3 / 7
第1章 銀狼族の落ちこぼれ
自己紹介 後半
しおりを挟む自己紹介は名前の順のため、次はアリシアの後ろの席に座る俺の妹、アリスの番となる。……が、先程の自己紹介があまりにも強・烈・すぎたせいか、どこかやり辛そうにしながら立ち上がった。
「えっと……ア、アリスです。よろしくお願いします……」
声を震わせ、顔を赤らめ何とか聞こえるくらいの声で言った。アリスとしては俺以外誰も知り合いがいない中、精一杯やったのかもしれないが物凄い普通だった。見ると、クラスの表情を見るに皆俺と同じことを思っているらしかった。
それから何人かの自己紹介が恙なく進んでいく。後半に差し掛かったところで、どこか見たことのあるような銀髪ロングの子が、片足を上げて格好良くポーズを決めた。
あ、もう少しでパンツ見えそう。
「私はミーナ! いずれ世界最強の魔法使いとなる者!」
「あー、隣の家のミーナちゃんか。見ないうちに随分と大きくなったなぁ」
「あ、お久しぶりです、ハルトお兄ちゃん。最初見た時びっくりしましたよ」
「悪いな、伝えてなくて。でも、俺のことはちゃんと先生と呼べよ?」
はーい、と元気よく返事をするミーナ。
ミーナは家の隣に住んでいる子で言ってしまえば少し年の離れた幼馴染みたいなものだった。12歳になって冒険者カードを作ってからは殆どの時を王都で過ごしていた為、久しぶりにあったミーナをミーナだと分からなかった。
ちなみに、こちらを睨んでる引きこもりな我が妹は引きこもりであるが故にミーナのことを知らない。
きっと後でお兄ちゃん呼びについて言及されるんだろうなあ。
アイツ結構ブラコンの気質があるからなぁ。本人はバレてないつもりなんだろうけど。
その後は自己紹介も滞り無く進み、残り二人となった。
銀髪ショートの、どこか少年っぽさもある少女がビシッとポーズを決める。
「私はルミア! クラス一の天才にして、いずれ雷霆魔法を操る者!」
「あー、お前か。とんでもない魔力値を叩き出したっていう天才は。雷霆魔法の適性は?」
「勿論、ありますとも!……ああ、使えるようになるその日が待ち遠しいです……」
「お、おう……」
うっとりと恍惚とした表情を浮かべて思いを馳せる少女に俺は少し引く。
適性がなれけば、習得することすら叶わない世界三大魔法の一つである雷霆魔法は歴史上を含めても成り手は10人もいない。そう考えれば如何にこの少女が天才であるか分かるが、やっぱり顔を赤らめながら興奮している少女には引く。
勿論、俺には雷霆魔法の適性なんてない。
「じゃあ次の子頼む」
いよいよ最後の子となった。
銀髪縦ロールのその子はパッと見、気が強そうな如何にも高飛車って感じだ。
その子は縦ロールをくるくるさせながら気怠そうに立ち上がると、
「私、レイナ……よろしく」
素っ気なくそう言うと、すぐに座ってしまった。
その姿に隣の席のミーナは何かその子に耳打ちした後、こちらに対し気まずそうに笑う。
悪口じゃないだろうな。昔あんだけ懐かれてたミーナにそんなことされたら多分先生泣いちゃうよ?
流石に女の子に「さっき何話してたの~?」なんて馬鹿っぽく聞けないし。それが幼馴染だとしてでもだ。
伊達に彼女いない歴イコール年齢やってるつもりはないからな。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる