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第36話(BL特有シーン・回避可)
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霧島と京哉が部屋に戻ったのは二十二時を過ぎていた。
自販機で買ってきたスポーツ飲料を飲みながら、ベッドの下段に京哉は腰掛ける。
「小型機を爆破したくらいだから、ニコルは爆発物に詳しいんでしょうね?」
「是非とも引き入れたい人物だな」
「でもイーサンも気になること言ってました、『彼らには彼らの理由がある』って」
「『しっかりアルペンハイムを見てこい』か。いったい何があるんだろうな?」
「まあ、明日には分かりますし。補給からは僕らとニコルですから」
「今日のメンバーが集まるのか。京哉お前、酔ったか?」
「ちょっとだけ、ふわふわします。顔、赤いですよね」
左隣に座った霧島の肩に京哉は凭れ掛かった。
「もう寝てしまうか?」
返事を待たずに霧島は京哉の頭を抱き込むとキスを奪う。ついばむように唇の柔らかさを確かめ、次には捩るような勢いで深く口づけた。侵入した霧島の舌は京哉の熱い舌を捉え絡ませて唾液をすくい取る。そして舌先に痛みが走るくらい吸い上げた。
「んんっ……ん、んんぅ……はぁん」
京哉が目を開けると灰色の目が二十センチほどの超至近で覗き込んでいる。
「欲しいんですか?」
「だめ、か?」
「発情期続行中なんですね。いいですよ、して」
立ち上がると二人は衣服を脱いだ。脱いでいる間も京哉は霧島の視線を感じ続け、まだ触れられてもいないのに、肌が慣れた感触を期待し鼓動と呼吸が速くなる。
全てを脱ぎ捨てると、霧島は京哉のしなやかな背のラインを指先で撫でた。白く華奢な躰がわなないて霧島に抱きつく。京哉の指は引き締まった腹から逞しい胸を辿った。
そうして京哉が離れると霧島は立ち上がって切れ長の目で見下ろす。京哉はきめ細かな白い肌に赤く花が咲いたように胸を凝らせていて蠱惑的だった。
「京哉……綺麗だな、お前」
僅かに目を眇めて呟くなり、霧島は立ったまま細い躰を抱き竦める。薄い肩口に顔を埋め、華奢な鎖骨から首筋に熱い舌を濃厚に這わせた。
強く吸い上げられて京哉は身を震わせる。衣服を身に着けてやっと隠せるギリギリの処にまで証しを刻まれ、悦びに酔った。
「あっ、ふぅん……忍さん、僕に、僕にさせて下さい」
腕の縛めから逃れて京哉は床に直接跪く。片手を霧島の腰に回し、片手は成長しかけたものをそっと掴んだ。口を寄せ音を立てて霧島の溢れさせた蜜を舐める。
「くっ、京哉……あっ、く!」
敏感な部分に舌を這わされ、きつく舐め擦られて霧島は快感に腰を反らした。次には先端に尖らせた舌を差し込まれ抉るように蜜を舐められて、霧島の思考は一瞬で真っ白になる。
荒い息の合間に自分があられもない喘ぎを洩らしてしまっているのにも気付かない。京哉以外の世界の全てが遠ざかったように感じていた。
「はあっ、あっふ……っく!」
あっという間に張り詰めたものに舌を巻きつけられ、温かく柔らかい口の中に咥え込まれる。きつく挟んだ唇と温かな口内で包み込まれ、巧みに前後され扱かれると腰を突き上げたくて堪らなくなった。
霧島は京哉の肩に手を掛けて堪えたが、痛みにも似た快感に襲われ、いつしか浅く腰を上下させてしまっている。
それで霧島は思考が真っ白になり浅く腰を前後させるだけでなく、京哉の口内を掻き回し始めてしまう。プライドの高い京哉がこの自分にしか許さない行為を全てし尽くし、己のものだと確かめたい気分でいっぱいだった。
両手を薄い肩にかけているので京哉は逃れられない。逃れはしないという絶対的確信を持って口内を嬲り、柔らかな舌や頬の内側に擦りつける。跪かせ、嬲った。
「京哉、そこだ、もっと……強く舐めてくれ、あうっ!」
「んんっ……っん、ここ、ですね……んんぅ!」
煌々と灯った蛍光灯が隠れなく照らし出した中、愛し人のものを咥えてしゃぶるという行為が京哉自身にも疼きを溜めさせていた。
いつになく欲望に素直に腰を蠢かし激しい喘ぎを洩らす霧島が愛しい。
苦しいくらいに大きく膨れ上がったものを京哉は自ら喉を突かんばかりに擦り立てる。暴発寸前の霧島で口いっぱいに塞がれた。
「っく……だめだ、いく、出す、あっ……あうっ!」
さすがに達する時は京哉の口から抜こうと思っていたが、京哉は許さず霧島は間に合わずで、京哉の喉に向けて欲望を解放してしまう。
霧島自身予測していたが幾度も脈打たせ放った熱は驚くほど大量だった。霧島が落ち着くのを待って京哉は全てを嚥下する。
扱いて滲んだものまで舐め取った京哉に霧島は肩で息をしながら言った。
「そんなものは吐き出していいんだぞ?」
「いいんです、僕が欲しかったんですから。でも、まだこんなにしてる」
放ってなお治まる気配がないどころか霧島は放つ前より熱く滾らせていた。そんな霧島を再び扱いて京哉は蜜を舐め始める。
愛しい男を味わう京哉も既に躰の中心を熱く硬くさせ糸を引くほどに蜜を零していた。霧島は細い腕を掴んで京哉を立たせる。白く華奢な身を余さず晒して立つ京哉は綺麗すぎて当然ながら堕としたくなった。
立たせたまま霧島は互いのものを扱いて零している蜜を右手指に絡める。薄い背を抱き寄せて背後から指で探った。中指を体内に咥え込ませる。挿れて僅かに捩りながら奥まで届かせた。感じると京哉は指先での刺激だけで濡れる。
そうして濡らしながら長い指の根元で緩め馴らしてゆく。徐々に指を増やした。数指を咥え込ませたまま捩る。一切の駆け引きなしの激しい指の蠢きに高く喘いだ。
「んんぅ、あっ、あっ……忍さん、ああんっ!」
「思い切り気持ち良くしてやるからな」
耳元で低く囁くと霧島の指は締めつけられる。今度は宥めるようにゆったり掻き回して長い指を二本、根元まで押し込む。傷つけないよう慎重に指先で内襞を擦り上げた。二本で交互に擦っては掻いて抉る。中は既に濡れそぼって滑りがいい。
「あっ、はぅんっ……いや、あ……あぅん!」
霧島の背に回された京哉の指が爪を立てた。言葉では拒否しても躰は淫らに反応して、細い腰がうねる。象牙色の肌に頭を押し付け、逞しい胸に縋るようにして京哉はやっと立っている状態だ。
あまりに強い快感を恐れるように震える白い躰が愛しく、霧島は京哉を抱く腕に力を込める。だが甘い声で高く鳴かれて、またも霧島は疼きを溜めつつあった。
「んっ、忍さん、や、あん……あぅん、そんなっ!」
受け入れさせた数指をバラバラに蠢かせて嬲ると、京哉の洩らす喘ぎが更にトーンを上げる。零れた涙が霧島の胸を濡らした。挿入した指が溶かされそうに中が熱い。
充分にほぐれてぬるんだ音を立て出すと、霧島は全ての指を引き抜いた。京哉の澄んだ黒い瞳を見つめて涙を舐め取る。情欲を溜めた灰色の目に京哉は無言で頷いた。
促されて京哉はゆっくりとベッドの下段に横になる。霧島は膝立ちになって京哉の脚の間に割って入った。既に快感に溺れた目をした京哉に酷くそそられる。
一秒も待てない想いで露わにさせたそこに滾ったものをあてがった。
「京哉、覚悟してくれ。いくぞ」
「はい……あ、忍さん……すごいよ、あぅんっ!」
充分に馴らした筈だったが狭いそこはきつく、僅かに挿れただけで京哉は酷く苦しげな様子で心配になる。普段でも危ういのに今日の霧島は確かに自分でもどうかと思うほどだ。
