36 / 48
第36話
しおりを挟む
どうでも良さそうな話で時間を潰す。そうして二時間半程が経過した頃だった。
「あら、鳴海さんじゃない」
ふいに声を掛けられて京哉が目を上げると、そこには柏仁会会長の愛人である深山綾香が立って笑っていた。この瞬間、京哉は張り込み失敗を悟って溜息を洩らす。柏仁会サイドの綾香は京哉が警察官だと知っているのだ。
その綾香はイブニングドレスではなく、白に金糸で縁取りした襟ぐりの広いタイトなスカートスーツを身に着けている。ボディラインも大胆な格好でためらいなく京哉と小田切の間に座り、綾香は細巻きを咥えて華奢なガスライターで火を点けた。ふうっと紫煙を吐く。
そんな綾香から目を移して京哉は周囲を見回したが、お付きの手下は見当たらない。綾香が声を上げて笑った。
「誰もいないわ。いい加減に窮屈だから抜け出してきたんだもの」
「それって何号室ですか……って、訊くのはアリですか?」
「ナシよ。あたしだって命は惜しいですもの」
「そこを何とか」
「だーめ。でも、そうね。あたしと一晩付き合ってくれるなら考えてあげるわ」
「あ、じゃあパスです」
「迷うふりすらせずに即答するなんて、割と貴方、失礼よね」
指定暴力団の愛人を怒らせたかと京哉は綾香の表情を窺ったが、綾香は口ほどに機嫌を損ねてはいないようだ。だが僅かずつ距離を詰め、京哉に凭れるように接近してくる。退きつつも京哉はずっと疑問だったことを綾香にぶつけた。
「あのう、そういや以前にお会いした時、僕のコーヒーに九天を入れましたよね?」
「半分残すとは思わなくて、その気にさせようと思ったのに失敗したわ」
「なるほど。でも僕だって命は惜しいですから」
「だから前も言ったじゃない、槙原はあたしの浮気心なんか慣れてるって」
「それは貴女が事後、関心を持たないからでしょう」
「そうね、冬の海は冷たそうですものね」
何食わぬ顔をして確信犯だから怖い。それにこんなことをしていたら売人が綾香に気付くのは時間の問題だ。一緒にいる男二人にも関心を向けた売人が槙原省吾と連絡を取り、京哉たちがサツカンだと知ってしまう可能性は高かった。
もし売人が気付かなくても綾香自身が槙原に連絡するなり、部屋に帰って告げるなりすれば同じことである。その前に一旦撤退するか否か京哉は迷った。
迷う間に二十一時過ぎになり、ホテル側がナイトサーヴィスと称してコーヒーを配り始めると綾香は細巻きを吸うのを止め、あっさり腰を上げた。
そのままゆっくり歩いて京哉たちから離れたかと思うと、随分向こうのソファに腰掛けたソフトスーツの若い男と会話し、エレベーターホールへと歩き去る。
京哉と小田切は若い男を注視した。かなり遠いが二人共にスナイパーで視力は抜群だ。じっと観察する。綾香が売人に自分たちの存在を告げ口したかと思ったのだ。だが男はこちらを一瞥もしない。どうやら綾香は二人のことを内密にしてくれたらしかった。
京哉は小田切と一緒に安堵の溜息をついて吸いかけの煙草を捨てた。
それにしても綾香が話しかけた男は結構な優男で、クスリの売人という風情ではない。それなりに上物のソフトスーツを着こなして見事にセレブに溶け込んでいる。
「けど、あれが売人で間違いないんだろ?」
「おそらくは。僕ら、深山綾香に塩を送られちゃったみたいですね」
「うーん、深山綾香は売人を俺たちサツカンに売った……いったい綾香に何の得があるんだろうねえ?」
「さあ。それはともかくあの男が柏仁会の関係者なのは確かでしょう」
そこで京哉の携帯に着信が入った。すぐに切れたそれは霧島からの合図で【確保する】というものだ。エントランス方向に小田切が、エレベーターホール側に京哉が足早に移動する。カフェテリアから霧島が出てきた。
