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第29話(BL特有シーン・回避可)
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一二〇七号室のオートドアをくぐってロックするや否や、シドは両手でハイファの腕を掴んで壁に押し付け口づけた。
柔らかな唇を貪るように捩り合わせ、尖らせた舌先で歯列を割るとハイファの舌を絡め取る。口中をねぶりまわして蹂躙すると唾液と共に舌を思い切り吸い上げた。
「んんっ……ン、んっ……ぅうんっ」
存分に口を嬲ってから、ようやくシドは唇を離す。肩で息をしつつハイファは僅かに目を逸らして呟く。
「……はあっ……ごめん」
「ごめんで済んだら、俺もお前も要らねぇんだよ!」
やや荒い息づかいでそう言いながら、ハイファの腰の弾帯を外す。戦闘服の上着とTシャツの裾を引き出し、下から手を侵入させた。
きめ細かい肌を撫で上げながら、片手は上着のジッパーを半ばまで降ろす。
「んっ……あっ……ふ、シド……あんっ」
くつろげた襟元に顔を埋め、華奢な鎖骨から首筋のラインに舌を這わせると、ハイファの止められない喘ぎが高くなった。甘い声が喉から止めどなく洩れる。
裾から忍び込ませた手で愛撫を繰り返し、シドは探り当てた胸の尖りを指の腹で押し込むように刺激した。目元を上気させたハイファは身を捩らせる。
「ぅうん……だめ」
「何がだめなんだよ?」
「……あっ……リフレッシャ、浴びてから」
「そんなに我慢できるか。お前だって――」
耳許で囁き、戦闘ズボンの上から下半身の変化を撫でると、ハイファは電流が走ったように身を震わせた。背を壁に凭れさせたハイファに、シドは自分の下半身を擦りつける。
「お前がそんな声で鳴くから、俺もこんなに」
「だって……んっ、ずるい……僕のせいみたいに」
大腿部でハイファの膝を割ったシドは、ホルスタのついていない左腰で更にハイファの下半身をなぞった。ハイファは膝の力が抜けて立っているのもつらそうだ。
「お前のせいだ。そんな色っぽい顔しやがって」
「あんっ……なら、責任とるから……あっ」
細い腰に左腕を回して支え、右手でハイファの両手首を掴み金髪の頭上で壁に縫い止める。
反撃を封じておいて、熱く囁いた唇を耳朶から首筋へ、首筋から鎖骨へと下降させ、胸の尖りをTシャツの上から口に含んだ。僅かに歯を立てる。
「……ああん……あっ、はぅっ!」
甘い痛みがハイファの脳内で快感へと変換され、下半身の疼きが高まって、思わず腰が波打った。唐突に何も考えられなくなって、唯一自由になる下半身を何度もシドの腰に擦りつけてしまう。
こんなに近くにいるのに、シドが恋しくて堪らなくなっていた。
「んんっ、あっ……シド、シド!」
自分の名を呼ぶ切ない響きに、シドは黒い目に僅かに笑みを浮かべて、潤んだ若草色の瞳を見つめる。目を合わせたままでハイファの縛めを解き、ベルトを緩めた。
下衣の中に手を入れられたハイファは、軽く握られてゆったりと扱かれ、頽れそうになる躰を、シドの首に両腕を回してやっと支える。
「はぁっ、ああっ……あ、ふ」
扱いているうちにハイファが先端から溢れさせた液体がシドの手を濡らしてゆく。そうされながらもハイファは腰を振って細い躰を悶えさせ、シドに目で訴えた。
「欲しいのか?」
「……うん……いっぱい、思い切りして――」
ハイファの薄い肩を掴んでくるりと壁を向かせると、シドはハイファのベルトを更に緩めて下衣を下着ごと膝下まで引き下ろす。左腕で細い躰を抱き、右手指にハイファが零した透明の蜜を絡めると、ハイファの後ろを探った。
探り当てた蕾に中指を挿入する。しなやかな背をハイファは反らせた。ゆっくりと挿入し、深爪した指で届く限りを掻き回す。特に敏感な処を擦り立てては抉った。
「ああっ……あっ、気持ちいい……あぅっ!」