それでも締めつけられ、もたらされた快感に耐えがたくなった霧島は思わず引き裂くように熱い楔の残りを突き入れてしまう。京哉は悲鳴じみた声を上げた。
「はあん、あああっ! や、あん……きつい、忍さん、忍さんっ!」
泣かせたくない、ましてや傷つけたくないと心の底から霧島は思い、それは決して嘘ではなかったが、オスたる霧島は自分を止めることができなかった。
「くうっ……すまん、京哉! あふっ、気持ち、いいぞ! 最高だ!」
「ああんっ、忍さん……すごい、激しい! はぁんっ!」
苦しさと紙一重の快感に瞑ることすらできなくなった京哉の目尻から涙が溢れる。それを目に映しながら霧島は腰が蕩けるような快感に溺れ、妖艶なまでに美しい躰を容赦なく揺らし突き上げ貫いて攻め立てた。
「すごくいい……堪らない! 京哉、私の京哉!」
「はぅんっ! 忍さん、すごく擦れる……いい、そこ!」
瞠った目に再び潤みが溜まり、突き上げられ、揺らされて、堰を切って零れた。幾度も幾度も激しく貫く霧島も、いつにも増して成長したものを受け入れる京哉も、とっくに思考は白く灼けている。本当に蕩けて溶け混じってしまうような思いを二人は味わった。
最初こそ痛みを感じたが今は全てを擦られて快感で狂いそうだ。
もう京哉はひたすら霧島の激情を受け止めるだけとなる。そんな京哉はこのあとも愛しい男が望む行為の全てを受け入れると決めていた。受け入れる側とはいえ京哉も男である。霧島の全部を受け止めて征服する気なのだ。
「忍さん、好きなだけ僕に……あぅんっ! もっと、もっとして!」
「だめだ、京哉……そんな顔で煽ったら、私はまたお前を――」
「壊していいから! ああんっ、目茶苦茶に掻き回して! 僕を貴方の好きに!」
「頼むから煽るな……くっ!」
更に速く激しく霧島は京哉を貫き掻き混ぜた。もう本当に我慢は限界だった。滾ったものを半ば以上引き抜いては根元まで突き入れる。普段は届かせない京哉の深くまでこじ開けた。夢中でのめり込む霧島に京哉が訴える。
「あっ、はあっ……忍さん、もう、だめ、いきそう」
「私も……京哉、一緒にいくぞ!」
手を伸ばした霧島は京哉の熱いものを掴む。激しい抽挿入に合わせて強く扱いた。
「ああん、忍さん……いく、いっちゃう……はぅんっ!」
「京哉、くっ……あうっ!」
思い切り突き入れて霧島は解き放つ。二度目とは思えないほど溢れさせた。京哉も体内をずぶ濡れにされながら霧島の手の中にビクビクと迸らせる。
だがぐったりとベッドに沈み込んだ京哉の身を返させて、霧島は未だ萎えを知らず太いままのものを捩じ込んだ。そうして京哉の腰を掴むと背後から攻め始める。
「ああんっ、それ、忍さん、気持ちいい、おかしくなりそう!」
「そんなに、いいか。私も、すまん……あまりに良すぎて、止められない!」
「止めないで、貴方の好きなだけ……はぁんっ、あぅんっ!」
細く白い躰を太すぎるもので貫き、引き出す際に二人の欲望の混じったものが掻き出し溢れさせる光景は、己の行為ながらこれ以上なく淫らに霧島を煽った。抽挿入するたびに響くいやらしい水音も二人を追い上げる。
お蔭でいつしか京哉も積極的に霧島を咥え込んでいた。力強い霧島の腰のスライドに合わせ京哉の細い腰が前後する。
「いっぱい、いっぱいして……入れて、中で出して。僕、何でもしますから」
「京哉お前……本当に壊してしまうぞ?」
透明な微笑みを浮かべて頷かれ、今度こそ本気で霧島の理性は砕け散った。
普段は届かない処にまで届かせ先端を擦りつけ、京哉の身を返させて叩き込むように挿入した。ありとあらゆる姿態を取らせては存分に攻め抜き、更に自由を奪っては堪らない想いをありったけ注ぎ込んだ。
