11 / 20
11話 ダイナミックなスノートレーニング!
しおりを挟む「素蓋さん! 雪ですっ! 雪が降ってますよーっ!」
朝、ティフシーがオレの部屋に飛び込んできた。今日はモコモコしたトレーナーにスカート、スポーツ用ストッキングの冬装備だ!
「ティフシー、その服ウサギっぽいね。似合ってるよ~!」
「え、ほんとですか! ありがとうございます! ウサギの脚の筋肉って可愛いですよね~」
「可愛いポイントそこ!?」
ティフシーは『えへへ~』と笑ったあと、ハッとなる。
「そうでした! 素蓋さん! 雪ですよ! 外見ましたか? 久しぶりに雪が降ってるんです!」
「え、雪?」
カーテンを開けてみると、一面真っ白だった。
この世界って、雪降るのか!
一年中真夏だと思ってた!
「素蓋さん、一階に来てください! お客さんたちがもう集まってるんですよ!」
「え、今日は閉店じゃないの!?」
「違いますよ~! 今日は雪が降ったので、スノウトレーニング大会です!」
ティフシーはオレに長袖のジャージを渡してくれた。
雨風を防いでくれそうな生地で、裏地はモコモコ。暖かそうだ!
「シュリカさんが『素蓋くんは寒いときの服持ってないから、渡してあげて』って言ってましたよ!」
「さすがシュリカさん! ありがたいぜ!」
オレはさっそくジャージに袖を通した。動きやすくて、ぬくぬくだ!
「あと、『優勝したらそれはタダでいいわ』って言ってましたよ!」
「条件つきだったーっ!」
さすがシュリカさん! 抜け目ないぜ!
「素蓋さん、応援してますよ~! かっこいいところ見せてくださいね」
「おーっ!」
よし、ちょっと本気出すかな!
スノウトレーニングって何するかわからないけど!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ハッハッハ! いまからスノウトレーニングを行うぞ!」
マッチョたちや美女たちは近くの公園に集まっていた。みんなマフラーや耳当てをしてるけど、Tシャツだったり、タンクトップだったり、いつもとあまり変わらない軽装だ。
そんなにハードに動き回るのか?
「ルールは簡単! 雪を使って一番ダイナミックなパッションをアートしたペアが勝利さッッッッ!」
「どういうこと!?」
「つまり、雪を使って、一番すごいことをしたら勝ちってことですよ~」
隣にいた女の子が答えてくれた。
ちょっと太めの眉に、ほんわかした童顔。背も低くてかわいい。
「素蓋さん、よろしくお願いします~! わたしはフルールっていいます~!」
「よろしく、フルール!」
フルールはノースリーブのニットを着ていて、胸のあたりが雪を詰め込んだみたいにふんわりと膨らんでいる。
ふかふかのおっぱいだ!
見ていてほんのり温かくなるような、ほんわか系美少女。童顔に巨乳のバランスが最高だぜ!
「ハッハッハ! 好きな相手とペアを組んだら開始さッ! レディイイイイイッ! スタートォオオオオオオオオオオッッッ!」
「フルール、よかったオレとペア組まない?」
「はいっ! 素蓋さんと一緒なら頼もしいです~!」
オレは店のイベントで活躍してるので、けっこう顔を知られてるみたいだ。
期待に応えるぜ!
「雪ですごいことするって、たとえば、デカイ雪だるま作るとかでいいのかな?」
「そうですね~。トレーニングになるような、ダイナミックなことをすればいいんですよ~!」
「ダイナミックなこと?」
「はい。例えば、町中の雪をぜんぶ一カ所に集めて、迷路を作るとか~」
「国家プロジェクトかっ!」
思ったより数千倍ダイナミックだーっ!
「もう少し簡単なのですと、雪だるまを食べるとか~?」
「それはトレーニングなのか!?」
「そ、そうですよね~。それなら、公園を走り回って、雪を溶かして水にするっていうのはどうですか?」
「トレーニングだけども!」
雨の翌日に校庭を馴らす運動部かっ!
「フルール、一度ダイナミックから離れて、他のペアよりちょっとすごいくらいのことを考えよう!」
「はい~! 簡単なのがいいですね~!」
そして、オレたちのダイナミックなスノウトレーニングが完成した!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「発表タァアアアアアアアアアイムッッッッッ! まずは、ボブ&ジョンソンペアァアアアアアッッッ!」
「ヒューッ! グッドトレーニング!」
「ナイスマッスルーッ!」
みんなが拍手する中、マッチョ二人組が巨大な樽を転がしてきた。
「僕たちが作ったのはシャーベットプロテインドリンクさっ!」
「町中の雪を集めてきたぜ~っ!」
二人が蓋を開けると、中にはピンク色のシャーベットが詰まっていた。
たしかにすごいけど!
