君は誰よりも美しい

折方しょくえん

文字の大きさ
15 / 26
変化

学生生活

しおりを挟む
 「おはよう。」
 「おはよう、千流。」
 今日も彼の寝癖は爆発していて、見慣れたものなのに、つい笑みが零れてしまう。私は、何事もないかのように平静を取り繕うことももう手慣れたものになった。セックス後も、あの彼を見ても、同じようにいた。
 もしかしたら彼には悟られていたかもしれないが、触れられないならそれで良しと思っていた。
 同棲を始めてからは、一度も家に人が出入りしていないようだった。女物のシャンプーも、容量が減ることもなくピンクのカビにどんどん侵されていった。私は相変わらず彼のお気に入りというシャンプーに、コンディショナーに、買ってもらったトリートメントを使っている。
 ボディソープはいつもの桃の香りのするものを使っている。
 彼と生活するようになってから、自然と私も服や髪型、匂いなどを気にするようになった。一番の友達には男でもできたか、と疑われた。

 彼はいつも通り、バイトに、大学に、と学生生活を勤しんでいる。
 私も大学に入ってからは、バイトも始め、かつては関わることのなかった人に多く関わるようになった。
 そして、彼が良く好む髪型に、お洒落な美容院で変えてみたりもした。高校生活で得られなかった青春を後戻りして堪能している気分だった。
 でも、そんな生活を送れば送るほど、秘密を知りたくなるものだった。だからと言って、聞く勇気など私は持ち合わせていない。
 いつか、彼から言ってくれるのを気長に待つつもりだった。
 あの人と出会うまでは…。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

元恋人が届けた、断りたい縁談

待鳥園子
恋愛
シュトルム辺境伯の末娘ソフィに隣国の帝国第二皇子から届けられた『縁談』の使者は、なんと元恋人のジョサイアだった。 手紙ひとつで別れることになったソフィは、素直になれずジョサイアから逃げ回る。 「私に届けなければ、彼は帝国に帰ることが出来ない」 そう思いようやく書状を受け取ろうと決意したソフィに、ジョサイアは何かを言い掛けて!?

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

すれ違ってしまった恋

秋風 爽籟
恋愛
別れてから何年も経って大切だと気が付いた… それでも、いつか戻れると思っていた… でも現実は厳しく、すれ違ってばかり…

第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」完結

まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。 コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。 「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」 イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。 対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。 レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。 「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」 「あの、ちょっとよろしいですか?」 「なんだ!」 レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。 「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」 私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。 全31話、約43,000文字、完結済み。 他サイトにもアップしています。 小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位! pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。 アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。 2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。 「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

6回目のさようなら

音爽(ネソウ)
恋愛
恋人ごっこのその先は……

【完結/番外追加】サリシャの光 〜憧れの先へ〜

ねるねわかば
恋愛
彼女は進む。過去に囚われた者たちを残して── 大商会の娘サーシャ。 子どもの頃から家業に関わる彼女は、従妹のメリンダと共に商会の看板娘として注目を集めていた。 華々しい活躍の裏で、着実に努力を重ねて夢へと向かうサーシャ。しかし時には心ないことを言う者もいた。 そんな彼女が初めて抱いた淡い恋。 けれどその想いは、メリンダの涙と少年の軽率な一言であっさり踏みにじられてしまう。 サーシャはメリンダたちとは距離をおき、商会の仕事からも離れる。 新たな場所で任される仕事、そして新たな出会い。どこにあっても、彼女が夢を諦めることはない。 一方、光に囚われた者たちは後悔と執着を募らせていき── 夢を諦めない少女が、もがきながら光を紡いでいく軌跡。 ※前作「ルースの祈り」と同じ世界観で登場人物も一部かぶりますが、単体でお読みいただけます。 ※作中の仕事や制作物、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。

処理中です...