二人姉妹の恋愛事情〜騎士とおくる恋の物語〜

みぃ

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第14話

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寒さも和らぎもう直ぐ春がやってくる季節。



【まんぷく亭】のドアを開けたのはルイスとロベルトだった、2人一緒に来店するのは初めて【まんぷく亭】に来た時以来だ。



「いらっしゃいませー!」



「今日はAセットとBセットの他に限定セットとやらがあるのだな」



「はい!無くなり次第終了の限定10食です!」



「ほう、ブラックポーク…黒豚さんのメンチカツか」



「黒豚さんと言えばあのフェニーチェ帝国の国産品ですね、良く手に入りましたね」



レティシアが団長、副団長と話していると、厨房からひょっこりと顔を出したソフィアが説明をしだした。



「いらっしゃいませ、お二人揃ってのご来店は久しぶりですね。

黒豚さんはちょうどお肉屋さんで切れ端が売っていたのを目にしてしまいつい買ってしまったのです。

でも数も余り作れなくてお値段が結構してしまったので10食限定で2000 リルになってしまったのです。

他のお肉で作った時とは違う美味しさがあるので良かったら頼んでくださいね」



黒豚さんとは隣国のフェニーチェ帝国が、美味しさを追求して長い歳月をかけて作り上げた高級肉である。程よく甘みのある臭みのない柔らかな肉は焼くだけでとても美味しい。

もともとブラックポークと言う魔物はいたのだが、それを品種改良されて作られたのが黒豚さんである。黒豚さんと言う名は隣国の帝王がつけたそうだ。



「では、せっかくだ。俺はその黒豚さんメンチカツを頼めるか」



「私も同じのをお願いします」



「かしこまりました、少々お待ち下さいね」







注文を受けたレティシアとソフィアが厨房へと向かう姿を見送り、ルイスとロベルトはここ最近良く耳にするフェニーチェ帝国の話をしだした。



「それにしてもフェニーチェ帝国はここ数年急激に発展しているな」



我が国のガルシア王国が魔法師の国と言われ

フェニーチェ帝国は魔導具の国と言われている。



その魔導具の国と言われているフェニーチェ帝国でここ最近沢山の新しい魔導具が次々に開発されているのだ。



「そうですね…ここ最近ですと魔導オーブンに、魔導撮影機、後は食文化にも力を入れていますね。どちらもこの国にも入って来てます」



「あぁ、ちょうど発展し始めたのは新たな王が即位してからか」



「そうですね、噂ではとても有能で一人の妃だけをとても溺愛してるそうです。一夫多妻制のフェニーチェ帝国ではとても珍しいですね」



代々フェニーチェ帝国の帝王は後宮で数多くの妃を囲っていたのだが、今世の王は即位してすぐに後宮を解体し幼い頃からの婚約者だった女性を正妃に迎え入れ溺愛しており、愛妻家としてとても有名だ。



「ふむ…フェニーチェ帝国が発展しているからか魔石の輸出でこの国も潤ってはいるが」



「えぇ、これ以上フェニーチェ帝国だけが発展すれば要らぬ争いが起きるかもしれませんが………



まぁ、今の所は大丈夫でしょう」



「そうだな、今世のフェニーチェ王も全く野心家では無さそうだしな」



東大陸の一、二を争う大国どうしだがここ数百年と戦争は起きていない。

ガルシア王国の現王も王太子も有能で比較的温厚な性格なのでこちらから戦争を吹っ掛けることもないだろう。



「それより、心配するのは南ではなく北の…」





「お待たせしました!」





話し込んでいるといつの間にか時間が過ぎていた事に気が付かなかった二人は、レティシアが料理を持ってきた事に少し驚いた。



レティシアが机に置いた黒豚さんのメンチカツからはジュワジュワと揚げたての音が聞こえる。



「熱いのでごゆっくりお召し上がり下さいね」



「あぁ」  「ありがとうございます」



頂きますと言い、早速ナイフとフォークを手にする

ナイフを刺すとサクッと衣の軽い音がした

一口サイズに切り分け口の中に運ぶと沢山の肉汁が口の中に溢れ出た。



「美味い!」 「美味しいです!」



野生のブラックポークと違い、獣臭さが一切無く

くど過ぎない良質な脂が玉ねぎと合わさり、噛むたびに旨味が口の中に広がりとても美味しい。



流石はフェニーチェ帝国で品種改良された黒豚さん、ソフィアの料理の腕が加わると、より美味しさが増した。



「初めて食べましたけど、ここまで黒豚さんが美味しいとは思いませんでした」



「本当にそうだな、これは美味すぎる」



余りの美味しさにまた一口また一口と口に運ぶと、あっと言う間に黒豚さんメンチカツが皿の上から姿を消したのだった。



「はっ…美味すぎて気が付いたら無くなってしまった!」



「私もです…」



「また、食べたいな」



「はい」



食べきってしまった皿の上を見て少し寂しそうに表情をした二人であった。







「ごちそうさま」 「ごちそうさまでした」





食べ終わった二人は会計する為にレジの前に行くと、ソフィアが厨房から出てきた。



「お味はいかがでしたか?」



黒豚さんメンチカツの味の感想が知りたかったソフィアがルイスとロベルトに問いかけると



「「最高に美味しかった!」です!」



「それは良かったです!」



力強く返事をした二人にクスクスと笑い、また黒豚さんが手に入ったら作ろうと思うソフィアであった。







「すみませんが、来月の初めの5日間は臨時休業とさせて頂きます」



会計を済ませた二人にソフィアは店の休業日の話をした。

ドアに休業日の張り紙はしているが、気が付かなかった人が居ないように口頭でも伝える様にしているのだ。





「あぁ、了解した」 「分かりました」





ソフィアの言葉に了承した二人は騎士団へと帰っていた。







臨時休業の日にちを言われた時、来月の頭には確か新人の泊まりの演習が入っていたと記憶していた二人は丁度【まんぷく亭】の日にちが被ると思ったのであった。



「もう、今月も終わりですね…そろそろ新人演習の準備を始めていかないといけないです」



「そうだな、西の森の浅瀬とはいえ準備は怠らない様にしなくては…」



「丁度【まんぷく亭】の休業日に被っていましたね、演習から帰って来たら、また美味しいご飯食べに行きましょう」



「そうだな…また黒豚さん食べたいな」



「そうですね、また食べられると良いですね」



「取り寄せるか…ボソッ」



「団長……」









黒豚さんに魅入られたルイスが1頭まるまる取り寄せるのはまた別の話。



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