「それって雪だよな!? 衛生面は大丈夫なのか!?」
「問題ないさ! 犬のフンが落ちてたけど、使ってないよ! ちゃんとその真横の雪を使ったのさ!」
「真横なの!? せめて離れたところから取れよっ!」
ぜったい飲みたくないな!
「ハッハッハ! では、次のペアァアアアアッッッ! マーリン&ベネア!」
今度は美女二人のペアだ。
二人ともTシャツにマフラーというマニアックな格好をしてる。
うん、悪くないぞ!
「ふふっ、私達はかまくらを作ったわ!」
二人が指さしたところには、綺麗な雪山があった。
形は綺麗な半円。なかなかすごい。
「ちなみに、ポイントはてっぺんの小さな雪玉よ。上から見たとき、ある形に見えるように作ったわ!」
おっぱい型!? あざとい! あざといぞこのペア!
「ワオ! これはすばらしい芸術だな! うん、これは素晴らしいぞ!」
進行役のマッチョが鼻の下を伸ばして絶賛した。
やかましいわ!
「ハッハッハ! 次は素蓋&フルールゥウウウッッッ! 何を見せてくれるんだい!?」
「オレたちはコレだよ」
オレは公園の外を指さした。
坂道に、何か所か雪が盛ってある。
「いまからオレは板に乗って、この坂道を滑る。もちろん、雪山の障害物をぜんぶ避けるぜ!」
「なるほど。そいつはいいトレーニングだ! しかし、素蓋にしてはインパクトは低めだな! ハッハッハ!」
「そうね、滑るだけなら私たちにもできそうだわ。シュリカの店の素蓋くん、噂に聞いてたほどじゃないわね」
「下半身のトレーニングとしては、いい線いってるんじゃないかしら? 三位には入れそうよ」
マッチョと美女たちはイマイチな反応だ。
たしかに、滑るだけなら普通の人間でもできるからな!
でも、すごいのはここからだぜ!
「じゃあ、さっそく見せるよ」
そう言って、オレはフルールをお姫様だっこした。
小さな背中に、もちもちした感触の太もも。温かくてふんわりと柔らかい。
雪の妖精を抱えてるような気分だ。
「な、なにぃいいいいいいっ!!! フルールを抱きかかえたまま滑るだとぉおおおおお!!!」
「下半身だけじゃなく、腕のトレーニングまでしようというの!? そんなことができるのかしらっ!!」
「バランスを取るために、下半身にもヘビイな負荷がかかるぞ! 並のマッスルではできない芸当だッッ!」
フルールは少し顔を赤らめて、オレにしがみついた。
「お願いします~っ!」
「おう、行くぜ!」
オレは坂道を一気に加速した。
板を左右にコントロールしながら、雪山を避けていく。
「何ィイイイイイイイイイイイ!」
「素蓋くん、かっこいいわっ! 腕も足もワンダフルなマッスルよ!」
上にいるマッチョや美女たちの声を聞きながら、オレはどんどん加速していく。
雪山を飛び越えて、空中で一回転して着地!
カーブを曲がると、滑れるところまで滑っていく。
最後にキュッと止まると、公園だけでなく、道を歩く人たちからも歓声があがった。
「ウワォオオオオオオオオオオオオッ!!! とんでもないスノウマッスルが現れたァアアアアアーッッ!」
「あのプリティマッチョに抱かれてる子はだれなのっ? 私もあんなマッスルに抱かれたいわ!」
「雪道をあんなダイナミックに下りてくるなんてーッ! 最高にホットなマッスルだぜぇええッッ!」
「すごいマッチョを見れてラッキーだわ! あんなホットなマッスルを見せつけられたら、今夜はストーブ無しで過ごせそうよ!」
フルールはほんわかした笑顔でオレを見上げた。
「素蓋さん、さすがスーパーマッチョですね! すごい楽しかったです~!」
「まあね~! オレも楽しかったよ。じゃあ、そろそろ下ろすよ」
「あ、はい。あの、自分で下りますねっ」
フルールがオレの腕の中で、体をひねった。
その瞬間。
「!!!!!!!!」
オレの手が偶然、フルールのノースリーブの脇から、ニットの内側に滑り込んだ。
ニットとおっぱいの間。
それは、ロマンへの入り口だっ!
ふんわりと温かく、指が吸い込まれそうなほど柔らかい肌。
左手から全身に伝わってくる幸せな感触!
うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
この幸せな時を冷凍保存したいっ!
「あ、あのっ、素蓋さん」
フルールはオレを見つめると、顔を真っ赤にして言った。
「素蓋さんて、やっぱりダイナミックな人です~っ!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で
重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。
魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。
案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる