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第38話
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ハイファが駆け付けたときには試作機は見事に真ん中から折れ、ひしゃげて黒煙を吐いていた。キャノピも割れ、内側には赤い液体が飛び散っている。
「シド……そんな……シドっ!」
操縦席を見たいが、よじ登るべき翼は両側ともに付け根から折れていた。消防車が試作機に向かって放水を始める。数分で黒煙は収まり放水は中止された。
「――シドっ!!」
悲痛な叫びが聞こえたのか、割れたキャノピが内側から蹴り飛ばされて開く。
「ンな、死にそうな声、出してんじゃねぇよ!」
「シド……生きてた?」
「勝手に殺すなよ」
這い出したシドは三メートルほどもある操縦席から飛び降りた。
「ただいま。約束通りに帰ったぜ」
キャノピにでもぶつけたのだろうか、右の額が切れて血が流れ、端正な顔は結構、凄絶だ。ハイファは駆け寄るなりシドに抱きつきハンカチで傷を押さえた。
「無茶にもほどがあるよ……もう」
「心配させて悪かった」
若草色の瞳を潤ませた細い体を抱き締め返すと衆目構わずハイファの唇を奪う。
それからようやく救急車で傷の手当てだ。再生液で洗い流し滅菌ジェルをかけて乾くのを待ち、合成蛋白接着剤と人工皮膚テープで傷を閉じて固まったら治療は終わる。
肩を並べて管制塔の方に歩いてゆくと事務所の前にラリーが佇んでいた。無言で三人は歩き出す。滑走路を越えて芝生の上を七、八分ゆくと墜ちた試作機にも消防が放水しているのが目に入った。
放水が止むのを待って三人は二十ミリ機銃弾で引き裂かれた機体に近づく。この機には射出座席などついていない。
キャノピが吹き飛び素通しになった操縦席には、胸に大口径弾を被弾したダグラスが座っていた。心臓をやられても処置が早ければ助かるのが現代医療だが、黒髪からも血を滴らせているダグラスが生き存えるかどうかは微妙だった。
制服が血で汚れるのも構わずその頭を抱くラリーの傍で、ハイファは操縦席からサンプルの入った円筒の金属容器を取り出して手にする。力の抜けた左手首のリモータ、外部メモリセクタをスライドさせてMB――メディアブロック――を抜いた。
五ミリ角のキューブをハイファは自分のリモータにセット。
「機密資料もあったよ」
「そうか」
まもなく救急車が着く。愉しそうな笑顔のままで目を閉じているダグラス=カーターを、付き添うラリーと一緒に何処かへと連れて行った。
隊員宿舎へゆっくりと向かう二人が気配を感じて振り仰ぐと、十数機ものティルトローター機がエプロンに垂直着陸態勢に入っていた。
テラ連邦議会の意を受けた第二基地の歩兵師団が到着したのだった。
◇◇◇◇
「本当にダグラスは放っといてもいいんだな?」
「あれで助かったら奇跡だもん。それより貴方が心配」
「傷も塞いであるし、大丈夫だって」
怪我の治療を怠ってのワープは厳禁なのだ。亜空間で血を攫われワープアウトしてみたら真っ白な死体が乗っていたということにもなりかねない。
クーデター計画の壊滅、その翌日であった。第二基地所属のティルトローター機が首都キトナの第一基地へと行く、それに便乗させて貰った機内である。
第一、第三基地の総勢六千名を捕縛する訳にも行かず、歩兵師団は両基地司令の身柄だけを拘束し、配置された歩兵が基地の動きを封鎖するに留まった。だが基地司令の任を解かれた両者は今後フィルマ労働党を結成して政治的手段で訴えるのだと息巻いているらしい。
着いた第一基地の正門からシドとハイファは歩いて出た。シドは綿のシャツにコットンパンツ、対衝撃ジャケットだ。ハイファも担いだショルダーバッグの他はドレスシャツにソフトスーツ、ノータイの刑事ルックに戻っている。
正門から出てタクシーを捕まえて乗り込んだ。既に任務完了のダイレクトワープ通信はしてあった。あとは宙港から帰るだけだ。
「ここからビャクレイⅢへワープ一回、ビャクレイⅢからパライバ星系第三惑星アジュルへワープ三回で泊まり、アジュルからタイタンへワープ三回か。果てしねぇな」
「それより一日に星系間ワープ四回、貴方大丈夫かなあ?」
「平気だって。心配しすぎだぞ、お前」
三十分程度で宙港に辿り着き、二人はタクシーを降りた。
「十五時ジャストの便があるよ」
「今、十四時二十分か。煙草一本吸うヒマくらいはありそうだな」
宙港メインビルの二階に上がると、ロビーフロアにある自販機でチケットを買い、シートをリザーブする。そうして二人が喫煙ルームに向かおうとしたときだった。
ブンッと衝撃波がシドの耳許を掠め、黒髪を逆立たせる。瞬時にハイファの肩を掴み、背後に庇いながらソファの陰に押し込んだ。対衝撃ジャケットの胸に二発の銃弾が着弾する。
「こんな所で誰!?」
「知るかよっ! ふざけやがって」
二人はロビーに置かれたソファの背凭れからそうっと目だけを出してみた。途端に銃弾とレーザーの射線が降り注ぐ。
「階段の陰!」
「分かってる。十人はいたぞ」
「あのセンスのなさ、マフィアじゃない?」
「サディアス=フロイドの手下か?」
「あっ、そういうのもあったっけ……わあ、来たっ!」
二人に面子を潰されて宙港で張り込みをしていたネチこいマフィアの襲撃に、フロアの客たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ惑って左右の窓際に張り付いた。
弾が貫通して緩衝材を飛び出させたソファの陰から二人は銃を抜いて応戦する。シドはレールガンのパワーをやや弱めて走ってくる黒服にダブルタップ。それでも腹に二弾を食らった男は三メートルほど吹っ飛んだ。
ハイファは弾の温存で容赦なくヘッドショットだ。
それぞれ一人ずつ斃したところで二人が隠れたソファに一連射が穴を空ける。
「サブマシンガンだ、ヤバい! 援護する、先にカウンターまで下がれ!」
「ラジャー!」
精確な狙いをつけさせないようにシドが弾幕を張る。その間にハイファはロビーカウンターまで後退した。走りながら後方に二弾を放ったハイファは早めのマグチェンジ、カウンターの陰に飛び込むなりシドに押し寄せる男たちに銃弾を叩き込む。
ハイファの援護でカウンターに辿り着いたシドは敵の背後に一般客がいないのを見取って、レールガンをマックスパワーにセット。一発のフレシェット弾で二人を吹き飛ばした。
サブマシンガンがカウンターの角を削る。ファイバの破片が飛び散った。頭を引っ込めた二人にファイバの粉が降りかかる。
二連射目が収まるのを待ってハイファ、サブマシンガンの銃機関部に九ミリパラを当てることに成功。続けてシドが持ち主をヘッドショット。
「乗り込み、始まるよ!」
「分かってるが、こいつらを殺らねぇと……しつこいってんだよ!」
キレたシドはレールガン、連射モードでソファに隠れたマフィアたちを薙いだ。呻きを上げて男たちが斃れ伏す。銃撃は沈黙した。
溜息をついた二人は被った埃を払い落とし、銃を収めると、何事もなかったかのような顔をして通関をクリア、リムジンバスに乗って宙艦へと移動した。
ビャクレイⅢからパライバ星系便への乗り継ぎは上手くいき、アジュルの宙港ホテルで一泊したのちタイタンへと向かう。