長い金髪のしっぽが揺れる。壁に縋って仰け反らせた白い喉が異様なまでに色気を放っていた。細い腰がうねり、シドの指先の動きに合わせて淫らに振られる。
「……綺麗だ、ハイファ。誰にも渡さねぇよ」
「シド、愛してる……ぅうんっ、すごい、そこ……はぁんっ!」
増やしていく指を貪欲に呑み込んだハイファの喘ぎ混じりの吐息は浅く速い。もっと、もっととばかりに振られる腰からシドは指を抜いた。
快感だけを求めて茫洋と見開いた若草色の瞳を笑って見つめる。自分の弾帯を外し、ベルトを緩めて前をくつろげた。
熱く滾ったものに手を添えて、ハイファの後ろの淡い色づきに押し当てる。
「ハイファ、入るぞ」
「奥まで、シドでいっぱいにして……あっ、んっ……はぅっ!」
浅い息をハイファが吐いたとき、シドは一気に全てを突き入れた。自分から腰を揺らして迎え入れたハイファは、圧倒的に太く熱いものの存在感に息を詰める。
一方のシドもほぐした筈のそこに強く締めつけられ、数秒間は呼吸さえ忘れた。
「ハイファ……んっ……少し、力抜け」
「いいから、動いて、突いて……思い切り僕を犯して――」
乞われるまま強引にシドは腰をスライドさせ始める。途端に強烈な快感が湧き、思考が白く灼かれた。激しく突き上げ、目茶苦茶にこね回す。
細い腰をハイファが振るたびに、より深くまで届いて眩暈がするような鋭い快感が襲った。
「んんっ、んっ、すごい……シドが熱い、とけちゃう……あうっ!」
「……お前も、いいぞ……俺を、こんなに……くっ!」
窓からの陽光とライトパネルとで隠れなく全てが露わになった部屋に、熱く荒い二人の息づかいと粘膜が立てる淫らな音が満ちている。
痛々しいまでに壁に爪を立てたハイファが喘ぎ混じりで切れ切れに洩らした。
「もう、シド、だめ……いかせて――」
右手でシドがハイファの熱いものを握る。腰のスライドに合わせ激しく扱いた。
「分かった……俺も、一緒に、いくぞ」
「お願い、中で……一番、奥に頂戴……んっ」
何度か躰同士をぶつけるように抽挿入すると、これ以上はないと思っていた快感の波が更に大きなうねりとなって二人に襲いかかる。
「もう、早く、お願い……出ちゃう、ああっ!」
「うっ、ハイファ……くっ、ぅうっ!」
ハイファはシドの手の中に、シドはハイファの芯に届かせて、ともに何度も脈打たせながら白濁を放っていた。だが注ぎ込んでなおシドはハイファの中を押し広げ掻き回し続ける。そしてハイファもシドの手の中で、まだ熱く張り詰めさせていた。
着衣のままで思う存分二人は淫らに溺れる。腰が蕩けそうな思いをシドは味わった。慣れた肌が、クセが、互いに安堵を与え乱れさせる。
乞い、乞われてシドは細い躰を手繰り寄せ、思うさま揺らし続けた――。
やがて頽れそうになったハイファを支えたシドは、ベッドの下段に細い躰を寝かせてから身繕いをして廊下に消える。帰ったときにはスポーツドリンクのボトルを手にしていた。
まずはハイファの衣服を整えてやり、重い銃を外させる。それから頭を支えてスポーツドリンクのボトルを口にあてがい傾けてやった。
一気に半分を飲み干したハイファは赤くした顔を天井に向けて呟く。
「何か、ものすごーく恥ずかしいことを言ったりした気がするよー」
「そうか、ものすごーく良かったぜ。……でもどうかしたのか?」
「たぶん、『シドにしか感じない症候群』の再確認です」
なるほどとシドは思う。
「こんなことに耽ってる場合じゃないのになあ」
「俺を前にその言い種はねぇだろうが。まあ、Xディは明後日だ。明日があるさ」
「相変わらずの楽天主義者だよねえ。でもリアリストだから納得させられちゃうんだよね」
「取り敢えずは晩メシにありつけるかどうか、心配した方がいいぞ」
「わあ、もうこんな時間」
リモータを見ると現在十七時半、一日約二十六時間のここの課業終了は十八時半で、イコール夕食の時間だ。
