最弱職な彼にも栄光あれ!

夜ヶ崎 雪

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第1章 銀狼族の落ちこぼれ

自己紹介 後半

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 自己紹介は名前の順のため、次はアリシアの後ろの席に座る俺の妹、アリスの番となる。……が、先程の自己紹介があまりにも強・烈・すぎたせいか、どこかやり辛そうにしながら立ち上がった。

「えっと……ア、アリスです。よろしくお願いします……」

 声を震わせ、顔を赤らめ何とか聞こえるくらいの声で言った。アリスとしては俺以外誰も知り合いがいない中、精一杯やったのかもしれないが物凄い普通だった。見ると、クラスの表情を見るに皆俺と同じことを思っているらしかった。

 それから何人かの自己紹介が恙なく進んでいく。後半に差し掛かったところで、どこか見たことのあるような銀髪ロングの子が、片足を上げて格好良くポーズを決めた。
 あ、もう少しでパンツ見えそう。

「私はミーナ! いずれ世界最強の魔法使いとなる者!」
「あー、隣の家のミーナちゃんか。見ないうちに随分と大きくなったなぁ」
「あ、お久しぶりです、ハルトお兄ちゃん。最初見た時びっくりしましたよ」
「悪いな、伝えてなくて。でも、俺のことはちゃんと先生と呼べよ?」

 はーい、と元気よく返事をするミーナ。
 ミーナは家の隣に住んでいる子で言ってしまえば少し年の離れた幼馴染みたいなものだった。12歳になって冒険者カードを作ってからは殆どの時を王都で過ごしていた為、久しぶりにあったミーナをミーナだと分からなかった。
 ちなみに、こちらを睨んでる引きこもりな我が妹は引きこもりであるが故にミーナのことを知らない。
 きっと後でお兄ちゃん呼びについて言及されるんだろうなあ。
 アイツ結構ブラコンの気質があるからなぁ。本人はバレてないつもりなんだろうけど。

 その後は自己紹介も滞り無く進み、残り二人となった。
 銀髪ショートの、どこか少年っぽさもある少女がビシッとポーズを決める。

「私はルミア! クラス一の天才にして、いずれ雷霆魔法を操る者!」
「あー、お前か。とんでもない魔力値を叩き出したっていう天才は。雷霆魔法の適性は?」
「勿論、ありますとも!……ああ、使えるようになるその日が待ち遠しいです……」
「お、おう……」

 うっとりと恍惚とした表情を浮かべて思いを馳せる少女に俺は少し引く。
 適性がなれけば、習得することすら叶わない世界三大魔法の一つである雷霆魔法は歴史上を含めても成り手は10人もいない。そう考えれば如何にこの少女が天才であるか分かるが、やっぱり顔を赤らめながら興奮している少女には引く。
 勿論、俺には雷霆魔法の適性なんてない。

「じゃあ次の子頼む」

 いよいよ最後の子となった。
 銀髪縦ロールのその子はパッと見、気が強そうな如何にも高飛車って感じだ。
 その子は縦ロールをくるくるさせながら気怠そうに立ち上がると、

「私、レイナ……よろしく」

 素っ気なくそう言うと、すぐに座ってしまった。
 その姿に隣の席のミーナは何かその子に耳打ちした後、こちらに対し気まずそうに笑う。
 悪口じゃないだろうな。昔あんだけ懐かれてたミーナにそんなことされたら多分先生泣いちゃうよ?

 流石に女の子に「さっき何話してたの~?」なんて馬鹿っぽく聞けないし。それが幼馴染だとしてでもだ。
 伊達に彼女いない歴イコール年齢やってるつもりはないからな。

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