33 / 43
第33話
しおりを挟む
「補給中隊の構成はどうなっているんだ?」
「第一と第二。随分定数割れしてるからな、それぞれ八十名くらいだ。第四十二駐屯地は元々補給処になってて、近隣の駐屯地に物資補給してる」
「この辺りでは駐屯地同士の戦闘はないのか?」
「まあ、敵対駐屯地もないではないんだが、反体制グループが多いせいもあって、それどころじゃないっていうのが本音だな。補給処ってことでこっちから仕掛ける戦闘は殆どない。近場同士で物資や人員の交換を主にやっている」
KIAがいた以上、全く戦闘がない訳ではないだろうが出撃がないのは大歓迎だ。
「ところで補給幹部のあんたがアラキバに何の用があったんだ?」
「休暇で、ちょっとな。あんたらは何処にいたんだ?」
「あちこち流されて前は第三十三駐屯地にいた。たった半日だがな」
「三十三はやられたらしいな。様子はどうだ?」
「ほぼ壊滅だ」
「そうか。全く、やってくれるよな」
そこから暫く黙って揺られ続けた。やがて灌木の茂みや、カールやトリシャたちが暮らしていたような村々を横目に通り過ぎ、少し大きめの集落からほど近い場所で軍用車両は減速する。第四十二駐屯地に着いたようだ。付近には珍しく小さな森が点在している。
軍用車両は裏門から入り、一旦補給倉庫で停止してニコルだけが降りた。
「ナイジェル、本部庁舎まで二人を送ってこい」
「へへ、美人とランデブー、いいっすよ」
正気の第三者にはまだ乗っていて欲しい気がしたが、仕方ない。相変わらずステアリングを握ったまま振り返るジャンキーに見つめられる居心地の悪さも、数分の我慢である。
何処も似たような三階建ての本部庁舎前で降ろして貰い、二人は階段を上った。駐屯地司令室の隣にある副官室に顔を出し、取り次いで貰う。副官から了解を貰うと二人ともポケットから出した略帽を被った。霧島が司令室のドアをノックする。
「シノブ=キリシマ中尉、入ります」
「キョウヤ=ナルミ中尉、入ります」
応答を待ってドアを開け、二人はしずしずと歩いてデスクに就いた部屋の主の前に立った。司令が立ち上がる。いつもと同じく霧島が代表して号令を掛けた。
「敬礼。申告します。シノブ=キリシマ中尉以下二名は、本日付けで第四十二駐屯地補給第二中隊に配属を命ぜられました。敬礼」
答礼した駐屯地司令は淋しい髪を撫でつけながら、訝しげな目を二人に向けた。
「第二補給中隊の幹部補填要請をしていたのは確かだが、いやに早いな」
「そうですか?」
「それに二人同時だとは聞いていない」
「しかし辞令が下りたので閣下の許に参った次第ですが?」
「その辞令はどうしたんだね? 回ってきてはおらんが」
「前赴任地の三十三駐屯地が本日午前爆撃を受け、辞令は灰燼に帰しました」
「ふむ、そうだったか。しかしきみたちのその制服の兵科章は情報科、それもかなり中央寄りのものじゃないか。そんなエリート士官が、言っては何だが活躍しどころのない補給処にやってくるとは、何か理由でもあるのかね?」
「お聞きになりたいですか、本当に?」
低くドスの利いたスパイの問いに、駐屯地司令は僅かに身を仰け反らせる。
「う、あ、いや。まあいいだろう」
先人と同じく駐屯地司令はもう二人と関わり合いたくなさそうだった。デスクに就いて書類を眺めだす。二人は踵を返してそそくさと駐屯地司令室を辞した。そのまま本部庁舎一階の業務隊に立ち寄って、兵舎の部屋のキィと駐屯地の配置図を分捕る。
「ここも今までと同じ、課業開始が〇八三〇で課業終わりが一七三〇ですよ」
「機捜とも同じか。あと十五分で終わりだな。ふあーあ」
「そんなに眠いなら先に部屋に行きますか?」
「いや、腹が減った。飯を食いに行こう」
食堂は二棟ある三階建て兵舎の前に建っていた。巨大な平屋で課業の終了と共にドアが開くのだろう、兵士たちが既に列を作っている。
入り口が士官用と下士官以下用に分かれているのはよそと同じだ。だがここの兵士たちは出撃がないからか、よそと比べて割と暢気に見える。
砲弾が直撃した自分を想像しつつ飯を食わなくていいのは良いことだ。
まもなくバルドール国軍歌が放送で流れ、課業終了を告げた。
士官食堂でプレートを受け取りトレイに並べて二人は並んで席に着く。食堂内は盛況だった。フォークを手にプレート上のものを眺めて京哉は一言述べる。
「結構ここも潤ってるみたいですね」
例えるなら焼肉定食といったメニューは、第五〇二爆撃中隊の次くらいの内容だ。
「頂きまーす」
「頂きます。おっ、なかなか旨いな。お前流に言えば『弱い軍隊』ということか?」
「弱くたって僕らには関係ないから、美味しい方が有難いですよ」
「で、さっさと帰るにはここで爆弾を掠め取らなければならない訳だな?」
「掠め取れても、僕はそんなもの扱ったことがないですし。忍さんは?」
「ある訳ないだろう。一度だけ爆弾魔の腹から引き剥がしたことがあるくらいだ」
「うーん、どうしましょうね?」
京哉の質問は宙に浮いたまま、霧島は聞こえなかったかの如くプレートをさらえる作業に熱中しているふりだ。お蔭で五分ほどで全てを食い尽くしてしまう。
食事を終えると食堂の隅にあった小さな売店で着替えなどの買い物をし、配置図に従って自室に向かった。三階建て兵舎の階段を一番上まで上る。もう京哉も妙な予言を口にしない。疲労を溜めた躰で二人は長い廊下をずるずると歩いた。
「結構、運動になるな」
「三〇七号室、ここですよ」
士官の部屋は全て二人部屋で、ここも二段ベッドとデスクにチェア、ロッカーにトイレと洗面所しかない。シャワールームや洗濯乾燥機は共用だ。
買ってきたTシャツと下着、戦闘ズボンに着替えた二人は銃を吊り直すと、制服にくっついた徽章類を外す。いい加減に洗濯しないと今朝の雨と泥に爆撃の瓦礫で埃だらけだ。
廊下に出ると共用スペースに向かう。洗濯乾燥機に制服やワイシャツにタイや下着まで押し込んでスイッチを入れた。こんなものを洗濯していいのか分からないが、埃だらけで着られないか、クリーニングに失敗して着られないかの違いである。
次にシャワールームで熱いシャワーを浴びた。泡と共に疲れも流して積んであったバスタオルで身を拭うと、すっきりして溜息が出た。二人とも服を着て忘れずまた銃を吊る。
洗濯乾燥機が止まるのを待ち、まだ温かい服を抱えて部屋に戻った。廊下の隅にあった灰皿をひとつ持ち込んで京哉はようやく一服である。その間に霧島が制服を点検したが、洗濯作戦は成功し、型崩れもしていなかった。
煙草を消した京哉が丁寧に二着の制服に徽章類を着け直してロッカーに収める。
「まずはアルペンハイム製薬の下見をしなきゃ、話にならないですよね」
「どうやってだ?」
返す刀で訊いてきたバディに京哉は少々ムッとした。本気になったら人間離れした超絶計算能力を発揮するクセに今回の任務も自分から受けておいて、とっくに飽き飽きしうんざりして京哉に丸投げしている。
それでも第三十三駐屯地の惨状を目にした人間の普通の反応なのかもしれないと思い、京哉は窘めるに留まった。
「今からそれを考えるんでしょう。他人事じゃなくて忍さんも考えて下さい」
「軍より先にそちらを回れば良かったか。配属されて即、休暇は拙い気がするな」
「ニコルにアルペンハイム製薬に寄り道を頼む理由がありませんでしたしねえ」
「確かに無理があったな。それに幾ら下見をしても製薬会社の工場全てを吹き飛ばすほどの爆弾など私たちには扱えん。無茶振りもいいところだぞ」
「ですよね。軍のオペレーション並み」
「それこそバルドール国軍にやらせればいい」
「国軍ですか。でもここの国軍が先進諸国の言いなりになる訳がないし、見返りを要求されるのは目に見えてるし。忍さん、ジャンキー犯罪を止めたいんならアルペンハイムの工場くらい、とっとと吹き飛ばして下さい。もう僕早く帰りたいですよ」
「私だって帰りたい。だが元はと言えば本部長の後出しジャンケンだったが、密輸戦闘薬による犯罪者問題は既に日本国内だけでなく先進諸国でも増加の一途を辿っていると見て間違いない。しかし国連のエージェントを派遣するにはコストが掛かる。そこで我々だ」
「ふざけてますよね、僕らは特殊部隊員じゃないのに。これじゃ帰れないよーっ!」
「第一と第二。随分定数割れしてるからな、それぞれ八十名くらいだ。第四十二駐屯地は元々補給処になってて、近隣の駐屯地に物資補給してる」
「この辺りでは駐屯地同士の戦闘はないのか?」
「まあ、敵対駐屯地もないではないんだが、反体制グループが多いせいもあって、それどころじゃないっていうのが本音だな。補給処ってことでこっちから仕掛ける戦闘は殆どない。近場同士で物資や人員の交換を主にやっている」
KIAがいた以上、全く戦闘がない訳ではないだろうが出撃がないのは大歓迎だ。
「ところで補給幹部のあんたがアラキバに何の用があったんだ?」
「休暇で、ちょっとな。あんたらは何処にいたんだ?」
「あちこち流されて前は第三十三駐屯地にいた。たった半日だがな」
「三十三はやられたらしいな。様子はどうだ?」
「ほぼ壊滅だ」
「そうか。全く、やってくれるよな」
そこから暫く黙って揺られ続けた。やがて灌木の茂みや、カールやトリシャたちが暮らしていたような村々を横目に通り過ぎ、少し大きめの集落からほど近い場所で軍用車両は減速する。第四十二駐屯地に着いたようだ。付近には珍しく小さな森が点在している。
軍用車両は裏門から入り、一旦補給倉庫で停止してニコルだけが降りた。
「ナイジェル、本部庁舎まで二人を送ってこい」
「へへ、美人とランデブー、いいっすよ」
正気の第三者にはまだ乗っていて欲しい気がしたが、仕方ない。相変わらずステアリングを握ったまま振り返るジャンキーに見つめられる居心地の悪さも、数分の我慢である。
何処も似たような三階建ての本部庁舎前で降ろして貰い、二人は階段を上った。駐屯地司令室の隣にある副官室に顔を出し、取り次いで貰う。副官から了解を貰うと二人ともポケットから出した略帽を被った。霧島が司令室のドアをノックする。
「シノブ=キリシマ中尉、入ります」
「キョウヤ=ナルミ中尉、入ります」
応答を待ってドアを開け、二人はしずしずと歩いてデスクに就いた部屋の主の前に立った。司令が立ち上がる。いつもと同じく霧島が代表して号令を掛けた。
「敬礼。申告します。シノブ=キリシマ中尉以下二名は、本日付けで第四十二駐屯地補給第二中隊に配属を命ぜられました。敬礼」
答礼した駐屯地司令は淋しい髪を撫でつけながら、訝しげな目を二人に向けた。
「第二補給中隊の幹部補填要請をしていたのは確かだが、いやに早いな」
「そうですか?」
「それに二人同時だとは聞いていない」
「しかし辞令が下りたので閣下の許に参った次第ですが?」
「その辞令はどうしたんだね? 回ってきてはおらんが」
「前赴任地の三十三駐屯地が本日午前爆撃を受け、辞令は灰燼に帰しました」
「ふむ、そうだったか。しかしきみたちのその制服の兵科章は情報科、それもかなり中央寄りのものじゃないか。そんなエリート士官が、言っては何だが活躍しどころのない補給処にやってくるとは、何か理由でもあるのかね?」
「お聞きになりたいですか、本当に?」
低くドスの利いたスパイの問いに、駐屯地司令は僅かに身を仰け反らせる。
「う、あ、いや。まあいいだろう」
先人と同じく駐屯地司令はもう二人と関わり合いたくなさそうだった。デスクに就いて書類を眺めだす。二人は踵を返してそそくさと駐屯地司令室を辞した。そのまま本部庁舎一階の業務隊に立ち寄って、兵舎の部屋のキィと駐屯地の配置図を分捕る。
「ここも今までと同じ、課業開始が〇八三〇で課業終わりが一七三〇ですよ」
「機捜とも同じか。あと十五分で終わりだな。ふあーあ」
「そんなに眠いなら先に部屋に行きますか?」
「いや、腹が減った。飯を食いに行こう」
食堂は二棟ある三階建て兵舎の前に建っていた。巨大な平屋で課業の終了と共にドアが開くのだろう、兵士たちが既に列を作っている。
入り口が士官用と下士官以下用に分かれているのはよそと同じだ。だがここの兵士たちは出撃がないからか、よそと比べて割と暢気に見える。
砲弾が直撃した自分を想像しつつ飯を食わなくていいのは良いことだ。
まもなくバルドール国軍歌が放送で流れ、課業終了を告げた。
士官食堂でプレートを受け取りトレイに並べて二人は並んで席に着く。食堂内は盛況だった。フォークを手にプレート上のものを眺めて京哉は一言述べる。
「結構ここも潤ってるみたいですね」
例えるなら焼肉定食といったメニューは、第五〇二爆撃中隊の次くらいの内容だ。
「頂きまーす」
「頂きます。おっ、なかなか旨いな。お前流に言えば『弱い軍隊』ということか?」
「弱くたって僕らには関係ないから、美味しい方が有難いですよ」
「で、さっさと帰るにはここで爆弾を掠め取らなければならない訳だな?」
「掠め取れても、僕はそんなもの扱ったことがないですし。忍さんは?」
「ある訳ないだろう。一度だけ爆弾魔の腹から引き剥がしたことがあるくらいだ」
「うーん、どうしましょうね?」
京哉の質問は宙に浮いたまま、霧島は聞こえなかったかの如くプレートをさらえる作業に熱中しているふりだ。お蔭で五分ほどで全てを食い尽くしてしまう。
食事を終えると食堂の隅にあった小さな売店で着替えなどの買い物をし、配置図に従って自室に向かった。三階建て兵舎の階段を一番上まで上る。もう京哉も妙な予言を口にしない。疲労を溜めた躰で二人は長い廊下をずるずると歩いた。
「結構、運動になるな」
「三〇七号室、ここですよ」
士官の部屋は全て二人部屋で、ここも二段ベッドとデスクにチェア、ロッカーにトイレと洗面所しかない。シャワールームや洗濯乾燥機は共用だ。
買ってきたTシャツと下着、戦闘ズボンに着替えた二人は銃を吊り直すと、制服にくっついた徽章類を外す。いい加減に洗濯しないと今朝の雨と泥に爆撃の瓦礫で埃だらけだ。
廊下に出ると共用スペースに向かう。洗濯乾燥機に制服やワイシャツにタイや下着まで押し込んでスイッチを入れた。こんなものを洗濯していいのか分からないが、埃だらけで着られないか、クリーニングに失敗して着られないかの違いである。
次にシャワールームで熱いシャワーを浴びた。泡と共に疲れも流して積んであったバスタオルで身を拭うと、すっきりして溜息が出た。二人とも服を着て忘れずまた銃を吊る。
洗濯乾燥機が止まるのを待ち、まだ温かい服を抱えて部屋に戻った。廊下の隅にあった灰皿をひとつ持ち込んで京哉はようやく一服である。その間に霧島が制服を点検したが、洗濯作戦は成功し、型崩れもしていなかった。
煙草を消した京哉が丁寧に二着の制服に徽章類を着け直してロッカーに収める。
「まずはアルペンハイム製薬の下見をしなきゃ、話にならないですよね」
「どうやってだ?」
返す刀で訊いてきたバディに京哉は少々ムッとした。本気になったら人間離れした超絶計算能力を発揮するクセに今回の任務も自分から受けておいて、とっくに飽き飽きしうんざりして京哉に丸投げしている。
それでも第三十三駐屯地の惨状を目にした人間の普通の反応なのかもしれないと思い、京哉は窘めるに留まった。
「今からそれを考えるんでしょう。他人事じゃなくて忍さんも考えて下さい」
「軍より先にそちらを回れば良かったか。配属されて即、休暇は拙い気がするな」
「ニコルにアルペンハイム製薬に寄り道を頼む理由がありませんでしたしねえ」
「確かに無理があったな。それに幾ら下見をしても製薬会社の工場全てを吹き飛ばすほどの爆弾など私たちには扱えん。無茶振りもいいところだぞ」
「ですよね。軍のオペレーション並み」
「それこそバルドール国軍にやらせればいい」
「国軍ですか。でもここの国軍が先進諸国の言いなりになる訳がないし、見返りを要求されるのは目に見えてるし。忍さん、ジャンキー犯罪を止めたいんならアルペンハイムの工場くらい、とっとと吹き飛ばして下さい。もう僕早く帰りたいですよ」
「私だって帰りたい。だが元はと言えば本部長の後出しジャンケンだったが、密輸戦闘薬による犯罪者問題は既に日本国内だけでなく先進諸国でも増加の一途を辿っていると見て間違いない。しかし国連のエージェントを派遣するにはコストが掛かる。そこで我々だ」
「ふざけてますよね、僕らは特殊部隊員じゃないのに。これじゃ帰れないよーっ!」
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる