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第2話
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「なんだい、京哉くんが風邪だって? 俺が医務室につれて行ってやろうか?」
「そんなこと言って、またサボろうったってそうはいきませんからね」
言われて小田切は口を尖らせ煙草を咥えて火を点けた。
小田切もキャリアで霧島の二期後輩である。違いはキャリアの中でも霧島はトップの成績で入庁し、小田切は逆にギリギリでキャリアに受かったくらいか。しかしキャリアはキャリアである。
かなりオツムの出来は良い筈だが、事ある毎に京哉にまでちょっかいを出す自称・他称『人タラシ』で、上から睨まれた挙げ句にたらい回しにされてこの機捜に辿り着いた経緯がある。
最近になり以前付き合っていたキャリアの同期である県警生活安全部の香坂警視と縒りを戻してからは多少落ち着いたようにも見えた。京哉と同じく非常勤のSAT狙撃班員でもあった。
その小田切の足元にオスの三毛猫ミケが現れ、音も立てずに小田切の膝に乗った。おもむろにくるりと丸くなり眠る態勢を整えたので小田切が顔を引き攣らせる。
京哉がつれ込んだこの三毛猫は特別任務の付録としてついてきたもので、野生でもあり得ないほど凶悪なケダモノなのだ。
そこで室内のスピーカーがぶぅんと共振した。
まだ警邏に出掛けていなかった隊員たちが凍ったように身動きを止める。次には指令センターからの同時通報・通称同報が流れ出した。
《指令部より各局へ。貝崎市内・青葉商店街の坂谷家電店前にて、刃物を持った男が暴れていると携帯から一般入電。交番から警察官が現着済み。報告では多数の怪我人が出ている上、マル被の男は逃走した模様。関係各局は現場に急行されたし。繰り返す――》
本日上番の一班の隊員たちが一斉にドアに殺到した。霧島も立ち上がる。
「って、隊長まで出張るんですか?」
「ああ、今は一台でも多く警邏が欲しい。鳴海、行くぞ!」
「ちょっと待ってくれ、俺はどうするんだよ?」
「貴様はミケのベッドになっていろ!」
小田切に言い捨てて霧島はコートを掴むなり詰め所から走り出た。
慌てて京哉もコートを手に書類仕事が嫌いな男のあとを追う。
階段を一階まで駆け降りると裏口から出てメタリックグリーンの覆面に滑り込んだ。そこでまずはスーツの左懐に吊った銃を抜き、薬室まで装填されているのを確かめる。機捜隊員は凶悪犯と出くわすことを考慮され、職務中は銃の携行が義務付けられていた。
機捜隊員に所持の許可が下りているのはシグ・ザウエルP230JPなるチャンバ一発マガジン八発の、フルロードなら合計九発を発射可能なセミ・オートマチック・ピストルで使用弾は三十二ACP弾だが、通常弾薬は五発しか貸与されない。
しかし霧島と京哉が持っているのは同じシグ・ザウエルでもP226という合計十六発の九ミリパラベラムを発射可能な代物だった。本部長命令で危険な特別任務に就くたびに交換・貸与されていたのだが、いつの間にか持たされっ放しになってしまったのだ。
銃をショルダーホルスタにしまうと覆面を発車させる。ステアリングを握るのは運転のより巧みな霧島だ。古臭く重々しいレンガ張りの外観を持った十六階建て本部庁舎は前庭全面が駐車場になっている。
それを縦断して大通りに出るなり、京哉が指令部に無線で許可を取り、緊急音とパトライトを出した。霧島はアクセルを踏み込む。
上手く真ん中を開けてくれる一般車両ばかりでもないが、霧島は危なげなく車列を右に左にと縫ってゆく。サイドウィンドウから京哉は外を眺めた。
ここは首都圏下でも特筆に値するほど栄えている白藤市だ。高低様々なビルの林立の谷間には高速道路の高架が見える。その高速に最短で霧島は覆面を乗せた。案件の貝崎市は海側の隣にある。
約十分で高速を降りバイパスに乗り換えて約二十分、住宅街に張り付いた青葉商店街に入って速度を落とした。既に警察車両と救急車が多数停まっているのが見える。
黄色いバリケードテープの規制線直前で霧島は覆面を停めて京哉と降車した。大勢の野次馬をかき分け規制線を二人は跨ぐ。すると家電屋の前の地面にはかなりの量の血痕が認められた。怪我人は病院に搬送されたあとらしく見当たらない。