四十分ごとに三回のワープをこなしタイタン第一宙港に着いたのはテラ標準時で九時前だった。そこからはシャトル便でテラ本星、本星の宙港からは定期BELだ。
「ああ、やっぱりBELは落ち着くなあ」
「そうか? あれに乗っちまうと何か物足りないぜ」
一時間半のフライトを終え、単身者用官舎ビルに帰り着いた二人は、地下のショッピングモールに下りてそそくさと食材を買い込んだ。
五十一階に辿り着くと、一旦左右に分かれる。
自室に戻ったハイファは上着をハンガーに掛けて風通し、執銃を解いてショルダーバッグの中身を片付けた。シドの衣服を手にするとさっさと自室をあとにする。
向かいの部屋のロックを解いて入るとコーヒーの香りが充満していた。
「ああ、この部屋でこの香り。帰ってきたって気がするよ」
椅子に前後逆に腰掛けて煙草を吸うシドは対衝撃ジャケットも脱いでいない。
「って、まさか署に出るの?」
「そのつもりなんだが」
買ってきてシドがテーブルに置いていた食材を冷蔵庫に仕舞いながらハイファも自分の仕事を思い出す。
「僕はサンプルと機密資料を軍に返してこなきゃ」
「そいつもあったか。じゃあ先にそっちを済ませちまおうぜ」
「うん。でもお昼ご飯くらい食べてからにしない?」
「十一時半過ぎか。それもそうだな」
立ち上がったシドは対衝撃ジャケットを脱いで椅子の背に掛けると、大腿部のベルトを緩めて右腰のヒップホルスタを外した。テーブルにレールガンを置いたままでマグカップをふたつ出すとコーヒーを淹れる。
ハイファと向かい合って椅子に腰を下ろし、コーヒーを飲みつつ二本目の煙草を咥えて火を点けた。せっせと灰を生産する。
「ワーカホリックの刑事さんは落ち着かないみたいだね」
マグカップを空にし、吸い殻を自動消火の灰皿に放り込んだシドは腰を上げるとハイファの後ろに回り込み、椅子の背ごと抱き締めて頬にキスをした。
「ナニしてるのサ。ダメだよ、セントラル基地に付き合ってくれるんでしょ」
「ゆっくり、午後でいいさ。……なあ、いいだろ?」
「シド……そんな……シドっ!」
操縦席を見たいが、よじ登るべき翼は両側ともに付け根から折れていた。消防車が試作機に向かって放水を始める。数分で黒煙は収まり放水は中止された。
「――シドっ!!」
悲痛な叫びが聞こえたのか、割れたキャノピが内側から蹴り飛ばされて開く。
「ンな、死にそうな声、出してんじゃねぇよ!」
「シド……生きてた?」
「勝手に殺すなよ」
這い出したシドは三メートルほどもある操縦席から飛び降りた。
「ただいま。約束通りに帰ったぜ」
キャノピにでもぶつけたのだろうか、右の額が切れて血が流れ、端正な顔は結構、凄絶だ。ハイファは駆け寄るなりシドに抱きつきハンカチで傷を押さえた。
「無茶にもほどがあるよ……もう」
「心配させて悪かった」
若草色の瞳を潤ませた細い体を抱き締め返すと衆目構わずハイファの唇を奪う。
それからようやく救急車で傷の手当てだ。再生液で洗い流し滅菌ジェルをかけて乾くのを待ち、合成蛋白接着剤と人工皮膚テープで傷を閉じて固まったら治療は終わる。
肩を並べて管制塔の方に歩いてゆくと事務所の前にラリーが佇んでいた。無言で三人は歩き出す。滑走路を越えて芝生の上を七、八分ゆくと墜ちた試作機にも消防が放水しているのが目に入った。
放水が止むのを待って三人は二十ミリ機銃弾で引き裂かれた機体に近づく。この機には射出座席などついていない。
キャノピが吹き飛び素通しになった操縦席には、胸に大口径弾を被弾したダグラスが座っていた。心臓をやられても処置が早ければ助かるのが現代医療だが、黒髪からも血を滴らせているダグラスが生き存えるかどうかは微妙だった。
制服が血で汚れるのも構わずその頭を抱くラリーの傍で、ハイファは操縦席からサンプルの入った円筒の金属容器を取り出して手にする。力の抜けた左手首のリモータ、外部メモリセクタをスライドさせてMB――メディアブロック――を抜いた。
五ミリ角のキューブをハイファは自分のリモータにセット。
「機密資料もあったよ」
「そうか」
まもなく救急車が着く。愉しそうな笑顔のままで目を閉じているダグラス=カーターを、付き添うラリーと一緒に何処かへと連れて行った。
隊員宿舎へゆっくりと向かう二人が気配を感じて振り仰ぐと、十数機ものティルトローター機がエプロンに垂直着陸態勢に入っていた。
テラ連邦議会の意を受けた第二基地の歩兵師団が到着したのだった。
◇◇◇◇
「本当にダグラスは放っといてもいいんだな?」
「あれで助かったら奇跡だもん。それより貴方が心配」
「傷も塞いであるし、大丈夫だって」
怪我の治療を怠ってのワープは厳禁なのだ。亜空間で血を攫われワープアウトしてみたら真っ白な死体が乗っていたということにもなりかねない。
クーデター計画の壊滅、その翌日であった。第二基地所属のティルトローター機が首都キトナの第一基地へと行く、それに便乗させて貰った機内である。
第一、第三基地の総勢六千名を捕縛する訳にも行かず、歩兵師団は両基地司令の身柄だけを拘束し、配置された歩兵が基地の動きを封鎖するに留まった。だが基地司令の任を解かれた両者は今後フィルマ労働党を結成して政治的手段で訴えるのだと息巻いているらしい。
着いた第一基地の正門からシドとハイファは歩いて出た。シドは綿のシャツにコットンパンツ、対衝撃ジャケットだ。ハイファも担いだショルダーバッグの他はドレスシャツにソフトスーツ、ノータイの刑事ルックに戻っている。
正門から出てタクシーを捕まえて乗り込んだ。既に任務完了のダイレクトワープ通信はしてあった。あとは宙港から帰るだけだ。
「ここからビャクレイⅢへワープ一回、ビャクレイⅢからパライバ星系第三惑星アジュルへワープ三回で泊まり、アジュルからタイタンへワープ三回か。果てしねぇな」
「それより一日に星系間ワープ四回、貴方大丈夫かなあ?」
「平気だって。心配しすぎだぞ、お前」
三十分程度で宙港に辿り着き、二人はタクシーを降りた。
「十五時ジャストの便があるよ」
「今、十四時二十分か。煙草一本吸うヒマくらいはありそうだな」
宙港メインビルの二階に上がると、ロビーフロアにある自販機でチケットを買い、シートをリザーブする。そうして二人が喫煙ルームに向かおうとしたときだった。
ブンッと衝撃波がシドの耳許を掠め、黒髪を逆立たせる。瞬時にハイファの肩を掴み、背後に庇いながらソファの陰に押し込んだ。対衝撃ジャケットの胸に二発の銃弾が着弾する。
「こんな所で誰!?」
「知るかよっ! ふざけやがって」
二人はロビーに置かれたソファの背凭れからそうっと目だけを出してみた。途端に銃弾とレーザーの射線が降り注ぐ。
「階段の陰!」
「分かってる。十人はいたぞ」
「あのセンスのなさ、マフィアじゃない?」
「サディアス=フロイドの手下か?」
「あっ、そういうのもあったっけ……わあ、来たっ!」
二人に面子を潰されて宙港で張り込みをしていたネチこいマフィアの襲撃に、フロアの客たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ惑って左右の窓際に張り付いた。
弾が貫通して緩衝材を飛び出させたソファの陰から二人は銃を抜いて応戦する。シドはレールガンのパワーをやや弱めて走ってくる黒服にダブルタップ。それでも腹に二弾を食らった男は三メートルほど吹っ飛んだ。
ハイファは弾の温存で容赦なくヘッドショットだ。
それぞれ一人ずつ斃したところで二人が隠れたソファに一連射が穴を空ける。
「サブマシンガンだ、ヤバい! 援護する、先にカウンターまで下がれ!」
「ラジャー!」
精確な狙いをつけさせないようにシドが弾幕を張る。その間にハイファはロビーカウンターまで後退した。走りながら後方に二弾を放ったハイファは早めのマグチェンジ、カウンターの陰に飛び込むなりシドに押し寄せる男たちに銃弾を叩き込む。
ハイファの援護でカウンターに辿り着いたシドは敵の背後に一般客がいないのを見取って、レールガンをマックスパワーにセット。一発のフレシェット弾で二人を吹き飛ばした。
サブマシンガンがカウンターの角を削る。ファイバの破片が飛び散った。頭を引っ込めた二人にファイバの粉が降りかかる。
二連射目が収まるのを待ってハイファ、サブマシンガンの銃機関部に九ミリパラを当てることに成功。続けてシドが持ち主をヘッドショット。
「乗り込み、始まるよ!」
「分かってるが、こいつらを殺らねぇと……しつこいってんだよ!」
キレたシドはレールガン、連射モードでソファに隠れたマフィアたちを薙いだ。呻きを上げて男たちが斃れ伏す。銃撃は沈黙した。
溜息をついた二人は被った埃を払い落とし、銃を収めると、何事もなかったかのような顔をして通関をクリア、リムジンバスに乗って宙艦へと移動した。
ビャクレイⅢからパライバ星系便への乗り継ぎは上手くいき、アジュルの宙港ホテルで一泊したのちタイタンへと向かう。
四十分ごとに三回のワープをこなしタイタン第一宙港に着いたのはテラ標準時で九時前だった。そこからはシャトル便でテラ本星、本星の宙港からは定期BELだ。
「ああ、やっぱりBELは落ち着くなあ」
「そうか? あれに乗っちまうと何か物足りないぜ」
一時間半のフライトを終え、単身者用官舎ビルに帰り着いた二人は、地下のショッピングモールに下りてそそくさと食材を買い込んだ。
五十一階に辿り着くと、一旦左右に分かれる。
自室に戻ったハイファは上着をハンガーに掛けて風通し、執銃を解いてショルダーバッグの中身を片付けた。シドの衣服を手にするとさっさと自室をあとにする。
向かいの部屋のロックを解いて入るとコーヒーの香りが充満していた。
「ああ、この部屋でこの香り。帰ってきたって気がするよ」
椅子に前後逆に腰掛けて煙草を吸うシドは対衝撃ジャケットも脱いでいない。
「って、まさか署に出るの?」
「そのつもりなんだが」
買ってきてシドがテーブルに置いていた食材を冷蔵庫に仕舞いながらハイファも自分の仕事を思い出す。
「僕はサンプルと機密資料を軍に返してこなきゃ」
「そいつもあったか。じゃあ先にそっちを済ませちまおうぜ」
「うん。でもお昼ご飯くらい食べてからにしない?」
「十一時半過ぎか。それもそうだな」
立ち上がったシドは対衝撃ジャケットを脱いで椅子の背に掛けると、大腿部のベルトを緩めて右腰のヒップホルスタを外した。テーブルにレールガンを置いたままでマグカップをふたつ出すとコーヒーを淹れる。
ハイファと向かい合って椅子に腰を下ろし、コーヒーを飲みつつ二本目の煙草を咥えて火を点けた。せっせと灰を生産する。
「ワーカホリックの刑事さんは落ち着かないみたいだね」
マグカップを空にし、吸い殻を自動消火の灰皿に放り込んだシドは腰を上げるとハイファの後ろに回り込み、椅子の背ごと抱き締めて頬にキスをした。
「ナニしてるのサ。ダメだよ、セントラル基地に付き合ってくれるんでしょ」
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