正鬼絢爛(せっきけんらん)

ほのぼのうさぎ

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私は〇〇を召喚してしまいました!~後編~

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キセラは落ち着こうと、目を閉じた。

(大丈夫大丈夫大丈夫!タカちゃんやユーリはできたんだから!神さまは私だけ落とすなんて理不尽なことしない。‥‥はず‥‥そう‥‥‥‥たぶん)


嗚呼ーーーーーーーーーーーー!


こうなりゃどうにでもなれだよ!我武者羅になるんだ私!このスカポンタンン!?(‥ )ン?

 悩むのはもうやめた。悩んだところでどうにもなんないよ。もう!

キセラはルギを溜めた。幸い、他人より魔法使いの力(ルギ)は強いって先生達言ってたもん。大丈夫だよ。

『水の精霊、火の精霊、土の精霊、木の精霊、そして日の精霊よ。我が魂に寄り添いし清きつがいを、魔界からいざない我が魂を守りたまへ』


 呪文。まるでお祈りみたい。届くといいな。私のお祈り。






         ちりん





「え?」

キセラは顔を上げた。(ちりん??)

目の前に立っている。金髪の黒いコートに身を包んだ男の人が。そう。男のヒトが‥‥。   
         オトコのヒトが。




「なんだここ」

男の人はキョロキョロと周りを見渡した。

「久々にこんな沢山のニンゲン見たな。300年ぶりか?」

「魔物‥‥?なのか??」

周りの人もざわつく。審査官まで唖然とした表情。
  人みたいなのに人ではないのか?

「あのぉ」

男の人がキセラを見た。

「わぁ。かわいい女の子。どこから来たの?」

[それはコチラのセリフだっ!]
ここにいる全員がそう思ったことだろう。

「名前。教えてください」

男の人は考えだした。うーんと考えた。そして、

「わかんない」

『へ?』

周りの人は、もちろんキセラも言葉を失った。なんだか今回の召喚テストは肝が冷える。なかなか有り得ないことだらけだ。

「わからない‥‥とはどういうことだ魔物よ」

審査官の1人が話しかけてきた。

「わからないもんはわっかんねんだもん。
俺300年間ずぅっと山に籠ってて、外出てねぇんだよ。誰にも名前を呼ばれずに300年間いてみ?
 名前なんか忘れちまうだろう。」

 そんなもんなのか。

「ではお前はなんの魔物だ?」

「うーんとガキに言ってわかるかなぁ」

審査官はむっとした。周りの誰も彼もが、驚いた。
 白髪頭のひげ真っ白にシワでしゅわしゅわになった審査官をガキ呼ばわりするとは。

「魔物にはごちゃごちゃになんないようにNo.があるだろう。」

「そんなこと知っとるわ」

「No.1。なんだかわかるかなぁ」

またもや周りはざわめいた。当たり前だ。幻の《No.1》のことだ。
 魔物にはNo.がある。しかし、一般で知られているのは、No.2の鬼からだ。
 そこからNo.3の巨人、No.4の小人No.5のエルフやトロルなどがある。しかし、No.1はなんであるか?知られてない。
 知っているのは初代 大魔法使いであるヨハネス=ガイラにほかならない。

「わかんないならいいよ。」

ぐぬぬ。と審査官たちが睨んでくる。怖い。怖い。(なんでこの子さっきからケンカごしなの?)
 キセラは黙って、周りを見渡した。タカとユーリが心配そうに自分を見てる。

「わしらではわからぬ。其方。己がNo.1の魔物であると申したな。」

 凛と通る声。みんな一斉に上を見た。ユニコーンがゆるりと降りてくる。背中には綺麗な茶髪を後ろにきつく結んだ女性。
 正鬼剣隊の隊長、ミハイル=ガイラだ。ヨハネス=ガイラの直径子孫でもあることで有名だ。

「あれ?お姉さんどっかであったことある?」
「其方ほど、無礼極まりないやつ見たこともないわ。」

ツンとした態度。キセラは憧れの眼差しで見つめてる。(かっこいぃ)
素敵だ。もう、40代半ばなのに、白髪1本もない髪、3人の息子達は全員正鬼剣隊に入隊済み。
女性ならば誰しもが憧れる存在。それが、ミハイル=ガイラ。

「其方、先程からの暴虐。場合によっては消滅だぞ。しかし、わしもNo.1の存在は気になる。
よって、1周間後にコロシアムにて我が弟子ナナキと決闘をいたせ。勝ったならお主らの態度見過ごしてやっても良いぞ。」

「ナナキさんと?!」

ナナキとは炎を司るドラゴンを使い魔とした10年に1人の天才と呼ばれるお方。
そんな人に叶うわけがない!

「勝ったらなにかしてくれんの?」

ミハイルはふっと笑った。

「それは其方達の出来しだいじゃ」

男の人‥‥魔物は笑った。

「だって、がんばろーね。お嬢ちゃん」


「‥‥‥‥ぁい」



恐ろし過ぎて声でないし。「はい」以外言えることないし。なんか巻き込まれちゃったし。


もうなんなのコレ‥‥‥‥。
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