一切の霧島の行為を京哉は拒否せず受け入れ、快感に甘く高く鳴き続けた。
ベッドが軋み、二人の熱で室温さえも上がったかのように思われた。
何ひとつガードできない非常に羞恥を煽る淫らな格好に京哉を縛めたまま、霧島は飽かず京哉を幾度もいかせる。己も自由を奪った白い躰の中に熱く濃く迸らせた。
それでも霧島はどうしても京哉との行為を止められない。
この自分のような体力が華奢な京哉にある訳などないのに、あとのことなど今は何も考えられなかった。ただひたすら京哉に思いつく限りの姿態を取らせては浅く攻めて乞わせ、深く抉っては悲鳴を上げさせる。
そうして霧島は京哉にのしかかるように攻めながら息が上がるほどのキスを奪い、肌を擦り合わせながら激しく腰を蠢かした。攻めながら京哉の湿った前髪を掻き上げる。その額の白さを目に映した瞬間、全ての感情が灼きつく勢いで達した。
強烈すぎる快感で頭の芯が白熱し蒸発したかと思ったほどだった。全身で息をしながら霧島が見ると、京哉から未だ抜いていない状態なのに大量のまだ熱い欲望がが溢れ出ている。我ながら今放ったのは半端でない量だったらしい。
そのお蔭なのか人間らしい思考力もやや取り戻せたような気がしていた。
そこでやっと気付く。ベッドで京哉は全身を汚して細い首を傾がせていた。
「おい、京哉……京哉!」
焦って霧島はバイタルサインを看る。何もかも少し速かったが正常範囲内で、どうやら気を失っただけのようだった。ベッドから滑り降りた霧島は洗面所のタオルを湯で絞っては京哉の躰を丁寧に拭き始める。
愛しくて堪らないのに、この世で一番大切なのに、何度後悔しても同じことを繰り返してしまう自分がまるで掴めなかった。
自販機で買ってきたスポーツ飲料を飲みながら、ベッドの下段に京哉は腰掛ける。
「小型機を爆破したくらいだから、ニコルは爆発物に詳しいんでしょうね?」
「是非とも引き入れたい人物だな」
「でもイーサンも気になること言ってました、『彼らには彼らの理由がある』って」
「『しっかりアルペンハイムを見てこい』か。いったい何があるんだろうな?」
「まあ、明日には分かりますし。補給からは僕らとニコルですから」
「今日のメンバーが集まるのか。京哉お前、酔ったか?」
「ちょっとだけ、ふわふわします。顔、赤いですよね」
左隣に座った霧島の肩に京哉は凭れ掛かった。
「もう寝てしまうか?」
返事を待たずに霧島は京哉の頭を抱き込むとキスを奪う。ついばむように唇の柔らかさを確かめ、次には捩るような勢いで深く口づけた。侵入した霧島の舌は京哉の熱い舌を捉え絡ませて唾液をすくい取る。そして舌先に痛みが走るくらい吸い上げた。
「んんっ……ん、んんぅ……はぁん」
京哉が目を開けると灰色の目が二十センチほどの超至近で覗き込んでいる。
「欲しいんですか?」
「だめ、か?」
「発情期続行中なんですね。いいですよ、して」
立ち上がると二人は衣服を脱いだ。脱いでいる間も京哉は霧島の視線を感じ続け、まだ触れられてもいないのに、肌が慣れた感触を期待し鼓動と呼吸が速くなる。
全てを脱ぎ捨てると、霧島は京哉のしなやかな背のラインを指先で撫でた。白く華奢な躰がわなないて霧島に抱きつく。京哉の指は引き締まった腹から逞しい胸を辿った。
そうして京哉が離れると霧島は立ち上がって切れ長の目で見下ろす。京哉はきめ細かな白い肌に赤く花が咲いたように胸を凝らせていて蠱惑的だった。
「京哉……綺麗だな、お前」
僅かに目を眇めて呟くなり、霧島は立ったまま細い躰を抱き竦める。薄い肩口に顔を埋め、華奢な鎖骨から首筋に熱い舌を濃厚に這わせた。
強く吸い上げられて京哉は身を震わせる。衣服を身に着けてやっと隠せるギリギリの処にまで証しを刻まれ、悦びに酔った。
「あっ、ふぅん……忍さん、僕に、僕にさせて下さい」
腕の縛めから逃れて京哉は床に直接跪く。片手を霧島の腰に回し、片手は成長しかけたものをそっと掴んだ。口を寄せ音を立てて霧島の溢れさせた蜜を舐める。
「くっ、京哉……あっ、く!」
敏感な部分に舌を這わされ、きつく舐め擦られて霧島は快感に腰を反らした。次には先端に尖らせた舌を差し込まれ抉るように蜜を舐められて、霧島の思考は一瞬で真っ白になる。
荒い息の合間に自分があられもない喘ぎを洩らしてしまっているのにも気付かない。京哉以外の世界の全てが遠ざかったように感じていた。
「はあっ、あっふ……っく!」
あっという間に張り詰めたものに舌を巻きつけられ、温かく柔らかい口の中に咥え込まれる。きつく挟んだ唇と温かな口内で包み込まれ、巧みに前後され扱かれると腰を突き上げたくて堪らなくなった。
霧島は京哉の肩に手を掛けて堪えたが、痛みにも似た快感に襲われ、いつしか浅く腰を上下させてしまっている。
それで霧島は思考が真っ白になり浅く腰を前後させるだけでなく、京哉の口内を掻き回し始めてしまう。プライドの高い京哉がこの自分にしか許さない行為を全てし尽くし、己のものだと確かめたい気分でいっぱいだった。
両手を薄い肩にかけているので京哉は逃れられない。逃れはしないという絶対的確信を持って口内を嬲り、柔らかな舌や頬の内側に擦りつける。跪かせ、嬲った。
「京哉、そこだ、もっと……強く舐めてくれ、あうっ!」
「んんっ……っん、ここ、ですね……んんぅ!」
煌々と灯った蛍光灯が隠れなく照らし出した中、愛し人のものを咥えてしゃぶるという行為が京哉自身にも疼きを溜めさせていた。
いつになく欲望に素直に腰を蠢かし激しい喘ぎを洩らす霧島が愛しい。
苦しいくらいに大きく膨れ上がったものを京哉は自ら喉を突かんばかりに擦り立てる。暴発寸前の霧島で口いっぱいに塞がれた。
「っく……だめだ、いく、出す、あっ……あうっ!」
さすがに達する時は京哉の口から抜こうと思っていたが、京哉は許さず霧島は間に合わずで、京哉の喉に向けて欲望を解放してしまう。
霧島自身予測していたが幾度も脈打たせ放った熱は驚くほど大量だった。霧島が落ち着くのを待って京哉は全てを嚥下する。
扱いて滲んだものまで舐め取った京哉に霧島は肩で息をしながら言った。
「そんなものは吐き出していいんだぞ?」
「いいんです、僕が欲しかったんですから。でも、まだこんなにしてる」
放ってなお治まる気配がないどころか霧島は放つ前より熱く滾らせていた。そんな霧島を再び扱いて京哉は蜜を舐め始める。
愛しい男を味わう京哉も既に躰の中心を熱く硬くさせ糸を引くほどに蜜を零していた。霧島は細い腕を掴んで京哉を立たせる。白く華奢な身を余さず晒して立つ京哉は綺麗すぎて当然ながら堕としたくなった。
立たせたまま霧島は互いのものを扱いて零している蜜を右手指に絡める。薄い背を抱き寄せて背後から指で探った。中指を体内に咥え込ませる。挿れて僅かに捩りながら奥まで届かせた。感じると京哉は指先での刺激だけで濡れる。
そうして濡らしながら長い指の根元で緩め馴らしてゆく。徐々に指を増やした。数指を咥え込ませたまま捩る。一切の駆け引きなしの激しい指の蠢きに高く喘いだ。
「んんぅ、あっ、あっ……忍さん、ああんっ!」
「思い切り気持ち良くしてやるからな」
耳元で低く囁くと霧島の指は締めつけられる。今度は宥めるようにゆったり掻き回して長い指を二本、根元まで押し込む。傷つけないよう慎重に指先で内襞を擦り上げた。二本で交互に擦っては掻いて抉る。中は既に濡れそぼって滑りがいい。
「あっ、はぅんっ……いや、あ……あぅん!」
霧島の背に回された京哉の指が爪を立てた。言葉では拒否しても躰は淫らに反応して、細い腰がうねる。象牙色の肌に頭を押し付け、逞しい胸に縋るようにして京哉はやっと立っている状態だ。
あまりに強い快感を恐れるように震える白い躰が愛しく、霧島は京哉を抱く腕に力を込める。だが甘い声で高く鳴かれて、またも霧島は疼きを溜めつつあった。
「んっ、忍さん、や、あん……あぅん、そんなっ!」
受け入れさせた数指をバラバラに蠢かせて嬲ると、京哉の洩らす喘ぎが更にトーンを上げる。零れた涙が霧島の胸を濡らした。挿入した指が溶かされそうに中が熱い。
充分にほぐれてぬるんだ音を立て出すと、霧島は全ての指を引き抜いた。京哉の澄んだ黒い瞳を見つめて涙を舐め取る。情欲を溜めた灰色の目に京哉は無言で頷いた。
促されて京哉はゆっくりとベッドの下段に横になる。霧島は膝立ちになって京哉の脚の間に割って入った。既に快感に溺れた目をした京哉に酷くそそられる。
一秒も待てない想いで露わにさせたそこに滾ったものをあてがった。
「京哉、覚悟してくれ。いくぞ」
「はい……あ、忍さん……すごいよ、あぅんっ!」
充分に馴らした筈だったが狭いそこはきつく、僅かに挿れただけで京哉は酷く苦しげな様子で心配になる。普段でも危ういのに今日の霧島は確かに自分でもどうかと思うほどだ。
それでも締めつけられ、もたらされた快感に耐えがたくなった霧島は思わず引き裂くように熱い楔の残りを突き入れてしまう。京哉は悲鳴じみた声を上げた。
「はあん、あああっ! や、あん……きつい、忍さん、忍さんっ!」
泣かせたくない、ましてや傷つけたくないと心の底から霧島は思い、それは決して嘘ではなかったが、オスたる霧島は自分を止めることができなかった。
「くうっ……すまん、京哉! あふっ、気持ち、いいぞ! 最高だ!」
「ああんっ、忍さん……すごい、激しい! はぁんっ!」
苦しさと紙一重の快感に瞑ることすらできなくなった京哉の目尻から涙が溢れる。それを目に映しながら霧島は腰が蕩けるような快感に溺れ、妖艶なまでに美しい躰を容赦なく揺らし突き上げ貫いて攻め立てた。
「すごくいい……堪らない! 京哉、私の京哉!」
「はぅんっ! 忍さん、すごく擦れる……いい、そこ!」
瞠った目に再び潤みが溜まり、突き上げられ、揺らされて、堰を切って零れた。幾度も幾度も激しく貫く霧島も、いつにも増して成長したものを受け入れる京哉も、とっくに思考は白く灼けている。本当に蕩けて溶け混じってしまうような思いを二人は味わった。
最初こそ痛みを感じたが今は全てを擦られて快感で狂いそうだ。
もう京哉はひたすら霧島の激情を受け止めるだけとなる。そんな京哉はこのあとも愛しい男が望む行為の全てを受け入れると決めていた。受け入れる側とはいえ京哉も男である。霧島の全部を受け止めて征服する気なのだ。
「忍さん、好きなだけ僕に……あぅんっ! もっと、もっとして!」
「だめだ、京哉……そんな顔で煽ったら、私はまたお前を――」
「壊していいから! ああんっ、目茶苦茶に掻き回して! 僕を貴方の好きに!」
「頼むから煽るな……くっ!」
更に速く激しく霧島は京哉を貫き掻き混ぜた。もう本当に我慢は限界だった。滾ったものを半ば以上引き抜いては根元まで突き入れる。普段は届かせない京哉の深くまでこじ開けた。夢中でのめり込む霧島に京哉が訴える。
「あっ、はあっ……忍さん、もう、だめ、いきそう」
「私も……京哉、一緒にいくぞ!」
手を伸ばした霧島は京哉の熱いものを掴む。激しい抽挿入に合わせて強く扱いた。
「ああん、忍さん……いく、いっちゃう……はぅんっ!」
「京哉、くっ……あうっ!」
思い切り突き入れて霧島は解き放つ。二度目とは思えないほど溢れさせた。京哉も体内をずぶ濡れにされながら霧島の手の中にビクビクと迸らせる。
だがぐったりとベッドに沈み込んだ京哉の身を返させて、霧島は未だ萎えを知らず太いままのものを捩じ込んだ。そうして京哉の腰を掴むと背後から攻め始める。
「ああんっ、それ、忍さん、気持ちいい、おかしくなりそう!」
「そんなに、いいか。私も、すまん……あまりに良すぎて、止められない!」
「止めないで、貴方の好きなだけ……はぁんっ、あぅんっ!」
細く白い躰を太すぎるもので貫き、引き出す際に二人の欲望の混じったものが掻き出し溢れさせる光景は、己の行為ながらこれ以上なく淫らに霧島を煽った。抽挿入するたびに響くいやらしい水音も二人を追い上げる。
お蔭でいつしか京哉も積極的に霧島を咥え込んでいた。力強い霧島の腰のスライドに合わせ京哉の細い腰が前後する。
「いっぱい、いっぱいして……入れて、中で出して。僕、何でもしますから」
「京哉お前……本当に壊してしまうぞ?」
透明な微笑みを浮かべて頷かれ、今度こそ本気で霧島の理性は砕け散った。
普段は届かない処にまで届かせ先端を擦りつけ、京哉の身を返させて叩き込むように挿入した。ありとあらゆる姿態を取らせては存分に攻め抜き、更に自由を奪っては堪らない想いをありったけ注ぎ込んだ。
一切の霧島の行為を京哉は拒否せず受け入れ、快感に甘く高く鳴き続けた。
ベッドが軋み、二人の熱で室温さえも上がったかのように思われた。
何ひとつガードできない非常に羞恥を煽る淫らな格好に京哉を縛めたまま、霧島は飽かず京哉を幾度もいかせる。己も自由を奪った白い躰の中に熱く濃く迸らせた。
それでも霧島はどうしても京哉との行為を止められない。
この自分のような体力が華奢な京哉にある訳などないのに、あとのことなど今は何も考えられなかった。ただひたすら京哉に思いつく限りの姿態を取らせては浅く攻めて乞わせ、深く抉っては悲鳴を上げさせる。
そうして霧島は京哉にのしかかるように攻めながら息が上がるほどのキスを奪い、肌を擦り合わせながら激しく腰を蠢かした。攻めながら京哉の湿った前髪を掻き上げる。その額の白さを目に映した瞬間、全ての感情が灼きつく勢いで達した。
強烈すぎる快感で頭の芯が白熱し蒸発したかと思ったほどだった。全身で息をしながら霧島が見ると、京哉から未だ抜いていない状態なのに大量のまだ熱い欲望がが溢れ出ている。我ながら今放ったのは半端でない量だったらしい。
そのお蔭なのか人間らしい思考力もやや取り戻せたような気がしていた。
そこでやっと気付く。ベッドで京哉は全身を汚して細い首を傾がせていた。
「おい、京哉……京哉!」
焦って霧島はバイタルサインを看る。何もかも少し速かったが正常範囲内で、どうやら気を失っただけのようだった。ベッドから滑り降りた霧島は洗面所のタオルを湯で絞っては京哉の躰を丁寧に拭き始める。
愛しくて堪らないのに、この世で一番大切なのに、何度後悔しても同じことを繰り返してしまう自分がまるで掴めなかった。
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連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
灰かぶりの姉
吉野 那生
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