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第11話
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「仲間が資金を調達して、ターゲットとするプラーグ暫定政権否認派の情報をかき集めたわ、議員に近づくためにね。そしてロゼ=エヴァンジェリスタの名前とカードを託されて、わたしたちはプラーグから送り出されたの」
「どうして日本の議員ばかりを狙った?」
「仲間が決めたことだから本当のところは分からないけれど、プラーグの隣国ユベルをトンネルにして砂の花を買い取って、でもじつはプラーグ国民を騙してたのは某大国だったんでしょう? でも某大国は銃社会で『ロゼ』の活動は難しいわ。だから某大国と仲のいい日本を狙ったんだと思う」
なるほど、予測にすぎなくてもユーリンの説は頷けた。
「だがユーリン、あんたと違ってエリンとサラとかいうロゼは、脅しだけでなく殺しまでやった。それは最初から計画のうちだったんじゃないのか?」
「それは……正直、分からない」
「思い余っての故殺か、それとも計画的犯行かは不明ということか。何れにせよユーリンには何も伝えられなかった、そういうことで間違いないな?」
「言い訳を許して貰えるなら、乗り継ぎのアンゴラ空港で別れたエリンとサラが、まさか人を殺しに行くとは思えなかった。笑って別れたのよ」
「ふん、状況に嵌って思わず殺してしまった故殺パターンか。とにかく複数のロゼはスタンドアローン的に暫定政権否認派議員を脅し、または消して回っていたんだな」
何度目かの溜息をつくと霧島はユーリンを見据える。
「そして、その仲間とやらはハミッシュやジョセたちのことなのか?」
「違う、違うわ! ジョセたちは穏健派、ロゼのことなんて何も知らない!」
「落ち着け。ならば仲間とはいったい誰なんだ?」
僅かに考えるようにユーリンは俯いた。
「旧政権を倒す前にあったような武装勢力が少数だけれどまた現れたの。穏健派がやっている国連との話し合いは堂々巡りで平行線。それじゃ幾ら待っても新政権が認められる日は来ない、砂漠の灌漑事業や大手企業の誘致なんかに漕ぎ着けない。そう主張する急進派の人たちが集まって国連平和維持軍にアタックしてるのよ」
「その急進派武装勢力がユーリンの仲間ってことでいいんでしょうか?」
「ええ、そうね。けれどわたしは彼らの思想に完全に賛同した訳じゃないし、彼らのように砂漠を放浪してもいないわ。でも『ロゼ作戦』の話を聞いてわたしは自分の意志で立候補したの。だから『ロゼ作戦』に関してのみ、彼らの仲間ってことかしら」
「どうして? 貴女の仲間はハミッシュたちじゃなかったんですか?」
「わたしは旧政権を倒す大攻勢のとき、参戦できなかった……」
そう、霧島と京哉も参加したプラーグ軍へのアタックでユーリンは撃たれ、二人が病院に担ぎ込んだ。そしてユーリンの入院中に大攻勢はなされ旧政権打倒が成ったのである。
「そのあとやってきた国連平和維持軍への徹底抗戦にも加われずに、仲間のみんなが投獄されたのを知ったのも何日か経ってから。何もできなかったの、わたし」
淋しそうに呟き、ユーリンは冷めかけたコーヒーを飲んだ。
「だからハミッシュたちのためになりたいって思った、それは分かります。でも忍さんが貴女に残した『選挙管理委員会を立ち上げろ』って言葉を貴女が実行したからこそ、全国民による投票で獄中出馬したハミッシュが当選したんじゃないですか」
「それはすごく感謝してる。でもわたしはやっぱり子供で自分の力じゃ何もできずに大人に相談して……そうしたら実際には全て大人が仕切って、わたしは言われたことを手伝っただけ。こんなのとっても情けないけれど、だから余計にロゼに……」
溜息をついたユーリンは不安げに二人を見比べ、そして表情を硬くする。
「わたし、捕まるのよね? 覚悟はできているわ」
「覚悟ねえ……ユーリンは他にも誰かを脅すつもりだったんですか?」
「じつは池野議員の次に川崎志朗議員も脅す予定だったの」
「ふうん。それで、この日本に貴女以外のロゼはいるんでしょうか?」
「わたしが知る限りでは、わたしだけよ」
「じゃあ貴女は誰も殺しても脅してもいない訳ですよね?」
作戦失敗をどう思っているのかユーリンは頷いた。そこで京哉は霧島に訊く。
「脅迫罪も成立しないですし、ユーリンは無罪放免ですか?」
「だからといって野放しにはできんぞ。何をやらかしてくれるか分からんからな」
それでもユーリンは明るい顔をした。不慣れな先進国に一人出てきて知った者に出会えたのが嬉しかった上に投獄されないと知って安心したのだろう。
「ユーリン、もうひとつ訊かせてくれ。他のロゼはまだ誰かを狙っているのか?」
「今のところはエリンとサラも、もう他のターゲットは与えられていないと思うわ」
「そうか……エリンにサラか。どうすることもできんな」
他国にたった独りで送られ、思わず人を殺めてしまった『ロゼ』は今、何処にいて何を考えているのだろうか。
束の間の沈黙を破って京哉が殊更明るい声で仕切った。
「なら取り敢えず夜食でも食べましょう」
京哉がティーバッグの茶を淹れ、三人はコンビニで買ってきた海苔弁当を食す。迷うことを知らない霧島はコンビニ弁当といえば海苔弁一択だ。食べ終えて京哉は一服を吸うと、寝室から予備の毛布を出してきてリビングの二人掛けソファに置いた。
「こんな所で悪いですけど、眠れますかね?」
「充分すぎるくらいだわ。本当にこんな素敵な部屋を借りてもいいのかしら?」
まだ興奮して喋り足りなさそうなユーリンを宥め、京哉は寝室に引っ込む。
「どう思いましたか、忍さん?」
「お姫さまは何か言っていたか?」
「カレイドにコートとドレスを返さなきゃって心配してました」
「それか。事の重大さを分かっていないようだな」
「ですよね。ユーリンの失敗で新たなロゼが池野議員や川崎議員を狙いにくるかも」
「池野議員と川崎議員だけではない、下手をするとプラーグ暫定政権否認派を一掃するまで第三、第四のロゼがぞろぞろと派遣されてくる可能性もある」
持ち込んだマグカップを手に二人は溜息をついた。
「任務はロゼを逮捕し、【今後の『デザート・ローズ計画』を阻止】でしたよね?」
「エリンやサラを捜索して今更逮捕しても難儀なだけで計画阻止にはならんし、私たちの仕事でもない気がするな。元よりユーリンも逮捕できん。本部長が言った特別任務の【ロゼ逮捕】はこの際、意味を失くしたと考えて構わんだろう」
「とすると、残るは【デザート・ローズ計画を阻止】するのが僕らの任務ってことですが、そのためにはまず、ロゼを作り出す元を断たないと難しいってことじゃないでしょうか?」
「ユーリンの言った急進派武装勢力を潰す、か」
自分たちも参加した反政府武装勢力のクーデターには歴代の反政府ゲリラが溜め込んだ火器を使用した。砂漠の基地跡に隠してあった火器には迫撃砲まであって、それを思い出すと二人だけで急進派武装勢力とやらに挑むのはちょっぴり拙い気がする。
二人で同じことを考えているのが伝わり、霧島は取り敢えず問題を先送りにした。
「実際に潰せるかどうかはともかくとして議員殺しは止めさせんと、プラーグ暫定政権の立場も悪くなる一方だぞ。武力を捨てて戦っているハミッシュたちの努力も水の泡だ」
「現状だとプラーグは片方で円卓に着くふりをして、片方では棍棒を持って殴ってるって画ですから。この分じゃ暫定政権否認派が増える恐れもありますよ」
そこでライティングチェストの上に二人は目をやる。そこには普段リビングのTVボードに置いてあるA4サイズのカラープリント画像を移動させてあった。プラーグの仲間たちが写ったものである。フレームから溢れんばかりの人々は非常に陽気に笑っていた。
「プラーグに行くか、私たちも」
「ユーリンをつれて急進派を潰しにですか?」
「そこまではまだ分からんが、お姫さまたちの『デザート・ローズ計画』は潰さんと特別任務が終わらん」
「じゃあまた豆のスープと砂まみれですね」
そんなことを京哉は嬉しそうに言った。
彼らと共に旧政権を倒すために戦ったのち国連平和維持軍に対して徹底抗戦をするという時に霧島は一緒に戦わせてくれと申し出た。けれど彼らの答えはノーだった。
『あんたらはもうかけがえのない仲間だ。だが、だからこそ自分の居場所で俺たちをしっかり見守っていて欲しい……』
そう言った彼らが今回の苦境を乗り越えられないとは思わない。しかし。
「私たちは私たちで、特別任務だからな」
「素直にみんなに会いたい、手伝いたいって言ったらどうですか? それに……」
「それに、何だ?」
「前回僕らがプラーグに放り込まれたのは某大国の企みでした。それこそスパコンで僕らの思考・行動をシミュレーションした挙げ句、反政府ゲリラを集結させて一気に叩くため、流れを決定づけるファクタとして僕らは利用された。貴方は途中までそれを読んでいながら一歩及ばず、表には出さなかったけれど、本音ではものすごく悔しがってましたよね?」
「だから何だ、先読みにおいて対スパコン戦で私に勝てというのか? これでも人間だぞ。悔しかったのは確かだが、あと一歩読めなかった自分に腹が立っただけだ」
言いつつ思い出してまた腹を立てているのを察し、京哉はムッとした男に微笑む。
「一歩及ばすとも、某大国や多大な影響を受けた国連安保理に対する報復とも取れる『全国民による選管委員会設置』や『生き残って大統領選出馬』なんてアドヴァイスをちゃっかり残してくるんだから、充分互角に渡り合ったと思いますけどね」
「ふん。それで結局は何が言いたい?」
「今度こそは忍さん、悔いの無いよう貴方が勝って下さい。可能な限り補佐します」
「どうして日本の議員ばかりを狙った?」
「仲間が決めたことだから本当のところは分からないけれど、プラーグの隣国ユベルをトンネルにして砂の花を買い取って、でもじつはプラーグ国民を騙してたのは某大国だったんでしょう? でも某大国は銃社会で『ロゼ』の活動は難しいわ。だから某大国と仲のいい日本を狙ったんだと思う」
なるほど、予測にすぎなくてもユーリンの説は頷けた。
「だがユーリン、あんたと違ってエリンとサラとかいうロゼは、脅しだけでなく殺しまでやった。それは最初から計画のうちだったんじゃないのか?」
「それは……正直、分からない」
「思い余っての故殺か、それとも計画的犯行かは不明ということか。何れにせよユーリンには何も伝えられなかった、そういうことで間違いないな?」
「言い訳を許して貰えるなら、乗り継ぎのアンゴラ空港で別れたエリンとサラが、まさか人を殺しに行くとは思えなかった。笑って別れたのよ」
「ふん、状況に嵌って思わず殺してしまった故殺パターンか。とにかく複数のロゼはスタンドアローン的に暫定政権否認派議員を脅し、または消して回っていたんだな」
何度目かの溜息をつくと霧島はユーリンを見据える。
「そして、その仲間とやらはハミッシュやジョセたちのことなのか?」
「違う、違うわ! ジョセたちは穏健派、ロゼのことなんて何も知らない!」
「落ち着け。ならば仲間とはいったい誰なんだ?」
僅かに考えるようにユーリンは俯いた。
「旧政権を倒す前にあったような武装勢力が少数だけれどまた現れたの。穏健派がやっている国連との話し合いは堂々巡りで平行線。それじゃ幾ら待っても新政権が認められる日は来ない、砂漠の灌漑事業や大手企業の誘致なんかに漕ぎ着けない。そう主張する急進派の人たちが集まって国連平和維持軍にアタックしてるのよ」
「その急進派武装勢力がユーリンの仲間ってことでいいんでしょうか?」
「ええ、そうね。けれどわたしは彼らの思想に完全に賛同した訳じゃないし、彼らのように砂漠を放浪してもいないわ。でも『ロゼ作戦』の話を聞いてわたしは自分の意志で立候補したの。だから『ロゼ作戦』に関してのみ、彼らの仲間ってことかしら」
「どうして? 貴女の仲間はハミッシュたちじゃなかったんですか?」
「わたしは旧政権を倒す大攻勢のとき、参戦できなかった……」
そう、霧島と京哉も参加したプラーグ軍へのアタックでユーリンは撃たれ、二人が病院に担ぎ込んだ。そしてユーリンの入院中に大攻勢はなされ旧政権打倒が成ったのである。
「そのあとやってきた国連平和維持軍への徹底抗戦にも加われずに、仲間のみんなが投獄されたのを知ったのも何日か経ってから。何もできなかったの、わたし」
淋しそうに呟き、ユーリンは冷めかけたコーヒーを飲んだ。
「だからハミッシュたちのためになりたいって思った、それは分かります。でも忍さんが貴女に残した『選挙管理委員会を立ち上げろ』って言葉を貴女が実行したからこそ、全国民による投票で獄中出馬したハミッシュが当選したんじゃないですか」
「それはすごく感謝してる。でもわたしはやっぱり子供で自分の力じゃ何もできずに大人に相談して……そうしたら実際には全て大人が仕切って、わたしは言われたことを手伝っただけ。こんなのとっても情けないけれど、だから余計にロゼに……」
溜息をついたユーリンは不安げに二人を見比べ、そして表情を硬くする。
「わたし、捕まるのよね? 覚悟はできているわ」
「覚悟ねえ……ユーリンは他にも誰かを脅すつもりだったんですか?」
「じつは池野議員の次に川崎志朗議員も脅す予定だったの」
「ふうん。それで、この日本に貴女以外のロゼはいるんでしょうか?」
「わたしが知る限りでは、わたしだけよ」
「じゃあ貴女は誰も殺しても脅してもいない訳ですよね?」
作戦失敗をどう思っているのかユーリンは頷いた。そこで京哉は霧島に訊く。
「脅迫罪も成立しないですし、ユーリンは無罪放免ですか?」
「だからといって野放しにはできんぞ。何をやらかしてくれるか分からんからな」
それでもユーリンは明るい顔をした。不慣れな先進国に一人出てきて知った者に出会えたのが嬉しかった上に投獄されないと知って安心したのだろう。
「ユーリン、もうひとつ訊かせてくれ。他のロゼはまだ誰かを狙っているのか?」
「今のところはエリンとサラも、もう他のターゲットは与えられていないと思うわ」
「そうか……エリンにサラか。どうすることもできんな」
他国にたった独りで送られ、思わず人を殺めてしまった『ロゼ』は今、何処にいて何を考えているのだろうか。
束の間の沈黙を破って京哉が殊更明るい声で仕切った。
「なら取り敢えず夜食でも食べましょう」
京哉がティーバッグの茶を淹れ、三人はコンビニで買ってきた海苔弁当を食す。迷うことを知らない霧島はコンビニ弁当といえば海苔弁一択だ。食べ終えて京哉は一服を吸うと、寝室から予備の毛布を出してきてリビングの二人掛けソファに置いた。
「こんな所で悪いですけど、眠れますかね?」
「充分すぎるくらいだわ。本当にこんな素敵な部屋を借りてもいいのかしら?」
まだ興奮して喋り足りなさそうなユーリンを宥め、京哉は寝室に引っ込む。
「どう思いましたか、忍さん?」
「お姫さまは何か言っていたか?」
「カレイドにコートとドレスを返さなきゃって心配してました」
「それか。事の重大さを分かっていないようだな」
「ですよね。ユーリンの失敗で新たなロゼが池野議員や川崎議員を狙いにくるかも」