三方から囲まれたとソフトスーツの男が気付いて立ち上がった時には、既に霧島が男のみぞおちに膝蹴りを食らわせている。苦痛に声も出せない男を抱き留めるようにしながら携帯を取り上げた。
ソフトスーツのポケットから大量の赤い薬包紙の包みを、ベルトの腹からは大型拳銃のトカレフを発見・没収して酔った友人を連れ出す風を装い、三人で男を地下駐車場に運び出す。
セレブ相手の売人男は荒事に慣れていないらしく、本人のトカレフを脇腹に突き付けただけで泣きながら柏仁会と楢井ケミカル工業社長の楢井一輝が宿泊している部屋を吐いた。梓映美は知らないという男の手足を手錠で縛め、覆面の後部に放り込む。
「柏仁会が二十一階二一〇二号室と二一〇三号室、楢井が二一〇八号室だ、急げ!」
三人はエレベーターで二十一階に向かおうとしたが、宿泊階には宿泊客しか降りられない。キィを持たない人間はエレベーター係のホテルマンに制止されるシステムだ。
「チクショウ、二十一階まで、階段か。空っ腹に、これは、効くなあ」
「きっと、晩飯が、旨いぞ」
「今更ですが、宿泊客以外も上れる、最上階から下った方が、近くて早かったです」
京哉の言葉に二名の上司はガッカリしすぎて、あとは言葉もなく二十一階まで上った。肩で息をしながら二一〇二号室と二一〇三号室の前を通り過ぎてみる。
すると両方のドアに『Please make up the room』の札が掛かっていた。
「柏仁会は一人や二人じゃない筈だが全員が留守か。拙いぞ、これは」
急いで二一〇八号室も見に行ったがここにも同じ札が掛かっていた。三人は顔を見合わせてから、今度はスムーズにエレベーターで一階に直行する。もし梓映美が拉致されていなくとも誰かがマン・ターゲットにされようとしている可能性があった。
「くそう、間に合うのか?」
歯の隙間から押し出すように低く唸った霧島に京哉が頷いて見せる。
「間に合いますよ、間に合わせなきゃ」
エレベーターが一階に着く。自動ドアが開くのを待つのももどかしく、三人は自動ドアが開くなり弾かれたように飛び出した。エレベーターホールからロビーを駆け抜けフロントマンたちを煌く灰色の目で黙らせて、霧島を先頭に京哉と小田切もエントランスから走り出る。
街灯も眩い中で左方向に進路を取った。目前の通りには車も行き交い、人通りもあった。
全力疾走しワンブロック先を左折する。するともうそこはホテルと古い雑居ビルの間の細い道で途端に人影は途絶えた。更にワンブロック数百メートルを走り抜ける。
三人はホテルの真裏に当たる、廃ビルに囲まれた迷路のような小径に踏み入る前に減速し、様子を窺いながら歩き始めた。ここから右の奥に入ると七発食らった二体の死体発見現場で、警備部の制服組が張り番している筈である。そちらには行かず先を目指した。
「この先は本当に車も通れない小径になっているんだ」
と、報告書を呼んだ小田切が囁く。既に三人とも銃を手にしていた。
辺りは真っ暗に近かったが、時折思い出したようにポツリ、またポツリと自動販売機が設置されていて外灯の役目も果たしている。それ以外は影に覆われ、静けさが耳に痛いくらいだった。三人は散開して密やかに人の気配を求め歩を進めた。
「でもさ、捜一も所轄も差し置いた挙げ句にこれは、あとで揉めるんじゃないか?」
「貴様は腰が引けたのか? 詫びを入れて人命が拾えるのなら、あとで幾らでも詫びれば良かろう」
「鉄面皮で謝って、結局ガチギレする方に一票入れます」
「右の頬を殴られたら、左のこぶしを振り上げろと……おい、聞こえたか?」
差し掛かっていた右側の脇道から明らかな気配がしていた。
「一人じゃありませんね、かなりの大人数ですよ」
三人は抜き身の銃を手に走った。無人の元オフィスビルに挟まれた道はなお暗い。
「あそこ、三十メートル先、自販機三台が並んでる向こうです!」
「分かっている、五人……いや、六人で一人は女だ!」
「拙いぞ、始まっちまってる!」
「あら、鳴海さんじゃない」
ふいに声を掛けられて京哉が目を上げると、そこには柏仁会会長の愛人である深山綾香が立って笑っていた。この瞬間、京哉は張り込み失敗を悟って溜息を洩らす。柏仁会サイドの綾香は京哉が警察官だと知っているのだ。
その綾香はイブニングドレスではなく、白に金糸で縁取りした襟ぐりの広いタイトなスカートスーツを身に着けている。ボディラインも大胆な格好でためらいなく京哉と小田切の間に座り、綾香は細巻きを咥えて華奢なガスライターで火を点けた。ふうっと紫煙を吐く。
そんな綾香から目を移して京哉は周囲を見回したが、お付きの手下は見当たらない。綾香が声を上げて笑った。
「誰もいないわ。いい加減に窮屈だから抜け出してきたんだもの」
「それって何号室ですか……って、訊くのはアリですか?」
「ナシよ。あたしだって命は惜しいですもの」
「そこを何とか」
「だーめ。でも、そうね。あたしと一晩付き合ってくれるなら考えてあげるわ」
「あ、じゃあパスです」
「迷うふりすらせずに即答するなんて、割と貴方、失礼よね」
指定暴力団の愛人を怒らせたかと京哉は綾香の表情を窺ったが、綾香は口ほどに機嫌を損ねてはいないようだ。だが僅かずつ距離を詰め、京哉に凭れるように接近してくる。退きつつも京哉はずっと疑問だったことを綾香にぶつけた。
「あのう、そういや以前にお会いした時、僕のコーヒーに九天を入れましたよね?」
「半分残すとは思わなくて、その気にさせようと思ったのに失敗したわ」
「なるほど。でも僕だって命は惜しいですから」
「だから前も言ったじゃない、槙原はあたしの浮気心なんか慣れてるって」
「それは貴女が事後、関心を持たないからでしょう」
「そうね、冬の海は冷たそうですものね」
何食わぬ顔をして確信犯だから怖い。それにこんなことをしていたら売人が綾香に気付くのは時間の問題だ。一緒にいる男二人にも関心を向けた売人が槙原省吾と連絡を取り、京哉たちがサツカンだと知ってしまう可能性は高かった。
もし売人が気付かなくても綾香自身が槙原に連絡するなり、部屋に帰って告げるなりすれば同じことである。その前に一旦撤退するか否か京哉は迷った。
迷う間に二十一時過ぎになり、ホテル側がナイトサーヴィスと称してコーヒーを配り始めると綾香は細巻きを吸うのを止め、あっさり腰を上げた。
そのままゆっくり歩いて京哉たちから離れたかと思うと、随分向こうのソファに腰掛けたソフトスーツの若い男と会話し、エレベーターホールへと歩き去る。
京哉と小田切は若い男を注視した。かなり遠いが二人共にスナイパーで視力は抜群だ。じっと観察する。綾香が売人に自分たちの存在を告げ口したかと思ったのだ。だが男はこちらを一瞥もしない。どうやら綾香は二人のことを内密にしてくれたらしかった。
京哉は小田切と一緒に安堵の溜息をついて吸いかけの煙草を捨てた。
それにしても綾香が話しかけた男は結構な優男で、クスリの売人という風情ではない。それなりに上物のソフトスーツを着こなして見事にセレブに溶け込んでいる。
「けど、あれが売人で間違いないんだろ?」
「おそらくは。僕ら、深山綾香に塩を送られちゃったみたいですね」
「うーん、深山綾香は売人を俺たちサツカンに売った……いったい綾香に何の得があるんだろうねえ?」
「さあ。それはともかくあの男が柏仁会の関係者なのは確かでしょう」
そこで京哉の携帯に着信が入った。すぐに切れたそれは霧島からの合図で【確保する】というものだ。エントランス方向に小田切が、エレベーターホール側に京哉が足早に移動する。カフェテリアから霧島が出てきた。
三方から囲まれたとソフトスーツの男が気付いて立ち上がった時には、既に霧島が男のみぞおちに膝蹴りを食らわせている。苦痛に声も出せない男を抱き留めるようにしながら携帯を取り上げた。
