらイイと思うよ。
『あと10秒しかできません!出来るだけ早く!』
って、腕立て伏せして追い込めばいいよ。
あー。そういや、昔深夜でやってたボディービルのドラマあったなぁ。
今や全国区になっちゃってる、サイコロ転がして深夜バスに乗ったり、カブでベトナム走ったりする番組で、黄色の丸いアイツに入ってた、牛乳一気飲みする変態さんが主人公やってたドラマ。
内容うろ覚えだけど、歌だけは覚えてるなぁ。『あの娘のステキな大胸筋~♪』で始まるヤツ。
モリ先生の音痴バージョンが好きだったなぁ。
・・・なーんて、現実逃避していたら、集落に到着した。
「あぁっ!戻ってきた!ファーマスっ、何がどうなってんだ!?」
イーベさんを始めとした集落のみんなと、残っていた騎士達が私達を見つけると詰め寄ってきた。
*
「はぁ、御使様だって・・・?まぁ、それなら、この現象に説明がつくか・・・」
ファーマスさんが事の顛末を掻い摘んでみんなに伝える。
しかめっ面をしながら、唸るイーベさんや騎士の皆さん。
無論この説明は、私とこーくんの関係については伏せた状態。
あれだけべったりしてたこーくんも、状況を知らないみんなの前では、一応、一定の距離を取ってくれている。
こういう所はソツがないよね。
「魔力譲渡って、2人とも大丈夫なの?」
ベネリさんが心配してくれ、イズマさんも無表情でコク、と頷く。
人から人への魔力譲渡は加減が難しく、流し込む際に取り込み側との波長が合わないと、ロスが出るため、思った以上に魔力が減ってしまう事もある、と。
・・・全然そんな事感じた事も無いけどね。
まぁ、取った以上に主様が頑張ったんだと思うけど。
「大丈夫っスよ。半分位持ってかれたくらいですから。枯渇することはなかったです。」
ベネリさんの問いにはカン君が答え、ファーマスさんがその後を続けた。
「とりあえず、御使様の言うには、焼けた部分は元に戻したのと、おまけで森全体も活気づいたとの事だ。実りが増えるらしい。」
「まぁ~っ!リンちゃん様々だねぇ。」
「私だけじゃなくて、カン君も居てくれたから、ですよ。私だけじゃ、足りてなかったんじゃないかと思うし。」
「まぁまぁ、2人が居てくれて良かったって事で良いじゃないのさ。」
「これからの、水薬の類は性能上がりそうねぇ。」
ピオッティさんを始め、おばさま達がきゃいきゃいと盛り上がっている。
何か言いたいことがありそうな、イズマさんとベネリさんだけど、とりあえずは、黙って様子を見守ってくれることにしたよう。
とりあえず、みんなに一通りの説明を終え、私達は、家に戻る事にした。
**************
※ 『みんなで筋肉体操』は、Eテレで物議を醸したw実在する体操番組です。俳優、弁護士、庭師という不思議な面子が、ひたすらにボディーを筋トレで追い込む番組です。
※ もう一つのドラマですが。
『マッスルボディは傷つかない』という、企画・脚本がonちゃんの中の人、という北海道限定?2002年のドラマでした。
知ってる人いらっしゃいますかね?
onちゃんの中の人、すっかり全国区ですよねぇ。昔は一気飲みした牛乳をリバースする、ただの変態さんだったのにねぇ(遠い目)
応援ありがとうございます!
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