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第1話 聖女追放
しおりを挟む「貴様は聖女失格であるっ!」
あぁ!清々する!
「昼寝ばかりして聖女としてロクに働きもしない貴様はっ!王国の害でしかない!」
この居眠りクソ女をこの国から遂にっ!!
「クリスティー高級聖女!貴様をこのガルスト・ムスタフの名の下にっ!」
遂にお前を追放できるっ!!!
「このキルガスト王国から追放するっ!!」
失せるがいい「昼寝聖女」!!!!
2度とオレの前に姿を現すなァァァァァァァァ!!!!!
―――――――――――――――――――――――
「貴様は聖女失格であるっ!」
あぁ、愚かなヒト…
「昼寝ばかりして聖女としてロクに働きもしない貴様はっ!王国の害でしかない!」
私が居眠りしているのは…
「クリスティー高級聖女!貴様をこのガルスト・ムスタフの名の下にっ!」
私が夜にあれだけの働きをしているからだというのに…
「このキルガスト王国から追放するっ!!」
さようなら愚かな「勇者様」…
2度と私に会えない事を後悔するが良いわ………
―――――――――――――――――――――――
斯くして昼寝聖女・クリスティーはギルガスト王国から追放された。
だがそれは、王国混迷期の始まりの切っ掛けになってしまうのだった………
―――――――――――――――――――――――
あぁ!なんて素晴らしい1日なんだ!
俺は長年の悲願!
あの「無能聖女」のクリスティーを追放できたっ!
最高だっ!!
アイツに聖女という称号を付けるのに俺は最初から反対だったんだ!
だが国王陛下が「竜狩り」である俺の助言を聞きもせずに、クリスティーの魔力量に目が眩んだせいで!
聖女とは!それほどまでに重い意味を持つモノなのだ!
聖女の称号がどういうものかだって?
聖職者はその身に宿す神聖な魔力によって、強力な治癒魔法や、アンデッドモンスターに特攻効果のある浄化魔法を用いることができる人間を指す。
そして「聖女」というモノはそのような聖職者の中でもトップレベルの実力を持つ聖職者に与えられる称号なのだ。
そんな聖女の素質を持つ者を公募した時にクリスティーは現れた。
あのクリスティーは確かに魔力量は桁違いに多かったが、治癒魔法が使えないポンコツ、いや、無能だったのだ!
浄化魔法?そんなモノが王都で何の役に立つというのだ。
王都の中でアンデッドモンスターが湧く?ふざけた事を言うでない。
確かに浄化魔法は見た目が派手でその神聖さはケタ違いだが、あくまでそれだけだ。
その様な魔法は葬式の時にちょろっと使って、治癒魔法の為に魔力を温存するべきなのだ。
だがクリスティーは治癒魔法が使えない。
だからアイツは無能なのだ。
挙句、毎日昼寝ばかりしていると来た。
「浄化魔法は凄いのが使えます」だぁ?
聖女の仕事は治癒の魔法で民衆を癒す事じゃないか!
それに、そもそもこの清浄極まる王都で一体何を浄化しようと言うのだ。
全く、愚かな女だ。
ただ魔力量が多いだけで聖女に志願するなぞ、あまりにも愚か。
あのまま墓守として大人しく暮らしていれば、まだこの王国にもいられたと言うのに。
もういい!あの女はこの俺が追放したのだ!
竜狩りの英雄であり、名誉王族であるこの俺が直々に追放したとなれば、もはやこの王国での居場所は一切無いのだ!
やはり今日は最高に気分が良い。
まだ昼だが………ワインの一本でも開けてしまおう。
やはりこれだけ気分が良いと、高級な酒が飲みたくなってくる。
俺はワインラックの最上段にあった濃緑の瓶を出す。
ル・ルシャーノ地方の18年モノだ。
あぁ、最高の気分に最高の酒。
このまま夜まで1人でこの極上を噛み締めようでは無いか。
そう決意した俺は一気にワインをあおり、そのまま微睡み始めた。
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