「これだけの出血で死体が出てないのは不幸中の幸いですね」
「だが真っ昼間からやってくれる。おまけにマル被は逃走中か」
鑑識作業を邪魔しないよう検分していると見知った捜査一課の三係長が顔を出す。
「機捜は隊長殿にお秘書さんまで出動ですか。ご苦労さんですなあ」
「そちらこそご苦労様です。詳細は?」
「四名刺されて、うち一名は重傷ですが命に別状なし。マル被は住宅街に逃げ込んだらしくて、しかしこれは目撃証言からこの住宅街に住む会社員だと割れとりますな」
会社員宅を所轄の貝崎署員らが囲んでいると聞き、そちらに向かうことにする。三係長を誘うとそのバディの巡査長も後部座席に乗り込んだ。若いバディ氏が醸す臭いに気付いた京哉は黙って助手席のサイドウィンドウを下げる。三係長が笑った。
「申し訳ありませんなあ。先々週からこっち、立て続けにジャンキーが案件を生産中でしてな。新婚だっちゅうのに、こいつは帰るヒマもない有様なんですわ」
「ジャンキーが立て続けですか?」
「そうなんですわ。殆ど所轄から上がってくるんで、お宅さんらは知らんで当然ですかなあ。とんでもなく作用の強いアッパーを食った奴らが増えとるんですよ」
「はあ、そうなんですか」
雑談をしている間に覆面は他の捜査車両が数多く停まった細い路地に停止する。全員で降りて所轄署員らが囲むアパートを見上げた。
所轄署員を捕まえて訊くとマル被の会社員はこのアパート一階の部屋に独りで住んでいて、どうやら今も在宅しているらしい。既にアパートの住人は全員避難完了し、あとは踏み込むばかりの状況だった。
「隊長が出張るほどの案件でもありませんでしたね」
「だがせっかくだ、確保するまで見届けるとしよう」
アパート一階は目隠しの塀もなく路地から丸見えである。マル害は全員が刺し傷だったので防刃ベストを着込んだ所轄署員が殺気立った顔つきで周囲に待機していた。
反対側のベランダも同じく所轄が囲んでいる。これではまず逃げられまい。
そこでふいにマル被の部屋のドアが開いた。何やら意味不明な言葉を喚き散らしながら走り出てきたマル被は明らかに血液の付着した果物ナイフを手にしている。わっと所轄がマル被を取り囲んだ。果物ナイフが振り回される。
囲んだ所轄がマル被を押さえつけると思われたが、その所轄署員らが弾けるように散った。小柄ともいえるマル被が腕を振り回して弾き飛ばしたのだ。
準備されていた刺叉なども用をなさない。それどころか想定外の力を見せつけられ、更には何人かが腕を切られて一瞬だが包囲網が緩む。
その隙を突いてマル被は駆け出した。
だがマル被の正面には京哉たちがいた。突っ込んできたマル被がごく普通のスーツでタイまで締めているのに違和感を覚えつつ京哉は慌てて果物ナイフから飛び退く。
「下がっていろ、鳴海!」
叫んだ霧島が前に出た。足払いを掛けると思わせて、マル被が振り翳したナイフを上段回し蹴りで打った。ナイフが冬の陽射しに煌いて飛ぶ。
口の端に涎の泡を付着させ瞳孔を開かせたマル被は闇雲に突っ込んできた。その右袖と胸ぐらを霧島は掴んで身を返し、腰に体重を載せるとマル被を背負い投げて地面に叩きつける。
手加減されて頭は打たなかったが、背中を強打したマル被は呻いて気を失った。
「わあ、霧島隊長ってば格好いい~っ!」
「四人も刺された挙げ句に所轄に怪我人だぞ、喜んでいる場合か!」
「う、すみません。……で、ジャンキーですかね?」
「あの据わった目つき、おそらくな」
退避していた三係長とバディ氏も戻り、所轄に手錠を掛けられたマル被を眺める。
「またこのパターンですか。正気に戻るまで取り調べもできん。その上、送致しても刑法三十九条の心神耗弱または心神喪失ってヤツです。堪らんですよ」
皆が溜息をつく。近づく救急車の緊急音を聞きながら京哉は霧島と覆面に戻った。
「帰りの運転は僕がしますよ」
「いい、私がする。京哉、お前はまだ足腰がつらいだろう」
見破られて赤面すると同時に今朝の霧島の所業を思い出した京哉は、またも涼しい横顔を見上げて食いつこうとする。だがそこで捜査専務系無線から同報が流れ出した。
《指令部より各局へ、指令部より各局。白藤市内のドラッグストア日栄チェーン白藤支店にて強盗事案発生。一般入電の第一報に依ると店主がバット様の物で襲われ怪我をしている模様。マル被は逃走中、マル被は逃走。PMは二分後に現着予定。関係各局は直ちに現場に向かわれたし。繰り返す――》
急いで京哉は運転席を霧島に譲り、緊急音とパトライトを出した。
「そんなこと言って、またサボろうったってそうはいきませんからね」
言われて小田切は口を尖らせ煙草を咥えて火を点けた。
小田切もキャリアで霧島の二期後輩である。違いはキャリアの中でも霧島はトップの成績で入庁し、小田切は逆にギリギリでキャリアに受かったくらいか。しかしキャリアはキャリアである。
かなりオツムの出来は良い筈だが、事ある毎に京哉にまでちょっかいを出す自称・他称『人タラシ』で、上から睨まれた挙げ句にたらい回しにされてこの機捜に辿り着いた経緯がある。
最近になり以前付き合っていたキャリアの同期である県警生活安全部の香坂警視と縒りを戻してからは多少落ち着いたようにも見えた。京哉と同じく非常勤のSAT狙撃班員でもあった。
その小田切の足元にオスの三毛猫ミケが現れ、音も立てずに小田切の膝に乗った。おもむろにくるりと丸くなり眠る態勢を整えたので小田切が顔を引き攣らせる。
京哉がつれ込んだこの三毛猫は特別任務の付録としてついてきたもので、野生でもあり得ないほど凶悪なケダモノなのだ。
そこで室内のスピーカーがぶぅんと共振した。
まだ警邏に出掛けていなかった隊員たちが凍ったように身動きを止める。次には指令センターからの同時通報・通称同報が流れ出した。
《指令部より各局へ。貝崎市内・青葉商店街の坂谷家電店前にて、刃物を持った男が暴れていると携帯から一般入電。交番から警察官が現着済み。報告では多数の怪我人が出ている上、マル被の男は逃走した模様。関係各局は現場に急行されたし。繰り返す――》
本日上番の一班の隊員たちが一斉にドアに殺到した。霧島も立ち上がる。
「って、隊長まで出張るんですか?」
「ああ、今は一台でも多く警邏が欲しい。鳴海、行くぞ!」
「ちょっと待ってくれ、俺はどうするんだよ?」
「貴様はミケのベッドになっていろ!」
小田切に言い捨てて霧島はコートを掴むなり詰め所から走り出た。
慌てて京哉もコートを手に書類仕事が嫌いな男のあとを追う。
階段を一階まで駆け降りると裏口から出てメタリックグリーンの覆面に滑り込んだ。そこでまずはスーツの左懐に吊った銃を抜き、薬室まで装填されているのを確かめる。機捜隊員は凶悪犯と出くわすことを考慮され、職務中は銃の携行が義務付けられていた。
機捜隊員に所持の許可が下りているのはシグ・ザウエルP230JPなるチャンバ一発マガジン八発の、フルロードなら合計九発を発射可能なセミ・オートマチック・ピストルで使用弾は三十二ACP弾だが、通常弾薬は五発しか貸与されない。
しかし霧島と京哉が持っているのは同じシグ・ザウエルでもP226という合計十六発の九ミリパラベラムを発射可能な代物だった。本部長命令で危険な特別任務に就くたびに交換・貸与されていたのだが、いつの間にか持たされっ放しになってしまったのだ。
銃をショルダーホルスタにしまうと覆面を発車させる。ステアリングを握るのは運転のより巧みな霧島だ。古臭く重々しいレンガ張りの外観を持った十六階建て本部庁舎は前庭全面が駐車場になっている。
それを縦断して大通りに出るなり、京哉が指令部に無線で許可を取り、緊急音とパトライトを出した。霧島はアクセルを踏み込む。
上手く真ん中を開けてくれる一般車両ばかりでもないが、霧島は危なげなく車列を右に左にと縫ってゆく。サイドウィンドウから京哉は外を眺めた。
ここは首都圏下でも特筆に値するほど栄えている白藤市だ。高低様々なビルの林立の谷間には高速道路の高架が見える。その高速に最短で霧島は覆面を乗せた。案件の貝崎市は海側の隣にある。
約十分で高速を降りバイパスに乗り換えて約二十分、住宅街に張り付いた青葉商店街に入って速度を落とした。既に警察車両と救急車が多数停まっているのが見える。
黄色いバリケードテープの規制線直前で霧島は覆面を停めて京哉と降車した。大勢の野次馬をかき分け規制線を二人は跨ぐ。すると家電屋の前の地面にはかなりの量の血痕が認められた。怪我人は病院に搬送されたあとらしく見当たらない。
「これだけの出血で死体が出てないのは不幸中の幸いですね」
「だが真っ昼間からやってくれる。おまけにマル被は逃走中か」
鑑識作業を邪魔しないよう検分していると見知った捜査一課の三係長が顔を出す。
「機捜は隊長殿にお秘書さんまで出動ですか。ご苦労さんですなあ」
「そちらこそご苦労様です。詳細は?」
「四名刺されて、うち一名は重傷ですが命に別状なし。マル被は住宅街に逃げ込んだらしくて、しかしこれは目撃証言からこの住宅街に住む会社員だと割れとりますな」
会社員宅を所轄の貝崎署員らが囲んでいると聞き、そちらに向かうことにする。三係長を誘うとそのバディの巡査長も後部座席に乗り込んだ。若いバディ氏が醸す臭いに気付いた京哉は黙って助手席のサイドウィンドウを下げる。三係長が笑った。
「申し訳ありませんなあ。先々週からこっち、立て続けにジャンキーが案件を生産中でしてな。新婚だっちゅうのに、こいつは帰るヒマもない有様なんですわ」
「ジャンキーが立て続けですか?」
「そうなんですわ。殆ど所轄から上がってくるんで、お宅さんらは知らんで当然ですかなあ。とんでもなく作用の強いアッパーを食った奴らが増えとるんですよ」
「はあ、そうなんですか」
雑談をしている間に覆面は他の捜査車両が数多く停まった細い路地に停止する。全員で降りて所轄署員らが囲むアパートを見上げた。
所轄署員を捕まえて訊くとマル被の会社員はこのアパート一階の部屋に独りで住んでいて、どうやら今も在宅しているらしい。既にアパートの住人は全員避難完了し、あとは踏み込むばかりの状況だった。
「隊長が出張るほどの案件でもありませんでしたね」
「だがせっかくだ、確保するまで見届けるとしよう」
アパート一階は目隠しの塀もなく路地から丸見えである。マル害は全員が刺し傷だったので防刃ベストを着込んだ所轄署員が殺気立った顔つきで周囲に待機していた。
反対側のベランダも同じく所轄が囲んでいる。これではまず逃げられまい。
そこでふいにマル被の部屋のドアが開いた。何やら意味不明な言葉を喚き散らしながら走り出てきたマル被は明らかに血液の付着した果物ナイフを手にしている。わっと所轄がマル被を取り囲んだ。果物ナイフが振り回される。
囲んだ所轄がマル被を押さえつけると思われたが、その所轄署員らが弾けるように散った。小柄ともいえるマル被が腕を振り回して弾き飛ばしたのだ。
準備されていた刺叉なども用をなさない。それどころか想定外の力を見せつけられ、更には何人かが腕を切られて一瞬だが包囲網が緩む。
その隙を突いてマル被は駆け出した。
だがマル被の正面には京哉たちがいた。突っ込んできたマル被がごく普通のスーツでタイまで締めているのに違和感を覚えつつ京哉は慌てて果物ナイフから飛び退く。
「下がっていろ、鳴海!」
叫んだ霧島が前に出た。足払いを掛けると思わせて、マル被が振り翳したナイフを上段回し蹴りで打った。ナイフが冬の陽射しに煌いて飛ぶ。
口の端に涎の泡を付着させ瞳孔を開かせたマル被は闇雲に突っ込んできた。その右袖と胸ぐらを霧島は掴んで身を返し、腰に体重を載せるとマル被を背負い投げて地面に叩きつける。
手加減されて頭は打たなかったが、背中を強打したマル被は呻いて気を失った。
「わあ、霧島隊長ってば格好いい~っ!」
「四人も刺された挙げ句に所轄に怪我人だぞ、喜んでいる場合か!」
「う、すみません。……で、ジャンキーですかね?」
「あの据わった目つき、おそらくな」
退避していた三係長とバディ氏も戻り、所轄に手錠を掛けられたマル被を眺める。
「またこのパターンですか。正気に戻るまで取り調べもできん。その上、送致しても刑法三十九条の心神耗弱または心神喪失ってヤツです。堪らんですよ」
皆が溜息をつく。近づく救急車の緊急音を聞きながら京哉は霧島と覆面に戻った。
「帰りの運転は僕がしますよ」
「いい、私がする。京哉、お前はまだ足腰がつらいだろう」
見破られて赤面すると同時に今朝の霧島の所業を思い出した京哉は、またも涼しい横顔を見上げて食いつこうとする。だがそこで捜査専務系無線から同報が流れ出した。
《指令部より各局へ、指令部より各局。白藤市内のドラッグストア日栄チェーン白藤支店にて強盗事案発生。一般入電の第一報に依ると店主がバット様の物で襲われ怪我をしている模様。マル被は逃走中、マル被は逃走。PMは二分後に現着予定。関係各局は直ちに現場に向かわれたし。繰り返す――》
急いで京哉は運転席を霧島に譲り、緊急音とパトライトを出した。
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