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4話 恋する魔法?
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朝食が出来て、私はアンリの部屋で朝食をいただいた。
自分が作ったものを拒絶されたと知り、彼はややご立腹だ。
「見た目的には僕が出したやつのほうが美味しそうだけど」
「そうかもしれないけど、こっちの方が味はいいから」
困った弟をなだめるように言うと、アンリは渋々ハンバーグを口にした。するとふっと表情が変わって、いきなり無心で食べ始まる。
(よほどお腹空いてたのかな……)
私も自分の料理を食べながら、普通の料理はいいなと思った。
アンリは私より先にペロッと平らげると、嬉しそうに伸びをする。
「あー…なんかすごい満たされた。ジュリ、天才だね」
「よかった」
(案外素直なんだな)
お腹いっぱいになって機嫌が良くなったアンリは、お茶を飲みながら色々と話し出した。
「国では国王と、王妃と、僕しか魔法は扱えないんだ」
「そうなの、リュカは?」
「リュカね……あいつは、身体能力は高いけど魔法系は使えない。国王は重体だし、王妃は地下牢だし……魔法を使うべき場面では、僕がやるしかないじゃない?」
「そ……そうだね」
自分の両親のことなのに、とてもドライに語るアンリの口調に少し違和感を覚えた。でもアンリは特に気にする様子もなく続ける。
「もう、正直色々うんざりだったんだけど。ジュリが来たらなんだか少し未来に希望が持てそうで嬉しいよ」
無邪気にそんなことを言うから、私も嬉しくなる。
(人の役に立つって、嬉しいものだな)
「あ、ジュリのことは後で僕がちゃんと満足させてあげるからね」
「え……ちゃんとって……?」
「聞いてない?昼間は僕が君を抱く時間なんだけど」
「っ!」
驚きで一瞬むせそうになるけど、どうにかこらえた。
昼から何かエッチなことをしようとしているんだろうか。私はアンリを見上げ、その真意を探ろうとする。
「俺は太陽の子って言われててね、リュカみたいに暗がりを好む人間じゃない。だから当然色っぽいことだって昼がいいわけ」
「あ、あの」
私は食器を丁寧に戻すと、口を拭いてアンリを見た。
「私、いろいろ受け入れてここで生きるつもりだけど、好きでもない人と愛し合うとか……それだけは、どうしてもできそうにないの」
(これは言っておかないと、とんでもなく痛いことをされそうで怖い)
アンリはじっと私を見つめ返すと、ふっと目を細める。
「なら僕を好きになれば?」
「え……」
「ていうか、好きにさせてあげる」
私の顎を持ち上げると、アンリは背を屈めて私の唇に深くキスをした。
昨日の触れるだけのものと違い、唇の感触が生々しくわかるキスに私は頭が真っ白になる。
(ちょ……待って……無理)
そう思うのに、唇から伝わる刺激が胸の奥をじんわり熱くさせていく。次第に鼓動が早くなり、今まで感じたことのないような疼きが生まれた。
「もう好きになってきたでしょ」
唇を離すと、アンリは嬉しそうに微笑んだ。
これはもしかして魔法を使って私の心をその気にさせてる……?
