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3-5 シルヴェスターの宣言
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翌日、王太子シルヴェスターは自分の執務室にギルベルトら自分の補佐をする者たちを集めると、2つのことを断言した。
まずは、昨日の夜会でのウェンデルとの一件を説明し、国王から即刻ウェンデルを逮捕すること、家宅捜索を行う権限を得たこと。
そして、自分の妃にクラウディアを迎えるつもりであること。しかも通常の手順通りに国王陛下からクラウディアの父である宰相へ話を通すのではなく、クラウディアと相思相愛になって結婚するつもりであることを。
ある程度予想していたギルベルトはともかくとして、他の5人は驚いていたが、協力することを約束してくれた。
「フォルカー、まずはパウル=ハインツ・フォン・ウェンデルの逮捕状と家宅捜索令状を作成しろ。無論私も署名するし、シェーンメツラー公爵とグローネフェルト公爵の署名も貰ってくる。国王陛下の署名もだ。」
「かしこまりました。すぐに手配いたします。
そう言って、フォルカーが早速作業に取り掛かり始める。
「パトリツは至急近衛騎士団を編成しろ」
「は。ですが、ウェンデルの黒の闇属性魔術は厄介です。近衛騎士だけで対応をとおっしゃいますか?」
「そこはディアに協力してもらうよ。だから近衛は確実にパウルを捕らえられる実力者を揃えてくれ」
「ギル!?」
シルヴェスターは驚いたようにギルベルトを見返した。
「ギル!ディアに協力を乞うなんて冗談じゃない!昨日あんな目にあったのに、またディアを危険にさらす気か!?」
「落ち着けシル。気持ちは分かるし、私も昨日父母や祖母に同じ話をした。
だが、ウェンデルの闇魔法を何とかするにはディアを前面に出すしかないと言われてね。
祖母の話だと半分伝説のような対処法もあるにはあるらしいが、王宮の魔術師の誰も試したことがない。
今からできるか分からない話に縋っても、証拠隠滅されるだけだとね。
私は、祖母や母の話に納得するしかできなかったよ」
「私は反対だ。ディアのウェンデルに対する怯え様は尋常ではない。なのに、また前面に立たせるなど……」
「いや、証拠隠滅を危惧するなら、クラウディア嬢に頑張ってもらうしかないのではないか?」
グラシアノがギルベルトに賛成するように頷いた。
「そうだね。ご令嬢に持ち掛けるには酷な話ではあるが、白黒6属性の魔術を使える当代一の魔術師のお力を借りる方が現実的だ」
シュテファンもそう同調し、クルトも頷いた。
「だが……」
「シル、昨夜祖母と母に言われてしまったよ。我々はディアを溺愛するあまりディアを甘く見ているとね。
ディアには国王陛下か父からの命令があれば6属性の魔術を駆使して戦う事を仕込んでいるともね」
「なっ!?」
「驚いただろう?私も驚いた。母や祖母のディアに対する教育が厳しいのは承知していたが、まさか戦う事まで仕込んでいたとはね」
「……分かった。ただしディアの意向を確認することが先決だ。ギルはディアを王宮に連れてきてくれ」
「了解」
そうしてギルベルトが部屋を出ていくと同時に残りの者たちもそれぞれの仕事に取り掛かったのだった。
まずは、昨日の夜会でのウェンデルとの一件を説明し、国王から即刻ウェンデルを逮捕すること、家宅捜索を行う権限を得たこと。
そして、自分の妃にクラウディアを迎えるつもりであること。しかも通常の手順通りに国王陛下からクラウディアの父である宰相へ話を通すのではなく、クラウディアと相思相愛になって結婚するつもりであることを。
ある程度予想していたギルベルトはともかくとして、他の5人は驚いていたが、協力することを約束してくれた。
「フォルカー、まずはパウル=ハインツ・フォン・ウェンデルの逮捕状と家宅捜索令状を作成しろ。無論私も署名するし、シェーンメツラー公爵とグローネフェルト公爵の署名も貰ってくる。国王陛下の署名もだ。」
「かしこまりました。すぐに手配いたします。
そう言って、フォルカーが早速作業に取り掛かり始める。
「パトリツは至急近衛騎士団を編成しろ」
「は。ですが、ウェンデルの黒の闇属性魔術は厄介です。近衛騎士だけで対応をとおっしゃいますか?」
「そこはディアに協力してもらうよ。だから近衛は確実にパウルを捕らえられる実力者を揃えてくれ」
「ギル!?」
シルヴェスターは驚いたようにギルベルトを見返した。
「ギル!ディアに協力を乞うなんて冗談じゃない!昨日あんな目にあったのに、またディアを危険にさらす気か!?」
「落ち着けシル。気持ちは分かるし、私も昨日父母や祖母に同じ話をした。
だが、ウェンデルの闇魔法を何とかするにはディアを前面に出すしかないと言われてね。
祖母の話だと半分伝説のような対処法もあるにはあるらしいが、王宮の魔術師の誰も試したことがない。
今からできるか分からない話に縋っても、証拠隠滅されるだけだとね。
私は、祖母や母の話に納得するしかできなかったよ」
「私は反対だ。ディアのウェンデルに対する怯え様は尋常ではない。なのに、また前面に立たせるなど……」
「いや、証拠隠滅を危惧するなら、クラウディア嬢に頑張ってもらうしかないのではないか?」
グラシアノがギルベルトに賛成するように頷いた。
「そうだね。ご令嬢に持ち掛けるには酷な話ではあるが、白黒6属性の魔術を使える当代一の魔術師のお力を借りる方が現実的だ」
シュテファンもそう同調し、クルトも頷いた。
「だが……」
「シル、昨夜祖母と母に言われてしまったよ。我々はディアを溺愛するあまりディアを甘く見ているとね。
ディアには国王陛下か父からの命令があれば6属性の魔術を駆使して戦う事を仕込んでいるともね」
「なっ!?」
「驚いただろう?私も驚いた。母や祖母のディアに対する教育が厳しいのは承知していたが、まさか戦う事まで仕込んでいたとはね」
「……分かった。ただしディアの意向を確認することが先決だ。ギルはディアを王宮に連れてきてくれ」
「了解」
そうしてギルベルトが部屋を出ていくと同時に残りの者たちもそれぞれの仕事に取り掛かったのだった。
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