「池野議員と川崎議員だけではない、下手をするとプラーグ暫定政権否認派を一掃するまで第三、第四のロゼがぞろぞろと派遣されてくる可能性もある」
持ち込んだマグカップを手に二人は溜息をついた。
「任務はロゼを逮捕し、【今後の『デザート・ローズ計画』を阻止】でしたよね?」
「エリンやサラを捜索して今更逮捕しても難儀なだけで計画阻止にはならんし、私たちの仕事でもない気がするな。元よりユーリンも逮捕できん。本部長が言った特別任務の【ロゼ逮捕】はこの際、意味を失くしたと考えて構わんだろう」
「とすると、残るは【デザート・ローズ計画を阻止】するのが僕らの任務ってことですが、そのためにはまず、ロゼを作り出す元を断たないと難しいってことじゃないでしょうか?」
「ユーリンの言った急進派武装勢力を潰す、か」
自分たちも参加した反政府武装勢力のクーデターには歴代の反政府ゲリラが溜め込んだ火器を使用した。砂漠の基地跡に隠してあった火器には迫撃砲まであって、それを思い出すと二人だけで急進派武装勢力とやらに挑むのはちょっぴり拙い気がする。
二人で同じことを考えているのが伝わり、霧島は取り敢えず問題を先送りにした。
「実際に潰せるかどうかはともかくとして議員殺しは止めさせんと、プラーグ暫定政権の立場も悪くなる一方だぞ。武力を捨てて戦っているハミッシュたちの努力も水の泡だ」
「現状だとプラーグは片方で円卓に着くふりをして、片方では棍棒を持って殴ってるって画ですから。この分じゃ暫定政権否認派が増える恐れもありますよ」
そこでライティングチェストの上に二人は目をやる。そこには普段リビングのTVボードに置いてあるA4サイズのカラープリント画像を移動させてあった。プラーグの仲間たちが写ったものである。フレームから溢れんばかりの人々は非常に陽気に笑っていた。
「プラーグに行くか、私たちも」
「ユーリンをつれて急進派を潰しにですか?」
「そこまではまだ分からんが、お姫さまたちの『デザート・ローズ計画』は潰さんと特別任務が終わらん」
「じゃあまた豆のスープと砂まみれですね」
そんなことを京哉は嬉しそうに言った。
彼らと共に旧政権を倒すために戦ったのち国連平和維持軍に対して徹底抗戦をするという時に霧島は一緒に戦わせてくれと申し出た。けれど彼らの答えはノーだった。
『あんたらはもうかけがえのない仲間だ。だが、だからこそ自分の居場所で俺たちをしっかり見守っていて欲しい……』
そう言った彼らが今回の苦境を乗り越えられないとは思わない。しかし。
「私たちは私たちで、特別任務だからな」
「素直にみんなに会いたい、手伝いたいって言ったらどうですか? それに……」
「それに、何だ?」
「前回僕らがプラーグに放り込まれたのは某大国の企みでした。それこそスパコンで僕らの思考・行動をシミュレーションした挙げ句、反政府ゲリラを集結させて一気に叩くため、流れを決定づけるファクタとして僕らは利用された。貴方は途中までそれを読んでいながら一歩及ばず、表には出さなかったけれど、本音ではものすごく悔しがってましたよね?」
「だから何だ、先読みにおいて対スパコン戦で私に勝てというのか? これでも人間だぞ。悔しかったのは確かだが、あと一歩読めなかった自分に腹が立っただけだ」
言いつつ思い出してまた腹を立てているのを察し、京哉はムッとした男に微笑む。
「一歩及ばすとも、某大国や多大な影響を受けた国連安保理に対する報復とも取れる『全国民による選管委員会設置』や『生き残って大統領選出馬』なんてアドヴァイスをちゃっかり残してくるんだから、充分互角に渡り合ったと思いますけどね」
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