「す、好きって、そんな簡単なことじゃないよ」
(ドキドキはしてるけど、それは突然キスされたせいで。しかもこんな綺麗な王子様に……)
アンリは私の手をとって立たせると、耳の後ろに髪を送りながら言い聞かせるように言う。
「簡単だよ。僕はもうジュリが好きになってる」
「え?」
「嘘じゃない……少なくともリュカに奪われたくはないと思ってるよ」
繊細そうな指先が私の頬を伝い、その刺激にまた胸の中が熱くなる。
これは魔法のせいなのか、アンリに心が揺れているのか……区別がつかない。
「私は……んっ」
再び唇を塞がれる。その甘い刺激にはもう逆らえない。
「僕のものになりなよ」
アンリは私の背中を抱えるようにして深く、深く口付けをした。
自分が作ったものを拒絶されたと知り、彼はややご立腹だ。
「見た目的には僕が出したやつのほうが美味しそうだけど」
「そうかもしれないけど、こっちの方が味はいいから」
困った弟をなだめるように言うと、アンリは渋々ハンバーグを口にした。するとふっと表情が変わって、いきなり無心で食べ始まる。
(よほどお腹空いてたのかな……)
私も自分の料理を食べながら、普通の料理はいいなと思った。
アンリは私より先にペロッと平らげると、嬉しそうに伸びをする。
「あー…なんかすごい満たされた。ジュリ、天才だね」
「よかった」
(案外素直なんだな)
お腹いっぱいになって機嫌が良くなったアンリは、お茶を飲みながら色々と話し出した。
「国では国王と、王妃と、僕しか魔法は扱えないんだ」
「そうなの、リュカは?」
「リュカね……あいつは、身体能力は高いけど魔法系は使えない。国王は重体だし、王妃は地下牢だし……魔法を使うべき場面では、僕がやるしかないじゃない?」
「そ……そうだね」
自分の両親のことなのに、とてもドライに語るアンリの口調に少し違和感を覚えた。でもアンリは特に気にする様子もなく続ける。
「もう、正直色々うんざりだったんだけど。ジュリが来たらなんだか少し未来に希望が持てそうで嬉しいよ」
無邪気にそんなことを言うから、私も嬉しくなる。
(人の役に立つって、嬉しいものだな)
「あ、ジュリのことは後で僕がちゃんと満足させてあげるからね」
「え……ちゃんとって……?」
「聞いてない?昼間は僕が君を抱く時間なんだけど」
「っ!」
驚きで一瞬むせそうになるけど、どうにかこらえた。
昼から何かエッチなことをしようとしているんだろうか。私はアンリを見上げ、その真意を探ろうとする。
「俺は太陽の子って言われててね、リュカみたいに暗がりを好む人間じゃない。だから当然色っぽいことだって昼がいいわけ」
「あ、あの」
私は食器を丁寧に戻すと、口を拭いてアンリを見た。
「私、いろいろ受け入れてここで生きるつもりだけど、好きでもない人と愛し合うとか……それだけは、どうしてもできそうにないの」
(これは言っておかないと、とんでもなく痛いことをされそうで怖い)
アンリはじっと私を見つめ返すと、ふっと目を細める。
「なら僕を好きになれば?」
「え……」
「ていうか、好きにさせてあげる」
私の顎を持ち上げると、アンリは背を屈めて私の唇に深くキスをした。
昨日の触れるだけのものと違い、唇の感触が生々しくわかるキスに私は頭が真っ白になる。
(ちょ……待って……無理)
そう思うのに、唇から伝わる刺激が胸の奥をじんわり熱くさせていく。次第に鼓動が早くなり、今まで感じたことのないような疼きが生まれた。
「もう好きになってきたでしょ」
唇を離すと、アンリは嬉しそうに微笑んだ。
これはもしかして魔法を使って私の心をその気にさせてる……?
「す、好きって、そんな簡単なことじゃないよ」
(ドキドキはしてるけど、それは突然キスされたせいで。しかもこんな綺麗な王子様に……)
アンリは私の手をとって立たせると、耳の後ろに髪を送りながら言い聞かせるように言う。
「簡単だよ。僕はもうジュリが好きになってる」
「え?」
「嘘じゃない……少なくともリュカに奪われたくはないと思ってるよ」
繊細そうな指先が私の頬を伝い、その刺激にまた胸の中が熱くなる。
これは魔法のせいなのか、アンリに心が揺れているのか……区別がつかない。
「私は……んっ」
再び唇を塞がれる。その甘い刺激にはもう逆らえない。
「僕のものになりなよ」
アンリは私の背中を抱えるようにして深く、深く口付けをした。
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