ソフトスーツのポケットから大量の赤い薬包紙の包みを、ベルトの腹からは大型拳銃のトカレフを発見・没収して酔った友人を連れ出す風を装い、三人で男を地下駐車場に運び出す。
セレブ相手の売人男は荒事に慣れていないらしく、本人のトカレフを脇腹に突き付けただけで泣きながら柏仁会と楢井ケミカル工業社長の楢井一輝が宿泊している部屋を吐いた。梓映美は知らないという男の手足を手錠で縛め、覆面の後部に放り込む。
「柏仁会が二十一階二一〇二号室と二一〇三号室、楢井が二一〇八号室だ、急げ!」
三人はエレベーターで二十一階に向かおうとしたが、宿泊階には宿泊客しか降りられない。キィを持たない人間はエレベーター係のホテルマンに制止されるシステムだ。
「チクショウ、二十一階まで、階段か。空っ腹に、これは、効くなあ」
「きっと、晩飯が、旨いぞ」
「今更ですが、宿泊客以外も上れる、最上階から下った方が、近くて早かったです」
京哉の言葉に二名の上司はガッカリしすぎて、あとは言葉もなく二十一階まで上った。肩で息をしながら二一〇二号室と二一〇三号室の前を通り過ぎてみる。
すると両方のドアに『Please make up the room』の札が掛かっていた。
「柏仁会は一人や二人じゃない筈だが全員が留守か。拙いぞ、これは」
急いで二一〇八号室も見に行ったがここにも同じ札が掛かっていた。三人は顔を見合わせてから、今度はスムーズにエレベーターで一階に直行する。もし梓映美が拉致されていなくとも誰かがマン・ターゲットにされようとしている可能性があった。
「くそう、間に合うのか?」
歯の隙間から押し出すように低く唸った霧島に京哉が頷いて見せる。
「間に合いますよ、間に合わせなきゃ」
エレベーターが一階に着く。自動ドアが開くのを待つのももどかしく、三人は自動ドアが開くなり弾かれたように飛び出した。エレベーターホールからロビーを駆け抜けフロントマンたちを煌く灰色の目で黙らせて、霧島を先頭に京哉と小田切もエントランスから走り出る。
街灯も眩い中で左方向に進路を取った。目前の通りには車も行き交い、人通りもあった。
全力疾走しワンブロック先を左折する。するともうそこはホテルと古い雑居ビルの間の細い道で途端に人影は途絶えた。更にワンブロック数百メートルを走り抜ける。
三人はホテルの真裏に当たる、廃ビルに囲まれた迷路のような小径に踏み入る前に減速し、様子を窺いながら歩き始めた。ここから右の奥に入ると七発食らった二体の死体発見現場で、警備部の制服組が張り番している筈である。そちらには行かず先を目指した。
「この先は本当に車も通れない小径になっているんだ」
と、報告書を呼んだ小田切が囁く。既に三人とも銃を手にしていた。
辺りは真っ暗に近かったが、時折思い出したようにポツリ、またポツリと自動販売機が設置されていて外灯の役目も果たしている。それ以外は影に覆われ、静けさが耳に痛いくらいだった。三人は散開して密やかに人の気配を求め歩を進めた。
「でもさ、捜一も所轄も差し置いた挙げ句にこれは、あとで揉めるんじゃないか?」
「貴様は腰が引けたのか? 詫びを入れて人命が拾えるのなら、あとで幾らでも詫びれば良かろう」
「鉄面皮で謝って、結局ガチギレする方に一票入れます」
「右の頬を殴られたら、左のこぶしを振り上げろと……おい、聞こえたか?」
差し掛かっていた右側の脇道から明らかな気配がしていた。
「一人じゃありませんね、かなりの大人数ですよ」
三人は抜き身の銃を手に走った。無人の元オフィスビルに挟まれた道はなお暗い。
「あそこ、三十メートル先、自販機三台が並んでる向こうです!」
「分かっている、五人……いや、六人で一人は女だ!」
「拙いぞ、始まっちまってる!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる