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第25話
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ロックをして二人きりになるとハイファはベッドにシドを座らせ、ものも言わずに対衝撃ジャケットを脱がせ始める。綿のシャツのボタンをプチプチ外した。
「ちょ、ハイファ、お前そんなに……いいのか?」
「勘違いしないで。お腹と胸と腕、撃たれたじゃない。ちゃんと見せて」
「……」
抵抗するヒマもなく上衣を引き剥がされ、シドは上半身に這うハイファの優しい手にゆったりと理性を掻き回される。
「なあ、ハイファ」
「何? 今は何処もあざになってないみたいだね。痛くない?」
「痛いくらいになっちまった……なあ、ハイファ。ヤラせろよ」
「それならまだ隣にお医者さんが……えっ、ナニ?」
あまりにストレートに言われ、一瞬ハイファは耳を疑った。
「なっ……さっきあんなにしたじゃない!」
「さっきはさっきだ。ハイファ――」
◇◇◇◇
撃たれたショックでディナーもキャンセルしたキースだったが、翌日の昼食時には軍服を着たガード二人を引き連れてレストランに現れた。
ナイフが使えないシドの分の肉料理をハイファが切り分けていると、キースはするりと二人の向かいに腰掛ける。すぐにキースの料理も運ばれてきた。
「昨日は助かった。礼を言う」
「顔色はいいみたいだけど、もう大丈夫なの?」
「医師が五月蠅くて寝ていただけだ。だから――」
「こちらは了解、あとでハイファに発振してくれ。それよりあんたは食え」
ガードという名の監視の前で計画は洩らせない。ここは体力でもつけるしかなかった。
「ハイファス、僕のこれも切って貰えると嬉しい」
「あ、もしかして痛覚ブロックテープで痺れてるの?」
「大したことはないが、少し不器用になっている」
「いいよ、貸して」
ファサルートコーポレーションの後継者としてマナー全般を叩き込まれ、生みの母はセフェロ星系の王族だったというハイファは、ナイフとフォークの扱いも優雅である。
三人は子羊のように大人しく食事を進め、エスケープして暗殺などとはおくびにも出さずにレストランを出て、それぞれの部屋に戻った。
ソファに腰掛けシドが煙草を吸っていると、早速ハイファに発振が入る。
「何だって?」
「『十四時、ジェラルドの店』だって」
「ふうん、あそこか。目的のキプルの街は七千五百キロも離れてるんだっけか?」
「そうだね。三、四時間は掛かるんじゃないかな?」
「何処かでBEL借りて……地図は?」
「ん、これ。一本裏の通りに個人BELレンタル会社があるよ」
「そいつを狙ってるのかもな」
十三時過ぎまでのんびりと過ごし、十三時二十五分に二人は部屋を出た。外に出ると仮宮の監視人が増えていた。スーツ姿の数名以外にも小銃を担いだ迷彩服が四名、行きつ戻りつしている。彼らもキースに逃げられるのだと思うとハイファは少々気の毒になった。
ジェラルドの店がある右方向へと歩き出すと行き交う人々が振り向いてゆく。目立つのは仕方ない、ハイファは巨大なアンチ・マテリアル・ライフルを背負っている。
刑事稼業で鍛えた足は計算通り、約束の十五分前にジェラルドの店に辿り着いた。二人を見て微笑んだジェラルドはテラス席に案内してくれた。
お勧めのクッキーと共にコーヒーを味わいながら待つこと十五分、時間ピッタリにシドとハイファの目前の空間を揺らめかせてキースが現れた。
水色のドレスシャツに黒のタイトなスーツ、黒のナロータイを締めた上に偽装のつもりか黒のロングコートを羽織っている。姿を認めて二人は立ち上がった。
「キース、BELは?」
「裏のBELレンタル会社だ、急いでくれ、追っ手が掛かる!」
慌ててハイファはミラッドラインを担ぎ上げた。ジェラルドにはキースが手を挙げただけでパス、三人は人を縫って通りを走り出す。シドもハイファも地図は頭に叩き込んであった。迷わずビルの間の小径を駆け抜け裏通りに出る。
「俺たちに王の誘拐容疑が掛かるんじゃねぇだろうな?」
「無事に戻った暁には、ちゃんと撤回させる!」
「って、もう掛かってるの!?」
「悪いがBELも君たちの名で借りてくれると有難い!」
「ホントにあんたは独りで行く気があったのかよっ!」
「あっ、そこのビルだよ!」
見上げた雑居ビルは二十階建てくらいで、中腹辺りに天井を高く取った階がありBELの尾翼が覗いていた。屋上にBELを駐めないのは爆撃対策だろう。
エントランスのリモータチェッカをクリア、エレベーターに三人は駆け込む。貼られていた電子案内板を見てハイファが十二階のボタンを押した。息も整わぬうちに到着し、オートドアが開くと目の前が個人BELレンタル会社だった。
BELは結局ハイファが借りた。まさか敵支配地域のキプルに行くとも言えず、停戦が崩れかけた状況中にドライ――乗員なしの機体のみ――で借り受けるのも少々の交渉が必要だったのだ。テラ連邦軍でのBEL操縦資格・通称ウィングマークを見せ、保険料をしこたま払って、ようやく小型BELを借りられた。
レンタル会社の社員はハイファが背負った巨大銃に目を奪われ、シドの隻腕と腰のレールガンが気になり、後ろを向いたままの小柄な男の鋼色の長髪に大変な興味を示していたが、幸い商売を優先することに決めたらしかった。
キィロックコードを全員がリモータに受け、BEL駐機場に向かった。
「Bの三番機、これだね」
いつもはパイロット席に座るシドだが、今日はキースに譲って後部座席に収まる。パイロット席同様に操縦機能がついているコ・パイロット席にハイファが座った。
反重力装置を起動させて機器を素早くチェック、ハイファが手動操縦でテイクオフさせる。駐機場から飛び立った小型BELは早々に高度を取った。ここで身内に捕まっては敵わない。
間違っても高射砲に撃ち墜とされぬよう高々度でキプル宙港を座標指定すると、ハイファは緊張を解いた。あとは放って置いても目的地に着く。
「キプル宙港には十七時三十五分に到着予定だよ」
「そういや今日は夕方からゆっくりと日が暮れるんだっけな」
「夜の日の始まりって訳だね。ところでキース、テレポートまでして躰は大丈夫?」
「平気だ。長命系星人の細胞賦活能力は高い」
「それで生き延びてきたってか?」
「まあな。けれどシドは昨日、撃たれたんじゃなかったのか?」
対衝撃ジャケットの効用を聞いてキースは納得し、まじまじとシールドファイバを眺めた挙げ句に右手のリングに目を留める。
「二人とも同じ指輪を嵌めているな。それはどういう意味なんだ?」
「えっ、知らなかったの?」
最初からダブルの部屋を与えられたのは、てっきりペアリングを見てのことだと思い込んでいたのだ。テラ本星の慣習と二人の関係をハイファは懇切丁寧に説明する。
「そうか。『一生、どんなものでも一緒に見ていく』とは羨ましいものだな」
「キースはそういう人に、まだ出会えていないんだ?」
「僕の躰は僕のものであって僕のものではない。おまけに誰もが先に老いてゆく」
「ああ、長命だもんね。でもこれから出会うのって愉しみじゃない?」
「そんなパートナーが僕にも現れるのだろうか?」
「いつか、きっとね」
王族同士の暢気な会話をシドは火を点けない煙草を咥えて聞いていた。
「あっ、そう言えばキース、髪と目を染めるんじゃなかったっけ?」
「そうだった。ドラッグストアでこれを貰ってきたのだが、事足りるだろうか?」
脱いでいたロングコートのポケットから二人にも見覚えがある箱をふたつキースは取り出した。ひとつはヘアマニキュアで、もうひとつは目薬状のカラーコンタクトだ。
「大きい箱の方、貸して。染めてあげる」
受け取った箱を開封し、ハイファは中の二剤を混ぜてシャカシャカと振った。パイロット席に座ったキースは素直に鋼色の頭を低くする。液剤を垂らした部分からじわじわと染まっていく。肌や衣服に付着しても染まらない優れもので効果は約五十時間と説明書にあった。
腰までの長髪は五分後にはハイファによく似た明るい金髪になっていた。
目薬のカラーコンタクトを試用すると青い目が薄いグリーンになる。
「これだけ長いと目を惹いちゃうから縛っていいかな?」
「お願いする」
ハイファはかつて自分が使っていた革紐をポケットから取り出しキースの髪をまとめてうなじで縛った。金のしっぽをこさえ、二人して後席のシドを振り返る。
「ねえシド、これでどうかな?」
「似合っているだろうか?」
「うわ、お前ら姉妹……いや、兄弟みたいだぞ」
このツインズは余計に目立つんじゃないだろうかとシドは思ったが、努力をぶち壊す発言は避けた。面の割れている元の髪と目でいる訳にはいかないのだ、仕方ない。
「目薬はせいぜい三時間しか保たないからね、僕らも気を付けるけど」
「承知した、僕も気を付けよう」
鷹揚に頷いてキースはシートに腰を下ろした。
「ちょ、ハイファ、お前そんなに……いいのか?」
「勘違いしないで。お腹と胸と腕、撃たれたじゃない。ちゃんと見せて」
「……」
抵抗するヒマもなく上衣を引き剥がされ、シドは上半身に這うハイファの優しい手にゆったりと理性を掻き回される。
「なあ、ハイファ」
「何? 今は何処もあざになってないみたいだね。痛くない?」
「痛いくらいになっちまった……なあ、ハイファ。ヤラせろよ」
「それならまだ隣にお医者さんが……えっ、ナニ?」
あまりにストレートに言われ、一瞬ハイファは耳を疑った。
「なっ……さっきあんなにしたじゃない!」
「さっきはさっきだ。ハイファ――」
◇◇◇◇
撃たれたショックでディナーもキャンセルしたキースだったが、翌日の昼食時には軍服を着たガード二人を引き連れてレストランに現れた。
ナイフが使えないシドの分の肉料理をハイファが切り分けていると、キースはするりと二人の向かいに腰掛ける。すぐにキースの料理も運ばれてきた。
「昨日は助かった。礼を言う」
「顔色はいいみたいだけど、もう大丈夫なの?」
「医師が五月蠅くて寝ていただけだ。だから――」
「こちらは了解、あとでハイファに発振してくれ。それよりあんたは食え」
ガードという名の監視の前で計画は洩らせない。ここは体力でもつけるしかなかった。
「ハイファス、僕のこれも切って貰えると嬉しい」
「あ、もしかして痛覚ブロックテープで痺れてるの?」
「大したことはないが、少し不器用になっている」
「いいよ、貸して」
ファサルートコーポレーションの後継者としてマナー全般を叩き込まれ、生みの母はセフェロ星系の王族だったというハイファは、ナイフとフォークの扱いも優雅である。
三人は子羊のように大人しく食事を進め、エスケープして暗殺などとはおくびにも出さずにレストランを出て、それぞれの部屋に戻った。
ソファに腰掛けシドが煙草を吸っていると、早速ハイファに発振が入る。
「何だって?」
「『十四時、ジェラルドの店』だって」
「ふうん、あそこか。目的のキプルの街は七千五百キロも離れてるんだっけか?」
「そうだね。三、四時間は掛かるんじゃないかな?」
「何処かでBEL借りて……地図は?」
「ん、これ。一本裏の通りに個人BELレンタル会社があるよ」
「そいつを狙ってるのかもな」
十三時過ぎまでのんびりと過ごし、十三時二十五分に二人は部屋を出た。外に出ると仮宮の監視人が増えていた。スーツ姿の数名以外にも小銃を担いだ迷彩服が四名、行きつ戻りつしている。彼らもキースに逃げられるのだと思うとハイファは少々気の毒になった。
ジェラルドの店がある右方向へと歩き出すと行き交う人々が振り向いてゆく。目立つのは仕方ない、ハイファは巨大なアンチ・マテリアル・ライフルを背負っている。
刑事稼業で鍛えた足は計算通り、約束の十五分前にジェラルドの店に辿り着いた。二人を見て微笑んだジェラルドはテラス席に案内してくれた。
お勧めのクッキーと共にコーヒーを味わいながら待つこと十五分、時間ピッタリにシドとハイファの目前の空間を揺らめかせてキースが現れた。
水色のドレスシャツに黒のタイトなスーツ、黒のナロータイを締めた上に偽装のつもりか黒のロングコートを羽織っている。姿を認めて二人は立ち上がった。
「キース、BELは?」
「裏のBELレンタル会社だ、急いでくれ、追っ手が掛かる!」
慌ててハイファはミラッドラインを担ぎ上げた。ジェラルドにはキースが手を挙げただけでパス、三人は人を縫って通りを走り出す。シドもハイファも地図は頭に叩き込んであった。迷わずビルの間の小径を駆け抜け裏通りに出る。
「俺たちに王の誘拐容疑が掛かるんじゃねぇだろうな?」
「無事に戻った暁には、ちゃんと撤回させる!」
「って、もう掛かってるの!?」
「悪いがBELも君たちの名で借りてくれると有難い!」
「ホントにあんたは独りで行く気があったのかよっ!」
「あっ、そこのビルだよ!」
見上げた雑居ビルは二十階建てくらいで、中腹辺りに天井を高く取った階がありBELの尾翼が覗いていた。屋上にBELを駐めないのは爆撃対策だろう。
エントランスのリモータチェッカをクリア、エレベーターに三人は駆け込む。貼られていた電子案内板を見てハイファが十二階のボタンを押した。息も整わぬうちに到着し、オートドアが開くと目の前が個人BELレンタル会社だった。
BELは結局ハイファが借りた。まさか敵支配地域のキプルに行くとも言えず、停戦が崩れかけた状況中にドライ――乗員なしの機体のみ――で借り受けるのも少々の交渉が必要だったのだ。テラ連邦軍でのBEL操縦資格・通称ウィングマークを見せ、保険料をしこたま払って、ようやく小型BELを借りられた。
レンタル会社の社員はハイファが背負った巨大銃に目を奪われ、シドの隻腕と腰のレールガンが気になり、後ろを向いたままの小柄な男の鋼色の長髪に大変な興味を示していたが、幸い商売を優先することに決めたらしかった。
キィロックコードを全員がリモータに受け、BEL駐機場に向かった。
「Bの三番機、これだね」
いつもはパイロット席に座るシドだが、今日はキースに譲って後部座席に収まる。パイロット席同様に操縦機能がついているコ・パイロット席にハイファが座った。
反重力装置を起動させて機器を素早くチェック、ハイファが手動操縦でテイクオフさせる。駐機場から飛び立った小型BELは早々に高度を取った。ここで身内に捕まっては敵わない。
間違っても高射砲に撃ち墜とされぬよう高々度でキプル宙港を座標指定すると、ハイファは緊張を解いた。あとは放って置いても目的地に着く。
「キプル宙港には十七時三十五分に到着予定だよ」
「そういや今日は夕方からゆっくりと日が暮れるんだっけな」
「夜の日の始まりって訳だね。ところでキース、テレポートまでして躰は大丈夫?」
「平気だ。長命系星人の細胞賦活能力は高い」
「それで生き延びてきたってか?」
「まあな。けれどシドは昨日、撃たれたんじゃなかったのか?」
対衝撃ジャケットの効用を聞いてキースは納得し、まじまじとシールドファイバを眺めた挙げ句に右手のリングに目を留める。
「二人とも同じ指輪を嵌めているな。それはどういう意味なんだ?」
「えっ、知らなかったの?」
最初からダブルの部屋を与えられたのは、てっきりペアリングを見てのことだと思い込んでいたのだ。テラ本星の慣習と二人の関係をハイファは懇切丁寧に説明する。
「そうか。『一生、どんなものでも一緒に見ていく』とは羨ましいものだな」
「キースはそういう人に、まだ出会えていないんだ?」
「僕の躰は僕のものであって僕のものではない。おまけに誰もが先に老いてゆく」
「ああ、長命だもんね。でもこれから出会うのって愉しみじゃない?」
「そんなパートナーが僕にも現れるのだろうか?」
「いつか、きっとね」
王族同士の暢気な会話をシドは火を点けない煙草を咥えて聞いていた。
「あっ、そう言えばキース、髪と目を染めるんじゃなかったっけ?」
「そうだった。ドラッグストアでこれを貰ってきたのだが、事足りるだろうか?」
脱いでいたロングコートのポケットから二人にも見覚えがある箱をふたつキースは取り出した。ひとつはヘアマニキュアで、もうひとつは目薬状のカラーコンタクトだ。
「大きい箱の方、貸して。染めてあげる」
受け取った箱を開封し、ハイファは中の二剤を混ぜてシャカシャカと振った。パイロット席に座ったキースは素直に鋼色の頭を低くする。液剤を垂らした部分からじわじわと染まっていく。肌や衣服に付着しても染まらない優れもので効果は約五十時間と説明書にあった。
腰までの長髪は五分後にはハイファによく似た明るい金髪になっていた。
目薬のカラーコンタクトを試用すると青い目が薄いグリーンになる。
「これだけ長いと目を惹いちゃうから縛っていいかな?」
「お願いする」
ハイファはかつて自分が使っていた革紐をポケットから取り出しキースの髪をまとめてうなじで縛った。金のしっぽをこさえ、二人して後席のシドを振り返る。
「ねえシド、これでどうかな?」
「似合っているだろうか?」
「うわ、お前ら姉妹……いや、兄弟みたいだぞ」
このツインズは余計に目立つんじゃないだろうかとシドは思ったが、努力をぶち壊す発言は避けた。面の割れている元の髪と目でいる訳にはいかないのだ、仕方ない。
「目薬はせいぜい三時間しか保たないからね、僕らも気を付けるけど」
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