「えらく長くヤっちまったな、腹も減る筈だぜ。お前、あと一時間で動けるか?」
ストレートなシドの物言いにハイファは応えず一層、顔を赤くして目を伏せた。
柔らかな唇を貪るように捩り合わせ、尖らせた舌先で歯列を割るとハイファの舌を絡め取る。口中をねぶりまわして蹂躙すると唾液と共に舌を思い切り吸い上げた。
「んんっ……ン、んっ……ぅうんっ」
存分に口を嬲ってから、ようやくシドは唇を離す。肩で息をしつつハイファは僅かに目を逸らして呟く。
「……はあっ……ごめん」
「ごめんで済んだら、俺もお前も要らねぇんだよ!」
やや荒い息づかいでそう言いながら、ハイファの腰の弾帯を外す。戦闘服の上着とTシャツの裾を引き出し、下から手を侵入させた。
きめ細かい肌を撫で上げながら、片手は上着のジッパーを半ばまで降ろす。
「んっ……あっ……ふ、シド……あんっ」
くつろげた襟元に顔を埋め、華奢な鎖骨から首筋のラインに舌を這わせると、ハイファの止められない喘ぎが高くなった。甘い声が喉から止めどなく洩れる。
裾から忍び込ませた手で愛撫を繰り返し、シドは探り当てた胸の尖りを指の腹で押し込むように刺激した。目元を上気させたハイファは身を捩らせる。
「ぅうん……だめ」
「何がだめなんだよ?」
「……あっ……リフレッシャ、浴びてから」
「そんなに我慢できるか。お前だって――」
耳許で囁き、戦闘ズボンの上から下半身の変化を撫でると、ハイファは電流が走ったように身を震わせた。背を壁に凭れさせたハイファに、シドは自分の下半身を擦りつける。
「お前がそんな声で鳴くから、俺もこんなに」
「だって……んっ、ずるい……僕のせいみたいに」
大腿部でハイファの膝を割ったシドは、ホルスタのついていない左腰で更にハイファの下半身をなぞった。ハイファは膝の力が抜けて立っているのもつらそうだ。
「お前のせいだ。そんな色っぽい顔しやがって」
「あんっ……なら、責任とるから……あっ」
細い腰に左腕を回して支え、右手でハイファの両手首を掴み金髪の頭上で壁に縫い止める。
反撃を封じておいて、熱く囁いた唇を耳朶から首筋へ、首筋から鎖骨へと下降させ、胸の尖りをTシャツの上から口に含んだ。僅かに歯を立てる。
「……ああん……あっ、はぅっ!」
甘い痛みがハイファの脳内で快感へと変換され、下半身の疼きが高まって、思わず腰が波打った。唐突に何も考えられなくなって、唯一自由になる下半身を何度もシドの腰に擦りつけてしまう。
こんなに近くにいるのに、シドが恋しくて堪らなくなっていた。
「んんっ、あっ……シド、シド!」
自分の名を呼ぶ切ない響きに、シドは黒い目に僅かに笑みを浮かべて、潤んだ若草色の瞳を見つめる。目を合わせたままでハイファの縛めを解き、ベルトを緩めた。
下衣の中に手を入れられたハイファは、軽く握られてゆったりと扱かれ、頽れそうになる躰を、シドの首に両腕を回してやっと支える。
「はぁっ、ああっ……あ、ふ」
扱いているうちにハイファが先端から溢れさせた液体がシドの手を濡らしてゆく。そうされながらもハイファは腰を振って細い躰を悶えさせ、シドに目で訴えた。
「欲しいのか?」
「……うん……いっぱい、思い切りして――」
ハイファの薄い肩を掴んでくるりと壁を向かせると、シドはハイファのベルトを更に緩めて下衣を下着ごと膝下まで引き下ろす。左腕で細い躰を抱き、右手指にハイファが零した透明の蜜を絡めると、ハイファの後ろを探った。
探り当てた蕾に中指を挿入する。しなやかな背をハイファは反らせた。ゆっくりと挿入し、深爪した指で届く限りを掻き回す。特に敏感な処を擦り立てては抉った。
「ああっ……あっ、気持ちいい……あぅっ!」
長い金髪のしっぽが揺れる。壁に縋って仰け反らせた白い喉が異様なまでに色気を放っていた。細い腰がうねり、シドの指先の動きに合わせて淫らに振られる。
「……綺麗だ、ハイファ。誰にも渡さねぇよ」
「シド、愛してる……ぅうんっ、すごい、そこ……はぁんっ!」
増やしていく指を貪欲に呑み込んだハイファの喘ぎ混じりの吐息は浅く速い。もっと、もっととばかりに振られる腰からシドは指を抜いた。
快感だけを求めて茫洋と見開いた若草色の瞳を笑って見つめる。自分の弾帯を外し、ベルトを緩めて前をくつろげた。
熱く滾ったものに手を添えて、ハイファの後ろの淡い色づきに押し当てる。
「ハイファ、入るぞ」
「奥まで、シドでいっぱいにして……あっ、んっ……はぅっ!」
浅い息をハイファが吐いたとき、シドは一気に全てを突き入れた。自分から腰を揺らして迎え入れたハイファは、圧倒的に太く熱いものの存在感に息を詰める。
一方のシドもほぐした筈のそこに強く締めつけられ、数秒間は呼吸さえ忘れた。
「ハイファ……んっ……少し、力抜け」
「いいから、動いて、突いて……思い切り僕を犯して――」
乞われるまま強引にシドは腰をスライドさせ始める。途端に強烈な快感が湧き、思考が白く灼かれた。激しく突き上げ、目茶苦茶にこね回す。
細い腰をハイファが振るたびに、より深くまで届いて眩暈がするような鋭い快感が襲った。
「んんっ、んっ、すごい……シドが熱い、とけちゃう……あうっ!」
「……お前も、いいぞ……俺を、こんなに……くっ!」
窓からの陽光とライトパネルとで隠れなく全てが露わになった部屋に、熱く荒い二人の息づかいと粘膜が立てる淫らな音が満ちている。
痛々しいまでに壁に爪を立てたハイファが喘ぎ混じりで切れ切れに洩らした。
「もう、シド、だめ……いかせて――」
右手でシドがハイファの熱いものを握る。腰のスライドに合わせ激しく扱いた。
「分かった……俺も、一緒に、いくぞ」
「お願い、中で……一番、奥に頂戴……んっ」
何度か躰同士をぶつけるように抽挿入すると、これ以上はないと思っていた快感の波が更に大きなうねりとなって二人に襲いかかる。
「もう、早く、お願い……出ちゃう、ああっ!」
「うっ、ハイファ……くっ、ぅうっ!」
ハイファはシドの手の中に、シドはハイファの芯に届かせて、ともに何度も脈打たせながら白濁を放っていた。だが注ぎ込んでなおシドはハイファの中を押し広げ掻き回し続ける。そしてハイファもシドの手の中で、まだ熱く張り詰めさせていた。
着衣のままで思う存分二人は淫らに溺れる。腰が蕩けそうな思いをシドは味わった。慣れた肌が、クセが、互いに安堵を与え乱れさせる。
乞い、乞われてシドは細い躰を手繰り寄せ、思うさま揺らし続けた――。
やがて頽れそうになったハイファを支えたシドは、ベッドの下段に細い躰を寝かせてから身繕いをして廊下に消える。帰ったときにはスポーツドリンクのボトルを手にしていた。
まずはハイファの衣服を整えてやり、重い銃を外させる。それから頭を支えてスポーツドリンクのボトルを口にあてがい傾けてやった。
一気に半分を飲み干したハイファは赤くした顔を天井に向けて呟く。
「何か、ものすごーく恥ずかしいことを言ったりした気がするよー」
「そうか、ものすごーく良かったぜ。……でもどうかしたのか?」
「たぶん、『シドにしか感じない症候群』の再確認です」
なるほどとシドは思う。
「こんなことに耽ってる場合じゃないのになあ」
「俺を前にその言い種はねぇだろうが。まあ、Xディは明後日だ。明日があるさ」
「相変わらずの楽天主義者だよねえ。でもリアリストだから納得させられちゃうんだよね」
「取り敢えずは晩メシにありつけるかどうか、心配した方がいいぞ」
「わあ、もうこんな時間」
リモータを見ると現在十七時半、一日約二十六時間のここの課業終了は十八時半で、イコール夕食の時間だ。
「えらく長くヤっちまったな、腹も減る筈だぜ。お前、あと一時間で動けるか?」
ストレートなシドの物言いにハイファは応えず一層、顔を赤くして目を伏せた。
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